■スタートラインの事業概要
1. 事業内容の続き
B. Diverse Village
「Diverse Village」は、働く個人の能力開発や長期的なキャリアステップの構築において、さらなる可能性の拡大が求められている時代のニーズに応える、先進的な取り組みとして誕生した業界初の複合型サービス拠点である。従来の障害者雇用において一般的だった「業務の固定化」を解消し、一人ひとりの特性に合わせた柔軟なキャリア形成を実現する。複数の業務種別を1つの施設内に集約することで、障害者自身の特性や成長に合わせて業務を選択・変更できる環境となっているのが特徴である。
2026年1月にオープンした「Diverse Village USHIKU」では、コーヒー製作(BYSN)、ハーブ・葉物野菜生産(IBUKI)、オフィスワーク(INCLU)の3つの業務エリアを展開する。これらを組み合わせることで、午前は栽培業務で体を動かし、午後は事務作業でPCスキルを磨くといったような、個々の力を最大化する働き方が可能となる。
また、単なる就労の場にとどまらず、施設内には地域住民が利用できるオープンスペースを設けており、日々の交流を通じて社会とのコミュニケーションを育む場としても機能する。障害者が社会との接点を持ちながら、自分らしく働ける環境づくりを目指している。同社では、「Diverse Village USHIKU」を、障害者雇用の「人数」だけでなく「質」の向上を追求し、企業の課題解決だけでなく、自治体が目指す「誰もが活躍できるまちづくり」にも貢献するモデルケースとして、全国展開を図る計画である。既に、2026年5月にDiverse Village NAGOYAを開設したほか、中核都市である栃木県宇都宮市と包括連携協定を締結し、「Diverse Village UTSUNOMIYA」を開設する予定である。
C. サテライト型サービスの収益モデルの概要
同社の新規1拠点出店に伴う初期投資額は、「INCLU」が10~50百万円、「BYSN」「IBUKI」が250~350百万円となっており、サービス開始の約6ヶ月前より発生する。ただし拠点のサイズに応じて初期投資額は変動する。これらの初期投資額は初期契約時の装置販売※などのフロー売上で、回収がおおむね可能となっている。
※ 焙煎機販売はワンタイムで発生する売上で、顧客企業は購入かリースを選択できる。植物栽培装置等はレンタル、購入、リースの3パターンから選択できる。購入・リースはワンタイムの売上計上、レンタルはサブスク契約(月々レンタル売上が発生)となるが、レンタルの利用企業の割合は10%未満となっている。
収益モデルはストックモデルであり、売上高は初期契約時の採用支援や装置販売、初期研修などのフロー売上と、月々のサービス利用料(サブスク契約)であるストック売上で構成される。「INCLU」「INCLU ONE」の場合は、フロー売上である初期売上(採用支援、導入コンサルティング、初期研修)が40~50百万円、ストック売上(利用料・年間)50~100百万円・売上総利益20~40百万円となる。一方、「BYSN」「IBUKI」においては、フロー売上は、初期売上(採用支援、焙煎機または植物栽培装置物販、初期研修)が250~350百万円、ストック売上(年間)70~140百万円・売上総利益30~50百万円である。なお、金額は、拠点のサイズによって変動するため、あくまでもイメージである。
D. 主力の3サービス以外のサービス:応対品質向上型障害者雇用支援サービスRESQWO
WOWOWコミュニケーションズと共同開発したサービスである。同社のサテライトオフィスを利用して、電話対応の応対品質向上業務を通じて、職場環境の提供、障害者の採用・訓練・職場定着・職業能力開発の支援を行う。障害者1名から利用可能である。収益モデルはストックモデルで、導入コンサルティングや初期研修などのフロー売上と、月々の利用料(サブスク契約)のストック売上からなる。
2) 顧客拠点利用パッケージサービス:TASKI
「TASKI」は様々なプロフェッショナルが所有する突出したノウハウと、同社が培ってきた障害者雇用支援・就労支援のノウハウを掛け合わせ、多様な人が同じ空間で働くことを前提にラインナップを展開していくサービスで、その第1弾が高品質なコーヒー製作と障害者就労支援を掛け合わせた「TASKI COFFEE」である。現在は、パンのリベイクなどを通して社内カフェ運営を行う「TASKI BREAD」、靴磨きを行う「TASKI SHOESHINE」などTASKIのレパートリーを広げている。
一例として、TASKI COFFEEでは、障害者は顧客企業の施設において管理者の指揮の下、生豆のピッキング業務(欠点豆の排除)を行い、同社が提供する焙煎所で焙煎業務を行った後、その焙煎豆を用いて社員にコーヒーを給仕する。同社の支援員は常駐しておらず、オンラインと月1回の定期訪問による支援を行う。
収益モデルはストックモデルであり、売上構成は採用支援、初期研修、導入コンサルティング、コーヒーマシン販売と運営サポート料に大別される。運営サポート料以外は、すべてワンタイムで発生する売上となる。
3) 顧客の課題ごとに応じたカスタマイズサービス:コンサルティングサービス
障害者雇用を行う企業等に対して、各社ごとの課題に応じたコンサルティングを実施している。具体的には、障害者採用支援、職域開発、特例子会社設立支援、定着支援、障害者及び管理者向け研修などを挙げることができる。なお、収益モデルはワンタイム売上やランニング売上など、サービス提供内容により異なる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)