マネーボイス メニュー

キャスター、オンラインアシスタントの知見を強みにAI投資を推進し成長基盤を構築 AI関連の売上比率向上へ

沿革

勝見彩乃氏:本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。IRを担当している執行役員の勝見です。初めて当社の説明会をご視聴いただいている方もいらっしゃるかと思いますので、会社についてご説明します。

当社は2014年の創業時より、フルリモートという新しい働き方を実践してきた企業です。多様なスキルを持つ人材を幅広く活用しながら、クラウドツールと人的リソースを融合させたBPaaSモデルで事業を拡大し、人手不足や人材難に直面する企業に対して人的リソースを提供してきました。

そのような新しい働き方や経営手法のパイオニアとして、2023年に東証グロース市場に上場しました。さらに、2025年からは「AI FIRST経営」を掲げ、AIとヒトを融合させてバックオフィス業務を高度に効率化するAI-BPaaSとして事業を進化させています。

この進化を実現するため、AIや技術に関連する子会社を合計3社取得・設立し、キャスターグループの体制に移行しました。そして、国内外での開発およびサービス提供体制を強化している状況です。

当社を取り巻く環境①

当社が対峙する市場に関連が深いのは、主に労働市場です。生産年齢人口は年間で約95万人というペースで減少しており、2025年と比較すると2040年には累計1,000万人規模の労働力が失われる予測があります。

この影響は、単に採用が難しくなるだけにとどまりません。スライド右側に掲載している帝国データバンクの調査によると、人手不足を理由とした倒産件数が過去最多を更新し続けています。企業が業務を自社の人材だけで行うことは、もはや経営リスクそのものとなっています。

人材の奪い合いが激化する労働市場だからこそ、安定した労働インフラを提供できる当社の需要が高まっていると認識しています。

当社を取り巻く環境②

人手不足の影響により多くの企業が直面しているのは、採用難が従業員の疲弊を招き、さらなる人材流出を引き起こすという負のスパイラルです。また、専門人材の不足により、本来進めるべきAI活用やDXが停滞しているというジレンマも生じています。

こうした状況の中、外部リソースを活用するBPO市場は拡大基調にあり、前年度比4パーセント増の成長を続けています。特に最近では単なる作業の外注にとどまらず、戦略・設計から一気通貫で業務プロセス全体を刷新したいという高度な委託ニーズが急増していることが、市場拡大の追い風となっています。

当社グループの提供サービス

そのような市場環境の中で、当社が運営・提供する事業は大きく分けて3つのセグメントで構成されています。

まず、主力となっているのが、スライド上段に記載しているBPaaS事業です。この事業では「CASTER BIZ」シリーズを中心に、秘書業務などの日常業務から経理や労務業務といった専門領域まで、当社のリモートワーカーがチームとして幅広く対応しています。

そして、昨今の生成AIをはじめとする技術革新や事業環境の急速な変化を踏まえ、このオンラインアシスタント領域で培った業務知見とAIを組み合わせたAIアシスタントサービス「CASTER NEO」シリーズへの刷新を順次進めています。

これにより、窓口となるAIフロントによる24時間365日の受付対応や、「Slack」を介した指示による自動完結など、AIとプロ人材によるハイブリッドな業務実行を実現していきます。BPaaS事業は安定した収益基盤として、全体の売上の7割から8割を占めています。

スライド中段に記載しているHR事業では、リモート特化型の求人メディアや人材派遣事業を運営しています。これにより、BPaaS事業では対応できない、例えば「外注ではなく自社採用をしたい」「決まった人物に決まった時間で業務対応してほしい」といったニーズに応えることができ、幅広い人材ニーズに対して網羅的な支援が可能となっています。

スライド下段に記載しているAI Tech事業には、AIを活用したマイクロロットのオンラインアシスタントに加え、下部に記載しているコンサルティング事業やAI研修事業などを提供する子会社群が含まれています。

BPaaS事業とHR事業の利益をAI Tech事業へ投資することで、当社グループ全体の成長を牽引していきます。

キャスターとは

まとめると、当社は単にリモートでBPOを行う会社ではなく、深刻化する人手不足に対してAIネイティブなバックオフィスインフラで応える企業となります。

当社ではリモートワーカーの圧倒的なリソースを基盤に、業務プロセスをクラウド経由で効率化・自動化するBPaaS、そして業務をAIプロセスへと進化させたAI-BPaaSへと段階的にサービスを進化させています。

