■今後の見通し
1. 2026年12月期の業績見通し
フェローテックは2026年12月期より決算期を3月から12月に変更した。連結子会社は従来どおり12ヶ月決算(1~12月)のため、同社単体が9ヶ月決算(4~12月)となることによる連結業績への影響は限定的である。
2026年12月期の業績は、売上高350,000百万円(2026年3月期比21.1%増)、営業利益38,000百万円(同37.9%増)、経常利益36,000百万円(同38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23,000百万円(同54.5%増)を見込んでいる。
生成AIやデータセンター向け需要を中心に世界的に半導体市場が活況を呈している状況で、主力の半導体等装置関連事業の売上高は同20.0%増を見込んでいる。また、AI関連向けサーモモジュールがけん引して電子デバイス事業も同28.4%増の予想。車載関連事業は、EV向けの回復を見込みパワー半導体基板やセンサが増加することから同23.6%増を予想している。その他も底打ちが見られることから4.4%増を見込んでいる。
その結果、増収により高水準の減価償却費を吸収する見込みであり、営業利益は大幅な増益予想となっている。設備投資額は65,000百万円(2026年3月期比19.1%増)、減価償却費は32,172百万円(同17.3%増)と増加を見込んでいる。
2. サブセグメント別見通し
主要なサブセグメント別売上高の予想は以下のとおりである。
(1) 真空シール・金属加工、ウエーハ加工、再生ウエーハ
半導体製造装置向け金属加工、装置組み立てが増加見通しであることから、真空シール・金属加工の売上高は68,307百万円(2026年3月期比38.8%増)と予想している。
ウエーハ加工は縮小傾向にあるため、売上高はゼロとなる予想である。一方で、再生ウエーハは2026年7月以降は非連結化し、連結売上を計上しない予定であることからこの期の売上高は2,943百万円(2026年3月期比39.7%減)と予想している。半期分の売上計上となる。
(2) 半導体マテリアル、装置部品洗浄、石英坩堝
石英製品の売上高は半導体製造に連動する消耗材であり、顧客在庫の影響を受けるが今期は38,912百万円(2026年3月期比13.2%増)を予想。シリコンパーツも装置メーカーからの引き合いが増加しており売上高は17,198百万円(同28.7%増)を見込む。
セラミックスは、半導体製造装置の生産に連動することから売上高は49,036百万円(同20.6%増)を見込む。CVD-SiCの売上高は、需要が弱含みであることに加えて岡山工場分は決算期変更に伴い9ヶ月分のみの計上となるため売上高は4,416百万円(同41.8%減)を見込む。
装置部品洗浄は、中国における半導体生産に連動することから需要は堅調であり売上高は22,848百万円(同22.8%増)を見込む。石英坩堝は、採算が悪化した太陽光発電向けが縮小し、半導体向け中心にシフトすることから、売上高は11,471百万円(同28.7%増)と回復を見込んでいる。
(3) サーモモジュール
電子デバイスのサーモモジュールは、AI関連の光トランシーバー向け需要が継続することから、売上高は40,526百万円(2026年3月期比31.5%増)を見込む。車載関連は、自動車向け製品の引合いが増加しており、売上高は5,846百万円(同28.9%増)の予想としている。
(4) パワー半導体基板、センサ
電子デバイスのパワー半導体基板は、中期的な成長は続く見込みであり製品レンジ拡大により売上増を見込み、売上高は22,511百万円(2026年3月期比15.0%増)を見込む。一方で車載関連のパワー半導体基板(主にDCB基板及びAMB基板)も、中国EV生産が回復見込みであることから売上高は22,247百万円(同23.2%増)を見込む。
センサは、電子デバイス、車載関連ともに需要が回復する見込みであることに加えて決算期変更の影響(前期は9ヶ月分のみ)により、電子デバイスが9,394百万円(2026年3月期比57.1%増)、車載関連が8,042百万円(同20.9%増)を予想している。
3. 投資額と減価償却費の見通し
設備投資額は65,000百万円と増加予想で、主な投資対象はマレーシア・クリム第2工場(石英・セラミックス・金属加工)、中国・北京(洗浄・金属加工・セラミックス)、中国・紹興(部品洗浄・パワー半導体基板)、中国・武漢(部品洗浄)などとなっている。
減価償却費は32,172百万円(2026年3月期比17.3%増)を見込んでおり、これによりEBITDAは70,172百万円(同27.6%増)の見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)