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五十棲丈二氏(以下、五十棲):みなさま、本日は弊社決算説明会へご参加いただき、誠にありがとうございます。株式会社FUJI代表取締役社長の五十棲丈二です。それでは、2027年3月期第1四半期決算についてご報告します。スライドに記載の順でご説明します。
2027年3月期 第1四半期 業績
2027年3月期第1四半期決算概要についてご説明します。スライドの青い枠の中に記載された上段をご覧ください。受注高は前年同期比96.6パーセント増の857億8,400万円、売上高は前年同期比45.9パーセント増の605億9,700万円、営業利益は前年同期比2.9倍の152億1,200万円、経常利益は2.8倍の158億8,300万円、純利益は2.2倍の126億2,200万円となりました。
受注高及び売上高、各利益はいずれも四半期での過去最高を更新しました。四半期単位では受注高は2期連続、売上高及び営業利益、経常利益は3期連続で過去最高を記録しています。
主力事業であるロボットソリューション事業では、昨年度から続くAIサーバー関連需要の高水準な推移に加え、スマートフォンや車載など幅広い業種において設備需要が拡大しました。この需要を「NXTR」でしっかり取り込めたことが、過去最高業績につながりました。
営業利益増減分析
営業利益増減分析についてご説明します。2026年3月期第1四半期と比較した営業利益の増減分析となります。スライドの左下に記載の、前期の売上高415億2,100万円、営業利益51億9,900万円を起点とし、左から順にご説明します。
スライドの左側から、まず粗利増減影響で114億3,300万円のプラスとなりました。
販売数量の増加により70億円のプラスです。これは前下期から急増しているAIサーバー関連需要を背景とした販売数量の大幅な増加によるものです。
売価要因による55億6,200万円のプラスと、部材費要因による13億5,200万円のマイナスについて合わせてご説明すると、高速装着機「NXT III」の終売に伴い、より付加価値の高い「NXTR」の構成比が大幅に上昇した影響です。売価と部材費を考慮した限界利益率が「NXT III」と比較して向上し、より収益性の高い事業構造へとシフトしたと言えます。
操業度アップによりプラス3億9,800万円です。これは、「NXT III」の生産終了に伴い「NXTR」に一本化されたことで操業度が向上したものです。一方、製造固定費の増加により5,800万円のマイナスとなりました。
販管費増減影響はマイナス14億2,100万円となりました。
人件費の増加によりマイナス2億9,200万円です。研究費はマイナス2,100万円でした。
その他は、主に販売数量増に伴う荷造運賃や販売手数料の増加によりマイナス11億800万円となりました。
これらの結果、営業利益は前年同期比プラス100億1,200万円で、152億1,200万円となりました。
B/Sサマリー
B/Sサマリーについては、スライドに記載のとおりです。
ロボットソリューション事業 業績
セグメント別の業績についてご説明します。まずはロボットソリューション事業の業績です。受注高は前年同期比で倍増の828億4,100万円、売上高は52.5パーセント増の586億2,400万円、営業利益は2.6倍の165億800万円となり、いずれも昨年度の第4四半期に続き過去最高を更新しました。AIサーバー関連の設備需要が高水準で継続していることに加え、スマートフォンや車載向けなど、幅広い業種で売上が伸長しました。
特定の業種に特化しない全方位戦略のもと製品開発と市場開拓を進めてきた「NXTR」が拡大する需要を的確に捉えた結果です。売上の詳細については、次のスライド以降で地域別や業種別にご説明します。
ロボットソリューション事業 地域別売上高
地域別の売上高についてです。グラフの右側に示されている2026年3月期第4四半期との比較でご説明します。中国は4ポイント上昇しました。スマートフォンや車載、半導体関連、AIサーバー関連など、幅広い業種で設備需要が拡大しました。
他アジアは2ポイント減少していますが、金額ベースでは10パーセント増と高水準を維持しています。タイではAIサーバー関連需要が継続していることに加え、ベトナムではスマートフォンやAIサーバー関連向けの需要が大幅に伸びました。
北米は3ポイント増加し、通信インフラや車載、AIサーバー関連で需要が拡大しました。
欧州は2ポイント減少したものの、現在の市場環境としては産業機器向けを中心に回復の兆しが見られます。
ロボットソリューション事業 業種別売上高
