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タナベコンサルティンググループ、通期は当初計画以上の増収増益で過去最高を更新し、中計目標も達成

INDEX

若松孝彦氏(以下、若松):みなさま、こんにちは。タナベコンサルティンググループ(以下、TCG)代表取締役社長の若松です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会および中期経営計画説明会のライブ配信をご視聴いただき、誠にありがとうございます。

本日のアジェンダです。企業概要、事業概要(競争優位性)、2026年3月期決算、2027年3月期の決算見通し、株主還元の順にお話しします。また、最後にAppendixを掲載していますので、ご覧ください。

創業の原点・経営理念

まずは企業概要です。当社は、1957年創業の日本の経営コンサルティングのパイオニアです。

当社は、創業者である田辺昇一が、自分の勤めていた会社が倒産した原体験から「この国には企業を救う仕事が必要だ」と決意し、スタートしました。

当時、「経営コンサルタント」という言葉は浸透していなかったため、私たちはその仕事を「ビジネスドクター」と命名しました。スライド右側に記載の「企業を愛する」という言葉から始まる経営理念を掲げ、「田辺経営相談所」を創業したのが始まりです。

創業時から、私たちは経営コンサルティングファームとして活動し、パイオニアとしての地位を築いてきました。また、顧客企業が中規模企業から中堅企業へ、さらには上場企業や大企業へと成長していく過程を支援してきたことも、私たちの特徴です。

パーパス(貢献価値)&バリュー(私たちの価値観)

「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」をパーパス(貢献価値)として、また、「Teamwork is Power すべてはクライアントの成功と、明るい未来のために」をバリュー(私たちの価値観)に掲げ、経営しています。

タナベコンサルティンググループ概要

グループの概要です。純粋持株会社として、タナベコンサルティンググループが東証プライム市場に上場しています。

事業会社であるタナベコンサルティングは、スライドに記載されている「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR(ヒューマンリソース)」「ファイナンス・M&A」「ブランド&PR」という5つの経営コンサルティング領域を有しています。

また、リーディング・ソリューションからピースマインドまで、6社のグループ会社を持ち、全体では8社の体制で経営を推進しています。

ターゲットセグメント①

事業概要(競争優位性)についてご説明します。当社はターゲットセグメントを「中堅企業を中心とした大企業から中規模企業」と位置づけています。経営の上流である戦略の策定から経営の下流である実行支援まで、一気通貫の支援をチームコンサルティングで提供しています。

そのため、スライドの青色で示された部分がTCG独自のポジションであり、それが私たちのターゲット領域です。

グレーの部分は自社分析に基づいていますが、同業他社のポジションをマッピングしていますので、ご参考ください。

ターゲットセグメント②

後ほどご説明する新しい中期経営計画の中でも少し触れますが、当社には「1・3・5の成長戦略」というメソッドがあります。

「1・3・5」は売上高のことであり、10億円、30億円、50億円、100億円、300億円、500億円、1,000億円、3,000億円と、成長過程の「1・3・5」を基準に、乗り越えるべき壁が現れることを指します。

当社は、長年に亘り経営コンサルティングを行ってきた経験をもとに、このような成長の壁をクリアするためのメソッドを備えています。

これを顧客に提供することで、顧客とともに成長を実現する経営コンサルティングを行ってきました。

ターゲットセグメント③

TCGの約62パーセントは中堅企業を中心とした売上高で構成されています。また、グループ全体ではこれまでに1,350社以上の上場企業を支援してきました。

後ほど詳しくお話ししますが、北海道から沖縄まで全国に事務所を構え、常勤のコンサルタントを配置するスタイルを採用しています。その結果、業界や地域でナンバーワンの優良中堅企業を多数顧客に持ち、地域貢献にも取り組んでいます。

競争優位性 ▶ TCG の経営コンサルティングの 3つのスタイル

当社の競争優位性である、経営コンサルティングの3つのスタイルについてです。こちらはある種「TCG流儀」とも言えます。

1つ目は「トップマネジメントアプローチ」です。当社の顧客はトップマネジメント(経営者層)であり、社長やCEOです。

2つ目は、「チームコンサルティング」です。それぞれの専門領域におけるプロフェッショナルがチームを編成し、顧客企業にとって最適なかたちで支援を行う点が特徴です。

3つ目は、「一気通貫の支援モデル」です。トップマネジメント(経営者層)の思いや会社の戦略が、現場で実行されて初めて成果が生まれるため、当社ではそのプロセスを一気通貫で支援します。

これが当社の3つのスタイルであり、流儀です。

1.トップマネジメントアプローチ

次にトップマネジメントアプローチについてご説明します。先ほどグループ全体の組織をご紹介しましたが、ストラテジー&ドメインからブランド&PRまでの5つの領域は、トップマネジメント(経営者層)が抱える課題を解決するための診療科目として配置しています。

これら5つの領域をトップマネジメント(経営者層)自身が理解できない会社は成長できない、というのが私たちの考え方です。この診療科目を第1レイヤーとして、5つに区分しています。

2.チームコンサルティング①

次に、チームコンサルティングについてです。当社は、「業種」特性や「戦略」課題、「地域」特性といった高度な「専門性」をチームで総合的に発揮できる体制、いわばメソッドを備えています。

2.チームコンサルティング②(全国展開・地域貢献の体制)

チームコンサルティングの2つ目として、当社は北海道から沖縄まで、10地域で「地域常駐型コンサルティングモデル」を展開しています。

行政や公共とも連携しており、約50年から60年に亘り地域に根ざした事業を展開してきました。

「地域創生」という言葉ができる前から、当社は地域に貢献してきたと自負しています。

2.チームコンサルティング③(海外ネットワークの構築と活用)

