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クオールHD Research Memo(1):大型投資で薬局事業のシェア拡大と製薬事業のさらなる成長を目指す

■要約

クオールホールディングスは、「すべての人に、医療の安心を届ける存在へ」をビジョンに掲げる総合ヘルスケアカンパニーで、祖業である薬局事業のほか、BPO事業、製薬事業を展開している。調剤薬局店舗数では業界第2位に位置する。BPO事業では、CSO※1事業や医療系人材紹介派遣事業を展開し、製薬事業では2023年10月にオーソライズド・ジェネリック製品(以下、AG製品※2)を主に展開する第一三共エスファ(株)の株式を30%取得し持分法適用関連会社としたのち、2024年4月に21%の株式を追加取得して連結対象子会社とした(現在の保有比率は80%)。
※1 CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務を指す。
※2 AG(オーソライズド・ジェネリック)とは先発医薬品メーカーから許諾を得て製造した、原薬、添加物および製造法等が先発医薬品と同一のジェネリック医薬品や、特許使用の許可を得て、販売できるジェネリック医薬品のこと。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.2%増の290,772百万円、営業利益で同10.0%増の14,811百万円と過去最高業績を更新した。薬局事業は処方箋応需枚数の減少と人件費の増加により若干の減益となったものの、第一三共エスファにおいて2024年12月以降に発売したAG製品が好調に推移したことにより、製薬事業の売上高が同25.8%増の99,010百万円、営業利益が同32.0%増の6,960百万円と大きく伸長し、業績をけん引した。

2. 2027年3月の業績見通し
2027年3月期の連結業績は売上高で前期比8.3%増の315,000百万円、営業利益で同11.4%増の16,500百万円と増収増益が続く見通し。薬局事業では店舗数の拡大等による増収に加えて、生産性向上やコスト適正化に取り組み4%台の増収増益を見込む。製薬事業では前期及び2027年3月期に投入するAG製品の貢献や既存AG製品のシェア拡大により、売上高で同13.8%増、営業利益で同29.5%増と2ケタ成長が続く見通し。なお、2026年度の薬価改定において、2026年10月以降に新規薬価収載されるAG製品については、先発品と同額になることが決まったが、短期的な業績への影響はない。AG製品の価格面での優位性が無くなることから、今後は既存AG製品のシェア拡大とGE製品の導入・開発に注力することで製薬事業を伸ばしていく方針だ。

3. 中期経営計画
同社は2031年3月期の業績目標として、売上高5,000億円、営業利益350億円、ROE15%を掲げている(2026年3月期比で売上高は1.7倍、営業利益は2.4倍)。既存事業の成長(売上高で同420億円増、営業利益で同66億円増)に加えて、大型M&Aや製品導入など大規模投資を実施することにより、売上高で1,780億円、営業利益で130億円を創出する計画だ。M&Aでは100店舗以上の規模の薬局をグループ化すべく、交渉を進めているようで、今後の動向が注目される。営業利益では製薬事業で前期比2.7倍増と最も高い成長を目指しており、同事業が計画達成のカギを握ることになりそうだ。

4. 株主還元方針
株主還元については、将来の事業展開や経営基盤強化のための内部留保の確保を考慮しつつ、株主への安定した利益還元を継続していくことを基本方針とし、新たに公約配当性向として30%超を2031年3月期までに目指す累進配当を行う方針を発表した。2026年3月期の1株当たり配当金は前期比16.0円増配の50.0円(配当性向25.3%)を実施し、2027年3月期も同4.0円増の54.0円(同26.0%)と連続増配を予定している。株主優待については、毎年3月末の株主に対して、保有株数や保有年数に応じて自社グループのPB商品を中心としたカタログギフトの中から、3千円、5千円、7千円相当の商品を贈呈している。

■Key Points
・2026年3月期は製薬事業がけん引し、過去最高業績を更新
・2027年3月期はすべての事業で増収増益を目指す
・大型投資を実行し、2031年3月期に売上高5,000億円、営業利益350億円を目指す
・新たに配当性向30%超を目安に累進配当を行う方針を発表

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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