■会社概要
1. 会社概要
DAIKO XTECHは「未来に問いかけ、価値あるしくみで応える」というグループミッションを掲げ、情報通信技術を通じて顧客の課題解決を支援するITサービス企業である。製造・流通・金融・公共など多岐にわたる業種に対し、ITコンサルティングからシステムの設計・開発・運用保守、さらにはネットワーク構築に至るまでをワンストップで提供している。同社の使命は、単なるシステム構築にとどまることなく、顧客のビジネスに変革をもたらす「価値あるしくみ」をデザインし、具現化することにある。現在は、2030年に向けたビジョンステートメントとして、CANVAS2030ビジョン「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ ~ Be Challenging, Be Colorful ~」を策定している。この方針のもと、顧客に寄り添う「伴走」と未来へ導く「先導」を両立させ、新たな価値をともに創り上げる「共創型パートナー」への進化を目指している。また、経営の根幹には「五方良し経営」(社員、パートナー、顧客、地域社会、株主)というバリューを据えており、すべてのステークホルダーに対する循環的な価値提供を重視している。こうした取り組みが評価され、2022年2月には「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞を受賞した。
2. 会社沿革
同社は1953年12月1日、通信産業を大きく興すことで日本の復興に貢献するという強い思いから、大興通信工業(株)として設立された。1956年4月には大和証券(株)(現 大和証券グループ本社)の資本参加を受け入れ、1964年4月には富士通信機製造(株)(現 富士通)と特約店契約を締結するなど、着実に事業基盤を構築していった。その後、1974年1月に商号を大興電子通信(株)へと変更し、1988年には旧通商産業省認定のシステムインテグレータ登録を完了した。
1998年以降は、(株)大和ソフトウェアリサーチ(現 (株)DSR)や大興ビジネス(株)(現 DAIKO NEXT LINK(株))、(株)アイデスなど、事業領域の補完及び拡大を目的とした子会社化を次々と進め、現在のグループ体制を整備した。2022年4月には、2031年3月期を最終年度とする長期経営計画CANVASを始動させ、事業構造変革のための挑戦期へと移行している。3年間の挑戦期を経てその後の変革期に至るまで、IoT新規事業を支援する(株)CAMI&Co.(現 (株)ディアンド)、会計システム開発の(株)ベルテックス、自動車部品サプライヤー向け統合生産管理パッケージ開発のブリットアプリケーション(株)などをM&Aによって子会社化し、インオーガニックな成長を加速させている。
2025年4月1日には、「新たな価値提供への挑戦」という強い意思を込め、商号をDAIKO XTECH(株)へと変更した。この新たな社名には、創業当時の思いや理念の継承を表す「DAIKO(大きく興す)」という呼称に、未知数や未来を象徴する「X」と技術「TECH」が組み合わされている。ここには、「100年企業」の実現を目指し、挑戦と変化を恐れずに成長を続けるという同社の不退転の決意が込められている。
なお、同社は1986年に株式を日本証券業協会へ店頭登録した後、1990年12月に東京証券取引所市場第二部に上場した。2022年4月の東京証券取引所による市場区分の見直しに伴いスタンダード市場へと移行し、現在は富士通を筆頭株主とするITサービス企業として事業基盤を築いている。
3. 競争優位性
(1) 強固な顧客基盤と長期パートナーシップ
同社は70年以上の歴史と蓄積された業務知識を背景に、2万社を超える顧客とのつながりを持ち、長期的な信頼関係を築いている。顧客構成を見ると、製造業(2026年3月期単体売上高において37%)や流通業・小売業(同23%)を中心に、サービス業、金融・保険業、文教・官公庁、建設・不動産業など、あらゆる業種に対応している。また、年商100億円未満の中堅・中小企業から1,000億円以上の大企業まで幅広い顧客層をカバーしており、それぞれの企業規模に合わせた柔軟な提案を行っている点も大きな特徴である。このように多種多様な業種と規模からなる強固な顧客基盤は、景気変動への耐性を高めるだけでなく、継続的な提案機会を生み出す競争優位性となっている。
(2) ワンストップ対応による高い提供価値
同社は、ITコンサルティングからシステム開発、インフラ構築、そして運用・保守に至るまでをワンストップで提供する体制を整えている。この総合力は、グループ全体で蓄積してきた業種・業務別の深いノウハウと、富士通の有力なパートナーでありながら2,800社以上の広範なパートナー基盤を持つマルチベンダー体制によって支えられている。この組み合わせにより、顧客に対して特定のベンダーに縛られない柔軟なソリューション提案が可能となり、それぞれの課題に最も適した解決策を提示できる。この点は、同社が市場で競争優位性を保つうえでの強みと言える。
(3) 重点ソリューションによる差別化
同社のもう1つの強みは、個々の顧客に最適化した業務特化型ソリューションを提供できる体制である。特に製造業や流通業など、同社が歴史的に強みを持つ領域において、現場の課題を深く理解したうえで開発された自社パッケージやパートナーによって開発された業務特化型ソリューションは、汎用的なSIサービスの提供にとどまる競合他社との大きな差別化要因となっている。さらに、顧客とともに課題を定義し、共創型でソリューションを磨き続ける文化が根付いている。これにより、システム導入後の現場定着までを一貫して支援する高い運用力と改善力も兼ね備えている。この「業務に深く入り込む伴走型アプローチ」と「独自性の高い業務パッケージ」の組み合わせこそが、同社の重点ソリューションであり、核心的な強みと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)