チームコンサルティングの3つ目は、海外ネットワークについてです。世界各地のコンサルティングファームやパートナー企業と連携し、日本の顧客企業の海外展開等を支援しています。

スライドの濃い青色の部分は、当社が支援可能な国や地域を示しています。グループ各社の専門領域を活用し、グループ全体として海外ネットワークをさらに拡大しています。

現在は、特にクロスボーダーM&Aやデジタルマーケティングを支援したり、「Global PR Wire」という海外に配信可能なシステムを用いた海外PRを提供しています。

また、ピースマインドのEAPといった支援システムは外資系の企業にも提供しています。海外ネットワークの構築と活用も、チームコンサルティングの強みと認識しています。

3.一気通貫の支援モデル

経営コンサルティングスタイルの3つ目、一気通貫の支援モデルについてご説明します。スライド左側は経営コンサルティング領域であり、その隣は各領域の上流テーマです。それを一気通貫で実装・実行まで支援しています。

また、各経営コンサルティング領域内にもチームがあります。スライド左側の縦軸に記載のストラテジー&ドメインからブランド&PRまでのコンサルタントがチームを組んで支援することも可能であり、チームコンサルティングを用いた一気通貫の支援モデルとなっています。

その結果、非常に高い契約継続率を実現しています。

業界No.1メーカーA社における長期契約の事例

業界No.1の企業による長期契約の事例です。この契約は20年以上に亘るケースですが、トップマネジメントアプローチとして、ビジョンの構築から始まりました。

その後、企業が目指すべき姿に向けて課題を一つひとつともに解決していきました。スライドに記載のように、デジタル化や組織改革、人事制度の整備、場合によってはホールディングス化してM&Aを支援します。そしてM&A後には、再びグループ全体のブランディングに取り組みます。

このように、中期経営計画を3回、4回と回しながら、20年以上の契約を実現しています。

顧客企業の状況や課題に合わせたメソッドを提供することで、長期契約が可能になっています。これは、3つのスタイルがあってこそのモデルと言えます。

高い契約継続率(LTV)

高い契約継続率をLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)比率、つまり「ライフタイムバリュー」と呼んでいます。

「顧客企業以上に顧客企業のことを理解している」といった状況を作り上げることが、私たちのポジショニングであり、スタイルです。

1年以上の契約継続率が75パーセント以上、5年以上が約45パーセントとなっています。このように、20年契約、30年契約、40年契約の長期契約実績を多数保有していることが、TCGの独自性であると考えています。

競争優位性により生み出される障壁

次に、競争優位性により生み出される障壁についてです。スライド右下に記載があるように、顧客企業にとってTCGの経営コンサルティングが習慣化され、長期的な関係が続くことにより、TCGが顧客企業のことをよく知っている状態になります。

また、顧客側もTCGが自社のことをよく知っていると認識するため、ライバル企業が参入してきてさまざまな提案を行ったとしても、スイッチングコストが発生します。その結果、顧客基盤の強化(ストック化)につながり、成果として現れています。

もう1つ、TCGにとって重要なことは、コンサルティングの臨床経験や臨床事例を増やすことです。

プロジェクト型の一過性の商品やサービスを扱うのではなく、経営に寄り添うことで、例えばリーマンショックや大きな地震、新型コロナウイルスの感染拡大、そして現在の地政学的な紛争や円安といった、経済の大きな変動の局面にも対応してきました。

こうした経済の大きなインパクトが多い中で、的確な処方箋を提供できなければ、企業を救うことはできません。

そのため、長期的なお付き合いを通じて、より良い会社を目指し、価値観を共有しながら進めています。

決算概要(前期比)

ここからは、2026年3月期の決算についてお話しします。

売上高、各段階利益ともに当初計画以上の増収増益を達成し、過去最高を更新しました。また、前期は中期経営計画の最終年度でもありましたが、この中期経営計画も達成しました。

売上高は162億8,200万円、売上総利益は79億6,200万円、売上総利益率は48.9パーセント、営業利益は18億1,300万円、営業利益率は11.1パーセント、経常利益は18億4,300万円、当期純利益は11億円となりました。前期比については、スライド右側をご覧ください。

高単価・高付加価値の経営コンサルティング契約が増加したことにより、売上総利益率が向上しました。また、人的資本やDX/AX、ブランディング等への投資を積極的に行いましたが、それらも吸収しました。

営業利益増減要因分析(前期比)

営業利益増減要因分析です。前期比12パーセントの増収により、売上総利益が13億5,000万円増加しました。また、営業利益は20.9パーセントの増益となりました。

経営コンサルティング領域別売上高分析

経営コンサルティング領域別売上高分析です。ストラテジー&ドメインからブランド&PRまでの5つの領域における売上高の前年比と構成比が示されています。

概ね2桁の成長を遂げており、構成比についても大きく突出した部分や低い部分はなく、ほぼ均等に成長しています。

主要KPI(チームコンサルティング指標)

主要KPIについてです。スライドのグラフは、チームコンサルティングの売上高、件数、社数を示しています。

チームコンサルティングの売上高、件数、社数のすべてが過去最高を更新する結果となりました。

主要KPI(ベース売上高)

もう1つの主要KPIであるベース売上高です。安定的な成長基盤となる商品・サービスの売上高であり、基本的に6ヶ月以上の長期契約がどれほど売上高を構成しているかをKPIにしています。

