マネーボイス メニュー

メディアドゥ、電子書籍流通事業の成長で1Q増収 営業利益は減益となるも、期初想定を上回る

Agenda

倉本崇氏(以下、倉本):株式会社メディアドゥ経営企画部の倉本です。本日は、当社の2027年2月期第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日は、私から決算ハイライトや業績推移についてご説明した後、藤田から成長戦略についてご説明します。

Executive Summary

エグゼクティブサマリーは資料をご確認ください。

連結業績ハイライト

決算ハイライトについてご説明します。こちらは連結業績のハイライトです。

2027年2月期第1四半期の売上高は270億7,000万円で、前年同期比プラス4.1パーセントとなりました。

EBITDAは7億4,000万円で前年同期比マイナス21.7パーセント、営業利益は4億4,000万円で前年同期比マイナス32.6パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は1億2,000万円で前年同期比マイナス84.2パーセントとなっています。

売上高は、主に電子書籍流通事業の成長により増収となりました。一方で、EBITDAおよび営業利益は、電子書籍流通事業における利益率の高いサービスが2026年2月期第3四半期で終了したこと、昨年に続く下期の日本文芸社の業績不振、さらにシステム開発投資などの影響を受け、減益となりました。ただし、営業利益の着地は期初の想定を上回る結果となっています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期第1四半期において5億3,000万円のMyAnimeList(MAL)の売却益を計上した一方、今期第1四半期には2026年3月のSeven Seas Entertainment, LLC(以下、Seven Seas)買収費用として2億2,000万円を計上した影響で、他の利益項目に比べて減益額が大きくなっています。

営業利益 前年同期比較

営業利益の前年同期比較です。営業利益が前年同期の6億5,400万円から4億4,000万円へ減益となった理由を事業別に記載しています。

電子書籍流通事業は2026年2月期第3四半期における利益率の高いサービスの終了が影響し、4,300万円の減益となっています。

戦略投資事業は、全体で約9,600万円の減益となりました。主な要因として、国際事業における組織体制の変更・強化や翻訳システムの開発費用の計上による6,900万円減、日本文芸社の業績悪化による6,700万円減が挙げられます。

IP・ソリューション事業のその他については、売上成長や投資適正化等による改善があったことに加え、国際事業など当社の成長領域へのリソース転換も進めたことから増益となっています。

全体では2億1,400万円の減益となりましたが、期初の想定を上回る結果に着地しています。

通期業績進捗率

通期業績の進捗率についてご説明します。

第1四半期は、例年、長期休暇を含む第2四半期や第4四半期と比べて、売上・利益ともに少なくなる季節性があります。

特に今年は、第2四半期から、2026年3月に買収したSeven SeasのPLの連結を開始することもあり、例年に比べ第1四半期の進捗率が悪くなりました。

そこで2種類の進捗率を記載しています。上の青いバーは期初に発表した通期予想に対する進捗率を示しており、下のピンク色のバーはSeven Seasの売上・利益の寄与を控除した進捗率を示しています。

売上高は、ピンクのバーが24.2パーセントとなっており、例年の季節性を考慮しても順調な進捗だと言えます。

一方で、EBITDA・営業利益は、それぞれ22.9パーセント、20.8パーセントの進捗状況になっています。売上高より若干進捗率が低いものの、前々期と同程度の進捗率であり、期初想定に対しては順調に進捗しています。

1Q着地を踏まえた2Q(上期)営業利益進捗の目安

今期第1四半期の結果を踏まえ、第2四半期および上期の営業利益の進捗の目安についてご説明します。

第1四半期における通期予想に対する営業利益の進捗率は18.4パーセントとなり、今年4月に公表した想定を上回る結果で着地しました。

第2四半期以降の営業利益の進捗に関する主な想定についてご説明します。第2四半期からは、2026年3月に買収したSeven SeasのPL連結が開始される点がプラス要因となります。一方で、電子書籍流通事業は、利益率の高いサービスが終了した影響が第2四半期まで残る見込みです。

