本資料の構成
高橋克実氏(以下、高橋):株式会社イボキン代表取締役の高橋です。本日は大変お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。また、日頃のみなさまからのご支援にも重ねて心より感謝申し上げます。
本日は、業績の詳細については執行役員管理本部長の吉田がご説明し、その後、私から今後の事業展開についてご説明します。
連結損益
吉田朋子氏:執行役員管理本部長の吉田です。2026年12月期中間業績についてご説明します。
連結損益について、売上高は49億500万円で、前年同期比6.1パーセント増となりました。営業利益は4億3,400万円で、前年同期比135.2パーセント増を達成しました。鉄スクラップ相場は前年同期比でおおむね19パーセント高い水準で推移しました。
各事業の状況については、解体事業が減収・増益、環境事業が増収・減益、金属事業が増収・増益となりました。
設備投資に伴う借入利子の増加や、前期の株式会社ミツエの子会社化に伴う負ののれん発生益の反動があったものの、営業利益の伸びにより、経常利益は前年同期比120.6パーセント増の4億3,000万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比60.3パーセント増の2億8,700万円と、いずれも増加しました。
業績推移
業績推移については、連結通期予想の売上高105億円に対し、中間期は49億500万円、連結通期予想の経常利益7億7,800万円に対し、中間期は4億3,000万円と進捗しています。
事業セグメント別ハイライト
事業セグメント別ハイライトについてご説明します。
解体事業は、新規着工案件の減少により減収となりました。一方で、前年同期に特定案件で多額の工事原価を計上していたことや、高難易度の大型案件が進捗したことなどから、増益となっています。
環境事業は、産業廃棄物処理受託および再生資源販売の取扱量がともに堅調であり、スクラップの期中平均相場が前期を上回ったことから、再生資源販売が牽引し、増収となりました。しかし、有価物を多く含む廃棄品処理の大型案件が前年同期に発生した反動などにより、減益となっています。
金属事業は、鉄スクラップ価格が前期を上回る水準で推移したことや、銅スクラップ価格の上昇により、増収・増益となりました。
連結セグメント別業績(売上高)
連結セグメント別業績の売上高についてご説明します。
解体事業は、新規着工が伸び悩み、減収となりました。環境事業では、処理受託量と再生資源販売量は堅調に推移しました。また、金属事業のスクラップ取扱量は軟調でしたが、鉄スクラップなどの平均相場の上昇により、増収となりました。
これらの結果、連結セグメント別売上高は、解体事業が前年同期比20.0パーセント減の11億3,300万円、環境事業が前年同期比13.9パーセント増の11億3,300万円、金属事業が前年同期比19.3パーセント増の26億3,800万円となりました。全体では前年同期比6.1パーセント増の49億500万円となりました。
営業利益の増減要因分析
営業利益の増減要因分析についてご説明します。
連結営業利益は前年同期比135.2パーセント増の4億3,400万円となりました。その主な要因としては、環境事業で前期の高利益率案件の反動により減益となった一方、解体事業では高難易度案件の進捗などにより増益、金属事業ではスクラップ価格の高値推移により増益となったことが挙げられます。
また、従業員の増加などによる労務費・販管費の増加や、超大型解体用重機の追加導入による減価償却費の増加も影響しています。
連結貸借対照表
連結貸借対照表についてご説明します。
設備投資が一段落したこともあり、銀行借入の返済を進めましたが、完工時精算の大型案件の完工により売上債権が減少したことで、現金および預金が増加しました。
その結果、中間期の流動資産は前期末比9.0パーセント増の39億7,700万円、固定資産は0.9パーセント減の44億1,800万円、流動負債は16.4パーセント増の15億8,100万円、固定負債は11.1パーセント減の14億2,100万円、純資産は4.8パーセント増の53億9,200万円、総資産は3.6パーセント増の83億9,500万円となりました。
2026年12月期 通期業績予想
2026年12月期通期業績予想についてご説明します。
今期の連結損益予想は、2月に開示した内容から変更はありません。売上高は前年比4.9パーセント増の105億円、営業利益は24.4パーセント増の8億円、経常利益は17.0パーセント増の7億7,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は12.4パーセント減の5億2,400万円としています。
今後の見通しとして、2026年度下期は、企業の生産活動や設備更新の需要が横ばいから徐々に回復へ向かうと想定しています。
鉄スクラップなどの相場については、脱炭素を背景とした世界的な電炉へのシフトが予想されるため、中長期的には上昇すると見込んでいます。しかし、短期的には上値が重く、2026年度下期は現在の水準を維持すると想定しています。
非鉄金属相場はここ数年の上昇基調を続けていますが、2026年度下期は鉄スクラップなどと同様に現在の水準を維持すると想定しています。
1株あたり配当金
株主還元についてご説明します。2026年12月期の配当予想は1株あたり32円としています。
利益配分に関する基本方針は、株主のみなさまへの安定配当を継続することを基本としながら、将来の事業展開と財務体質の強化に必要な内部留保の充実を考慮し、配当を実施する方針です。