ベース売上高も、前期を上回り、過去最高の結果となりました。

従業員数の推移

従業員数の推移についてです。中期経営計画目標の800名を超える843名となりました。

経営コンサルティング領域は多様であるため、実務経験者や新卒採用を含め、専門人材を育成する仕組みを整備しつつ、今後も人員を増やしていきたいと考えています。

決算見通し

2027年3月期の決算見通しについてです。スライドに記載のとおり、増収増益を達成して過去最高を更新する計画です。

売上高は172億円、売上総利益は84億8,000万円、営業利益と経常利益はともに19億円、当期純利益は11億5,500万円を見込んでいます。

経営コンサルティング領域別の売上高計画

経営コンサルティング領域別の売上高について、領域をシフトしているサービスがあり、変更しています。提供するサービスと領域をしっかりと一致させることが重要と考えています。詳細についてはスライドをご覧いただければ幸いです。

株主還元(配当金)

株主還元についてご説明します。2026年3月期は、期末配当金を1円増配し、年間配当金は27円となり、前期比で3円増加、配当性向は79.6パーセントとなりました。

今期も引き続き「増収・増益・増配」の経営基調を堅持し、資本効率の向上を図るとともに、安定的な配当を継続していきたいと考えています。

2027年3月期の予想として、年間配当金は29円を予定しており、中間配当金は13円、期末配当金は16円を計画しています。

また、総還元性向100パーセントを目安に、配当性向を80.3パーセント、年間配当金29円、そしてDOEを8.9パーセントとする予定です。

株主優待制度

株主優待制度についてです。株主のみなさまのアンケートの声を取り入れ、株主優待制度を導入しました。

当初は個人投資家のみなさまを含め、幅広い株主の方々にご利用いただけるよう、「QUOカード」の形式で導入しましたが、利便性向上を目的に、株主優待内容を電子マネーやポイントと交換可能なデジタルギフトに変更しました。

優待内容については、スライドのとおりです。

また、スライド右端には、100株から1,000株までの総合利回りを掲載しています。

いずれにしても、株主のみなさまのご期待にしっかり応えられるよう、株主優待制度をこのように決定しましたので、ご理解いただければと思います。

以上で、決算のご説明を終了します。

INDEX

続いて、新しい中期経営計画である「TCG Future Vision 2030」についてご説明します。本ビジョンは、2026年から2030年に向けた当社グループの成長戦略と価値創造の方向性、いわば全体像を示すものです。

ご説明の流れは、前中期経営計画の振り返りから始まり、その後、ビジョンそのものについて、そして、事業戦略、組織戦略、資本配分と株主還元の順に進めていきます。

トラックレコード

2021年から2025年の振り返りです。この5年間で、連結売上高は92億円から162億円、連結営業利益は7億円から18億円、営業利益率は8.2パーセントから11.1パーセント、ROEは4.5パーセントから10.5パーセント、ROAは5.9パーセントから12.5パーセント、時価総額は125億円から250億円へとそれぞれ成長しました。

計画比でもほとんどの項目を達成し、一部では上振れの成果も出ています。

前中期経営計画の総括

前中期経営計画の総括としては、描いた成長ビジョンを着実に実現できた5年間でした。

コロナ禍を含むさまざまな経営環境の変化に適応し、トップマネジメント(経営者層)が抱える専門化・高度化・複雑化する経営課題を全方位で解決できる領域の多角化および組織の成長・拡大を推進することができました。

その具体的な成果内容については、スライドに記載しています。

実行具体策

実行具体策についてです。ビジョンは「Tanabe Vision 2020」からスタートしています。

「TCG Future Vision 2030」の前半にあたる前中期経営計画の事業戦略では、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」を採用し、経営コンサルティング領域の多角化を進め、その提供メニューを拡大してきました。

また、組織戦略として、純粋持株会社体制への移行や商号の変更を実施しました。さらに、事業部体制に移行し、5つの事業部に再編したことも挙げられます。

コーポレート戦略については、東証プライム市場での上場の維持基準を達成したほか、グループ会社が4社加わり、先ほど申し上げた8社体制へと発展しました。さらに、資本政策を全方位で実施し、企業価値向上を実現できたと考えています。

グループM&A戦略による進化①

グループM&A戦略については、成長を加速する重要なドライバーとなったと考えています。

この戦略は単なる規模拡大を目的としたM&Aではなく、経営コンサルティング領域における専門性の多角化、成長市場への参入、シナジーの発揮等、一気通貫の経営コンサルティングモデルを実現することを目指したものであり、TCG全体の成長に大きく寄与しました。

グループM&A戦略による進化②

スライドは、グループ会社が一体となり、トップマネジメントアプローチである「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」「ファイナンス・M&A」「ブランド&PR」の各領域を強化してきた様子を示しています。

各グループ会社のコーポレートカラーと、どのような領域でグループM&A戦略によって強化されたのかをマッピングしています。M&A戦略により提供できるコンサルティングメニューの強化が実現したことがわかります。

主要な経営指標の推移

主要な経営指標の推移をご覧ください。連結売上高・連結営業利益・ROE、企業価値、従業員数や株主還元といった各指標が、継続的に伸長してきたことがおわかりいただければ幸いです。

単なる量の拡大ではなく、事業ポートフォリオや収益構造の転換、組織や人材、ブランド、資本市場での評価といった要素が総合的に高まった結果であると考えています。

この成果を次の新しいビジョンの出発点とし、新たなステージへ展開していきたいと考えています。

経営環境認識

ここからは中期経営計画(2026年から2030年)「TCG Future Vision 2030」をご説明します。経営環境認識として、これからの日本経済・地域経済を支えるのは中堅企業層であると考えています。

