トップメッセージ
一坪隆紀氏(以下、一坪):モリト株式会社代表取締役社長の一坪です。2026年11月期第2四半期の決算説明を始めます。よろしくお願いします。
全体コメントについてです。売上高、営業利益、経常利益のいずれも過去最高を更新しました。
これはMs.IDおよびミツボシコーポレーションの連結効果に加え、オーガニック事業の売上増加や、粗利率の改善などによるものです。その結果、前期末に続き、粗利率を30パーセント台に維持することができました。
事業については、北米市場および中国市場における輸送関連事業が外部環境の影響を受けて停滞しましたが、プロダクト関連事業やアパレル関連事業は堅調に推移しました。
順調に推移していますが、中東情勢や調達リスク、コスト増などを考慮し、通期計画は据え置いています。現時点では事業遂行に重大な支障は生じていないため、引き続き状況を注視していきたいと考えています。
2027年〜2031年11月期 新中期経営計画「ACTION 1000」の策定
当社は、新中期経営計画「ACTION 1000」を発表しました。こちらについては、後ほど新中期経営計画説明会にて、ご紹介します。
2026年11月期2Q 通期業績サマリー
ここから、2026年11月期第2四半期、上期の業績についてご説明します。スライドは業績のサマリーです。売上高と売上総利益は前年同期比で約28パーセント増加し、全体的に順調に推移しています。
2026年11月期2Q 前年同期比 主な変動要因
前年同期比の主な変動要因についてです。Ms.IDとミツボシコーポレーションの連結効果に加え、オーガニック事業の売上と売上総利益率が好調に推移しました。
特に、今期から通期で連結しているミツボシコーポレーションは空調服の需要の高まりもあり、売上だけでなく利益面でも当初の想定以上に貢献しています。
当期純利益については、前期にミツボシコーポレーションの負ののれんの発生益を計上していたため前年同期比でマイナスとなっていますが、当初の想定どおりに進んでいます。
2026年11月期2Q 売上高・売上総利益率の推移
スライドは、売上高と売上総利益率の推移を示しています。売上総利益率については、円安や各種材料のコスト高といった要因に対し、特に輸入品は売値への転換が進み、すべてではありませんが対応ができています。
また、高利益率のMs.IDが連結に加わったことにより、30パーセント以上を維持しています。
グループ内での意識が保たれており、国内の主要な既存グループ会社であるモリトアパレル、モリトジャパン、モリトオートパーツのすべてで、売上総利益率が前年同期比で向上しています。
2026年11月期2Q 営業利益増減(前年同期比)
スライドは、営業利益の増減を示しています。売上高および売上総利益の増加が、大きな増加要因となりました。
経費面では、人件費の増加およびM&Aで通期連結対象となった2社による経費の増加がありましたが、その他の経費はおおむね前年並みで、経費率は維持されています。その結果、営業利益は前年同期比で約4億8,900万円増加し、約20億5,800万円となりました。
2026年11月期2Q 連結貸借対照表
連結貸借対照表についてです。固定資産には、今年4月にグループに加わった久永製作所の土地建物が約10億円含まれています。純資産は前年末より約7億円増加しています。主な増加要因は、円安による為替換算調整勘定が約9億円増加したことです。
2026年11月期2Q 連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書についてです。取適法の施行や継続的なCCCの改善により、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比で大きく改善しました。
前期はM&Aの支出があったものの、今期は自己株式の取得などによりこのような結果となり、最終的にはほぼ前年並みとなっています。
2026年11月期2Q 地域別売上高・外部環境
セグメント別の情報です。地域別売上高についてです。日本、アジア、欧米のすべてにおいて前年同期比で増加しました。
2026年11月期2Q 事業別売上高・コメント
事業別売上高についてご説明します。
日本市場におけるアパレル関連事業は、ファッションアパレルは軟調でした。しかし、シルバーアクセサリー、ユニフォームの関連資材、高級バッグ向けの付属品などは好調でした。
アジア市場では、中国系カジュアルウェア向けの付属品、およびベトナムでのスポーツシューズの半製品製造販売が堅調に推移しています。
欧米市場では、作業服およびメディカルウェア向けの付属品が好調でした。
以上の結果、アパレル関連事業は前年同期比で約44パーセントの増加となりました。
プロダクト関連事業は、全体的に堅調に推移しました。ヘルスケア関連商品、文具・ゲーム関連商品、均一価格小売店向け商品、猛暑対策商品、厨房機器関連サービス事業などが好調で、前年同期比9.9パーセントのプラスとなりました。
輸送関連事業は、北米での一部日系自動車メーカーの不振や中国でのビジネスの減少がありましたが、国内は健闘しました。結果として、前年同期比5.7パーセントのプラスとなりました。
(参考)2026年11月期2Q 地域別×事業別 売上構成
地域別および事業別の売上構成比についてです。スライドは、Ms.IDおよびミツボシコーポレーションの連結により、日本でのアパレル関連事業が大きく増加したことを示すグラフです。