こちらは前年同期比(YoY)では減益の要因となりますが、前四半期比(QoQ)では特に大きな影響を与えない項目だと考えています。

第3四半期以降は、主にフライヤーやがんばろう徳島の利益が例年下期に偏重する傾向があることに加え、現在苦戦中の日本文芸社の改善が緩やかに進むことを想定しています。

そのため、現状では通期予想である24億円に対して順調に進捗していると考えています。

Seven Seasの業績貢献額の期初想定と過去実績

また、第2四半期から連結されるSeven Seasの業績貢献額について、期初想定と過去実績をご説明します。

期初の想定では、9ヶ月分で2億8,000万円の寄与とご説明していました。この数字の算出方法ですが、調整後の営業利益、つまり取り込み元の営業利益を900万ドルと想定し、1ドル150円換算で約13億5,000万円と見込んでいます。

そこから、年間ののれん償却額7億5,000万円、PMI費用2億円を差し引いた年間の業績貢献額が約3億8,000万円となり、9ヶ月分にあたる2億8,000万円を貢献額として、期初の段階で取り込みを行っています。

それに対して、実際にSeven Seasの売上・利益が過去2期および第1四半期においてどのように推移しているのかを示しているのが、スライド下のグラフです。

売上高については、FY26期初の想定は約80億円となっており、過去2期と同水準と見ています。この80億円に対して、第1四半期では22億5,600万円となっており、通期の業績目標に対して25パーセント以上の進捗率を達成しています。

調整後の営業利益は900万ドル、現在の為替換算では14億3,900万円程度と見積もっています。これはFY25とほぼ同水準であると想定しています。こちらも第1四半期の営業利益は5億3,400万円で、目標である14億3,900万円に対して大きく進捗しています。

例年第2四半期の営業利益は若干悪化する傾向があると見込んでおり、第1四半期の5億3,400万円を4倍した約20億円がそのまま見込めるわけではありません。しかし、現段階では期初の想定を基準に順調に進捗していると考えています。

27/2期1Qにおいては、Seven SeasのBSの連結を開始

Seven SeasのPL連結は第2四半期から行いますが、BS連結は第1四半期から開始しています。

メディアドゥとしては積極的な事業投資やM&Aを実施する一方で、財務規律を意識したBSマネジメントを実行することにより、財務の安全性を維持しながら成長戦略を進めていきたいと考えています。

スライド左側の図は2026年2月末の連結BS、スライド中央は2026年5月末の連結BSです。今回、Seven Seasを約126億円で買収したことにより、のれんと有利子負債が大きく増加しています。

しかし、当社が財務規律として掲げている3つの指標、D/Eレシオ、のれん対純資産倍率、純資産比率についても、Seven Seasを連結した2026年5月末基準でいずれも安全性の基準を満たしており、問題はないと考えています。

そのため、現時点ではエクイティファイナンスの必要性はなく、実施予定もありません。

セグメント別売上高

セグメント別の売上高は、資料をご確認ください。

概況

業績推移について、個別の連結業績からご説明します。

なお、連結業績の概況は先ほどご説明したとおりです。

売上高推移(セグメント別)

セグメント別の売上高推移は、資料をご確認ください。

営業利益推移(セグメント別)

セグメント別の営業利益推移です。基本的には、先ほどご説明した内容と同様です。

1点付け加えると、今回、翻訳システムの開発費の計上を海外展開事業の進捗に合わせて、2026年2月期第2四半期から開始しています。

前期にはその他調整額としてグレーの部分に計上していた項目を、今期からは戦略投資事業および国際事業の中で計上しています。

第1四半期においては、翻訳システムの開発費2,500万円を青色で示した戦略投資事業の部分に組み替えて計上していますので、前期との比較としてこの変化点についてご認識いただければ幸いです。

著作料等原価推移

著作料等原価の推移は、資料をご確認ください。

売上原価・販管費推移(著作料等以外)

著作料等以外の売上原価および販管費の推移です。全体的に費用構造は大きく変わっていないと考えています。

ただし、グレーで示したその他の部分は、2026年2月期第2四半期から翻訳システムの開発費用を計上しているため、費用水準がやや上がっています。

加えて、2026年2月期第3四半期からフライヤーの子会社であるAIStepの連結を開始し、さらに2027年2月期第1四半期からは、同じくフライヤーの子会社であるZealoxの連結を開始しています。これにより、全体的な費用水準が上がっています。

売上高前年比成長率

電子書籍流通事業についてご説明します。

こちらのスライドは売上高の前年比成長率を示したものです。2027年2月期第1四半期の前年比成長率はプラス4.1パーセントとなっており、これは2026年2月期第1四半期のプラス4.2パーセントとほぼ同水準です。