スライド左側に記載の内容は、経済産業省が示しているものです。KPIとして、中堅企業の生産性を向上させる、M&A数を倍増させる、中堅企業数そのものを増やすという3つを、国全体で設定しているということがわかります。

一方で、スライド右側には、過去10年間における国内売上高や海外売上高、設備投資、さらに人材育成の伸びを示すグラフが掲載されていますが、中堅企業が群を抜いて伸びています。

日本には約340万の企業があると言われています。そのうち、中堅企業を中心に、大企業から中規模企業を合わせて約5万社あると定義しています。

スライド中央下に記載しているのは、現在、経済産業省および中小企業庁が定義している内容になります。実際に「1・3・5の成長戦略メソッド」に照らしますと、この大企業から中規模企業までの約5万社がターゲットになります。この範囲に絞り込み、コンサルティング価値を提供していくことを目指しています。

ビジョンの方向性

TCGは、1957年の創業以来、約70年間、「ビジネスドクター」として独自のトップマネジメント市場と向き合ってきました。

現在、TCGは専門性を活かして、有機的に結びつく価値を「総合経営コンサルティング組織」と定義しています。その上で、どれか1つだけでは総合にはならないという考え方を持っています。

グループ組織の構築を通じて、中堅企業層のトップマネジメント(経営者層)のみなさまとともに、社会課題や経済課題を解決し、成長していきたいと考えています。

さらに、「中堅企業の経営コンサルティングといえばTCG」という独自のファーストコールポジションを確立し、圧倒的No.1を目指していきたいと考えています。

1 ・ 3 ・ 5 の成長戦略

続いて、当社が有する「1・3・5の成長戦略」メソッドについてご説明します。

それぞれの成長段階の壁、例えば「事業モデルの壁」「組織経営の壁」「事業領域の壁」「ナンバーワン事業の壁」「グループ戦略の壁」を乗り越えるための戦略メソッドを提供できることが当社の強みです。

世にいう「100億宣言」というのはあくまで通過点であり、目的とはなりません。反対に、ここだけを目指すことは大きなリスクを伴います。

したがって、ステージごとに的確なコンサルティングを提供することで、顧客企業の成長ビジョンを実現していきたいと考えています。

競争優位性(唯一無二の経営コンサルティングモデル)

その強みを、先ほどお話しした3つの流儀である、「トップマネジメントアプローチ」「チームコンサルティング」「一気通貫の支援モデル」をもとに、顧客以上に顧客を知り、10年、20年、30年、40年と顧客企業との契約を実現していく、TCGの唯一無二の経営コンサルティングモデルをさらに磨き上げることが重要だと考えています。

ターゲットセグメント

以上のことから、ポジショニングマップもスライドのとおりアップデートしました。重点ターゲット約5万社に対して、一気通貫の支援を提供し独自のポジションを確立していきます。

スライド左側の四角で囲われている部分については、トップマネジメント市場として、大きな成長余地があると捉えています。

成長ビジョンコンセプト

今回の新しい成長ビジョンコンセプトは、「50,000社の中堅企業層を“世界のFirst Call Companyへ” 唯一無二のグローバル経営コンサルティンググループ」です。

「First Call Company」は、TCGが生み出した顧客へのメッセージです。100年先も一番に選ばれる会社を目指そうという意味を持っています。

「First Call Company」の創造を通じて、「唯一無二のグローバル経営コンサルティンググループ」を目指すというのが今回の成長ビジョンのコンセプトです。

ビジョンサマリー(数値計画)

数値計画として、連結売上高250億円、CAGR9パーセント、連結営業利益30億円、営業利益率12パーセント、ROE15パーセント、時価総額500億円、連結総還元性向100パーセントを目安とし、DOEは7パーセント以上という目標を掲げています。

ビジョンサマリー(戦略サマリー)

戦略サマリーについてはスライドに記載のとおりです。この後、詳細をご説明しますので、あらためてご覧いただければと思います。

ビジョンサマリー(売上高成長イメージ)

売上高の成長イメージについてです。スライドの一番左側の棒グラフは事業領域を示しており、今回のビジョンではその領域が拡大する予定です。

また、グループ会社の増加や従業員数の拡大も計画しており、従業員数は843名から1,250名へと増える見込みです。

さらに、国内だけでなく海外の売上高の増加も目指しており、オーガニック成長とM&Aの両方によって売上高を成長させるイメージを描いています。

売上高・利益計画(全体)

全体の売上高・利益計画についてご説明します。2026年3月期の売上高162億8,200万円を発射台とし、オーガニックグロースで売上高225億円を達成します。その後、M&A戦略の推進により20億円から30億円を上乗せし、最終的には売上高250億円を目指します。

営業利益については30億円を目標とし、収益性と成長性を両立させた経営を進めていきたいと考えています。

また、TCGは2027年10月に創業70周年という節目を迎えます。日本における経営コンサルティングのパイオニアとして重要な節目を迎えるにあたり、この中期経営計画を通じてさらなる貢献価値を高めていきたいと決意を新たにしています。

売上高計画(経営コンサルティング領域別)