(参考)2026年11月期2Q 事業別・地域別 売上高・営業利益構成比
スライドは、参考資料ですが、今期上期累計の事業別・地域別の営業利益構成比を示したグラフになります。先ほどの2社の連結により、アパレル関連事業は、前年同期の構成比53パーセントから60パーセントへと大きく伸びたことがわかります。
プロダクトMを含むプロダクト関連事業は、前年同期の構成比38パーセントから31パーセントに減少しました。業績自体は伸びているものの、アパレル関連事業の成長により構成比はやや低下しています。
輸送関連事業は構成比が9パーセントで、前年同期比では変化がありませんでした。
以上が、2026年11月期上期の実績です。
2026年11月期2Q 計画進捗について
通期の業績予想についてです。現時点での計画進捗は、売上と利益ともに順調に推移しています。冒頭でお伝えしたとおり、中東情勢の影響や調達リスク、コスト増加が懸念事項ではありますが、調達の効率化や販売状況の見直しなど、可能な限りの対応を現在も続けています。
現時点で重大な支障が生じる見込みはありません。ただし、中東問題の今後の展開については予測が困難であり、そのリスクを織り込んだ慎重な判断として、通期業績予想を据え置きとしています。今後、開示が必要な状況が発生した場合には、速やかに対応します。
2026年11月期 下期の見通し
下期の見通しについてです。事業および地域ごとの情報をまとめています。全体的には、アパレル関連事業およびプロダクト関連事業は堅調に、上期と同様に推移するものと予測しています。
輸送関連事業については、北米および中国市場は引き続き厳しい状況が続くと見込んでいます。そのため、日本市場で補うという上期の流れを継続すると考えています。
第8次中期経営計画 環境への取り組み
事業トピックスについてです。まずは、環境への取り組みです。現在、廃漁網を活用した資材やモノマテリアル対応資材を展開し、案件を獲得しています。上期には、京都水族館のスタッフユニフォームを企画し、4月から着用いただいています。
新中期経営計画においても、引き続きさらなる飛躍を目指します。
第8次中期経営計画 環境への取り組み
環境にやさしいめっきについてご紹介します。4月にモリトグループに加わった金属ホックの製造工場である久永製作所が有するめっきの技術です。
通常、めっき工程では色づけや耐腐食性、耐摩耗性能を向上させるために毒性の強い青酸(シアン)化合物が使用されます。
しかし、久永製作所はこのシアンを使用しないめっきを採用しており、環境にやさしいだけでなく、工場作業員の安全配慮も可能となり、排水処理負荷の低減にも寄与しています。
第8次中期経営計画 BtoC事業への注力
BtoC事業についてです。スライドのグラフにあるとおり、Ms.IDの貢献により、アパレルのBtoC事業の数字が増加しています。また、Ms.IDの販売ノウハウを活用するため、グループ間で情報交換を実施し、シナジー創出を目指しています。
配当金・配当性向・DOEの推移
株主還元策についてです。2026年11月期の年間予想配当は前期比2円増の72円で、6期連続の増配予想となっています。
利益配分に関する基本方針の変更(2027年11月期~)
こちらのスライドのとおり、2027年度から利益配分の基本方針が変更となります。詳細は、新中期経営計画説明会にてご説明します。
自己株式取得に係る事項の決定について
スライドに記載のとおり、自己株式の取得を決定しました。
以上、簡単ではありますが、ご説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:下期の想定リスクと通期業績見通し上方修正の可能性について
司会者:「通期見通しについて、営業利益はすでに計画に対して60パーセント近くで推移していますが、下期に何か想定されるようなリスク、経費などはあるのでしょうか?」というご質問です。
一坪:先ほどご説明しましたように、中東情勢が今後どのようになるのかが本当にわからなくなってきているため、計画修正を出すのが難しい状況です。
ただ、現時点で重大な支障が生じる見込みはありません。そのため、リスクを十分に織り込んだ保守的な判断をしています。なお、上方修正など開示が必要な状況になれば、速やかに対応する予定です。
質疑応答:粗利率の上昇余地について
司会者:「粗利率はどの程度まで上昇余地があるとお考えでしょうか? 中東情勢の影響を受ける可能性はあるか教えてください」というご質問です。
一坪:日本市場で販売する海外から輸入した商品に関しては、円安の影響を受け、値上げしやすい状況になっていることは間違いありません。
当然、こうしたかさ上げ部分は存在しますが、30パーセントを超えて、35パーセントや40パーセントに達するのは、事業内容から見てなかなか厳しいと考えています。
そのため、収益性の維持・拡大を図りながら、今後は規模の拡大を追求し、量と率の両立を目指して取り組んでいきたいと考えています。また、外部環境による影響がある場合には、価格交渉や生産の効率化、調達ルートの最適化などを通じて、利益確保に努めていきたいと考えています。
質疑応答:Ms.IDとミツボシコーポレーションの現状と連携について
司会者:「Ms.IDやミツボシコーポレーションとの事業シナジーは出ているのでしょうか? シナジーが出ていれば教えてください」というご質問です。