今年3月、4月はそれぞれ99.5パーセント、103.0パーセントとなっており、前年のアニメ化作品の好調による反動減により市場全体が厳しい月だったと考えています。一方で、5月はゴールデンウィークのキャンペーンの好調などから109.9パーセントとなり、プラス10パーセント近くの成長を実現しました。

第2四半期は、前年6月に大手書店がキャンペーンを実施したことや、7月から「めちゃコミック」という大型の新規商流を獲得した影響により、若干の反動減が想定されます。ただし、現在の速報ベースでは6月については5月と同様の成長率となっています。

各月の前年比成長率は、人気作品の新刊刊行やアニメ化、大型キャンペーンの動向に左右される傾向があります。そのため、通期における成長率がどの程度になるかは、第2四半期の推移を引き続き注視していく必要があると考えています。

売上高・営業利益推移

売上高と営業利益の推移は、先ほどご説明したとおりです。

コスト構造(著作料等を除く原価・販管費)

コスト構造です。売上高が順調に成長している一方で、コスト額はしっかりと維持されています。

戦略投資事業の主なサービス概要

戦略投資事業についてご説明します。戦略投資事業では、メディアドゥグループの新たな成長ドライバーとなる事業の早期確立を目指しています。

日本のコンテンツ海外展開を実施する「国際事業」、IPの創出・育成や企画・出版を行う「IP・ソリューション事業」、地方創生を推進する「SC(サステナビリティクリエーション)事業」という3つの柱を基に進めています。

売上高・営業利益推移

売上高と営業利益の推移についてご説明します。

戦略投資事業の今期の売上高予想は152億円で、前期の87億円から大きく増加しています。このうち60億円はSeven Seasの売上寄与によるものです。その他の事業の現在の成長性を考えると、全体の売上高152億円の達成は順調に進んでいると考えています。

営業損益は、第1四半期でマイナス2億5,200万円の赤字となりました。通期では2億8,000万円の赤字を予想しています。

第1四半期の段階ですでに2億5,200万円まで進捗していますが、第2四半期以降、Seven Seasの利益寄与を2億8,000万円見込んでいます。そのため、現状の第1四半期の進捗率としては、当社の想定どおり、もしくは想定以上であると考えています。

コスト構造

コスト構造は資料をご確認ください。

営業利益 前年同期比較

営業利益の前年同期比較は、最初の決算ハイライトでご説明したとおりです。

P/L実績

PLの実績は資料をご確認ください。

B/S実績

BSの実績も同様に、資料をご確認ください。

続いて、成長戦略について藤田からご説明します。

中長期成長戦略の軸は3つ

藤田恭嗣氏(以下、藤田):みなさま、こんにちは。代表取締役社長CEOの藤田です。私からは、当社の成長戦略についてお話しします。

当社の成長戦略は、3つの事業を軸に展開しています。まず、日本国内の電子書籍流通事業と、日本のコンテンツを世界に届ける海外展開です。そのためにSeven Seasという翻訳出版社を買収しました。

さらに、地方創生事業を展開するSC事業でも、ポジションの確立を目指します。

各事業が目指す姿と成長フェーズ

各事業の現在のフェーズです。

国内の電子書籍流通事業では、現在シェアNo.1を維持しています。この状況から、さらに5段階目にあたる業界貢献の最大化まで進めるかどうか、「シェアNo.1」から「オンリーワン」に移行できるかどうかが、当社にとっての重要なポイントになると考えています。

海外展開では、今年3月1日に日本の作品を扱う最大の出版社であるアメリカのSeven Seasを100パーセント子会社化しました。これにより、事業が大きく進捗したと考えています。

また、SC事業に関しても、さまざまな進捗がありました。

国内出版社からコンテンツが集まり続ける圧倒的な信頼とポジションを確立

1つ目の国内電子書籍流通事業についてご説明します。

当社は、この事業を20年にわたって展開しており、現在ではシェアNo.1の地位を確立しています。また、コンテンツが集まり続けるポジションを築けたと考えています。

取引先については、日本国内で電子書籍流通事業を行っているほぼすべての出版社2,200社超と取引を行っています。取り扱うコンテンツとしても、毎年約100万点弱が当社のサーバーに格納されています。

さらに、電子書店についても、日本国内のほぼすべての電子書店と取引があり、現在の流通総額は2,000億円弱となっています。これにより、世界規模ではAmazonのKindleストアに次ぐポジションを確立しています。