その基盤となっているのは、中小企業をメインとした広範な顧客基盤と、その中で蓄積された150万件以上の豊富な業務データおよび実績です。さらに当社では、一般的な作業のAI化にとどまらず、コミュニケーションのAI化を推進しています。これにより、運営効率を圧倒的に高める業務構造改革を進めています。

この改革では、開発子会社の知見やAI技術を活用しながら、AIがコミュニケーションを担い、人は人でしか対応できない業務を担い共生する、次世代型の業務代行サービスとして、生産性向上と業務構造改革を実現するインフラ基盤を構築していきます。

AIとヒトの力を組み合わせ、安定した労働力を提供できるAIネイティブなバックオフィスインフラこそが、深刻化する人手不足に対して当社が提示する解決策です。

私からの説明は以上です。続いて、代表取締役の中川より、2026年8月期第3四半期の決算についてご説明します。

2026年8月期 通期業績予想修正(2026年7月14日開示)の内容

中川祥太氏:代表取締役の中川です。よろしくお願いします。通期業績予想は売上高の修正を行っており、中期経営計画を取り下げています。スライドに記載のとおり、BPaaS事業における稼働社数の積み上がりが少し遅れていることが要因の1つです。

また、AI Tech事業において研修事業が立ち上がってきましたが、売上計上が来期以降に本格化する見込みのため、売上高を下方修正することとなりました。スピードが少し足りなかった点については申し訳ございません。利益については現時点で変更はなく、収益性重視の方針を継続します。

また、今期に実施した全従業員を対象としたAIリスキリング研修に伴う助成金を、最大で9,400万円程度受領する可能性があります。

ただし、交付決定や受領時期が未確定のため、現時点では業績予想に含めていません。助成金を受領した場合はプラスオンされるというリリースを開示予定ですので、ご確認いただければと思います。

中期経営計画の取り下げについて

今回、中期経営計画を取り下げました。その背景については、開示した時点では「CASTER BIZ」シリーズ、つまり人間が行うアナログ的なサービスを中心に考えていました。一方で、現在はAIアシスタント「CASTER NEO」シリーズを中心とする事業モデルへの構造転換が進んでいます。こちらは、KPIや収益構造が大きく異なります。

そのため、今後は「CASTER NEO」シリーズへの投資を強めていく流れの中で、計画内容が変化することが明確になりました。中期経営計画は一度取り下げますが、現在計測している新しいKPIをベースに、新しい計画を展開していきたいと考えています。

中期経営計画にご期待いただいていたみなさまには申し訳ございません。新しい計画についてはあらためて合理的に策定ができるようになった時点で開示しますので、どうぞよろしくお願いします。

サマリー

2026年8月期第3四半期の決算概要についてご説明します。スライドに記載のとおり、売上高は33億5,000万円、営業利益は3,500万円で着地しました。

トピックスとしては、営業利益は3四半期連続で営業黒字を達成しています。収益をある程度担保しつつ費用コントロールを継続して、通期での目標達成を目指して運営していきたいと考えています。

業績概要

販管費の効率化により営業利益の黒字化を達成していますが、販管費のコントロールは主に広告費ではなく、自然減で退職する従業員の補充は行わないなど人件費が中心と考えていただければと思います。最近話題となっているAI化を進めるなど、効率化に取り組んでいます。

営業利益増減要因

広告投資をある程度行いつつ、販管費コントロールを中心として、全体的な利益を確保しています。

セグメント別業績サマリー

セグメント別の業績サマリーです。収益性を重視しているため、売上はやや伸び悩んでいます。利益を重視したかたちにシフトしているとご理解いただければと思います。

ご参考)BPaaS事業 主要KPI

各種KPIについてです。特に質問を多くいただくBPaaS事業の主要KPIのみを開示しています。稼働社数は増加している一方で、ARPU(顧客平均単価)はやや減少傾向にあります。この要因として、一部のサービスでプライシングを変更した影響が含まれています。

しかし、今後はAIを活用した業務プロセスの拡大により、特にスモールロットのお客さまからのニーズが拡大する可能性があります。

そのため、BPaaS業界全体として、場合によっては顧客数が増加し、客単価が下がるといった傾向がさらに顕著になるかもしれません。このようなトレンドを視野に入れながら、全体を見据えた運営を進めているとご理解ください。

