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QPSホールディングス、衛星コンステレーション事業が新たな収益の柱となり、通期売上高は前期比+42%の伸長

2026年5月期決算説明

大西俊輔氏(以下、大西):本日は株式会社QPSホールディングスの2026年5月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長CEOの大西です。

三輪洋之介氏(以下、三輪):取締役CFOの三輪です。

大西:2026年5月期決算と中期経営計画についてご説明します。

2026年5月期 ハイライト

はじめに2026年5月期の取り組みの成果についてご報告します。

まずは、事業進捗についてです。2026年5月期は防衛省「衛星コンステレーションの整備・運用等事業」における画像データ取得業務の委託契約(以下、防衛省「衛星コンステレーション事業」)の締結および業務開始、海外向けサービス提供体制の拡充など着実な進展がありました。

また、防衛省「衛星コンステレーション事業」は現在まで順調に業務を遂行しています。

次に衛星の打上げと運用状況についてです。2026年5月期は新拠点の稼働により製造能力を拡大し、6機の衛星製造を完了し、打上げについては、4機の打上げに成功しています、当初はさらに2機の衛星打上げを予定していましたが、打上げ会社Rocket Lab社の打上げ計画変更に伴い、本年7月以降の打上げに変更となりました。

打上げ計画変更による、当社の事業およびコンステレーション構築計画への影響はありません。

最後に、財務状況についてです。2026年1月のシンジケートローン62億円の契約、3月の第三者割当増資や152億円の資金調達により、宇宙戦略基金と合わせ、衛星36機コンステレーション構築の実現に向けた財務基盤を確立することができました。

2026年5月期 経営成績

2026年5月期の実績について、CFOの三輪よりご説明します。

三輪:まず、売上高は38億300万円となり、前年(即ち2025年5月期)対比で11億円の増加となりました。営業利益については8億3,300万円の赤字となり、前年同期比で約9億円の減少となりました。これは衛星の整備が計画どおり進捗し、売上原価において、減価償却費が約12億円、通信費が約4億円それぞれ増加したこと、また販管費が約3億円増加したことが主因です。

販管費に関しては、補助金対象の試験研究費や、人員増に伴う人件費の増加がありました。

一方で、営業外収益において「宇宙戦略基金」による補助金を計上したことなどから、経常利益は11億6,600万円の黒字となりました。

以上により、当期純利益は、前年比約30億円改善して、11億5,200万円の黒字を達成しました。

なお、7月1日に「業績予想の修正に関するお知らせ」を開示しましたが、その内容と概ね同水準の着地となりました。期首計画から見ますと、売上は2億円下振れ、当期利益は5億5,000万円の上振れとなっています。

2026年5月期 事業収益

売上高と補助金等の合計である事業収益は、前年同期と比べて約36億円増加の63億1,200万円となりました。

内訳として、画像提供の売上高は防衛省「衛星コンステレーション事業」を主因に、約10億円、開発調査研究の売上高は、同じく防衛省向けの衛星開発の進捗により、約1億円それぞれ前年を上回る結果となりました。

また、補助金等については、宇宙戦略基金やJAXAとのオンボードPPP共同研究などにより、25億円増加しました。2026年5月の実績に関する説明は以上になります。

中期経営計画 2031年5月期経営目標

次に当社グループの中期経営計画について大西よりご説明します。

大西:当社グループは「九州に宇宙産業を根付かせる」という使命のもと事業を推進しており、さらなる成長を見据えてこの先の5年間の中期経営計画を策定しました。

中期経営計画最終年度の経営目標は、売上高300億円、営業利益30億円を計画し、2031年5月までにはグローバルなインフラとして活用される状態を目指しつつ、これからの5年間を、QPS-SARプロジェクトを拡大・加速し、新たなプロジェクトの創出に注力する期間と位置づけます。

この目標の達成のためには、現在進行中の36機体制構築の進行および収益化を進めつつ、多様なニーズに対応するための衛星ラインアップの拡充や投入軌道の柔軟な選択をはじめ、新技術を搭載した次世代SAR衛星の投入、その基盤強化として製造能力の引き上げが不可欠なものと考えています。

これらを通じて、国内外の多様な顧客ニーズに迅速に応える高頻度・高解像度の観測データ提供能力を継続的にブラッシュアップし続け、既存案件を着実に遂行しつつ、新規プロジェクトの創出に向けた仕組みづくりも推進していきます。

中期経営計画 2031年5月期数値目標

中期経営計画における経営目標の内訳およびその成長シナリオについてご説明します。

足元の2027年5月期までの売上構成においては、防衛省をはじめとする官公庁向けの案件が売上の大半を占める見込みとなっています。

しかしながら、本中期経営計画が目指す姿は、官需を安定基盤としつつも、民需およびグローバル市場も獲得する成長モデルです。

最終年度に計画している売上高300億円のうち、約4割にあたる130億円規模については、海外市場および民間企業向けビジネスによる売上を計画しています。

既存の官公庁向け案件で培った信頼性の高いデータ観測を強みと活かし、国内外のエネルギー、インフラ、防災といった民間セクターの潜在需要を開拓することで、持続可能かつバランスの取れた収益ポートフォリオへと転換していきます。