国内最大手である当社の市場シェアはまだ30% さらなるシェア拡大を目指す

当社のポジションをどのように引き上げていくのか、これには2つのポイントがあると考えています。

日本国内における電子書籍市場全体の規模は6,500億円で、そのうち約40パーセントが当社のような取次経由での流通です。

残り60パーセントのうち、50パーセントは出版社が直接電子書店に卸す直接取引、さらに残りの10パーセントは出版社が直接電子書店を運営する流通形態となっています。

当社が最大限展開できるシェアは、出版社が直接顧客に届ける10パーセントを除いた90パーセントであると考えています。

現在、当社の流通シェアは約30パーセントです。このシェアを90パーセントまで拡大するにあたり、1つ目の重要なポイントが、取次流通の40パーセントの部分をどこまで拡大できるかという点です。

もう1つのポイントは、出版社と電子書店で直接取引が行われている50パーセントについて、当社が介在することで効率化を図り、これまで見えなかったものを可視化するような価値を提供していくことによって、どこまで新たな商流を獲得できるかという点です。

この2点が当社の今後の戦略における非常に重要なポイントになると考えており、現在、さまざまな角度から推進を図っています。

2026年3月1日 Seven Seasを$80Mで買収

2つ目として、日本のコンテンツを海外に展開していく、海外展開の取り組みについてご説明します。

冒頭で申し上げたとおり、今年3月1日にSeven Seasを80ミリオンドルで買収しました。同社は日本のコンテンツを翻訳した本を扱う世界最大の出版社です。

Seven Seasは、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大の翻訳出版社

Seven Seasは年間1,000冊以上のタイトルを扱っており、そのうち紙の本での流通が82パーセントとなっています。

当社を電子書籍の流通会社と認識されている方は多く、「日本のコンテンツを世界に持っていく時にも、電子書籍で展開するのか?」とお考えの方も多いと考えています。

一方で、海外では約9割が紙の本で流通している現状があります。そのため、日本のコンテンツを世界に広めるにあたり、当社としても紙の本の流通もしっかりと推進する必要があると考えています。

このような背景から、電子書籍の流通におけるノウハウを活用してアメリカで紙の本の流通事業を展開することは非常に難易度が高いという判断に至りました。この理由から、アメリカの出版社であり、紙の本の流通に強みを持つSeven Seasを買収しました。

投下資本利益率の向上に資する取得ストラクチャーを採用

今回の買収スキームに関する概要について説明します。こちらは、今年4月の決算説明時点ではまだ説明ができなかった内容です。80ミリオンドル、約126億円の買収となり、「かなり大きなリスクですね」という声もありました。

当社としては、取得ストラクチャーにおいて投下資本利益率の向上に寄与する買収を行うべきと考え、みなし資産買収を実施しています。

そのため、メディアドゥの100パーセント子会社である米国のMedia Do Internationalを活用し、さらにF型再編という買収スキームを実行しました。

買収の実質的なリスク額は買収金額の6割弱の$47M

当社が買収した80ミリオンドルの内訳です。もともとの純資産額が14ミリオンドル、約22億円であり、今回のみなし買収による税効果として19ミリオンドルが計上されます。これらを差し引くと、結果的に約47ミリオンドルとなります。

1ドル159円で計算すると、126億円の買収価額が、実質約75億円となる見込みです。

買収時のリスク減だけでなく、Seven Seasの利益を拡大することで回収年数を早める

もともとみなさまにご報告していた80ミリオンドルで買収した場合、Seven Seasの買収時における営業利益を勘案すると、約8倍のマルチプルではないかと考えています。

しかし、実質的な買収額としては47ミリオンドル、約75億円となり、取得時の営業利益である約10ミリオンドル、16億円で割り算をしていくと、約5年で回収が可能ではないかと考えています。

また、当社としては、Seven Seasが日本の本を開拓するにあたり、日本の出版社、特に電子書籍を取り扱う出版社と連携していくことを視野に入れています。

ほぼすべての国内出版社と契約を結んでいる当社と同社が提携することで、従来よりも速く、より売れる可能性の高いコンテンツが獲得できると考えています。その結果、利益を拡大し、約5年の回収期間をさらに短縮していきたいと考えています。

Seven Seas連結後もBSは安全水準 当面はエクイティファイナンスの予定なし

先ほど倉本がご説明したとおり、Seven Seasの連結後においても、当社のBSは非常に安定していると考えています。そのため、現時点でエクイティファイナンスの予定は一切ありません。