経営コンサルティング領域別の売上高計画については、市場環境やシナジーを踏まえ、区分の最適化を進める必要があります。

また、新たに領域区分を増やす予定ですが、一旦売上高計画においては、ストラテジー&ドメインからブランド&PRまでの5つの領域としています。

特定の領域に偏ることなく、顧客企業にとって最適な事業ポートフォリオを設計していきたいと考えています。

基本戦略:経営コンサルティング領域の多角化

ここからは、中期経営計画の事業戦略についてご説明します。基本戦略は、経営コンサルティング領域の多角化です。

既存領域の分離や新規領域の拡充、すなわち現在の領域数をさらに増やしていくことを目指しています。

具体的には、新規領域で最低でも売上高規模10億円以上の領域を3つ以上創出し、現状の5領域から8領域へと拡充します。

ただし、この3つの新規領域については、経営課題に対する診療科目としてトップマネジメントアプローチである必要があります。

その方針は変えず、トップマネジメントアプローチ市場にしっかりとリーチできるような領域を3つ増やしていきたいと考えています。

加えて、それを強化するため、新たな専門性と成長機会を創出するグループ会社を4社以上増やし、10社体制のグループを構築していきます。

唯一無二のチームコンサルティングモデル

中堅企業を中核とする約5万社を対象に、社会課題・インダストリー・戦略テーマの掛け合わせによって、唯一無二のチームコンサルティングを構築し、トップマネジメントアプローチを通じて、世界の「First Call Company」を創造していくことを表した図です。

Consulting & BPaaS モデル

「Consulting & BPaaSモデル」の、「BPaaS」とは「Business Process as a Service」の略称です。

前回のビジョンの中では、「プロフェッショナルDXサービス」の実装に取り組んできましたが、これはその進化系にあたります。

実行支援まで提供するセミハンズオン型の一気通貫支援モデルです。

例えば、ストラテジー&ドメインでは、経営企画業務の実行支援を行い、デジタル・DXではERPやAIネイティブ経営の実装を支援します。また、HRではHRBPや採用プロセスの設計・実行支援、コーポレートウェルビーイングの実装支援を行います。

現在の人材不足の状況を踏まえ、新しい取り組みにチャレンジしたくても人材が揃いにくい企業に対し、セミハンズオンで顧客企業と協力しながら進めることで、この「Consulting & BPaaSモデル」の開発と実装を進めていきたいと考えています。

マーケティング&セールスの強化

市場開拓においては、重点ターゲットの約5万社をカバーする独自のクロスマーケティングモデルを実装します。

PR、戦略サイト、Web説明会、リアルセミナー、広告、SNS、セールス、CRMを連動させ、市場発見・事業開発・市場創造・顧客創造、さらにはLTV・売上高の最大化を実現し、契約単価と契約継続率の向上を目指します。

チーム組成とリーダー人材の拡大

続いて、組織戦略についてです。組織戦略の中心は、プロフェッショナルチームの組成とリーダー人材の拡大です。1チーム5名を基本単位として、部門組織チーム数を増加させていきます。

最終年度には、経営者人材を50名、パートナー人材を150名、本部・事業所チームを50チーム、部門組織チームを200チームにすることを目指しています。

組織を横へ拡大しつつ、プロフェッショナル人材とリーダー人材を計画的に育成し、登用していきます。

人的資本経営の推進

人的資本経営もビジョンの中核となります。引き続き、採用戦略、採用ブランディング、人材確保を全方位で進めるとともに、グループ間の人材交流や、コンサルタントを養成する企業内大学のアップデート等、さまざまなエンゲージメント施策を推進していきます。

スライド右側に記載のとおり、人的資本のKPIとして、年間採用120名、定着率90パーセント以上、男女比率50対50を掲げています。現在、グループ全体の男女比率が50対50の経営コンサルティングファームであり、これはおそらく日本でも世界的にもTCGだけではないかと思います。この状況を維持していきたいと考えています。

加えて、平均年齢35歳、社員持株会比率60パーセント以上を目標としています。さらに、AIネイティブ経営を推進し、コーポレートウェルビーイングを実装することにより、引き続き世界中から優秀なプロフェッショナル人材が集まる組織を目指していきます。

従業員数目標

従業員数1,250名体制を目指します。新卒採用およびキャリア採用を強化していきます。また、キャリア採用では、当社が全国展開していることもあり、IターンやUターンを活用して実務経験者を採用することが可能です。

さらに、スライド右側に示しているように、多彩なコンサルティング領域を有しており、組織としての受け皿が非常に広いことから、プロフェッショナル人材の活躍を取り込んでいきます。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

資本配分と株主還元についてお話しします。当社グループは引き続き、資本コストや株価を意識した経営を強化していきます。昨今の外部環境の変化を鑑み、想定株主資本コストを従来の7パーセントから高めの10パーセントに設定しています。

目標として、PBR4倍以上、ROE15パーセント以上、PER25倍以上とし、引き続き収益性の向上、資本の最適化、流動性の向上、情報開示の充実に取り組んでいきます。

キャッシュアロケーション

続いて、キャッシュアロケーションです。創出したキャッシュをまずは成長M&Aに投資し、残りを株主還元として分配します。これにより、中期経営計画で掲げる売上高250億円、営業利益30億円、ROE15パーセント以上の達成を目指します。

成長投資を優先しながら、同時に株主価値の向上も実現していきます。

株主還元

株主還元については、引き続き「増収・増益・増配」を経営基調として継続し、安定した中間・期末配当を実施します。

株主還元方針は、大きく5つに分けられます。1つ目に、配当性向70パーセントから80パーセントを目安としています。

2つ目にDOE7パーセント以上、3つ目に機動的な自己株式取得、4つ目に連結総還元性向100パーセントを目安、5つ目に株主優待とします。株主のみなさまへの還元を充実させていきます。