業種別の売上高です。こちらも昨年度の第4四半期との比較でご説明します。通信は、6パーセントから21パーセントに大幅に増加しました。これは、中国及びアジアの他地域におけるスマートフォン向け需要に加え、北米での通信インフラ向け需要が伸びたためです。
コンピューターは3ポイント減少し、一服感が継続しています。
サーバーは22パーセントから9パーセントに減少しましたが、これは売上計上タイミングによるものであり、高水準の需要は継続しています。
電源は、これまで「その他」に含めて記載していたものを、今回から切り出して表記しています。AIサーバー用電源が大半を占めており、タイでは昨年度以降、大型案件が継続しているほか、中国やベトナムでも比較的大きな案件がありました。
産業機械は2ポイントの増加となり、欧州において需要回復の兆しが見られます。
車載は3ポイントの増加で、中国向けが大きく伸びたほか、北米向けも比較的堅調に推移しました。
半導体関連(FUJI)は5ポイントの減少となりましたが、これもサーバー同様、売上計上タイミングによるもので、需要環境は非常に活発です。中国やアジアの他地域では、光トランシーバーをはじめとするモジュール部品やSiP(System in Package)領域向けで多くの受注を獲得しました。
一方、半導体関連(FFT:ファスフォードテクノロジ)は4ポイントの減少となりましたが、これは概ね期初の想定どおりです。
ロボットソリューション事業 機種別売上高
機種別の売上高の状況です。これまでの説明会でもお伝えしてきたとおり、「NXT III」は昨年度で完売し、今年度以降、高速装着機は「NXTR」に完全に一本化されました。
マシンツール事業 業績
マシンツール事業の業績についてです。受注高は23億500万円で、前年同期比で6.4パーセント減少しました。売上高は13億5,100万円で、前年同期比48.6パーセント減少し、営業損益は1億8,400万円の赤字となりました。
2026年3月末の受注残高が31億4,300万円という低水準からのスタートとなり、売上を伸ばすことができませんでした。固定費削減に取り組んでいたものの、売上の大幅減を補うには至らず、赤字計上となりました。
マシンツール事業 地域別売上高
地域別の売上高についてです。全地域で非常に厳しい状況となっています。
業績予想
通期の業績予想についてご説明します。2026年5月14日に公表した連結業績予想を修正します。
受注高は450億円上方修正し2,560億円、売上高は330億円上方修正し2,440億円を見込んでいます。
これは、AIサーバー関連需要が引き続き高水準で継続する見通しであることに加え、北米向け需要が拡大しているためです。また、半導体領域においても「NXTR」の認知度が向上し、光トランシーバーやSiP領域における既存顧客からのリピート需要に加え、新規顧客の獲得も進んでおり、業績拡大に寄与しています。
営業利益については、販売数量の増加、及び利益率の高い北米向け案件の増加による増益効果により、164億円上方修正し、通期で600億円とします。経常利益及び当期純利益はスライドに記載のとおりです。受注高及び売上高、各利益のいずれも5月発表時点で過去最高となる見通しでしたが、それをさらに上回る見通しとなっています。
セグメント別 受注・売上通期予想
セグメント別の内訳は、スライド記載のとおりです。
配当金
配当金についてです。現時点では、期初に示した190円のままとしていますが、通期業績確定時には、これまで示している「配当性向50パーセント以上、年間配当金下限80円」の方針に基づき決定します。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:AIサーバー関連の受注見通しと顧客層の状況について
質問者:今回、ロボットソリューション事業の通期受注高予想を上方修正されましたが、第1四半期実績の水準と比較すると、第2四半期以降はペースが落ち着くという印象です。第1四半期において好調であったAIサーバー関連を中心に、第2四半期以降の見通しについてお聞かせください。
五十棲:第1四半期の受注については、スマートフォン向け及び中国の車載向けで、当初の想定を上回るスポット的な需要がありました。
加えて、受注から出荷までのリードタイムが伸びていることもあり、第1四半期受注の一部には需要の先食い的な要素があったのではないかと考えています。しかしながら、AIサーバー関連を筆頭に全体的には好調さを維持しており、第2四半期以降も高水準の需要が見込めると考えています。
質問者:AIサーバー関連向けにおける顧客層について、足元で状況の変化はありますか?