FY26 1Qは売上利益とも計画を上振れ 2QからPL連結を開始予定

Seven Seasに関しては、足元で非常に順調に推移していると認識しています。売上高は25パーセント超、営業利益も30パーセント超の進捗率となっています。

一方で、営業利益は、第2四半期において過去のSeven Seasの実績を見ても、やや少なくなる傾向があります。そのため、第1四半期の結果を単純に4倍にはできませんが、計画している通期売上高79億9,700万円および営業利益14億3,900万円の達成は、現実的に可能であると考えています。

メディアドゥとSeven Seasの強みを掛け合わせ売上・事業規模の最大化を目指す

メディアドゥとSeven Seasが提携し、日本の本の流通をアメリカ国内および世界で最大化することを目指す上で、重要なKPIは4つあると考えています。

まず1つ目は、許諾獲得数です。つまり、どれだけ多くの許諾を取得できるかという点です。

2つ目は、出版タイトル数です。権利許諾を得た後には、適切な翻訳を行うことが求められます。特に紙の本は、デザイン、印刷、流通までを確実に実行し、これを確立させることが重要です。取得した許諾の中から、実際にその年に出版できる作品数、本や電子書籍として流通できる作品数がポイントとなります。

3つ目は、販売単価です。日本国内のマンガの販売単価はおおむね600円から700円とされていますが、アメリカ国内では物価高の影響もあり、約2,000円前後で販売されています。この約3倍の販売単価により、非常に大きな寄与が期待できると考えています。

4つ目は、販売部数です。いかにして売り、売れる作品を見出していくのかが重要です。

メディアドゥのノウハウを生かして出版タイトル数の増加を加速させていく

メディアドゥとSeven Seasが具体的に協業している内容についてご説明します。

メディアドゥでは、日本国内で電子書籍事業を行っているほぼすべての出版社と直接契約を結び、その電子書籍を日々配信しています。

この日々の配信実績から得られる市場トレンドや販売動向を、システム連携を通じてSeven Seasへ日次で共有する体制を構築しました。これにより、Seven Seasではこれまで確認できなかった日本国内での人気度やランキングなどの情報をタイムリーに把握できるようになりました。

さらに、Seven Seasの日本での営業展開において、以前は営業人員がごく少数だったところ、当社の30名を超える出版営業人員が加わることで、許諾獲得体制が整っています。

加えて、マンガだけでなく文字もの作品に関しても、Seven Seasと協力しながら展開を進めていく計画であり、今後は文字もの作品の許諾獲得も積極的に進めていく方針です。

また、当社は電子書籍の流通を行っており、日本国内で実施されるほぼすべてのキャンペーンの仕組み作りや運用も担っています。

日本で許諾を得ている電子書籍コンテンツについては、売上をさらに伸ばすために、今後はキャンペーンや読み放題などを積極的に展開し、さらにオーディオブックの許諾獲得や制作も進めていきます。

これらは、当社が約20年間取り組んできたことであり、特に電子書籍の配信においては当社がSeven Seasに貢献できると考えています。

Seven Seasの取扱いコンテンツ数は年々増加 FY26は1,124タイトル以上の刊行が確定

Seven Seasの取扱いコンテンツ数です。正確には、出版タイトル数です。

前期の出版タイトル数は1,000冊を超える1,041タイトルでした。今期については、今年6月30日までに年内刊行が確定したタイトル数は1,124タイトルとなっており、下期さらに追加予定です。

「海外の企業をこれほどの規模感で買収して本当に大丈夫なのか?」とみなさまにご心配いただいていましたが、一定の安心感を提供できたのではないかと思います。

地域の主要機関との信頼関係を基盤に様々な事業を展開 地方創生と収益事業化を両立する

3つ目のSC事業についてお話しします。昨年4月に発表した中期経営計画の中でもお伝えしたように、当社は日本における少子高齢化や地方創生という社会課題の解決を目指し、SC事業を立ち上げました。

当社は、日本の各地方の課題や人口衰退に対して対策を講じる際、各地域における「ゼロを1にできる」起業家の活躍が絶対に欠かせないものと考えています。一方で、地域や地方の起業家の学びや経験は、東京の経営者に比べて情報量や交流の機会が少なく、それが機会損失につながっていると認識しています。