以上が「TCG Future Vision 2030」のご説明です。

まとめ

最後に、今回のビジョンの要点をお伝えします。

1点目は、重点ターゲット約5万社をカバーしていく点です。現在、この5万社に対し、1社当たり売上高1,000万円以上のLTVを確保できる体制が整っています。この結果、トップマネジメント市場として約5,000億円規模の独自マーケットが形成されます。この独自マーケットにおいて圧倒的ナンバーワンシェアを獲得することが、私たちの基本的な考え方です。

2点目は、創出するキャッシュを活用して成長M&A投資を推進し、新たに4社以上のグループインを目指します。

3点目は、残りのキャッシュを広く株主還元として積極的に分配します。株主還元政策としては、配当性向、連結総還元性向、自己株式取得、DOE、株主優待等、スライドに記載のとおりです。

4点目は、エクイティストーリーを実行に移し、ROE15パーセントやPBR4倍をはじめとする企業価値指標の達成を目指していきます。

中堅企業を中核とする5万社に対して唯一無二のチームコンサルティングを提供し、世界の「First Call Company」を創造していきます。ビジョンが明確になりましたので、みなさまにご報告申し上げました。引き続きよろしくお願いします。

ご清聴、誠にありがとうございました。以上でご説明を終わります。

質疑応答:新中期経営計画における拡大領域と新領域の方向性について

司会者:「新しい中期経営計画において拡大を図りたい領域や事業についてご教示いただけますでしょうか? また、新しい戦略テーマの創出として3つの新領域とありますが、どのような領域を念頭に置いているのでしょうか?」というご質問です。

若松:5つの既存領域を8領域に増やすとお伝えしましたが、既存事業から分離していく領域も含まれます。

現在、マーケットでトップマネジメント(経営者層)から多くの声が寄せられているのは、DE&Iやウェルビーイング領域です。これらは非常に大きな可能性を秘めていると考えています。

また、中堅企業に特化したM&Aも挙げられます。これはグループ成長戦略の一環と考えています。M&Aと併せて非常に注目されている領域であり、経営者が抱える課題の一端ではないかと思います。

さらに、グローバルの視点も重要です。世界の「First Call Company」を創造するという上で、現在も海外に関する売上高は一定の割合を占めていますが、これをさらに拡大していくことを目指します。

最後に、DXからAXへと進化したことを踏まえ、今後はAI領域にも注力していきたいと考えています。

このようなテーマを念頭に置きながら、顧客企業と向き合い、成長戦略を組み立てていく中で、どの部分を強化すべきかを見極め、事業の拡大を進めていきます。

ただし、トップマネジメントアプローチに資する診療科目である必要があります。これは、私自身がプライム上場企業の社長として経営する中で、「紺屋の白袴」や「医者の不養生」にならないように進めていかなければならないと考えています。

どのような領域がトップマネジメントアプローチに該当するかについては、経営者仲間と議論を重ねながら、そのような領域をしっかりと創造していきたいと思います。

方向性としての回答となりますが、ご理解いただければと思います。

質疑応答:AIがTCGに与える影響について

司会者:「AIが御社のビジネスに与える影響について、社長が考えられているグッドシナリオとバッドシナリオをどのようなレンジでお考えかを教えてください。また、AIと人材ということに関して、AIの進化によって価値が高まる人材像と反対に価値がなくなる人材像について、どのような想定をされていますか? AIの今後については予測しづらいかと思いますが、よろしくお願いします」というご質問です。

若松:当社では、TCGにおけるAIネイティブ経営として全組織にAIエージェントを導入し推進していますが、正直なところ、グッドインパクトしかないという感覚を持っています。

その理由の1つとして、先ほどパーパス(貢献価値)の部分でもご紹介しましたが、私たちのビジネスモデルはトップマネジメント(経営者層)に対して「決断」を提供するものです。

経営における意思決定は、「判断・決定・決断」という3段階のレイヤーに分かれています。「判断・決定」の部分はほぼAIに置き換わると考えられますが、「決断」についてはAIに置き換わるのは容易ではないと考えています。

したがって、AIというツールや手段を活用し、経営者の決断の解像度を高めることが可能となると考えると、私たちとしてはグッドインパクトしかないと捉えています。

もう1つは、ナレッジマネジメントの推進についてです。TCGには、70年間に亘り、企業と向き合い、蓄積してきたナレッジ、すなわちノウハウがあります。これを、セキュリティが万全なゼロトラスト環境の中でAI解析しています。

歴史の浅い企業やプロジェクト型の企業ではナレッジとして蓄積されにくいかもしれませんが、TCGの場合、経営全般を支援しながらメソッド化してきたこともあり、これまでのメソッドをAIに組み込むことで、支援内容がより的確になると考えています。

ただし、そのプロセスではコンサルタントであるプロフェッショナルが寄り添う必要があります。

そのため、TCGでは、ナレッジマネジメントを推進し、70年間に亘りナレッジやメソッドの蓄積を行ってきました。これは強力なデータ利活用として期待しており、そのようなプロジェクトが現在進行中です。

したがって、DXに関しては、全社員が活用できる必要があるというのが私の基本的な考えです。少し古い話になりますが、過去にパソコンが登場し、インターネットが普及し、「人の仕事はなくなるのではないか?」と言われることもありました。

その後、「iPhone」やクラウドが普及し、DXが進展し、現在ではAIが登場しています。しかし、AIを活用する上での絶対的な条件は、組織全体で利用することだと思います。

ある特定の部署のみがAIを特別な道具として利用すると、企業間で競争力の格差が生じると実感しています。そのため、顧客にも同じメッセージをお伝えしています。

また、先ほどの話にも関連しますが、中堅企業が次の成長に向けて取り組むべきこととして、AXやDXが必須の経営技術となり、競争力を保つための重要な道具になると感じています。プロフェッショナルにとっても非常に優れた道具だと思います。