五十棲:従来からの顧客については継続していることに加え、新規の顧客からの需要も増加しているという手応えを感じています。
質疑応答:通信向けの需要動向と季節性について
質問者:通信向けについては、前年の第1四半期は設備投資が活発で、需要も高水準であったと認識しています。今年の第1四半期も通信向けの売上は非常に高い水準でしたが、スマートフォンや基地局を含む通信インフラなど、アプリケーション別にどのような動向であったか教えてください。
五十棲:スマートフォンについては、高機能モデル向けの需要が増加しており、第1四半期には多くの受注を取ることができました。また、高密度実装領域の需要も増加しており、スマートフォン向けは当社にとって追い風になっていると感じています。さらに、基地局や宇宙通信を含む通信インフラ関連の需要も堅調に推移しています。
質問者:第1四半期に需要が集中するスマートフォン向けと同じように、基地局や宇宙通信などの通信インフラ向けにおいても、需要の季節性はあるのでしょうか?
五十棲:季節性については、新製品のリリース時期が一定の周期で設定され、それに伴う生産ラインの計画にも周期性が存在するスマートフォン向けのほうが、より顕著だと思います。ただし、製品の売れ行き状況によっては、必ずしも周期性に縛られずに設備需要が発生することも当然あります。
一方で、通信インフラ向けについては、季節性というよりはその時々の需要に応じた設備投資が行われている傾向が強いとご理解ください。
質疑応答:第1四半期の受注増加要因と通期計画の見通しについて
質問者:第1四半期の受注高857億円は、期初時点で存在していた引き合いが受注に結び付いた結果なのか、あるいは米系スマートフォンや通信インフラ向けなど、突発的な案件の受注が積み重なった結果なのか、どちらでしょうか? 期初の想定とは何が異なっていたのかという観点で教えてください。
五十棲:ご指摘のとおり、第1四半期の受注は想定よりも非常に大きな数字となりました。AIサーバー関連の需要が想定を上回るボリュームであったことが一因として挙げられます。
それに加え、スマートフォンや中国の車載向けでも想定を上回るスポット的な需要がありました。さまざまな分野で想定以上の受注をいただけた結果であると考えています。
質問者:今回、通期の受注計画も上方修正されましたが、第2四半期以降については、第1四半期ほどは想定外のスポット案件は見込んでいないという理解でよいでしょうか?
五十棲:お示ししている通期受注計画は、スポット案件が第2四半期以降も継続して発生するとは考えていない前提での数字ですが、もちろん現時点では見えてない想定外のスポット案件が今後発生することも考えられます。
質疑応答:通期売上計画の達成に向けたサプライチェーンの現状について
質問者:今回、通期の売上計画も上方修正されましたが、部品調達や工場における人材、すなわちサプライチェーンが対応できているかどうかについておうかがいします。
御社は岡崎工場に新工場棟を建設して間もないため工場のキャパシティにはまだ余裕があるかと思いますが、特に部品調達が計画達成へのボトルネックにならないかという点が懸念されます。この点について、状況はいかがでしょうか?
五十棲:ご指摘のとおり、新工場を建設したばかりであり、人材を含む工場側のキャパシティとしては問題ありません。
当社としても部品調達は懸念点ではありますが、サプライヤーとも連携しながら供給体制の強化を図っており、現時点においては大きな問題は発生していません。
質疑応答:株主還元と資金配分について
質問者:自己資本について、当初計画では今年度末で2,400億円を見込んでいたと思いますが、第1四半期末ですでに2,400億円を超えました。借入金も少なく、今回設備投資計画も増やしていない中でキャピタルアロケーションのキャッシュイン側が増えていますが、今後成長投資と株主還元にどのように配分するのか、すでにイメージを持たれていますか?