一坪:Ms.IDもミツボシコーポレーションも昨年からということですので、まだまだ「on the way」の状況です。
大阪の事業所をモリトアパレルとミツボシコーポレーションで隣り合わせにするなど、さまざまなことが進行中です。ミツボシコーポレーションについては、新中期経営計画説明会のところでご説明できればと思います。
Ms.IDについては、Ms.ID以外でモリトが展開しているレディースのバッグやウェアなどのBtoCビジネスがあります。PMIを進めながら、Ms.IDとともに事業を進めていけたらと考えています。
質疑応答:原材料価格の上昇について
司会者:「原材料の価格が上昇していますが、販売価格への転嫁の状況はいかがでしょうか?」というご質問です。
一坪:原材料価格が上昇しているため、生産の合理化などを進めても限界があるということは間違いない事実です。当然、ホックを製造して販売する段階では、販売価格はお客さまとの交渉になりますが、おおむねみなさまにご理解いただいています。
質疑応答:久永製作所の子会社化について
司会者:「久永製作所の子会社化の狙いやシナジーについて教えてください」というご質問です。
一坪:久永製作所の子会社化について、シナジーの点では、ミツボシコーポレーションと同様、新中期経営計画説明会の中でご説明できると考えています。その際に、詳細をご説明できればと思います。
質疑応答:酷暑が続く中での空調服の需要について
司会者:「下期は空調服向けの需要の一服を見込んでいますが、市場そのものが落ち着くとみているのか、それとも前年の反動が大きいのでしょうか?」というご質問です。
一坪:この酷暑が続く限り、空調服の需要は継続すると考えています。ただ、夏場生産・夏場販売用の部材の受注は、年末から春先にかけて続いていきます。夏場以降、下期になると需要が少し落ち着くという、季節要因的な部分とご理解いただければと思います。
質疑応答:通期業績見通しの算出について
司会者:「先ほど、コンサバティブな予想とご説明されましたが、どの部分を保守的に見積もられているのでしょうか?」というご質問です。
一坪:売上にしても、営業利益に伴って経常利益も変動していきます。今年の売上高は630億円、営業利益は35億円を見込んでおり、このあたりは達成できるだろうと考えています。
ただし、そこからどれくらい上積みできるかは、中東関係を含めたリスクにより、見通しが立ちづらい部分があるとご理解いただければと思います。
質疑応答:手形受取廃止や売掛債権回収の早期化がキャッシュフローに与える影響について
司会者:「取適法の施行などもあって、営業キャッシュフローは大きく改善とありましたが、御社グループ内での具体的な改善につながった事例を教えてください」というご質問です。
一坪:これは、手形受取の廃止や売掛債権回収の早期化、そしてやはりCCCの改善によるものです。
在庫については、「同じ金額でも中身がどうなのか」という部分から考えると、不要なものと必要なものがきちんと整理され、その点がキャッシュフローに大きく寄与しているのではないかと思います。
質疑応答:TOPIX改革への対応について
司会者:「TOPIX改革第2弾に向けて、還元の強化が発表されましたが、このままだと脱落する可能性が高いと思われます。この点について、どのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
一坪:当初、浮動株時価総額のボーダーラインは230億円程度という話でしたが、現在は400億円を超えているのではないでしょうか。
みなさまが努力され、日経平均もどんどん上昇している中で、超大手企業の株価が本当にどんどん上がっていくと、我々中小企業にとってはなかなか厳しい状況だと感じています。
企業価値をしっかりと向上させることが重要であり、それに伴い株価や株主価値の向上も着実に進めていきます。また、洗い替えもありますので、今TOPIXに入るかどうかという点よりも、本質的な企業価値・株主価値の向上に注力したいと考えています。
なお今回、新中期経営計画「ACTION 1000」を策定していますが、その結果としてTOPIXに組み入れられることがあれば、それも望ましいと考えています。
質疑応答:中期経営計画における資本政策とDOE目標について
司会者:「中期経営計画でDOE6パーセントを掲げておられますが、現状とのギャップをどのように埋めていく見通しでしょうか?」というご質問です。
一坪:新中期経営計画の資本政策にて、後ほど詳細をご説明します。利益の改善に取り組むとともに、資本効率を意識した積極的な投資や株主還元を進めていきます。現在、DOEは約4.5パーセントで推移しています。
新中期経営計画では、2027年度に5パーセントからスタートし、最終的に2031年度に6パーセントを達成することを目標としています。
質疑応答:久永製作所とのシナジーについて
司会者:「4月にモリトグループに参画した久永製作所の背景を教えてください。また、環境にやさしい『ノンシアンめっき』以外の商品や、モリトと久永製作所のシナジーなども教えてください」というご質問です。
一坪:久永製作所は、モリトグループが販売している、コアとなるホックを製造している企業です。世界的に品質が評価されているホックメーカーであり、今後モリトのマザー工場としてさまざまなシナジーを期待しています。詳細については、新中期経営計画の報告の際にご説明します。