ただし、ルーティンとして行われている業務や、パッケージとして提供されているようなサービスは次々となくなっていくと考えています。

コンサルティングは、より現場型になっていくと考えています。ここで言う「現場」とは、サブスクリプション型やパッケージ型での提供ではなく、現場で起きている事象をしっかりと把握し、それをナレッジとして蓄積してきたものと掛け合わせていくことを指します。

これにより、顧客企業に役立つ処方箋や解決策を提供することが可能になると信じています。

経営コンサルティングやチームコンサルティングモデルに、さらに磨きをかけていきたいと思います。

質疑応答:M&Aの選定基準とガバナンスについて

司会者:「新中期経営計画期間中におけるグループイン企業の選定基準やM&Aを実施する際の基準について、社長のお考えをお教えください。また、M&Aによって企業数が増えるとガバナンス面のリスクが拡大することが懸念されます。その点で経営上、特に意識するところはどこでしょうか?」というご質問です。

若松:M&Aに関しては、TCGの経営コンサルティングに対する考え方を頂点に据え、その中で経営コンサルティング領域ごとにトップマネジメントアプローチを実施するために必要な領域を検討していきます。そして、TCGグループ全体として強化が必要な領域や会社を特定する視点で、数多くの企業と交渉を同時に進めながら選定を行っています。

どのような領域でも手広く展開する多角化は、一切考えていません。私の中には常に、5万社の顧客企業がより良く成長していくことだけがあり、その実現のためにどのような仲間が必要なのかを選定基準としています。

各グループ会社の社長は、それぞれの企業が過去最高の売上高や利益を達成し、しっかりと経営してくれています。また、多くのグループ会社が基本的にはベース売上高モデルや、当社の顧客ターゲットに沿った経営活動や企業活動をこれまで行ってきました。さらに、大半が創業者であり、中には上場を目指している社長もいます。TCGが世界や日本でNo.1を目指すプロセスの中でともに成長することを話しているため、選定基準の1つといえます。

ガバナンスに関しては、当社は上場会社としてのルール作りや監査をしっかり行うため、それぞれの会社にTCGの役員を適切にアサインする仕組みを構築し、実行しています。

また、極論ではありますが、私自身が内容を十分に理解できない事業は行わず、業績の隅々まで把握できる企業にグループとして参加してもらっています。この点もガバナンス上、大切な要素だと考えています。

ご質問にもありましたが、グループが増えるということは人も増えるため、リスクも増えるのが現実です。そのため、ガバナンスやリスクマネジメントの意識と仕組みを成長に合わせて強化していく必要があると、あらためて感じました。

質疑応答:中期経営計画における業績数値計画の見通しについて

司会者:「新しい中期経営計画において、利益率が横ばいの計画ですけれども、コンサルティングの付加価値を高めながらコンサルティングフィーを上げることをお考えでしょうか? また、どのぐらいのペースで上げることは可能とお考えでしょうか?」というご質問です。

若松:この中期経営計画においても、引き続き投資を進めていく必要があると考えています。特に人的資本への投資については、競争が非常に激しいという現状のため強化していきたいと考えています。また、M&Aの実施も進めていく必要があります。

これらを通じて、持続的に単価や契約継続率を高めていき、営業利益率を11パーセント台から12パーセントに引き上げ、金額としては18億円から19億円、さらに30億円へと高めることで、収益構造を強化していきたいと考えています。

したがって、単価やLTVに関しても、これからさらに向上させることができると考えています。

特にクロスソリューションに取り組んでおり、各経営コンサルティング領域を横断して顧客企業の課題を解決する体制を昨年から特に強化してきたため、単価が上がってきているとご理解いただけるかと思います。

一方で、グループ全体として見ると、新たな部門では少し単価が低い場合もあります。

TCGと共に経営を進める中で、「このようにトップマネジメントアプローチをするのか」「このように単価を上げていくのか」という点を組織で共有して理解することで、業績はさらに向上していくと考えています。そのため、基本的にはこの方向性で経営を推進していきます。

質疑応答:グループ会社との展望について

司会者:「これまでの中期経営計画期間中でグループ会社が増えてきたことに関して、今のグループ会社との今後の展望についてお聞かせください」というご質問です。

若松:グループ会社は順調に経営改善や成長が進んでおり、各経営コンサルティング領域においてそれぞれの専門性を発揮しており、各企業が成長することで、さらにその領域が広がっていくと考えています。

それをグループ全体のTCGコンセプトの中にしっかりと組み込み、発展させていくことが基本的な考え方です。

例えば、直近でグループに加わったピースマインドという会社は、コーポレートウェルビーイングを本業、つまりコアバリューとして事業を展開しており、日本で初めてEAP(従業員支援プログラム)をビジネスにした企業です。

現在、コーポレートウェルビーイングに関する取り組みは言葉として多く叫ばれていますが、エンタープライズを含む大手の一部にこのような会社が存在しているにとどまり、まだまだ広がりが十分ではありません。

全国および地域を見渡しても、同様の取り組みを導入しているところはほとんど存在しないため、この分野には大きな開拓の余地が広がっています。

TCGは北海道から沖縄までオフィスを展開しているため、グループ会社は、エリア戦略を人件費のみで比較的容易に拡大することが可能です。これをエリア展開の1つのシナジーとして位置づけ、積極的に進めていきたいと考えています。