財政状態

財政状態です。若干ですが黒字となっており、大きな変更点はないと考えていただければと思います。

AI研修事業(子会社:キャスターテックジャパン)

成長に向けた取り組みについてお話しします。まず、AI研修事業についてです。子会社のキャスターテックジャパンで、外部のさまざまな企業に対してAIを導入する支援を行っています。

AIリスキリング研修や、最近話題のバイブコーディングと呼ばれる手法を使って簡単な社内業務システムを構築し、業務の効率化を図るといった内容が含まれるAI研修サービスを開始しています。

「X」などのSNS系プラットフォームにおいては「市場が爆発的に伸び始めている」と評価されており、確かに企業のニーズが高まっていると感じています。当社もこの市場で差別化を図りつつ、さらなる成長を目指して取り組んでいきたいと考えています。

営業戦略

営業戦略についてです。細かい話で恐縮ですが、昨今、検索エンジンで検索結果が表示される画面において、「AI Overviews」という機能の存在感が大きくなっています。

この影響により、Web広告業界におけるチャネル、すなわち広告を出稿する先の数字が大きく変動しています。当社も影響を受け、さまざまな調整を行いましたが、おそらくBPOだけでなく、多くの領域で広告が揺れていると考えています。

我々は、その点において他のチャネルへどんどん移行しています。まだ正解が明確に見えているわけではありませんが、ある程度の見立ては立てています。

AIが最終的に検索エンジンの領域を駆逐し、すべて消し去ってしまった後に、お客さまがどのような経路で流入していただけるのかを引き続き模索している状況です。このあたりは変化が激しいため、個人的に興味深いと感じながら取り組んでいます。

外部パートナーとの連携

他社とのアライアンスによる販売代理店戦略で成長の最大化を目指しています。ありがたいことに、当社のサービスを気に入っていただき、取り扱いを一部開始していただくなど、販売代理店から声をかけていただけるようになってきましたので、その成果も徐々に表れています。

これまで自社でアプローチしてうまくいかなかったところですので、外部パートナーの協力により徐々に拡大が進んでいる点は、来期に向けた非常に良い取り組みとなっていると思います。

AIと共生するビジネスの進化戦略①

ここからは「CASTER NEO Assistant」など、AIについてたくさん記載しています。オンラインアシスタントで培った運用資産、つまり中小企業のみなさまに向けたBPO支援という特殊な運用資産を、AI時代に適したかたちに変えて強化していくことが必要だと考えています。

スライド左下に記載のとおり、赤字や、黒字の中でも十分な額を出せていない状況が続いていますが、その中で累計9億円程度をAI関連に投資してきました。これだけの期間にわたり捻出した金額を投下してきた結果が、現在「CASTER NEO」シリーズなどで少しずつ結実し始めています。

この内容をサービスとしてオンラインに載せる段階が近づいていると捉えていただければと思います。

AIと共生するビジネスの進化戦略②

よく質問をいただく内容について、先にお答えします。企業のバックオフィス業務の流れを「ワークフロー」と呼びますが、現状ではワークフローのすべてをAIで自動化することはできません。

「できる」と答える方もいらっしゃるかもしれませんが、当社は実際のお客さまの業務を再現したかたちでAIを運用しているため、できない領域がはっきりとわかっています。

これを可能領域と限界領域に分け、その例をスライドに挙げています。両方を活用してシステムを比較的シームレスに連携させ、企業のワークフローにおいてAIとヒトでなるべく多くの領域を自動化することを、BPaaSモデルとして構築していると考えていただければと思います。

よくある例として、スライド右側の一番上に記載していますが、AI向けのAPIやMCPと呼ばれるものを公開する企業があります。当社では公開された段階で、先行してその内容を確認し、実際に担当者にお話をうかがっていますが、本当の意味ですべてをAIが担っているというわけではない場合があります。

「AIですべてできている」と記載されていても、実際には一部が欠けていることや、そもそもそのような機能を想定しておらず動作できる状態ではない場合もあります。また、「ここが抜けていたら動かない」ということを、システムの担当者自身が気づいていないこともあります。海外では対応が進んでいる部分もありますが、日本ではこのような話がまだあります。

したがって、当社は「ここが動かないと動かせない」とお話しし、相手の方も一生懸命開発しながら対応を進めている状況です。「順次対応します」と回答をいただいたり、対応できない場合は当社が作ったりしています。

