■CAICA DIGITALの事業概要
同社は、金融業界向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発などを行う「ITサービス事業」のほか、Web3ビジネスの拡大などに取り組む「金融サービス事業」を展開している。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発や暗号資産交換所の運営経験などを通して蓄積してきた高度な技術やノウハウに強みがあり、同社グループ全技術者(約320名)をブロックチェーン技術者とする計画を実行しているところも特長的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、暗号資産関連ビジネスに加え、様々な分野で将来性が期待されているNFTや、Web3を活用した事業拡大を進めている。また、生成AI技術の急速な進展を踏まえ、「ITサービス事業」に関わる全社員を対象として、AI関連資格の取得を推進する施策も開始した。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、a)ITサービス事業、b)システムインテグレーション事業、c)DXソリューションサービス事業を展開している。中核となるb)システムインテグレーション事業については、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業など、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融機関向けのシステム開発が多くを占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(二次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、事業基盤は安定している。また、大企業からの一次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。一方、a)ITサービス事業については、ブロックチェーンなどの最先端技術を生かした自社開発のITサービスに加え、セキュリティソリューションの販売も強化している。具体的には、外部からのセキュリティ攻撃などを含めた脆弱性診断から問題対策、保守運用までワンストップで提供する、企業向け「セキュリティコンサルティングサービス」や、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる「CAICA SECURITY TRAINING/標的型メール訓練サービス」、顧客システムの脆弱性を検出する「AppScan」の販売、Web3事業に参入する企業を支援する「セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービス」及び「Web3型のデータ保管サービス」の提供など、Web3ビジネスの拡大に向けた動きも活発化させている。c)DXソリューションサービス事業については、AIを活用したDXソリューションの開発を手掛けるベンダー※と提携し、コンサルティングから製品導入、保守運用まで、DXニーズへの対応を加速する体制を整え、今後の収益ドライバーと位置付けている。
※ 2024年1月に独自の開発プラットフォーム「Pega PlatformTM」を提供するPegasystems Inc.(米)とのパートナーシップ契約を締結したほか、同年4月にはAIを活用したDXソリューションの開発を手掛けるHCLSoftware(インド)からパートナー認定された(同年8月には基本再販業者プログラムへと昇格し、ディストリビューターを経由せずにDXソリューション製品の販売が可能となった)。
(2) 金融サービス事業
事業再編中の「金融サービス事業」については、a) 「INO Fine」運営事業、b) カスタマーディベロップメント事業、c) 暗号資産発行・運用事業を展開している。a) 「INO Fine」運営事業については、クオリティの高いNFTを提供する審査制のNFTローンチパッド「INO Fine」の運営を軸として、暗号資産決済やクレジットカード決済の導入、NFTカードを活用したNFTの販売など、商品サービスの拡大を続けている。b) カスタマーディベロップメント事業については、暗号資産や金融業界をはじめとした様々な業界に適応可能な顧客対応事業(コールセンター)を展開している。相談業務を通して、カスタマーとの友好な関係を構築する、高水準のカスタマーサポートチームを顧客企業に提供している。c) 暗号資産発行・運用事業については、自社発行暗号資産カイカコインのユーティリティの拡大により、同社の保有する資産価値の向上と収益の最大化を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)