また、新たな領域を構築するにあたっては、グループ会社の成長を後押しするためのM&Aも重要な手法と見ています。例えば、先ほど述べたコーポレートウェルビーイングの事業を拡大する際に不足している部分については、新たに仲間を迎え入れることでさらなる強化が期待できると考えています。

具体的には、グローウィン・パートナーズではクロスボーダーM&Aやシステム実装支援を手掛けていますが、同様の強みを持つ企業をグループに加えることで、グローウィン・パートナーズと新たなシナジーを生み出すことが可能です。そして、それが最終的にはTCG全体のシナジー効果につながると考えています。

当社が提供するM&A戦略コンセプトは一貫してそのような考え方に基づいており、この方針に変更はありません。そのため、このような理念の下で、今後も積極的にM&Aを推進していく方針です。

質疑応答:TCGの海外展開戦略について

司会者:「新しい中期経営計画において、具体的に今考えておられる海外展開の構想等があれば教えてください」というご質問です。

若松:TCGの顧客は主に大企業と中堅企業であるため、ほとんどの顧客企業が海外展開をしています。一方で、中小企業や小規模な会社の支援を行っている同業他社の場合、顧客が海外展開していません。

中期経営計画でお示しした重点ターゲットの5万社の多くが、なんらかのかたちで海外展開しているため、当社ではグローバルチームがあり、海外戦略の組み立てを進めています。

また、海外企業が日本市場に参入する際には、マーケットリサーチを行い、TCGのネットワークを活用していきます。日本企業に参入したい顧客企業に、エントリー型ビジネスモデルの支援を行っています。

さらに、その延長線上には資本業務提携を視野に入れる可能性もあります。現在、世界各国の経営コンサルティングファームやリサーチファームとのアライアンスを進めており、これらの延長として資本業務提携を実現することも大いにあり得ると考えています。

今申し上げたように、5万社を世界の「First Call Company」にしていこうとする場合、「1・3・5の成長戦略メソッド」にも記載のとおり、グローバルニッチを目指さなければ難しいと考えています。

グローバルニッチトップ企業は、当社の顧客にも多く存在します。私は、グローバルニッチトップ企業こそが、日本企業が世界で貢献できるビジネスモデルではないかと思っています。

技術面でのニッチトップを世界にどのように広げていくかということが、中堅企業の戦略になるのではないかと考えています。そのような会社を増やし、支援していくグローバル経営コンサルティングファームでありたいと考えています。

質疑応答:TCGにおける採用状況と御社の魅力について

司会者:「足元の採用状況を教えてください。また、応募される方は御社のどのような点を魅力に思って入社されているのかについても教えていただければと思います」というご質問です。

若松:TCGでは経営コンサルタント経験者を採用していないわけではありませんが、極めて少数です。

実務経験者をIターン、Uターンで採用できるため、それほど採用に苦慮しているわけではありません。ただし、従業員が1,250名という規模になってくると、やはり採用体制を強化していく必要があるため、スライドにあるような人的資本経営を推進しているとご理解いただければと思います。

また、男女比率は五分五分です。経営コンサルタントはどちらかというと男性的なお仕事と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、TCGでは男女問わずプロフェッショナルとして活躍しており、その点でも非常に採用しやすい環境だと思います。

もう1つは、企業内大学です。7年から8年間継続しており、唯一無二の企業内大学に成長してきたと感じています。さまざまな学部があり、事例やナレッジの学習が可能で、コンサルタント未経験の人材でも人材育成を通じてプロフェッショナルに成長しています。さらに、育成スピードも非常に向上しています。

このように、採用・育成・活躍が1つのしっかりとしたバリューになってきていると考えています。

また、当社を希望されるみなさまは、トップマネジメントアプローチをしていない企業の方が多いです。BtoBでトップマネジメントアプローチを行っている企業は、実は非常に少ないのが現状です。

例えば、人材業界にお勤めであっても、人材を供給するだけで、その供給先の企業そのものを改善できずにフラストレーションを感じたり、あるいは、供給した後の状況がわからなかったりという課題を抱えている場合があります。

また、金融機関にお勤めの場合でも、融資の案件はあるものの、金融商品が多様化している現代では、提供する商品も幅広く求められます。企業に深く入り込み、その企業のために役立ちたいと考えていても、扱う商材やKPI、目標が企業ごとに異なるため、なかなか上層部にアプローチしづらかったり、上流の仕事に携わることが難しいといった状況もあります。

そのような悩みを抱えて応募される方が多いです。

TCGに入社されると、ほとんど毎日社長やトップマネジメント(経営者層)と会う機会があり、「まったく違いますね」「同じように人材を扱っていても、同じようにBtoBをしていても、まったく会っている人が違います」と言っていただき、定着率も向上しています。

TCGとしては、独自のアプローチややりがい、達成感をもっとわかりやすく、広くマーケットに伝える必要があると考えています。この点については、私たちの努力が不足していると非常に感じています。

コンサルティング会社から応募される方もいらっしゃいますが、その中には在宅で業務を行ったり、システムを構築したり、一部業務を請け負ったりという内容で、経営コンサルティングとしての認識をお持ちです。しかし、私たちの経営コンサルティングとは少し違う、と感じる場合があります。

良い悪いというよりも、アプローチが異なるため、「次のステップへ進みたい」「トップとインパクトのある仕事をしたい」という強い思いの方が多いです。

業界の特殊事情もあるのかもしれませんが、日々の採用活動においてそのように感じています。

私自身、すべての採用面接に必ず立ち会っており、どのような人材が入社されるかを把握しています。現在でも全社員の顔と名前が一致します。こうした採用モデルも重要ではないかと考えています。

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