このような状況を踏まえ、当社が最初に取り組んだのは、日本各地で起業家を生み、育てていくこと、その成長に伴走する仕組みを構築し、それを全国に広げることです。この仕組みが当社の戦略の基盤となり、ある意味でOSのような存在になると考えています。

さらに、その上に「徳島ガンバロウズ」のようなスポーツ事業、教育事業などのアプリケーションを展開していきたいと考えています。

現在の事業は大きく分けて2つ

現時点で行っている事業として、OSとなるべき起業家支援事業があります。徳島で2020年に立ち上げた「徳島イノベーションベース」を日本全国に広げていきます。

さらに、徳島の成功モデルを全国へ展開するという考えのもと、起業家のみなさまとともに一般社団法人xIB JAPANも立ち上げています。

一般社団法人徳島イノベーションベース

これまで地方を担ってきたのは主に行政、金融機関、そしてメディアだったと考えています。そこに我々起業家が加わり、4者が協力して地域をともに盛り上げていこうというのが「イノベーションベース」の設計です。

徳島の成功モデルを全国へ

「イノベーションベース」の仕組みは、今年5月に「香川イノベーションベース」が立ち上がったことで、現時点で20府県にまで広がっています。今後さらに8県での設立が予定されており、28府県となる見込みです。

日本全国の東京都を除く46道府県のうち、半分以上に広がることが決まり、さらにその次を目指して設定したものが「2030 Vision」です。

この取り組みを戦略的に進めることで、2030年までに46道府県に拡大し、総会員数を5,000人に引き上げます。

B.LEAGUE×xIB JAPAN×証券取引所 全国IB説明会&交流会を開催

今年6月には、当社オフィスに日本全国のイノベーションベースを運営・所属する創業者や会長にお集まりいただき、先日発表したB.LEAGUEとの連携協定について当社から説明を行いました。

B.LEAGUEからは島田チェアマンにお越しいただき、B.LEAGUEがなぜxIB JAPANと組んだのかをお話しいただきました。

xIB JAPANは福岡証券取引所と連携協定を締結 地域の起業家・経営者の身近に資本の学びの機会を創出 上場を意識することで地域から日本を強くする

さらに、日本各地の起業家に対して資本戦略の学びを提供することを目的に、福岡証券取引所との連携を発表し、その場で連携協定の締結式を行いました。

日本国内には4つの金融市場がありますが、福岡証券取引所を皮切りに、今後、地方市場との連携強化に挑戦していきたいと考えています。

xIB JAPANにおける全国の地域の主要機関との信頼関係を基に「SC IR」をSC事業の一環として開始

当社が設計し、徳島から始まった起業家支援xIB JAPANというOSの上に、各地方が必要とするさまざまなアプリケーションを重ねていこうと考えています。

そのような中で今期より、「SC IR」と銘打ったIRの取り組みを開始します。

一般的なIRは業績の説明が中心だと思いますが、「SC IR」は経営者が直接登壇することにこだわった、経営者中心の設計となっています。地域・地方の投資家のみなさまに対して、真摯に向き合う覚悟と想いを込め、人間性をしっかりと訴求することに重きを置いています。

設計のポイントとしては、年1回、東京で大きな「SC IRカンファレンス」を開催することです。並行して、「SC IR in地方」として各県で年数回、開催したいと考えています。

先月には、第0回として、徳島でマーケティングを兼ねた「SC IR Tokushima」を開催しました。私自身が登壇し、参加者の99パーセントの方々にご満足いただける結果となりました。

定量的なデータというよりも、定量に裏付けられた定性的な経営者の考え方に対し、深いご理解をいただけたのではないかと思っています。

「貯蓄から投資へ」「短期投資による利鞘獲得から長期投資による応援へ」 地域の投資家の考え方を変容していくIRイベント

今後の予定です。今年9月に東京で開催予定の「SC IRカンファレンス」は、5社の参加が確定しました。来年5月下旬には熊本で第1回目の「SC IR in地方」を開催したいと考えています。現在、日程の調整中です。

このイベントでは創業経営者が登壇しますが、自社のIRを行うだけではありません。最後に5社で行うパネルディスカッションでは自社の企業戦略に加え、地方創生への取り組みについても話をしていただく、ワンデーイベントです。

地方の投資家にとって、いかに自分と身近に感じられるかという親近感が投資のきっかけになるという仮説を持っています。そのため、地方出身で東京で上場している起業家の方々が、再び地方に戻り、なぜ地方創生事業に取り組むのかを語っていただきます。