加納淳一氏(以下、加納):取締役副社長執行役員コーポレート本部長の加納です。業績の上振れにより厚くなる資本については、成長投資やM&A、株主還元などに活用していくことになりますが、現時点ではその具体的な配分までは決まっていません。
ただし、すでにお知らせしている100億円規模の自己株式取得については、今期中に機動的に実施することは決まっています。
また、配当については、今回の決算では期初に公表した190円のままとしていますが、業績が確定した段階で方針に基づき見直しを行います。
成長投資などへの配分についてはもう少し先の議論となりますので、今しばらくお待ちください。
質問者:今回の決算では設備投資計画も増やしておらず、自社株買いの100億円も変更していませんが、それぞれどの程度増やすのかについても未定ということでしょうか?
加納:自社株買いについては変更ありません。設備投資については企業として成長するために必要ですが、現時点では今年度の計画を大きく増やす予定はなく、来年度以降に振り向けていく考えを持っています。
質疑応答:業績予想の上方修正とサプライチェーンの現状について
質問者:業績予想の上方修正についての確認です。新しい計画は、需要・生産のいずれも第1四半期と同程度の水準が続き、サプライチェーンも特に問題はないという前提で策定されたものでしょうか?
五十棲: その前提です。現時点ではサプライチェーンにおいて大きな影響を与える懸念はありません。ただし、さらに上の数字を目指す上においては、サプライチェーンの一層の強化は不可欠であると考えています。
質問者:ボトルネックは御社の生産能力よりもサプライチェーンであると理解しました。部品調達がさらに改善された場合、業績上振れの可能性は十分にあるという理解でよいでしょうか?
五十棲:可能性としてはあると思います。受注拡大には納期が重要な要素であり、そのために生産体制やサプライチェーンを整備していくとご理解いただければと思います。
質疑応答:第2四半期以降の受注高及び受注残の見通しについて
質問者:第1四半期の受注高は前年同期比で96.6パーセント増でした。今後も高水準の受注が続く場合、下期に受注残がどの程度積み上がると予想しているのか、見通しがあれば教えてください。
五十棲:今第1四半期は前年度の第1四半期と比較して96.6パーセント増加しましたが、前年度の受注高は特に下期以降、大きく伸長しました。したがって、第2四半期以降も継続的に第1四半期同様の伸び率が継続するとは見ていません。
一方で、受注残の増減については、下期以降どれだけ生産できるかにもよりますので、受注残が積み上がる可能性はあります。
質疑応答:現在の工場の生産能力及び生産可能台数について
質問者:生産能力についておうかがいします。岡崎新工場棟では、月間1,000台の生産が可能と理解していますが、現在の生産可能台数はどの程度になるのでしょうか?
五十棲:岡崎工場では月産500台の生産ラインが2ラインすでに完成していますが、残業などの稼働時間の調整で月産1,000台を超える水準まで引き上げることは可能であり、現時点ではまだキャパシティに一定の余裕はあります。今後、現在よりも高い水準の需要が継続する場合には生産ラインの増設を進める必要がありますが、その際には自動化投資によって安定生産と需要変動への対応力を高める方針です。
質疑応答:半導体関連の実績及び事業環境について
質問者:半導体関連についておうかがいします。ファスフォードテクノロジの第1四半期の実績を教えていただけますか? また、想定どおりという理解でよろしいでしょうか?
加納:ファスフォードテクノロジの第1四半期実績についてご説明します。受注高は46億円、売上高は36億円、営業利益は約12億円です。ほぼ想定どおりです。
質問者:半導体関連全般について、データセンター向けを含めた最近のトレンドに変化はありますか?
五十棲:FUJI、マウンターの半導体関連領域では、光トランシーバー関連の需要が非常に多いです。高機能パッケージやSiP実装向けも好調です。
加納:ファスフォードテクノロジのダイボンダは、台湾や韓国、日本といった地域からの受注増加が1つの傾向です。
質疑応答:製品の販売価格下落リスクについて
質問者:「NXTR」に一本化したことで売価要因による利益改善効果が出たというお話でしたが、「NXTR」の販売価格が下落していくリスクを考慮すべきでしょうか? それとも、新しいお客さまや用途の広がりによって、販売価格が急激に下がるリスクはないと考えてよいのでしょうか?
五十棲:商談においては、その規模によって一定の値引きを行うこともありますが、「NXTR」は「NXTⅢ」と比較して付加価値がより高いこともあり、なし崩し的に販売価格を下げていくことはありません。