まだまだAI単体で完結することが難しい領域は数多く存在します。そうした領域で人間が積極的に取り組むことで、現時点では社会においてあまり広く普及していないモデルですが、企業運営に耐え得るレベルのサービスとしてしっかりと提供できるよう努めていきます。

AIと共生するビジネスの進化戦略③

そして当社は「CASTER NEO Assistant」の提供を開始しています。別の場でもお話ししたかもしれませんが、お客さまと仕事をする上で最も大きな工数を占めるのはコミュニケーションです。

お客さまからはさまざまな内容で「こういうことに困っているんだけど」という相談や、「この進捗はどうなっているのか?」というお話やもっと曖昧な相談、「よくわからないんだけど」という質問も寄せられます。

このようなやりとりのコミュニケーション業務が全体の7割を占めることが当社でも判明しているため、AIを活用して高速かつ24時間365日体制で管理できる仕組みを整えています。

従来「フロント」と呼ばれていたスタッフは、AIコーディネーターとしてバックオフィスに配置され、進捗状況を見るなど、業務が停滞していないかを確認しています。サブエージェントもありますが、AIエージェントとして実際の作業を担うチームにも人間がサポートとして参加しています。

このチームに受け渡し、AIが認証で詰まった際にはAIコーディネーターが介入して認証を突破するなど、AIとヒトを組み合わせて全業務を回していく体制へと移行しているとご理解いただければと思います。

説明が難しい部分もあるかと思いますので、「こういうのはどうするのですか?」とご質問いただければ幸いです。

AIと共生するビジネスの進化戦略④

最近では「FDE(Forward Deployed Engineer)」という言葉が使われていますが、従来のSIerとそれほど大きな違いはないと考えています。SMB向けのFDEという新しい形態のSIerのような方向に、当社のサービスを進化させていきたいと考えています。

ほとんどすべての企業がAIを活用する時代が来ると想定されるため、1日でも早く多くの企業にサービスを提供できるような状態を目指したいと思っています。世界的に見てもSMB向けのFDEはまだそれほど多く存在しておらず、依然として大きな市場が眠っていると考えています。

トピックス①(CASTER NEO Accounting)

トピックスです。当社では「Slack」というチャットツールを起点に、会計処理を自動で行う「CASTER NEO Accounting」を提供しています。

これは、会計ソフトを展開するfreeeが提供しているMCPを使っています。APIの集合体のようなもので、AIが接続できる入口を開放してくれています。現在はMCPが提供されているツールに限定されていますが、このような領域を実行できるようにしています。

また、ワークフローや経費精算などのAIが対応できない領域は、freeeでもまだ存在します。そのため、人間が対応する部分とAIが行う部分を組み合わせるかたちで、このサービスを運用しています。

現在はfreeeのみ対応していますが、他のベンダー各社ともお話を進めていますので、対応が進み次第、拡大していく予定です。

トピックス②(CASTER NEO EC support)

EC領域で「CASTER NEO EC support」を提供しています。もともとグラムスという当社の子会社がECサポートに大きく取り組んでいますが、そのサービスを一部パッケージ化して業務として展開し、当社でも窓口を設けたとご理解いただければと思います。

少し専門的な話になりますが、服の写真を基に着用画像を生成する「バーチャル・トライオン」という技術があります。「ユニクロ」の服を例に挙げると、私はだいたいMサイズを着用しますが、この技術により、Mサイズの人にSサイズを着せた時に服がぱつぱつになる様子を再現することができます。

この「バーチャル・トライオン」の専門的な技術が組み込まれており、「CASTER NEO EC support」でECのさまざまな業務をAI化したソリューションを提供しています。

トピックス③(CASTER NEO Assistant)

「CASTER NEO Assistant」についてです。先ほど簡単にご説明しましたが、AIがお客さまとコミュニケーションを行い、24時間365日即レスで返ってくるサービスです。

分解されたタスクは、いったんAIコーディネーターという人間がチェックし、その後ろにいるAIエージェントと人に分配して業務を処理し、お客さまに戻すという業務構造となっています。

先ほどお伝えしませんでしたが、1点特徴として挙げられるのは、業務対応領域がほぼ無限であるという点です。なぜなら、AIがあらゆる領域で業務を行えるよう、AIエージェントが展開されているサービスが多くなってきているためです。

我々はそのようなAIエージェントサービスも活用し、お客さまのニーズに応じてカスタマイズされたワークフローを提供することが可能になってきています。最終的には、どのような業務も断ることなく喜んで受け入れる業務フローを構築できればと考えています。