例えば、B.LEAGUEの事業や地方創生事業に携わっている事例、さらにはxIB JAPANに関連する取り組みなどについて想いを語ることで、投資家のみなさまから共感を得やすい設計になっています。

2026年4月1日 メディアドゥは30周年を迎えました

メディアドゥにおいては、私が1996年4月1日に前身の会社を設立し、今年4月1日に30周年を迎えることができました。

5月19日「設立30周年 感謝の会」開催

今年5月19日には、帝国ホテルにて「設立30周年 感謝の会」を開催しました。

出版社のみなさま約400名、行政や社長・経営者、徳島関連のみなさま約200名にご参加いただき、社員を含めた約660名の方々にお越しいただきました。この場を通じて、これまでの感謝をお伝えするとともに、今後の当社の戦略などもお話ししました。

一企業が600名を超えるみなさまをお迎えし、30周年記念イベントを開催することは簡単なことではないと思っています。当社の将来においても、非常に価値のある機会になったと考えています。

この会で上映した約6分間のダイジェスト動画は、スライド右下のQRコードからご覧いただけます。当社がどのようなことを大切に経営しているかをご理解いただけると思いますので、ぜひご覧ください。

以上で私からの説明を終わります。ありがとうございました。

質疑応答:Seven SeasのPMIの進捗、シナジーや課題について

司会者:「Seven SeasのPMIについて、今回の第1四半期はBSのみの連結であり、第2四半期からPLの連結が始まります。現時点で、Seven Seas単体の業績は計画を上回って推移しているとのことですが、PMIはどの程度順調に進んでいるのでしょうか? 特に、当初想定していなかったシナジー、あるいは逆に課題として認識している点があれば教えてください」というご質問です。

藤田:基本的には計画を上回る進捗状況です。

PMIは順調に進んでおり、現在、特にコーポレートベースでの統合および事業連携を進めています。

コーポレート連携については、まだ取り組むべき課題がいくつか残っていますが、それらも含めて順調に推移しています。

事業連携に関しては、当初の想定以上に順調に進んでいます。買収後の今年3月16日には、Seven SeasのCEOであるジェイソン氏に当社にお越しいただき、取引関係者のみなさまにご挨拶をしました。その際には、出版業界を中心とした400名以上の方々にご参加いただき、非常に高い関心を実感しました。

以降、Seven Seasとともにメディアドゥが日本の本を世界に届ける取り組みとしてさまざまな提案を出版社さまに行っていますが、それらも大変好意的に受け止めていただいている状況です。このことから、現時点で事業連携は順調に進んでいると考えています。

予測できなかったトラブルや、予想外の成果は現時点では特に生じていません。

質疑応答:今後のM&Aについて

司会者:「Seven Seasという大型買収を実施されましたが、現時点ではPMIを優先する局面と理解しています。一方で、中長期的には海外展開をさらに拡大する観点から、追加的なM&Aも検討されているのでしょうか? それとも当面は既存資産の成長に注力される方針でしょうか?」というご質問です。

藤田:現時点で、追加的なM&Aの計画はありません。

質疑応答:日本のコンテンツの海外展開と将来の成長可能性について

質問者:御社の海外展開は昨年や一昨年と比べてもかなり進捗しているように感じます。

これまで国内を主軸としてこられた中で、この1年ほどの海外展開を通じて、海外における日本コンテンツ人気の高まりをどのように実感されていますか? 

また、経済産業省は今後さらに大きく伸びるとの予測を出しています。藤田社長ご自身の肌感覚として、今後の伸び方やポテンシャルについての見方はこの1年でどのようにアップデートされているのか、あわせてお聞かせください。

藤田:おっしゃるように、非常に変化を実感しています。

私はSeven Seasとの買収交渉をしている時を第1段階、買収を実施し、PMIを進めている現在を第2段階と捉えています。

第1段階においては、Seven Seasが急速に伸びていた理由として、新型コロナウイルスの影響が大きかったと考えていました。当時はコロナ禍がピークとなって、買収後に勢いが若干落ちることも覚悟していました。

一方で、買収交渉の段階から、コロナ禍によってそれまでマンガを読んでいなかった人や日本のコンテンツに触れることのなかった方々もさまざまなコンテンツに触れるようになり、この勢いと流れがさらに広がるだろうと、Seven SeasのジェイソンCEOからうかがいました。

