日本高純度化学は4月24日、2026年3月期決算を発表した。売上高が前期比43.3%増の180.73億円、営業利益が同14.7%増の5.76億円、経常利益が同18.0%増の7.76億円、当期純利益が同14.2%増の18.03億円となった。
製品別では、生成AI需要を背景に半導体パッケージや光通信モジュール、メモリー向けなどの貴金属めっき薬品が好調に推移した。汎用メモリ向けは旺盛な引き合いが続いたものの、メーカーの投資がHBM等のハイエンド品に集中し、一時的にスマートフォン向け等のメモリ供給が滞ったため、需要増に対する伸びが制約される局面もあった。光通信モジュール向けは、ボリュームは限定的ながら高い成長率で全体を牽引した。民生機器向けはハイエンドを中心に緩やかな回復が継続した。車載向けはEVの需要鈍化により年間を通じて低迷したものの、産業機械向けは昨年夏頃から緩やかな改善が続いている。
収益面では、増員や昇給などの人的資本投資、研究開発投資による費用増加があったが、需要回復に伴う販売量増加に加え、新規ライン受注の拡大が寄与して営業増益を達成した。新規ライン受注は営業利益へ3,900万円のプラス貢献となった。同社のめっき薬品は、不要な箇所へのめっきを排除し顧客のコスト削減に直結する「微細部位への精密めっき技術」や、迅速なアフターサポートが評価され、選定につながっている。また、貴金属の急激な価格変動に際し、研究開発の試作に伴う金属回収に起因した一時的な利益好転が発生した。さらに、政策保有株式の売却を進めたことに伴う投資有価証券売却益が、当期純利益の押し上げに寄与した。
研究開発面では、新事業の柱として注力するナプラ社開発の新素材を用いた「IMC材料の次世代接合めっき技術」の開発が順調に進捗している。これはパワー半導体向けに従来の鉛フリーはんだを代替する高信頼性技術であり、効果の確認は十分に取れてきている。また、国内外50社に導入済みの専用ポータルサイト「J-PLAT」は、めっき液の成分状態をリアルタイムで常時モニタリングするもので、顧客ロイヤルティの向上や将来的なライン増設時の再受注獲得に貢献している。
株主還元については、自己資本配当率(DOE)5%を下限とし、配当性向50%以上を維持する方針を掲げている。当期の年間配当金は1株当たり200円と大幅な増配を実施した。同社は株主還元の維持・成長を基本スタンスとしており、減配は極力回避したい意向を示している。