質疑応答:BPO市場での競争優位性について

「最近、BPO市場では競合企業が増えていますが、貴社が価格競争に陥らずに選ばれる理由を教えてください」というご質問です。

BPO市場は確かに競合が増えているものの、人を雇いサービスを提供するため、まず採用が非常に難しい市場です。当社はフルリモートで運営していることから、採用力に関してはBPOを行う企業の中でも圧倒的に優れていると考えています。

BPO市場での販売は煩雑なため、ほとんどのプレイヤーは大きなロットに対して販売したがる傾向があります。しかし、当社は大きなロットをあまり重視しておらず、中小企業のみなさまを主な対象とし、小ロットの案件を中心に取り組んでいます。

小ロットは他社には基本的に断られることが多いと思いますが、このように仕組み全体を含めて競合他社があまり手を付けたがらない分野を継続して手掛けてきました。それが競争力の柱であり、十数年前から変わらない強みだと考えています。

質疑応答:株主還元方針、配当、自己株式取得について

「現時点での株主還元の方針と、将来的な配当や自己株式の取得の考え方をご教授ください」というご質問です。

現在のところ、株主還元や配当、自己株式の取得は難しいと考えています。配当は状況次第で検討する可能性もありますが、自己株式取得は利益が段階的に積み重なってきた時に実施したいと考えています。ただし、それには準備を整える必要がありますので、引き続きご理解とご協力をお願いします。

質疑応答:成長率を維持するために最も重要な経営課題について

「現在の成長率を維持するために、今後最も重要となる経営課題は何だと考えていますか?」というご質問です。

まず大前提として、BPaaS、BPOベンダーも、非常に揺れているところが多いと考えています。今年はAIの波が直撃し始める年だと思います。

その中で成長し、さらにチャンスをつかむのは、どの企業も同じようなことを言っていますが、AIの波に対応しない限り難しいと思います。まずはその波にしっかりと乗り換えることが重要です。お客さまの課題やニーズは変わっていませんので、その波に乗った状態でお客さまの課題に的確に応えていきます。

また、広告関係も大きく揺れている中で、お客さまを可能な限り多く獲得し、契約に結びつけることを効率的に行えば、成長を継続できると考えています。

したがって、一番重要なのはAIの波にしっかり乗ることです。その波に乗らなければ、どれほど大きな会社でも消滅する可能性があると考えています。それをしっかりと実行することが、成長に対する最も強いコミットメントであると考えます。

質疑応答:「CASTER BIZ」シリーズと比較した「CASTER NEO」シリーズの単価および粗利率について

「『CASTER NEO Assistant』や『CASTER NEO Accounting』などのAI搭載サービスは、従来の『CASTER BIZ』シリーズ等と比較して、顧客向けの提供単価やセグメント粗利率にどのような効果をもたらしていると分析しますか?」というご質問です。

こちらは非常にシンプルです。当社は人を雇用し、従業員となった方々に複数の会社を担当してもらっています。

AIを活用してサービスを提供すると何が起きるかというと、すべての業務ではないものの、一部の業務をAIが代行してくれることになります。これにより、単純計算で1人の従業員が担当できる社数を増やすことが可能になります。

担当できる社数が増えると、1社当たりにかかる固定費が下がります。つまり、粗利率に影響が出ると考えています。

一方で、同じものが世の中に流通する中で、構築に苦労する会社もあるかもしれませんが、スムーズに導入し、どんどん効率化を進める会社では、業務オペレーションのコストが低下し、ロットも縮小していきます。

その結果、市場全体として単価が下がってしまう可能性があります。そうなると、1社当たりの固定費は下がっていくものの、単価の低下により利益額が減少する可能性も懸念されます。そのため、当社としては状況を見極めながら、生産性の担保という観点で調整をしっかり行っていきたいと考えています。

まとめると、小ロットの中でも業務量が増えることにより単価が上がる可能性もありますが、下がる可能性のほうが高く、粗利率は上がる可能性が高いと考えています。

質疑応答:販管費の圧縮と広告費の削減について

「販管費のコントロールで営業利益を計上していると認識しています。広告宣伝費を削減した結果、新規獲得は減少しているということでしょうか?」というご質問です。

広告費の削減はそれほど大きな割合ではありません。採算性の低い広告費を調整することはありますが、主に人件費を含む販管費の部分が圧縮されていると理解していただければと思います。

