■要約
フェローテックの主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)、磁性流体、サーモモジュール、及びパワー半導体基板など、多岐にわたる製品、装置、部品、素材等の製造・販売である。それにとどまらず、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに、各種部品等の洗浄及び受託加工・組立サービスなどの事業も幅広く展開している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高が前期比5.3%増の288,933百万円、営業利益が同14.4%増の27,561百万円、経常利益が同2.0%増の26,063百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%減の14,886百万円となった。主力の半導体等装置関連事業は、主要顧客からの需要増に支えられて増収増益となった。電子デバイス事業も光トランシーバ向けサーモモジュールが堅調に推移したことで増収増益となったが、車載関連事業はEV向け等のパワー半導体基板及びサーモモジュールが低迷し、微減収及び減益となった。セグメント別の売上高は、半導体等装置関連事業が同12.0%増、電子デバイス事業が同14.1%増、車載関連事業が同4.0%減、その他事業が同39.8%減となった。利益面においては、営業外費用で支払利息の増加や為替差損の計上があったことから、経常利益は同2.0%増に止まった。また、法人税等が増加したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となった。なお、設備投資額は54,598百万円(同51,776百万円)、減価償却費は27,426百万円(同23,672百万円)となり、ともに高水準が続いた。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の業績は、売上高350,000百万円(2026年3月期比21.1%増)、営業利益38,000百万円(同37.9%増)、経常利益36,000百万円(同38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23,000百万円(同54.5%増)を見込んでいる。生成AIやデータセンター向け需要を中心に世界的に半導体市場が活況を呈している状況で、主力の半導体等装置関連事業の売上高は同20.0%増を見込んでいる。さらにAI関連向けサーモモジュールがけん引して電子デバイス事業も同28.4%増を予想する。車載関連事業は、EV向け需要の回復に伴いパワー半導体基板やセンサが増加することから同23.6%増を予想している。その他事業も底打ちの兆候が見られることから同4.4%増を見込んでいる。その結果、増収により高水準の減価償却費を吸収する見込みであり、営業利益は大幅な増益予想となっている。設備投資額は65,000百万円(同19.1%増)、減価償却費は32,171百万円(同27.6%増)と増加を見込んでいる。
なお、同社は2026年12月期より決算期を3月から12月に変更した。連結子会社は従来どおり12ヶ月決算(1~12月)のため、同社単体が9ヶ月決算(4~12月)となることによる連結業績への影響は限定的である。
3. 中期経営計画
同社は2028年12月期を最終年度とする中期経営計画を既に発表しているが、終了した2026年3月期の業績を踏まえ、この計画をロールオーバーして修正した。新たな定量的な最終目標には、2028年12月期における売上高450,000百万円、営業利益57,000百万円、営業利益率12.7%、及びROE11.0%などが掲げられている。また、この期間における設備投資総額の累計は1,600億円を計画している。引き続き成長ドライバーとして、石英製品、セラミックス、及びシリコンパーツ等の半導体マテリアル、装置部品洗浄、石英坩堝、及び再生ウエーハ等の半導体サービス、金属加工及び蒸着装置等の半導体金属・装置、並びにサーモモジュール及びパワー半導体基板等の電子デバイスを挙げており、この方針に変更はない。非常に高い目標とも言えるが、足元の業績は好調に推移しており、同社は基本的な戦略を粛々と進めて目標達成を目指す構えである。
■Key Points
・シリコンやセラミックス等の無機系製品の大手メーカー。主に半導体業界向けの製品を展開
・好調な半導体業界を背景に2026年12月期は前期比37.9%の営業増益予想
・中期経営計画をロールオーバーし、2028年12月期に営業利益57,000百万円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)