第2段階に進み、私が最も大きく感じたことは、日本の出版社が、これまで海外の会社と直接話をする機会を得られなかった状況です。日本企業であるメディアドゥがSeven Seasを買収したことで、その状況が大きく変わりました。

仮に日本出版社が海外出版社と対話の機会を得られたとしても、限られた時間のミーティングや商談にとどまることが多かったのですが、今では「いつでもメディアドゥに相談できる」と認識いただき、商談の数が圧倒的に増えています。

さらに、これまで当社は日本国内で権利許諾を求めるため、提案をする立場でしたが、今は出版社からさまざまな提案をいただけるようになりました。日本の出版社が海外にコンテンツを出していきたいという意欲を、これまで以上に強く実感しています。

日本の本を世界で売っていくには、出版社自らが積極的に推進していく考え方が重要だと考えています。その点で、想像以上の意欲を見られたことが大きな驚きでした。

また、ご質問でも経済産業省のお話がありましたが、日本政府としても、2024年時点で6兆円規模のコンテンツ市場を、2033年には20兆円に拡大する目標を掲げています。特にマンガコンテンツについては、少なくとも1兆円規模と見込まれており、当社はその流通の一角を担う立場になったと感じています。

これまではPMIを含めた調整業務が優先され、政府機関との具体的な交渉に大きく踏み込む機会が限られていました。しかし、当社も少しずつ門戸を開きながら、通常の話にとどまらず、より大きな提案や協力へとつなげていけるよう模索しているところです。

質疑応答:文字ものコンテンツの海外市場展開について

質問者:アニメやマンガがメインだった日本のコンテンツの人気に対し、御社は文字もののコンテンツの海外展開にも注力されています。その中では、翻訳や展開のためのインフラ強化についてもお話がありました。

現状ではM&A後の対応に多くの労力を割いていると思いますが、文字を主体としたコンテンツの市場拡大にあたり、今後新たに対応が必要だとお考えですか? それとも、現在の延長線上で十分市場を獲得できるというお考えでしょうか? 

藤田:現在はSeven Seasから求められる急務として、マンガを中心に権利獲得を進めています。

一方で、日本のコンテンツはマンガだけにとどまりません。マンガについてはすでにかなりの認知度が確立できている一方で、日本の小説や文芸作品については、さらなる開拓の余地があると思っています。そのため、それらの市場については、出版社のみなさまに頼っていただけるような流通の構築を具体的に進めていきたいと考えています。

ここ最近、いくつかの有名な文芸作品や小説のタイトルについて権利許諾をいただき、それらをSeven Seas経由で流通させる許諾を正式に受けました。

また、最近のアメリカ市場では、イギリスの日本文学賞の影響により、イギリスからアメリカに飛び火して販売が広がる傾向がはっきりと表れてきたと感じています。

Seven Seasとともにアメリカ市場に展開するもの、Seven Seas経由でイギリス市場へ流通されるものもありますが、よりイギリスの市場を研究し、Seven Seas以外の手法も含めて、さまざまな可能性を模索していく必要があると感じています。

現在もマーケティングを進めており、文字ものコンテンツの海外展開には相当力を入れていきたいと考えています。

質疑応答:Seven Seasの第1四半期業績と季節性について

司会者:「連結対象外の期間ですが、Seven Seasの第1四半期業績は前年同期比でどのような進捗でしょうか? また、Seven Seasは季節性で第2四半期の利益は例年弱い傾向と説明されています。例年の第1四半期から第4四半期までの季節性についてご説明をお願いします」というご質問です。

倉本:Seven Seasの第1四半期業績については、決算説明資料の43ページに記載している売上高、調整後営業利益の進捗率をご参照ください。こちらをご覧いただくと、売上高および特に営業利益が前年同期と比較しても成長していることが見て取れると思います。

第1四半期から第4四半期までの季節性については、それぞれの期にどのようなタイトルが展開されたかによって大きく影響を受けるため、一概にどの期が弱いとは言いづらい面があります。

ただし、Seven Seasは12月決算であるため、4月から6月の第2四半期の売上・利益は例年弱い傾向にあると認識しています。第1四半期、および第3四半期と第4四半期については、基本的に大きな季節性はないと考えています。

売上高は毎期ほぼ同じ水準を維持することが多いですが、第4四半期は12月の冬休みを含むため、多くなる年もあります。年によって若干の変動はあるものの、ご説明したような季節性があると考えています。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。