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2027年、日本は金融危機に向かう?長期金利上昇の裏で起きている「負債の危機」を吉田繁治が解説

日本の長期金利が上昇している――ニュースでは、国債利回りの数字や日銀の金融政策が報じられているが、この動きが私たちの預金、株式、住宅、年金にどのような影響を及ぼすのかは、必ずしも十分に説明されていない。経済アナリストの吉田繁治氏は、現在の長期金利上昇を、単なる金融政策の変化ではなく、世界の金融システムが「負債の危機」に向かう兆候だと指摘する。7月25日(土)に開催される特別講演会に先立ち、吉田氏に現在の世界経済と金融市場について聞いた。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は、2026年7月25日開催『世界経済は100年ぶりの大転換期へ~経済・金融市場の行方と資産防衛』に関連して公開されたインタビュー内容をもとに構成しています。動画本編およびセミナー詳細は記事末尾をご覧ください。

世界の金融負債はGDPの約3倍

吉田氏が最初に示したのは、世界に積み上がった金融資産と金融負債の大きさだ。

金融の基本原理では、誰かが持つ金融資産は、別の誰かの金融負債でもある。預金は銀行の負債であり、国債は政府の負債、株式も企業側から見れば資金調達の手段である。

2008年のリーマン危機以降、日本、米国、欧州では、政府が国債を増発し、中央銀行が国債を買い入れることで大量の通貨を供給してきた。

低金利と通貨増発によって生まれたマネーは、実体経済だけではなく、株式や債券、不動産といった金融資産へ向かった。

その結果、世界の金融資産と金融負債は、世界GDPの約3倍という規模に膨らんでいる。

吉田氏は、現在の株価高騰についても、企業の成長だけで説明できるものではなく、過剰に供給されたマネーが資産市場へ流入した結果だと見る。

金利上昇で膨大な利払いが発生する

問題は、インフレによって金利が上昇したときだ。

金融資産と同じ金額だけ金融負債が存在する以上、金利が上がれば、借り手側の利払いも増える。政府・企業・住宅ローンを抱える世帯・金融機関など、負債を持つ主体の負担が一斉に膨らむことになる。

吉田氏は、日本の金融負債全体について、金利が1ポイント上昇するだけでも、巨額の利払い増加につながると説明する。

金利が上がり、借り手が利息を払えなくなれば、その債権は不良債権になる。不良債権が金融機関に積み上がり、マネーの循環が滞る状態が、金融危機である。

現在、中央銀行が直接コントロールできるのは短期金利が中心だ。

一方で、10年・20年・30年といった長期国債の利回りは、市場が予想する将来のインフレ率を反映して動く。中央銀行が政策金利を抑えていても、市場が将来のインフレを見込めば、長期金利は上昇する。

吉田氏は、2026年から2028年にかけて、この長期金利上昇と膨大な金融負債が衝突する可能性を警戒している。

イラン戦争、原油、インフレ

長期金利を押し上げる要因の1つが、原油を中心とした資源価格の上昇だ。

イラン戦争とホルムズ海峡をめぐる緊張が長期化すれば、原油の供給不安が続き、世界的なインフレ圧力が強まる。

日本はエネルギーや食料の多くを輸入しているため、原油価格の上昇と円安が重なると、輸入物価がさらに上がる。

物価が上がっても賃金や年金が同じ割合で増えなければ、家計が購入できる商品の量は減る。インフレとは、商品価格の上昇であると同時に、通貨価値の下落でもある。

預金額が変わらなくても、物価が上がれば、その預金で購入できる商品やサービスは少なくなる。

AI株バブルと金価格の行方

現在の金融市場では、AI関連株への期待も大きい。

吉田氏は、AIそのものの技術的な重要性は認めつつ、AIデータセンターの収益性や巨額の設備投資を考えると、株価には過剰な期待が含まれている可能性があると見る。

AI関連企業同士が出資や融資を行い、その資金が設備投資や売上として循環する構造が、株価を押し上げている側面もあるという。

一方、金価格は大きく上昇した後、先物や金ETFの利益確定売りによって下落した。

しかし、中国をはじめとするアジアの現物需要や、各国中央銀行によるドル資産から金への振り替えは続いている。

短期的には価格変動があっても、ドル基軸通貨体制の変化や通貨価値の下落が進めば、誰の負債でもない金の役割は大きくなる可能性がある。

資産防衛では「一度に買わない」

では、個人は何をすればよいのか。

吉田氏は、1つの資産に全額を投じるのではなく、複数の資産へ分散し、一定額を継続的に購入する方法を重視する。

こうした一方向への投資は、予想と反対に市場が動いたとき、大きな損失につながる。

高い期待利益には、同じだけの下落リスクがある。

預金、株式、金、外貨、住宅などをどのような比率で持つのか。自分の年齢、収入、必要な生活資金に合わせて、無理のない範囲で資産を分散することが重要になる。

2026年7月25日(土)に特別講演会を開催!

今回のインタビューで紹介された内容は、2026年7月25日(土)に開催される吉田繁治氏の特別講演会の一部だ。

講演会では、

などについて、最新の図表と約20ページのレジュメを使って解説する。

会場では、講演後に質疑応答の時間も設けられる。メールマガジンや動画では一般的な分析を読むことはできても、自分自身の資産や疑問について、吉田氏に直接質問できる機会は多くない。

世界の金融と経済が大きく変わり始めている今、断片的なニュースではなく、その背景にある構造を理解したい人にとって、判断材料を得られる講演になりそうだ。

吉田繁治氏インタビュー動画

※本記事の内容については、吉田繁治氏へのインタビュー動画でもご覧いただけます。

7月25日(土)吉田繁治「特別講演会」開催!

詳細・申込みはこちら

https://peatix.com/event/5061306

<Zoomウェビナー情報>

イベントタイトル:世界経済は100年ぶりの大転換期へ――経済・金融市場の行方と資産防衛
日時:2026年7月25日(土)14時~16時
会場:都市センターホテル(東京都千代田区)606会議室
会場参加:8,800円(税込)
※約20ページのレジュメ、質疑応答、アーカイブ視聴付き
オンライン参加:5,500円(税込)
※Zoomライブ配信、アーカイブ視聴付き
登壇者: 吉田繁治(『ビジネス知識源プレミアム』著者)
主催: まぐまぐ

【登壇者プロフィール】

吉田繁治(よしだ・しげはる) 経済評論家。Systems Research代表。有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』を長年連載中。日本経済の構造問題・金融理論・経営戦略をわかりやすく解説する視点に定評がある。国際経済の深層を読み解く分析で知られる。

【講演予定内容】

  1. イラン戦争停戦のゆくえ
  2. 世界のインフレと国債の金利上昇の動き
  3. 戦後80年続いたドル基軸通貨体制は崩れ、「貿易通貨は多極化」へ
  4. ドル基軸体制の中で1/2の円安になった円は、どこに向かっているのか
  5. 2年で4倍に上がったAI株価バブルは、どこに向かっているのか
  6. 2年で2倍に上がり、26年2月からは25%下げて金価格は、今後どうなのか
  7. インフレ=通貨価値の下落=資産価格高騰である
  8. インフレで預金の価値は下がる。世帯を守る資産防衛
  9. マネー運用の最適ポートフォリオ(分散投資)はどんな内容か
  10. 質疑応答

※講演内容は世界情勢の変化に応じて一部変更となる場合があります。

【チケット購入はこちら】

https://peatix.com/event/5061306

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