当社のビジネスモデルでは衛星の運用機数の増加に伴い、減価償却費も比例して増加します。そのため、「EBITDA」をキャッシュ創出力を示す経営指標として位置づけています。

このEBITDAに関しては、36機体制の構築に連動して衛星の稼働数が増えるとともに、リニアな右肩上がりの成長を描いていく見込みです。

独自技術の強みを活かした成長シナリオ

技術面における成長戦略についてご説明します。

当社の最大の強みは、創業以来20年以上におよぶ小型衛星開発、また、直近の10年にわたり、難易度の高い小型SAR衛星の設計から製造、そして運用まで、一貫して自社で手がけてきた点にあります。この一気通貫の取り組みを続けてきたからこそ、宇宙という過酷な環境で実際に稼働するものに対する、他社にはない深い知見を蓄積することができました。

この技術資産は、大きく3つの柱によって支えられています。1つ目は、20年以上にわたる小型衛星開発で積み上げてきた確かな実績です。2つ目は、政府からの委託案件を通じて培ってきました先進技術です。そして3つ目が、今後さらに拡大していきます軌道上での実証機会の活用です。

私たちは、これらの強みを、2つの方向へと展開していきます。

1つは、次世代SAR衛星の実現に向けた研究開発の強化です。受託案件や補助金を活用して次世代モデルの開発を進めるとともに、自社のコンステレーションを活かすことで、開発した技術を宇宙で迅速に実証できる環境を整えていきます。

もう1つは、新規プロジェクトの創出につながる製造能力の強化です。自社開発拠点のキャパシティ拡大に加え、外部委託も有効に活用し、さらにアイデアをスピーディーに形にできる、高い製造力を持った地元九州のパートナーのみなさまとの共創を進めていきます。

このように、私たちが長年培ってきました技術力を起点として、次世代SAR衛星とまったく新しい新規プロジェクトの創造につなげ、中長期にわたる持続的な成長の基礎を築いていきます。

中期経営計画中の資金配分の考え方

資金配分の考え方についてCFOの三輪よりご説明します。

三輪:獲得した営業キャッシュ・フローを、まずは戦略的に、36機体制の衛星コンステレーション整備、生産能力の増強、次世代衛星への開発・製造へ振り向けていく方針です。

営業キャッシュ・フローには、しっかりと課題に対応していくことを前提とすれば、すでに比較的安定した、防衛省「衛星コンステレーション事業」、宇宙戦略基金による補助金などのキャッシュインフローが想定され、投資キャッシュアウトフローにおいても、36機体制の整備は着実に進行しています。

これに対して、海外・民間からの営業キャッシュ・フローの獲得や増産・次世代SAR衛星の開発・製造に関するキャッシュアウトフローは、ともに不確実性を含んでおり、増減する可能性がありますが、これらをコントロールしながら、手元資金と新規の資金調達を駆使してファイナンスしていくという考え方です。

そしてその過程においても、SAR衛星事業の次を見据えた研究開発を進めていく所存です。常に資本コストを意識し、財務の健全性を維持しながら、全体のキャッシュ・フローのマネジメントをしっかりと行い、社会インフラの供給体制を整備していく方針です。

2027年5月期 事業計画概要

続いて、2027年5月期の事業計画についてご説明します。

2027年5月期は7機を打上げて、期末までに16機とします。売上高は100億円、営業利益3億円、当期純利益19億円、EBITDA60億円を目指します。

2027年5月期 事業収益の計画値

2027年5月期の事業収益の内訳についてです。

2027年5月期の売上高は100億円を予想、うち画像データ提供による売上80億円が収益の主軸となり、特に防衛省「衛星コンステレーション」事業がその大半を占める見込みです。これら既存の大型案件を確実に遂行するとともに、さらなる新規案件の獲得に注力することで、事業収益計画の達成を目指していきます。

また、2027年5月期の営業外収益については20億円、内訳は、宇宙戦略基金12億円、SBIR8億円の補助金収入を計画しています。

なお、宇宙戦略基金の補助金の対象として打上げる衛星は、2027年5月期には少なく、2028年5月期以降に打上げる衛星に集中する予定です。

したがって、2028年5月期の営業外収益はより増加することが見込まれます。

主な官公庁案件

こちらは受注または採択された官公庁案件の概要になります。

補助金を加えた事業収益ベースでは、残高は987億円、ただし、宇宙戦略基金による補助金収入は毎年行われるステージゲートなどの審査で承認をいただくことが前提となります。

2027年5月期の業績予想についてのご説明は以上となります。

SAR画像データの取得実績と今後の見通し

次に、衛星の運用状況について大西よりご説明します。

大西:現在、軌道上で9機の衛星を運用しています。2026年5月期はQPS-SAR4機の打上げを完了しており、いずれの衛星も商用運用を開始しています。

2026年5月期に打上げ予定であったうちの2機は2026年7月以降の打上げへ変更となっています。

コンステレーション構築計画

最後に、今後のコンステレーション構築計画をご説明します。

2027年5月期以降もコンスタントな打上げ計画を進めています。打上げについては、国内外の複数のロケット事業者と連携し、柔軟なスケジュールのもとで順調に進行しています。そして、2028年5月期に24機体制の構築を目指しており、さらに36機体制の早期実現を目指しています。