今後の事業展開の基本的な考え方
高橋:今後の事業展開についてご説明します。今後の事業展開の基本的な考え方についてです。
イボキンの強みである解体・環境・金属の3つの事業によるワンストップサービスを推進するため、地域的な制限のない解体事業を成長エンジンとしつつ、環境・金属事業の事業地域を拡大するために、バランスよく資源を配分する方針です。
この考え方は従来から変わっていませんが、この中でまだ行うべきことが多くあると考えています。
当社のビジネスモデルは、2つの側面から事業を捉える点が特徴です。1つ目はスライド左側の「成長エンジン」である解体事業です。こちらは狩猟と農耕で例えれば狩猟型のビジネスモデルだと考えています。解体市場は引き続き拡大傾向にあり、この分野をドライバーとして会社の成長を図っていきたいと考えています。
メインテーマは、大型案件への対応能力を増強し、さらなる信頼性の獲得を目指すことです。具体的には、大型解体案件に関連する技術の開発と蓄積に努めます。特に、風力発電所の解体が今後さらにピークを迎えるため、この事業を推進します。
また、提案力とドキュメント作成能力の向上を図ります。これは、元請工事をより増やすために不可欠であると考えています。
さらに、今年6月に組織改編を行い、専門化と分業化を進めました。従来は、営業と施工の役割が曖昧で、営業担当者が営業活動を行いながら、人手が足りなければそのまま施工まですることもありました。その結果、忙しかった年の翌年に受注が落ち込むことがあったため、この課題を解消するべく組織を再編しました。
営業拠点の増設については、現在、東京と大阪に拠点を設置しており、いずれも活況を呈しています。まずは増設よりも、既存拠点の拡充に注力します。
2つ目はスライド右側の、「安定した経営基盤」である環境事業・金属事業です。狩猟型の解体事業は、景気の波によって受注が振るわない場合があります。その際にしっかりと支えるのが環境事業・金属事業です。これらはワンストップでつながっているため、解体事業の拡大・成長に伴い、環境事業・金属事業も盤石なものとして強化していきたいと考えています。
メインテーマは、事業エリアの拡大と営業企画部門の設置です。事業エリア・領域の拡大に関しては、営業拠点の増設、新ヤードの確保、M&Aの積極的な推進を挙げています。
また、地元関西圏の解体案件の受注に注力するため、営業体制の強化を図ります。これは、解体工事部門以外の営業担当者によるワンストップ営業を促進するものです。
営業企画部門の設置については、営業企画部門はすでに設置されていますが、その機能をさらに最大限に発揮し、社内で埋もれる情報が一切ないよう、情報の最大限の有効活用を目指します。
続いて、全社に共通するテーマをスライド下段の枠内に記載しています。事業拡大を支える人材の確保と育成に努めるとともに、先端技術への投資を活発化させ、リサイクル業の変革をリードします。また、環境負荷の見える化および低減を行い、取引先企業の情報ニーズに対応していきたいと考えています。
これらにより、労働集約型産業を知識集約型産業へと転換します。以前、アニュアルレポートでもお伝えしましたが、アセットから生み出された技術、ノウハウをファブレス展開していくという当社独自のビジネスモデルを今後構築していきたいと考えています。
三井物産(株)との業務提携について
今年4月に発表した三井物産との業務提携についてご説明します。
目的は、金属スクラップの安定供給システム構築に向けた戦略的提携です。この提携を契機に、提携先グループである三井物産とその顧客基盤の解体案件への参画を開始しました。
スクラップの回収・資源化にとどまらず、一例として土壌改質事業を含む静脈産業分野への展開を支援いただいています。今後も、これらの支援を受けながら、共同で新たな分野でのビジネスチャンスの可能性を検討していきたいと思います。
続いて、イボキンサイドの側面ですが、解体工事や資源リサイクルにおける現場の技術やノウハウを共有していきます。それにより、新分野や新規顧客層の開拓を検討していきます。
また、解体案件から発生する金属スクラップを、大手鉄鋼メーカーに向けて安定的かつ効率的に供給する体制を確立するため、共同研究を開始しました。これらは知財や特許に関わる研究開発です。
最後に、ビジネス領域を拡大し、両社の持続的な成長と収益基盤の刷新を図っていきます。
これらにより、今後も関係をさらに強化し、両社の一層の成長と発展につなげていきます。
外国人材16名の採用について
外国人材16名の採用についてです。近年、人手不足や労働者不足という共通の課題が注目される中での取り組みとなります。
経緯をお話しすると、まず今年4月に本社工場でインドネシアから2名を採用しました。当社としては初めての外国人材の採用でしたが、この2名は非常に真面目で誠実な人柄であり、2人を通じて、インドネシアへの見識をさらに広げることができました。
日本と歴史的に深いつながりを持つ親日国であることに加え、右ハンドルや左車線といった交通ルールが日本と似ていることなどから、ドライバーの採用を検討したところ、さまざまなご縁をいただき今回の採用活動に至りました。
その結果、今年6月に吉田と2人で現地へ赴き、約40名の面接を行い14名を採用することができました。
主な採用職種は、解体工事の技術者とドライバーです。両職種の人材不足を解消し、業務の円滑化を図りたいと考えています。また、現在は多様性が重視される時代ということもあり、今回の採用をきっかけに、多様性に対応できる企業作りを目指していきたいと思います。