質疑応答:今回の業績に対する総括および責任の取り方について

「今回の結果に対する代表取締役の経営責任を、取締役会としてどのように総括しましたか? 役員報酬の減額・返上など、具体的な責任の取り方を検討していますか? 減額・返上を行う場合、対象者、割合、何ヶ月かを明示してください」というご質問です。

我々としては、今回の中期経営計画の取り下げというよりも、売上が計画未達となった部分についてしっかりと議論を行い、今後どのように進めていくべきかについて検討しました。利益については据え置きですので、特に触れていません。

結果として、現時点で最も重要なのは、AIシフトを含めた業界の変動にしっかりと対応し、形を変えていくことだと考えています。こちらに向けて、今期から来期に体制を整えていく計画です。そのため、現時点では役員報酬の減額などの措置が決定した事実はありません。

質疑応答:代表取締役の続投に関する議論について

「代表自身の続投の是非について、指名委員会等での議論がありましたか? 続投するならその正当性の根拠を示してください」というご質問です。

代表取締役の選解任を含む経営体制等に関しては、社外取締役を含めた取締役会で議論を行っています。

今回の業績内容についても当然ながら議論されていますが、現時点では現経営体制の下で成長戦略や構造改革を完遂することが最も重要だという結論に至っており、その方向で進めているとご理解いただければと思います。

質疑応答:粗利率改善の理由について

「粗利率が前年同期比で36.7パーセントから38.7パーセントに改善している理由を教えてください」というご質問です。

主因は、原価側の効率が向上していることが挙げられます。年次で常に発生していることですが、ここ数年、業務範囲を大きく広げていないため、業務内容が進展するにつれて、粗利率が約40パーセント強の粒度に対して改善していくのは構造上の特性だと考えています。

さらに、AIによる作業がだんだんと増えてきています。すべてをAIで行っているわけではありませんが、そのようなところを調整することで改善を進めているとお考えください。

なお、おそらく気になると思われる点について補足すると、AIによるオペレーション改善は、マニュアルが整備されているほど機動的に実施可能です。当社ではすべてのマニュアルが揃っていると考えていただいて問題ありません。

また、お客さまの要望に応じて対応するため、勝手にAIですべてを処理することはありません。コンセンサスが取れてくれば、粗利率がさらに大幅に改善する可能性があると考えています。

質疑応答:計画未達の背景について

「現在、営業を管掌する役員の氏名と管掌範囲を明示してください。開示資料上、責任の所在が投資家に見えない状況です。営業管掌役員は取締役会・経営会議でいつの時点で計画未達リスクを報告しましたか? その報告に対して代表取締役はどのような指示を行い、なぜ機能しなかったのですか?」というご質問です。

取締役についてお話しすると、営業機能に関しては現在私のところに管掌機能があると考えていただいてけっこうです。

計画未達リスクについては、詳細な内容をお伝えすることは控えますが、端的にお伝えすると、営業や販売活動のみで獲得しようとした売上以外にも要因がいくつかありました。そのような点も踏まえ、状況を確認した結果、いったんここで区切りをつける必要があると判断し、今回の売上に関する開示に至りました。

既存事業のBPaaS事業については、稼働社数をご確認いただくとおわかりのとおり、社数の獲得が一定の推移を見せています。こちらは比較的計画どおりに進捗してきたとお考えいただければと思います。

質疑応答:広告宣伝費やCACを非開示とした理由について

「広告宣伝費やCAC(顧客獲得コスト)を開示しなくなった理由を教えてください」というご質問です。

主なポイントとして、先ほどお話ししたようにマーケティング関連のチャネルが大きく変動していることもあり、これらの内容を開示することで、「現在のCACから考えると、どのようなチャネルに出していて、そのチャネルはいくらだ」という情報を競合に知られてしまう可能性が高いです。

広告宣伝については、Webマーケティングだけにとどまらなくなってきたこともあり、当社としては一度、KPIのユニットエコノミクスを開示から外し、まずは粗利益や営業利益といった数値の開示のみとしています。

なお、今後も開示を行わないというわけではなく、ユニットエコノミクスなどの指標を含め、この指標が投資判断において必要とされる段階で、また開示を行う予定です。

質疑応答:アライアンス強化の具体的な方針について

「デジタルマーケティングに代わり、新規チャネルとしてアライアンスを強化していく方向だと認識しました。具体的にはどういった地方SMB向け代理店を活用する方針なのかを教えてください」というご質問です。