また、2027年5月期の打上げ計画には、2026年5月期に打上げ予定であった衛星2機を追加しています。それらの2機を除き、2027年5月期および2028年5月期の打上げは想定どおりの打上げ計画となっています。

36機のコンステレーションにより、世界中のほぼどこでも任意の地点を平均10分から20分間隔で観測可能な体制が2030年までに実現する予定です。また、機数の増加に伴い、災害対応、インフラ監視、安全保障、環境モニタリングなど、幅広い分野での活用が進んでいく見込みです。

以上で、ご説明を終了します。ありがとうございました。

ここからは、いただいた質問にご回答します。類似する内容はとりまとめをさせていただいたうえで回答します。

質疑応答①

Q:2031年5月期の売上、費用、補助金収入、利益率の考え方について教えてください。

A:2031年5月期は、増大する需要に備えて衛星コンステレーションを拡大し、また次世代SAR衛星の開発を進める等、投資先行のステージながらも、売上高300億円、EBITDA200億円、営業利益30億円と、利益とキャッシュ・フローを確立し、自立的な事業拡大期につながる計画を想定しています。

中期経営計画最終年度の2031年5月期の売上高は300億円、売上構成は、官公庁売上170億円、海外・民間売上130億円を計画しています。官公庁売上の中心は防衛省「衛星コンステレーション事業」で、他の官公庁とも協議を進めています。海外については、現在ヨーロッパ、北米、アジアを中心に引き合いをいただいており、契約締結に向けて協議を進めています。

費用については、既存の36機衛星コンステレーション計画から衛星機数を増やすため、減価償却費等のコストが増える見込みです。また、次世代機の開発および新規プロジェクトの推進等、2032年5月期以降の収益化につながる先行投資的な費用も計上しています。

現時点では新たな補助金を申請する具体的な計画はありませんが、活用可能な制度がありましたら申請を検討していきます。

質疑応答②

Q:2027年5月期および2028年5月期における宇宙戦略基金、SBIR事業に係る補助金の考え方について教えてください。

A:宇宙戦略基金からの補助金は、打上げた衛星を資産計上するタイミングで、営業外収益として計上します。

宇宙戦略金による補助金対象となる衛星の打上げは2028年5月期に集中し、営業外収益の計上額も2027年5月期よりも大きくなる見込みです。

SBIRに係る試験研究費は販売及び一般管理費として計上する一方、補助金収入は営業外収益として計上しており、営業利益を低く見せる会計処理となっています。また、費用計上月よりも後に収益が計上されるため、収益計上が期を跨ぐ可能性があります。

質疑応答③

Q:製造能力を年産20機に拡大するのはどのようなニーズに基づいているのでしょうか? また、増産の開始時期や資金調達の考え方について教えてください。

A:既存のお客さまとの協議や海外の引き合いから確かな需要はあると想定し、製造能力を高めるとともに、グローバルな競争優位の獲得を目指します。

北部九州を中心としたパートナー企業との連携強化、当社開発拠点Q-SIPに加え、外部への委託も検討します。製造能力強化は段階的に進めますが、現時点で手元現預金は200億円超を確保しており、直近で大規模な資金調達を行う予定はありません。営業キャッシュ・フローと手元資金のバランスを見て、資金調達の必要があればタイミングや方法を判断していく方針です。

質疑応答④

Q:2031年5月期時点での競合環境をどのように考えていますか? また、年産100機体制を目指す競合がいる中で、年産20機という目標はどのようなビジネス獲得を目指しているものなのでしょうか?

A:需要が供給を上回る状況は当面続き、最大機数を揃えた1社が市場を独占するようなことはないと想定しています。当社としても国内外のニーズに応えるべく、衛星機数の増加と高性能化を図ります。

年産100機規模の競合の動向については、世界的な連携状況を含めて注視しつつも、まずは自社の成長に必要なステップとして今回20機の増産を進めます。さらなるサービス向上とユーザの利便性改善のため、機数の増加だけではなく、次世代SAR衛星の投入により、衛星間通信、軌道上データ処理、高分解能化、観測幅拡大等の新技術を商用化し、差別化を図ります。今後も市場や競合の状況をしっかりと見極めながら、あらゆる変化に迅速に対応できる体制を一つひとつ整え、世界で戦える確固たる基盤を構築していく方針です。

質疑応答⑤

Q:増産する衛星の投入軌道はどのようなものでしょうか? また、現行の衛星コンステレーションの軌道による観測頻度の考え方について教えてください。

A:現在完成を目指している42度傾斜角のコンステレーションに加え、高緯度地域の需要に応える軌道上に衛星を投入することも検討します。

現行の衛星コンステレーション計画では隣接する横の軌道面を使って観測頻度を上げることを想定しており、各軌道面の衛星が相互に補完することで、36機体制では平均で約10分程度の観測頻度を達成する計算をしています。

※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。

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