10月から来日し、こちらで働いていただく予定ですので、彼らの成長を楽しみにしています。
新たな事業拠点の展開について
新たな事業拠点の展開についてご説明します。環境・金属事業では、従来からお伝えしているとおり、大都市圏型のビジネスを拡大していく方針です。
現在、阪神事業所では、大阪圏を中心とした阪神間のビジネスが好調であるため、そちらをさらに強化していきたいと考えています。また、今年新たに土地を購入し、拠点の開設に向けた準備を進めています。
解体事業では、東京支店における大型案件の増加や、大阪支店の開設で顧客へのアクセスが増えたことが受注につながっています。このため、増員を計画するとともに、他の大都市への展開も検討しています。
新たな事業拠点の展開について
阪神地区の新工場についてです。約900坪の土地を大阪市住之江区の南港に取得しましたので、そこに工場を開設するべく、現在準備を進めています。
阪神事業所と同様の機能を持たせ、一次処理工程を担う工場とする予定です。2027年度中の開業を目指し、現在準備を進めています。
解体事業の施工体制の拡充
解体事業の施工体制の拡充についてご説明します。以前から株式会社国徳工業を子会社としていましたが、新たに株式会社ミツエが加わりました。
国徳工業は、ガスやクレーンを用いた精密なプラント解体に長けた職人や専門家の集団です。一方、ミツエはビルや建築物、構築物を重機で解体することを得意とする会社です。
現在、イボキンで受注し、国徳工業とミツエの2社が施工を行うという非常に良い連携体制を構築しています。また、ミツエはアスベスト除去工事も手掛けており、それらも内製化することができました。
さらに、ミツエには非常に優秀な重機オペレーターが多数在籍しており、これに加えて超大型重機の2号機を導入したことで、現在フル稼働の状態で活躍しています。
工事に伴うCO2排出量の算定においては、工事ごとのCO2排出量を算定し、顧客にフィードバックするサービスも提供しています。同時に、解体で発生したスクラップをCO2削減貢献量として表現するロジックも整備しました。今後は、それを商品としてさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
いずれにしても、内製化によってすべての技術や作業を自社で把握できるようになったため、スムーズな取り組みが可能になったと考えています。
技術開発について
技術開発についてです。スライドは超大型重機を使用した杭抜き工法の開発に関するものです。従来は専用の大きな杭抜き機で杭を抜いていましたが、この現場は岩盤層に位置する山間の土地であったため、その方法が通用せず機能しない状況が発生しました。
試しに別の方法を試みたところ、非常にうまくいきました。そこで、この2機を掛け合わせた結果、従来の杭抜き機以上にスムーズに杭抜き工事ができるようになりました。そのうえ従来工法よりも安全性を確保できたことから、特許を取得し、現在はこの工法を製品化しています。
日本には同様の山間地形が数多くあるため、このような地域に対しアピールを進めているところです。引き合いもいただいており、今後さらに伸ばしていきたいと考えています。事業展開についての説明は以上です。
会社概要
会社概要については以前から変更ありません。現在、子会社は2社です。
会社沿革
会社沿革についても前回と変わりありませんが、強いて挙げるならば、大阪市住之江区に土地を取得したことが新たな点です。
国内事業所
国内事業所についてです。スライドに記載のとおり、現在は国内にすべての事業所を配置しています。
事業内容
事業内容についてです。スライドは、当社の事業コンセプトをイラストで示したものです。
まず、都市鉱山があり、そこからトラックで環境事業や金属事業の工場に運ばれます。
大きなものについては、解体して小さくする必要があるため、解体事業が施工を行い、金属事業や環境事業の工場へ運んで、それぞれリサイクルを施します。
関西圏であれば自社の工場ですが、他のエリアでは提携している優良な会社が多数存在するため、そちらに持ち込んでリサイクルを実現するというループを表現したコンセプトのイラストです。
以上をもちまして、2026年12月期中間期の決算発表を終了します。引き続き社員一同、社業の発展に努めていきますので、今後ともご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。ありがとうございました。
質疑応答:提携の経緯と今後のビジネスモデルについて
司会者:「資料15ページの、三井物産と戦略的業務提携に至った経緯についてもう少し詳しく教えてください」というご質問です。
高橋:現在当社では、「スクラップをいかに高度に選別するか」「より上質なスクラップを取り出して製造するか」について研究開発を行っています。
その研究活動の一環として、数年前から三井物産と一緒に勉強会を実施しています。その中で関係性が深まり、両社の方向性が非常に似通っていることがわかりました。そこで、関係をさらに強化し、具体的な成果を生み出したいという思いから提携に至りました。
司会者:「今回の事業提携によって、どれくらいのビジネス機会が将来的にも見込めそうでしょうか? 可能であれば、定量的な金額の水準感やイメージを教えてください」というご質問です。
高橋:ビジネスの定量的な金額などについては、まだ具体的な数値の試算は行っていません。現在は、技術や経営支援、特にノウハウや技術を両社で出し合いながら、新たなビジネスモデルの構築を検討している状況です。