多くはお伝えできませんが、我々の取引企業として、大きな代理店がいくつかあります。これらの会社は、非常に積極的に我々に対して販売を強化してくださるとうかがっています。そのため、まずは我々も経験を積むという意味でご協力しています。

それ以外にも、九州エリアは東京とはまったく異なる意味で一定の知名度があります。その知名度を活かしながら、代理店や自社販売について、小規模ではありますが、いくつか試行しています。このようなかたちで進めていくことを検討しています。

まとめると、一部の有力なパートナーとともにまずはしっかりと拡大を進めます。その上で、地域向けでは九州エリアでの拡大の可能性もあるとお考えいただければと思います。

質疑応答:経理代行領域のAIシステム「Castcore」について

「『Castcore』について、もう少し詳しく教えてください」というご質問です。

「Castcore」が資料に記載されているという非常にマニアックな点に気づいていただきありがとうございます。「Castcore」は、経理代行領域の「CASTER NEO Accounting」において、当社が内製で開発しているシステムの名前です。

経理業務を進める中での進捗状況、接続状況、受け取った情報や返した情報、お客さまが誰であるか、誰が指示を出したのか、いつ完了したかなど、ワークフロー管理を中心に行っています。このシステムもAIが搭載されており、広範囲にわたってAIが動作しています。

先ほどお話ししたような、コミュニケーションを担当するAIとは別のシステムです。現在は経理業務で使用していますが、今後、経理以外の領域にも拡大し、ワークフロー管理の仕組みとして活用する可能性が高いと考えています。従来ご紹介していました「Workforce」のAI版と理解していただければ、最もわかりやすいかと思います。

質疑応答:「AI社員」の販売状況と課題について

「『AI社員』の販売状況はいかがでしょうか? 課題もあれば教えてください」というご質問です。

販売を強化していきたいですが、「CASTER NEO」シリーズをリリースしたため、現在は「CASTER NEO」シリーズの販売を優先しているのが現状です。

海外のこうしたサービスに触れている方はご存じかもしれませんが、例えば「Sierra」と呼ばれるAIエージェントがあります。こちらはバックオフィス業務を含め、カスタマイズして販売が可能であり、いわば企業専用の「AI社員」のようなサービスとして登場しています。

さらに、企業評価額は現在2兆5,000億円程度となっています。販売が急激に促進しているというよりは、期待値先行で急成長しているようです。

これに追随するかたちで、例えば「Claude Tag」と呼ばれるカスタマイズ用エージェントの骨組み、あるいはそのまま利用することもできますが、そのようなサービスも市場に登場しています。

当社としては、このようなものをしっかりと活用しつつ、そのまま導入するのではなく、企業ごとにカスタマイズしたほうがより良くなると思いますので、「AI社員」に関する部分をしっかりと進めようと考えています。

来期になると思いますが、その領域における確実なローンチと販売促進を目指したいと思っています。

質疑応答:今後の競争優位性について

「競争優位性およびケイパビリティは、具体的に何と定義していますか? ドメイン知識や業務ノウハウだとすれば、フロンティアモデルの進化速度を踏まえ、それが優位性であり続ける根拠を示してください」というご質問です。

今後の競争優位性という観点では、まず大半のAI企業はまだヒトとのハイブリッド化に取り組んでいません。

ハイブリッド化しなくてもよい範囲に取り組むなど、アメリカでは必要のない範囲がどんどん広がっており、それはそれでよいのではないかと思いますが、そのような進化の仕方をしています。法律の違いも大きく影響していると思います。

我々としては、AIとヒトでハイブリッド化している状況が、現時点では競争優位、もしくは一定の障壁になっていると考えています。これはドメイン知識とも言えますし、業務ノウハウとも言えますが、現時点ではそのように認識しています。

質疑応答:AIの汎用モデルが専門業務を遂行できる世界を経営の前提シナリオに取り入れているかについて

「汎用モデルが専門業務を直接遂行できるようになる世界を、経営の前提シナリオに取り入れていますか?」というご質問です。

「汎用モデルが専門業務を直接こなせるかどうか」という話については、すでに可能な状況になっています。我々が確認したところでは、適切にチューニングすることで、専門業務を問題なくこなせます。専用モデルを作る必要はありません。

