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シュッピン Research Memo(6):2027年3月期は各事業が伸長し、増収増益の見通し

■シュッピンの今後の見通し

1. 2027年3月期の業績予想
2027年3月期の業績について同社は、売上高を前期比6.1%増の55,098百万円、営業利益を同8.5%増の2,754百万円、経常利益を同8.5%増の2,703百万円、当期純利益を同9.9%増の1,851百万円と増収増益を見込んでいる。

売上高は、EC売上を中心に各事業が伸長する想定である。

損益面は、基幹システムリプレイスに伴う償却負担増となるものの、増収による収益の押し上げに加え、在庫の入替効果(時計事業)による粗利改善等にて増益となり、営業利益率も5.0%(前期は4.9%)に改善する。

2. 弊社の見方
不確実性の高い経済情勢や通商関係、為替変動などの外部要因には引き続き注意が必要であるものの、前期前半の業績の足を引っ張った外部要因による影響が一巡し、後半から業績が回復傾向にあることや、会員基盤の積み上げを含め、「カメラ事業」の主要KPIは堅調に推移していること、「時計事業」における在庫調整が進み、ラインナップ拡充による効果が期待されることから、同社の業績予想の前提には一定の合理性があると判断している。注目すべきは、主力の「カメラ事業」における事業モデルのさらなる進化の方向性と、今後の成長の軸となる「時計事業」の強化に向けた取り組みである。特に前者については新しい基幹システムの下で、いかに愛好者(ファン)を引き付ける同社ならではのサービスや仕組みを開発していくのかに期待したい。一方、後者については、ラインナップの拡充が成否を決するものと見ている。商品仕入れ力の強化に向けて、どこで他社との違いを生み出していくのか、その違いが「カメラ事業」のように仕組みとしてうまく機能するのかについては、今後を占ううえでも重要な判断材料となるだろう。

■これまでの業績推移

独自のEC施策を通じてWeb会員数が拡大し、右肩上がりの成長を実現

2025年3月期までの業績を振り返ると、売上高はWeb会員数の拡大やEC売上高の伸びとともに右肩上がりの成長を実現してきた。2020年3月期以降は売上成長よりも売上総利益率改善を重点課題として取り組んだこと、消費税増の影響やコロナ禍に伴う店舗売上の落ち込みにより2期連続で伸び悩んだものの、2022年3月期は各EC施策(AIMDの導入を含む)の効果や戦略的在庫投資による「時計事業」の伸びにより大幅な増収を実現した。同社が上場した2013年3月期から2025年3月期までの12期のEC売上年平均成長率は、オーガニック成長のみで17%に上る。2026年3月期は様々な外部要因やラインナップ拡充の遅れ(時計事業)によりEC売上が伸び悩み減収となった。

また、利益面(営業利益)でも、売上高の伸びとともにおおむね増益基調をたどってきた。営業利益率はしばらく4%~5%のレンジ内で推移してきたが、2022年3月期はAIMDの導入による売上総利益率の改善や販管費の抑制により、大幅な利益率の向上を実現した。2023年3月期には「時計事業」の一時的な落ち込みがあり、営業利益率は5.4%に低下したが、2024年3月期には6.8%の水準に回復した。2026年3月期における利益率低下は在庫調整や費用の増加によるものである。

財務面については、自己資本比率はしばらく50%水準で安定推移してきた。2022年3月期は創業者からの自社株式の取得により37.9%に低下したものの、2024年3月期以降は50%を超える水準で推移している。一方、資本効率を示すROEも高水準で推移し、減益となった2026年3月期についても15%を超えており、財務の安全性と資本収益性のバランスの取れた良好な財務内容と言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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