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クロスキャット Research Memo(4):SI分野とDX分野の両利きの経営で企業価値向上を推進(2)

■事業概要

3. DX分野
(1) 事業概要
クロスキャットは、DX分野を成長分野として位置付けている。DX分野は、従来のSIビジネスで培った業務・システムの知見を基盤に、クラウド環境構築や生成AIなどの先端技術とデータ利活用ノウハウを組み合わせ、顧客企業の業務効率化・生産性向上を支援している。具体的には、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)を中心としたクラウドや生成AIを活用した独自サービス提供に加え、同社の強みであるデータ利活用支援やデータ分析基盤の構築、自社開発システムの提供を通じて、顧客のDX推進を総合的に支援する事業ポートフォリオを構成している。

主な顧客ニーズは、「データ分析基盤構築」「データ利活用支援」「クラウド移行支援」といったデータドリブン経営の基盤づくりにある。それぞれ、金融、官公庁・公共、流通、小売、外食、医療・医薬、不動産、アミューズメントなど多様な業種に対して横断的に提供している。同社は足元の生成AI関連の技術的トレンドに対しても、データ活用をAI/ITに共通する中核領域と位置付け、顧客のデータ整備から分析・可視化、AI活用に至る一連のプロセスを支援している。

DXの基盤となるデータの収集・整理、利活用等の支援を他社に先駆けて進めてきた同社は、長年にわたる日本オラクルとの強固なパートナーシップを背景に、OCIの導入・構築案件において、数多くの実績を積み上げている。これにより、データ分析基盤構築から運用・保守までの一連の専門知識やノウハウを蓄積し、顧客企業のDX推進を支援する実行力を一段と高めており、需要の多いクラウド分野が事業拡大の一翼を担っている。

このソリューション展開の中核となるのが、独自のDX推進支援フレームワーク「CC-Dash」である。「CC-Dash」は、データの収集・加工・蓄積・可視化を一気通貫で支援するサービスであり、BIツールやDWH(データウェアハウス)の導入・構築支援を中心としており、顧客の経営課題である「データドリブン経営」の実現を、短期間かつ低コストでサポートする体制を構築している。また、SaaS型であるクラウド型勤怠管理システム「CC-BizMate」や経営ダッシュボード構築サービスである「CC-MicView」といった自社開発のサービス(リカーリングサービス)も展開しており、安定的な収益基盤の拡大に寄与している。

(2) 両利きの経営による事業間連携
同社は、既存事業の競争優位を高める「知の深化」と、新たな成長機会を創出する「知の探索」を両立する「両利きの経営」を推進している。知の深化を担うSI分野では、金融、公共、製造、通信などの基幹システム開発・運用を通じて蓄積した業務ノウハウや顧客基盤を強みとしている。一方、知の探索を担うDX分野では、クラウドやAI、データ活用基盤などの先端技術を活用し、新たなサービスやソリューションの開発を進めている。

両分野は独立して存在するのではなく、相互に知見を循環させることでシナジーを生み出している。DX分野で培ったクラウド技術やデータ活用ノウハウは、SI分野におけるシステム刷新やクラウド移行案件へ展開されている。国税庁の確定申告システムのクラウド基盤移行案件などにも活用されるなど、既存顧客への提供価値向上と受注拡大を実現している。

また、SI分野で培った業務知識や顧客課題への深い理解は、DX分野における新サービス開発や提案活動の基盤となっている。特に公共分野や金融分野では、既存顧客との強固な関係性を足掛かりにDX案件の獲得が進んでおり、知の深化と知の探索が相互に成長を促進する好循環が形成されている。今後は、クラウドやAIを活用した高付加価値サービスの拡充に加え、公共分野を中心とした大型案件へ展開することで、DX分野の収益性向上と事業規模拡大が期待される。同社の成長は、SI分野による安定的な収益基盤とDX分野による新たな成長機会の創出を両立する「両利きの経営」によって支えられていると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)

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