質疑応答:AIのコモディティ化による単価への影響について

「AIのコモディティ化により、誰もが水道のように安価にAIを使える状態に進んだ時、BPaaSの単価は維持できますか? 価格下落シナリオでの損益シミュレーションを取締役会で検討したことはありますか? ある場合、前提と結論を示してください」というご質問です。

コモディティ化はかなり進んできていますが、多くの人が気づいていない状況です。技術進化の速度が非常に速いため、一般の利用者に普及するまでの距離が逆に広がっているとも言えます。この距離を埋めるプレイヤーが一定数登場するだろうと考えています。

BPaaSの単価については、先ほどお伝えしたとおり、BPO業界全体として下がる傾向にあると考えています。ただし、取引量が増加する見込みです。そのため、市場規模は掛け算の影響で大きく変わらないかもしれません。

BPO業界そのものが消滅するのではなく、AIの進化やBPOにより、通常の従業員が従事している業務領域が急激に代替されていきます。業界全体がどう変化するのかについては、最終的な予測は難しいところです。ただし、単価が下がる傾向は確実にあると言えます。

また、価格下落シナリオでの損益シミュレーションについては過去に検討したことがありますが、一定の時間がかかると見ています。

なぜかというと、現実にお客さまと接しているためです。例えば、お客さまがいきなりすべてをAIに入れ替えるというのは、ほぼ不可能です。マニュアルすら整備されていない場合もあり、そのような状況ではAIには何もできません。

実際に接続が行われていないケースもあり、「できると聞いたから入れてみたけど、ぜんぜん動かない」というケースがよく見受けられます。接続されていないため、それもそのはずです。このように、最初の構築プロセスをはじめとして、保守・運用・メンテナンスにかなりの手間がかかります。

したがって、急激に下落する可能性についてシミュレーションを行いましたが、現状では比較的緩やかな下落になると想定しています。その間に、当社としては取引先を増やす取り組みを進めることで、価格下落より市場の拡大スピードのほうが速いと考えているのが現状での結論です。

質疑応答:人件費の削減方法について

「人件費を削減できているということですが、従業員は月給のため、削減余地が少ないです。具体的にはどのように削減していますか?」というご質問です。

月給を削っているわけではなく、自然減で退職された方の補充を行っていないということです。一部人員のアロケーションも行っていますが、その前の段階で自然減によって生じた欠員をAIで埋めていくことで、全体の効率化を迅速に図っている状況です。

したがって、新たな採用をかなり抑えています。この方針をしばらく継続しながら進めていきたいと考えています。

質疑応答:AI研修に関わる助成金の計上について

「AI研修に関わる助成金の計上は営業外収益ですか? それとも特別損益で見込まれていますか?」というご質問です。

こちらは営業外収益です。

質疑応答:AI研修事業における翌期の受注・売上計上の確度について

「AI研修事業について、翌期の受注・売上計上の確度はどの程度高いと評価していますか?」というご質問です。

新規事業であり、見込み計上は行っていません。申込書を受け取り、実際に計上可能であると判断された段階からカウントしています。

金額はお伝えできませんが、売上は今期よりも多くなる見込みです。受注についても、先ほどお話ししたように、市場の盛り上がりも影響しており、感触はある程度良いと思っています。

また、企業がどのレベルまでAI研修に取り組むべきかはまだ未知数です。ある程度継続して積み上がる領域になるのか、あるいは1年程度の単発で終わるものなのかは現時点では判断できません。現状としては、数年間にわたりご一緒できるのではないかと感じています。総じて感触はポジティブです。

質疑応答:SNSでのコンテンツ発信について

「貴社の顧客層である中小企業の経営者・管理部門は、SNSや『YouTube』でAI活用情報を収集する典型的な客層です。この層に刺さるコンテンツ発信ができていないのは、戦略として捨てているのか、取り組もうとして失敗しているのか、どちらですか?」というご質問です。

恥ずかしながら、取り組もうとして失敗しているのかもしれません。現在社内で「YouTube」をがんばって発信していますが、残念ながらまだターゲットとする方々や株主のみなさまに温かい目で見守っていただける状況には達しておらず、課題と認識しています。

先日、知人で非常にうまくいっている方からしっかりと学び、「こういうふうにやるといいよ」と助言していただいたため、準備を進めているところです。

もしよろしければ、この後「キャスター公式チャンネル」に、チャンネル登録していただけると励みになります。ぜひよろしくお願いします。私の実力不足であると認識しています。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。