売上高は2桁成長、売上総利益も増加、将来成長に向けた再投資により営業利益以下は減益
後藤康進氏:こんにちは。ピーバンドットコム代表の後藤です。2027年3月期第1四半期の決算概要についてご説明します。
当第1四半期は、売上高2桁成長という力強いトップラインの成長と、将来への計画的な投資による一時的な減益、この2つの側面を持つ四半期となりました。
売上高は前期比プラス12.4パーセントの5億6,800万円、売上総利益はプラス7.3パーセントの1億9,800万円となりました。
一方で、営業利益は前期比マイナス35.2パーセントの1,500万円、四半期純利益はマイナス35パーセントの1,000万円となっています。
ポイントとしては、業績拡大で積み上げた粗利益をしっかりと成長投資に回している点です。その成長の柱となる部品調達サービスの売上高は、前期比プラス87パーセントの4,200万円と大きく伸長しています。
なお、これらの成長投資は計画に沿って進めており、通期の業績予想に変更はありません。今後はこれらの成果をさらに利益に結びつける好循環を作り出していきます。
部品の保管・調達・実装を一元化するGUGEN Hub(グゲン ハブ)の事業基盤が進展
成長の土台となる「GUGEN Hub」のサービス内容についてご説明します。
「GUGEN Hub」は、半導体などの電子部品をお客さまからお預かりし、Web上で不足部品の調達から在庫管理、プリント基板への実装までをスムーズにつなぐサービスです。
昨年秋より機能を拡充し、現在お預かりしている部品は2,276種、部品総数は78万8,021個に上ります。また、このサービスにより削減されたお客さまの部品管理工数は、当社調べで約85パーセントと、着実な手応えを得ています。
今後も機能を拡充し、お客さまの「ものづくり」をより効率的に具現化する仕組みへと進化させていきます。
基板製造サービスを起点に部品調達利用が拡大し、売上成長に寄与
売上成長の構造についてご説明します。
主力の基板製造サービスが前期比プラス12.8パーセントと堅調に成長している中、特に伸びているのが先ほどご説明した「GUGEN Hub」の部品調達&在庫サービスです。製造案件に対する部品調達の利用率は、4.2パーセントから6.2パーセントへ上昇しています。
なお、当社の主軸商材であるプリント基板は、電子機器の土台となるものです。基本的に土台だけでは動作せず、必ず半導体などの電子部品が実装されて初めて、スマートフォンや自動車、家電などの電子機器として機能することができます。
つまり、プリント基板を購入したお客さまは、必ず電子部品をどこかで調達する必要があります。当社サイトでワンストップで購入できる仕組みが急速に浸透し始めていますが、成長の可能性としてはまだ十分な余地があると考えています。
成長領域の伸長により粗利益額は増加、今後は調達条件・業務効率・価格体系の改善を通じ、成長と収益性の両立を推進
売上総利益についてです。売上総利益額は1億8,500万円から1億9,800万円へ、前期比プラス7.3パーセントとなりました。
一方で、利益率は36.6パーセントから35パーセントへと前年から1.6ポイント低下しています。これは、成長領域である部品調達が想定以上に伸び、全体の収益構成のバランスに影響を及ぼした結果です。
現在、「GUGEN Hub」などの部品調達サービスは拡大フェーズにあり、利用拡大と顧客基盤の構築を優先していますが、今後は「調達条件の改善」「業務の標準化と効率化」「価格体系の見直し」の3つの取り組みにより、収益性の向上を図っていきます。
粗利益の増加を将来成長への再投資に充当
営業利益について、「稼ぐ力の拡大」と成長投資の観点からご説明します。
売上高・売上総利益の拡大に伴い、投資の原資となる粗利益は着実に増加しています。
一方、営業利益は前年同期の2,400万円から1,500万円となりました。これは、粗利益が1,300万円増加する一方で、それを上回る2,200万円を成長投資として計画的に投じた結果です。
主な投資先は大きく3つあります。1つ目がAIを最大活用するシステム基盤の構築、2つ目が「GUGEN Hub」などの新サービスの機能開発、そして、それらを担う専門人材の採用の3点で、いずれも計画どおりに進捗しています。
再投資・基盤整備フェーズにおけるQ1の進捗
続きまして、中期経営計画に基づく重点施策の進捗についてご説明します。
当社の中期経営計画では、2027年3月期までを基盤整備のための再投資フェーズとし、2028年3月期以降を成長回収フェーズと位置付けています。
現在はフェーズ1の途中にあり、当第1四半期では「システム基盤の全面刷新」「プロダクト推進チームの新設」「GUGEN Hubの機能強化」「DigiKey社との提携」、そして「gene(ジーン)のエッジAI領域への展開」の5つの進捗がありました。
これらはいずれも単独の施策ではなく、今後の成長と収益性向上に向けた基盤作りとして進めています。このうち、特に重要となる3点について、次のスライドからご説明します。
AIで顧客ニーズの集約・分析を効率化し、プロダクト推進チームがサービス改善と開発を加速
特に重要な3つの進捗のうち、 1つ目は、AIの活用とプロダクト推進チームの新設です。
各部門に分散していたお客さまの声を一元的に集約し、AIを活用して分類・要約・傾向分析を効率化した上で、プロダクト推進チームが優先順位をつけ、サービス改善や新機能開発につなげる体制を構築しました。
AIに判断を任せるのではなく、AIを活用してお客さまのニーズをより早く捉え、人が判断に集中します。この仕組みにより、お客さまの声をサービスへ反映するスピードを高めていきます。
世界最大級の米国半導体EC商社 DigiKey社と提携
2つ目は、DigiKey社との提携です。
DigiKey社は、半導体をはじめとする電子部品を幅広く取り扱う、世界的な半導体EC商社です。当社は2026年6月、DigiKey社との間で、電子部品の継続的な購入条件などを定めるVPAを締結しました。
世界規模の電子部品ネットワークを展開するDigiKey社との提携により、1,800万点以上の取扱部品と数百万種の統合部品データを活用できるようになり、部品の検索ヒット率や照合精度の向上が期待されます。
なお、先ほどご説明した第1四半期の部品調達における売上拡大は、今回の提携によるものではなく、これまで積み重ねてきた施策の成果です。DigiKey社との連携効果は、下半期以降に徐々に数字として表れる見込みです。
gene(ジーン)を起点に、エッジAI領域の顧客接点と案件機会を拡大
3つ目は、開発支援サービス「gene」を起点としたエッジAI領域への展開です。
国内のエッジコンピューティング市場は、スマートファクトリーや遠隔監視、センシング技術の進化を背景に、2027年には約2兆3,000億円規模まで拡大する見通しです。
当第1四半期では、半導体メーカーのローム社が主催するエッジAI開発コンテストにおいて、参加エンジニアの開発を「gene」で支援しています。具体的には、AI開発キットを提供し、参加者のアイデア検証や開発を支援する取り組みです。
また、展示会への出展を通じて、エッジ領域のエンジニアとの新たな接点を広げています。こうして「gene」で生まれた接点を、「P板.com」による設計、基板製造、部品調達、そして実装へとつなげることで、案件機会の拡大を図っていきます。
業績目標(2027年3月期~2029年3月期)
最後に、業績目標と株主還元についてご説明します。
中期経営計画では、売上高を2026年3月期の23億1,100万円から2029年3月期には30億100万円へと、年平均約9パーセントの成長を計画しています。
売上総利益は8億7,300万円から12億1,700万円へ年平均約11パーセント、そして、当期純利益は1億600万円から1億8,400万円へ、年平均約20パーセントの成長を計画しています。
現在は、システムやサービス、人材といった事業基盤を着実に整備するフェーズにあります。ここで整えた基盤を活用し、2028年3月期以降の成長回収フェーズへとつなげ、売上の拡大と収益性の向上を実現し、これらの業績目標の達成を目指していきます。
資本配分方針:成長投資・M&A・株主還元の優先順位
資本配分の方針についてご説明します。
当社は、資金を3つの優先順位で配分していきます。
第1は成長投資です。主にシステム基盤の全面刷新や人材投資であり、中期経営計画に織り込み済みの最優先投資です。
第2はM&Aおよび資本業務提携です。資本コストを上回る収益性が見込める案件に限定し、自力での成長に加えて成長を一段加速させる選択肢と位置付けています。
第3は株主還元です。配当性向30パーセント以上を継続目標とし、状況に応じて自己株式の取得を組み合わせます。
これらを支える原資は、利益成長と自己資本比率79パーセントという健全な財務体質です。資本効率の目標として、ROEは12.5パーセント超、エクイティスプレッドはプラス2.5パーセント以上を掲げています。
利益成長・資本効率・株主還元の好循環
以上、業績目標、資本配分の方針、資本効率の目標についてご説明しました。
当社が目指しているのは、利益成長を起点に資本効率を高め、その成果を株主のみなさまへ還元するという好循環です。
当期純利益を年平均約20パーセントのペースで伸ばしながら、その原資を成長投資、M&A、株主還元へと配分し、投じた資金が資本コストを上回る成果を生み出せるよう努めていきます。
弊社IRに関する情報やご質問は下記IRページよりお願いします。
以上をもちまして、株式会社ピーバンドットコムの2027年3月期第1四半期決算のご説明を終了します。当社のIRに関する最新情報、過去の決算資料、よくいただくご質問への回答などは、画面のQRコードもしくは当社IRページからご確認ください。
当社は引き続き、持続的な成長と企業価値の向上に向けて全力で取り組んでいきます。みなさまのご支援が私たちの原動力です。
本日は最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました。