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石光商事、株主還元強化で中間配当開始、前期比10円増配の年間配当55円を予定 創業120年の歴史を力に世界の食の幸せに貢献

目次

荒川正臣氏(以下、荒川):みなさま、こんにちは。本日は多くのみなさまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。石光商事株式会社代表取締役社長の荒川です。

みなさまがお帰りになる際に「石光商事はこんな会社だったのか」と思っていただけるような時間にしたいと考えています。どうかよろしくお願いします。本日は、会社概要、中期経営計画「SHINE2027」、株主還元についての3部構成でお話しします。

ISHIMITSU GROUP HISTORY

会社概要です。当社は、株主、取引先をはじめとするすべてのステークホルダーのみなさまのご支援のおかげで、今年で創業120周年を迎えることができました。当社グループをご紹介するとともに、歴史をみなさまと一緒に振り返りたいと思います。

ISHIMITSU GROUP HISTORY

120年前の1906年に当社の創業者である石光季男氏が単身で渡米し、日本ではなくアメリカのロサンゼルスで起業しました。

当時アメリカに住んでいた多くの日系移民の方々においしい日本食をアメリカでも召し上がっていただけるよう、彼らに日本食を届けるためにロサンゼルスで企業活動を始めたのが、当社のスタートです。

ISHIMITSU GROUP HISTORY

スライドの写真が石光季男氏になります。

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1922年にアメリカのロサンゼルスから日本へ戻り、本店を神戸に移しました。その後、石光季男商店として再出発しました。

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1951年に株式会社化され、株式会社石光季男商店という名称で新たに再出発しました。

当時アメリカでは流行っていたものの、日本ではまだ主流ではなかったコーヒーに着目し、そのすばらしさを広めるため、「コーヒーは日本で流行るに間違いない。生活に彩りを添えるような商品になるにちがいない」と、コーヒーを主な生業としました。

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1963年に現在の会社名である石光商事株式会社となった際、コーヒー事業だけでなく、当時流行りだした喫茶店で提供されていた食品も扱うようになりました。例えば、さくらんぼやみかんの缶詰といった、喫茶店のランチに出てくる食材を取り扱うようになり、それに伴い食品部門が発展していきました。

当社のロゴマークは、ダイヤの中に「SI」と記されていますが、これは創業者のイニシャル「SUEO ISHIMITSU」から取ったものです。

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みなさま大変な被害を受けられたと思いますが、1995年に阪神・淡路大震災が発生しました。当社も神戸に本社があり、スライドに映っている写真は本社の隣にあった倉庫の様子です。このように壊滅的な被害を受けました。

この出来事は非常に悲しい歴史となりましたが、一方で、現在の当社の業務体制やシステム作りにつながる新たなスタートのきっかけになったことも事実です。このような困難を乗り越え、現在、長い歴史を築くことができたと考えています。

ISHIMITSU GROUP HISTORY

2002年には、JASDAQ市場への上場を果たしました。

この2002年は、日本国内はもちろん、取引先を含めて業界だけでなく、より幅広く当社グループの名前をみなさまに知っていただくための取り組みが始まった年でもあります。

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2026年に当社は創業120周年を迎えました。「これからもみなさまの食を支え、世界の食の幸せに貢献します」というミッションを掲げ、日々取り組んでいます。

ISHIMITSU GROUP HISTORY

当社グループは、連結子会社5社と海外関連会社1社の計6社で構成されており、このうち4社が海外拠点となっています。当社グループの従業員総数は476名で、このうち海外拠点の従業員は48名です。

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連結子会社および海外関連会社について、年表を踏まえてご説明します。まず、1972年に東京アライドコーヒーロースターズを、1973年に関西アライドコーヒーロースターズを開設しました。

「アライド」という言葉には、協約や連盟、協定といった「手をつなぐ」「結ぶ」という意味合いが含まれます。当時、高度経済成長が終わり、いよいよ喫茶文化が最盛期を迎える時代に、私たちはコーヒーを生業としていました。

コーヒー文化が非常に盛り上がってきた時期に工場が各地にできました。ただし、工場ができると当然ながら設備投資が必要となり、加えて公害の問題もありました。

そのため、共同出資による工場の建設を通じてコーヒー業界を盛り上げようという取り組みが生まれ、東京アライドコーヒーロースターズと関西アライドコーヒーロースターズが設立されました。そして、2024年に東西のアライドコーヒーロースターズを統合しました。

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1999年にユーエスフーズ株式会社を子会社化しました。現在、日本全国には個店で焙煎してコーヒーを販売している自家焙煎店が約4,500軒あると言われています。ユーエスフーズは、そのような自家焙煎店に対し、世界各国から輸入した高品質なコーヒーを小分けにして販売している会社です。

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2012年には中国の上海に100パーセント子会社である石光商貿(上海)有限公司を設立しました。中国でもコーヒー市場が目覚ましい発展を遂げています。現在、中国では日本の年間消費量の半分ほどが消費されていると言われており、これは10数年の間に日本の消費量の半分に追いついたことになります。

そして、2030年、あと4年半ほどで中国のコーヒー消費量は日本の消費量を追い抜くと想定されています。そのような市場において、現在私たちのスタッフは、中国にある焙煎工場や焙煎業者へコーヒーの生豆を販売しています。

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2013年にタイのバンコクにTHAI ISHIMITSU CO., LTD.という会社を設立しました。 タイのバンコクを中心に焙煎屋があるため、そこに石光商事クオリティのコーヒー生豆を当社から輸入し、タイの焙煎屋へお届けする事業を行っている会社です。

また、昨今の抹茶ブームはバンコクでも非常に盛んです。このような抹茶や飲料の嗜好品、飲料原料の流通も第2の柱となっています。

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2019年にはインドに紅茶の包装工場を保有するA.Tosh Ishimitsu Beverages India Private Limitedという子会社を設立しました。

みなさまもスーパーなどで、紅茶のティーバッグが数10枚入った箱入りの商品を見かけられると思います。このような紅茶のティーバッグをインドで生産して日本に輸入し、スーパーの留め型として販売している製造工場になります。

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2023年にイギリスのロンドンに持分法適用会社を設立しました。これまで扱ってきたコーヒーや紅茶とは異なり、水産物を取り扱う会社です。

ヨーロッパでは、ラーメンやとんかつ、カレー、焼肉、鉄板焼き、お寿司といった和食文化が非常にブームとなっています。このような和食を提供する飲食店に業務用として水産物を供給する事業を行っています。

サーモンやマグロが主力商品ですが、かつおのたたきや明太子なども現在好評を得ている商品です。

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このように長い歴史を経て現在に至りますが、1975年から2020年にかけては、長らく350億円から400億円程度の売上規模を維持していました。

ただし、この5年から6年の間に関連会社の子会社化や、中国市場の拡大などが相まって、2026年3月期には当社グループ全体で過去最高の売上高となる765億円を記録するまでになりました。

事業内容

次に、事業内容についてお話しします。本日は会場の入口で、株主優待に使われている当社が取り扱う商品の一部をみなさまにご覧いただきました。当社をご存じの方はコーヒーの会社としてご認識いただいている場合が多いかと思います。

どのような商品をどのようなお客さまに販売しているのか、という点についてお話しします。

まず、コーヒー・茶類事業としては、主にコーヒーの生豆や紅茶の原料を取り扱っています。コーヒーの生豆は、ブラジルやコロンビア、エチオピアなど、主に海外から調達し、品質や価格的なメリットを兼ね備えた嗜好性の高い製品としてお客さまに提供しています。

取引先としては、飲料メーカーやカフェチェーン店、スーパーに並ぶコーヒー製品を製造している焙煎業者などに、コーヒーの生豆を販売しています。紅茶の原料についても同じように提供しています。

スーパーに並んでいるコーヒー製品は、関連会社であるアライドコーヒーロースターズが当社から原料を仕入れて焙煎し、袋製品やコーヒーバッグに加工したものをお届けしています。

みなさまがスーパーに行かれた際には、コーヒー製品の裏面表示を確認してみてください。おそらく「アライドコーヒーロースターズ」と書かれている商品を見つけられると思いますので、ぜひご覧いただければと思います。

缶コーヒーは現在では缶だけでなく、ペットボトル飲料も多く出回っていますが、このような工業用と呼ばれる原料も提供しています。 また、コーヒーチェーン店にも広く原料を提供しています。

次に食品事業です。私たちは、喫茶文化を支える中で、フルーツの缶詰や野菜の缶詰、例えばマッシュルームやタケノコといった缶詰をメインに取り扱ってきました。

さらに、イタリアの商材にも力を入れています。 今回の株主優待には新たにパスタを追加しました。これはイタリアの高級パスタやオリーブオイルを製造するコラビータ社の商品です。同社の品質に惚れ込み、取り扱いを開始しています。

冷凍ポテトは中国から輸入して販売しています。また、エビ、イカ、タコ等の水産品は、みなさまのお口に一度は入ったことがあるかと思います。某有名回転寿司店舗で提供されている海老など、幅広くご提供しています。 

そのほか、ローストチキンや唐揚げ用の鶏肉については、当社には鶏肉のスペシャリストが在籍しており、スーパーのお惣菜や某カレーチェーン店の鶏肉など、幅広くご活用いただいています。こちらも、みなさま一度は召し上がったことがあるのではないかと考えています。

3番目の農産事業では、生鮮野菜としてたまねぎやごぼう、ニンジンなどを輸入しています。これらは主に中国産ですが、日本国内の需給バランスを賄えない場合に、当社が中国から輸入することで、日本の消費バランスを整える役割を担っています。

特に、たまねぎに関しては、日本で3本の指に入るほどの輸入量を取り扱っています。

最後の輸出事業では、当初、日本の食文化を世界に広めるため、味噌や醤油などを和食文化が流行している地域に流通させる事業を展開していました。

この事業は現在も行っていますが、最近では、食品事業の鶏肉やエビといったサプライソースを活用し、「日本品質」「石光品質」をほかのヨーロッパ市場に展開することも輸出事業として行っています。

我々のお客さまは、どちらかというとBtoBの取引が多く、量販店やファミリーレストランなどの外食チェーン、食品メーカーや飲料メーカーのお客さまに加え、最近では給食関係のお客さまにも幅広く展開しています。また、国内に留まらず、輸出ビジネスにも力を入れています。

事業内容

当社グループの売上の半分がコーヒー・茶類事業となっています。食品事業が28.6パーセント、農産事業が9.9パーセント、輸出事業が6.6パーセントを占めています。

現在、国内と海外の売上比率は、国内が約80パーセント、海外が約20パーセントとなっています。今後の事業展開や拡大の可能性などを踏まえ、国内の販売に注力することはもちろん、海外についても、来期末には売上シェアを25パーセントに引き上げることを目指し、注力して進めているところです。

当社グループの強み

当社の事業は、長年の歴史もあり、現在、買う側、売る側双方を含めて取引のある国は、全世界で60ヶ国以上に及んでいます。

当社グループの強み

当社グループの海外拠点です。先ほどお話ししたグループ会社になります。

当社グループの強み

アライドコーヒーロースターズについて補足します。現在、アライドコーヒーロースターズはコーヒー焙煎量で国内第3位の実績を持っています。第1位と第2位は、みなさまがスーパーでもよく目にされる会社であり、その次に位置するのがアライドコーヒーロースターズです。

同社は独自のナショナルブランドを展開しておらず、OEMとして委託を受け、販売を行っています。先ほどお話ししたとおり、スーパーマーケットで幅広く商品を提供していますので、ぜひ商品の裏面表示をご覧いただければと思います。

また、私たちは単純に数量を伸ばすだけのシェア争いを戦略として掲げているわけではありません。

ただし、それは短期的な目標ではなく、「この会社と一緒に仕事をしたい」「この会社のおかげでいい仕事ができている」という評価をみなさまからいただけるように、「この会社がないといけない」という立場を確立できるように、社会的な価値も追求していきます。

「社会課題解決」という言葉もよく耳にされるかと思いますが、私たちは社会に良い効果をもたらすことができるビジネスを通じて、社会になにか良い影響を与えたいという思いで事業に取り組んでいます。

小野新工場について

そのシンボリックな取り組みの1つとして、アライドコーヒーロースターズが、兵庫県小野市に関西圏で3つ目となる焙煎工場を新設します。

こちらの工場では、環境に配慮した商品の供給を目指しています。本日みなさまのお土産としてお配りする封筒の中に、コーヒーバッグが2つ入っているかと思います。このコーヒー製品を作るスキームこそが、社会的価値と経済的価値を追求するシンボリックなものになります。

私たちはこのスキームを「グリーン焙煎」と呼んでいます。レギュラーコーヒーにお湯を注いで抽出すると、抽出かすが出ます。通常、この抽出かすは廃棄されるものです。家庭では生ゴミと一緒に捨てられるかもしれませんが、工業用や業務用では非常に大量の廃棄が発生します。

そこで、この廃棄されるはずの抽出かすを乾燥させ、固めてペレット化し、燃料として活用することを考えました。その燃料を使って再び焙煎を行い、コーヒーを飲料メーカーや業務用のお客さまにお届けします。

そして、再び抽出かすを回収し、ペレット化して焙煎に使用するという循環型の仕組みです。これにより、廃棄量を削減できるだけでなく、化石燃料の使用量も減らすことが可能となり、GHG削減にもつながります。

このスキームを定着させ、引き続きおいしいコーヒーを飲み続けられる世界を作るために、半ば責務として取り組んでいます。

当社グループの強み

人的資本という言葉もありますが、当社グループでは人財育成にも力を入れている会社です。当社がコーヒーのイメージが強いのは紛れもない事実であり、実際にコーヒー事業に力を注いでいることも事実です。

全日本コーヒー商工組合連合会はコーヒー業界のトップに位置する団体で、その傘下組織である全日本コーヒー検定委員会が、コーヒーのおいしさや品質向上、啓蒙を目的としてコーヒー検定を実施しています。

この検定には3級、2級、1級、そして鑑定士の資格があり、「鑑定士」という最も難易度の高い認定を取得しているのは日本全国で60名です。このうち、10名が当社グループ社員です。また、当社にはコーヒー以外にも管理栄養士や品質管理に関連する資格を保有する社員が多数在籍しています。

当社は単にメーカーやサプライヤーから仕入れた商品をそのまま販売するだけでなく、BtoBを基盤としながら、その先のBtoBtoCを視野に入れたメニュー提案も行っています。このような提案の際に、これらの知識や経験が販売活動に活かされると考えています。

中期経営計画「SHINE2027」について

中期経営計画「SHINE2027」についてご説明します。私たちは、中期経営計画を3年に1度策定し、1つの計画として進めています。

「SHINE」という言葉は、「Sustainable」「Happiness」「INnovative」「Engagement」の頭文字をそれぞれ取ったものです。また、石光商事株式会社の名前には「光」という漢字が含まれています。

会社自体が光り輝く存在になるとともに、社員一人ひとりが輝いて仕事に取り組むという思いを込め、この「SHINE」という言葉を1つの標語として、中期経営計画の名前に取り上げています。

SHINE2027 テーマ

3回の中期経営計画を経て、2030年には「日本でいい食品企業と認められている」というありたい姿を掲げています。

そのために、「SHINE2024」、現在の「SHINE2027」、そして「SHINE2030」という中期経営計画を進めています。日本で優れた食品企業として認められることを目指し、現在は「変革と実践」をテーマに、社員一同取り組んでいます。

ビジネスモデルの変革と実践

「SHINE2027」では、ビジネスモデルの変革と実践に取り組んでいます。

「SHINE2024」では、ビジネスの土台を作り上げました。1つ目は高利益率商品へのシフト、2つ目はデジタルトランスフォーメーションの推進、3つ目はGHG排出削減を踏まえた商品力強化、そして社会課題解決型商品の拡大です。

このようにして作り上げた商品や価値のある取り組みを、日本のみならず、グローバルに展開していこうとしているのが、現在のフェーズです。

SHINE2027 進捗と今後

私たちは単なる物売りではなく、自らが持つサプライチェーンをバリューチェーンへと昇華させ、社会課題を解決し、世の中に貢献することを目指して取り組んでいます。実際の取り組みの一例をご紹介します。

まず、社会課題解決型商品の販売推進としては、先ほど「グリーン焙煎」の箇所で触れた、みなさまにお持ち帰りいただくコーヒーである「巡珈(じゅんか)」があります。これはアライドコーヒーロースターズで初めてのナショナルブランドです。

「巡るコーヒー」と書いて「巡珈」です。このブランドを立ち上げ、オンラインショップでの販売を開始するとともに、業務用としても展開を始めています。

次に、「グリーンロードプロジェクト」です。スライド左下の写真には、砂漠でスコップを持って植樹している風景が写っています。中国の甘粛省には玉ねぎの大生産地帯があり、私たちはその地域から玉ねぎを買い付けて販売しています。

ただし、この砂漠地帯では、天候の影響で砂嵐が発生することがあります。ハリウッド映画に出てきそうな大砂嵐といわれる現象です。一度砂嵐に見舞われると、地域住民、つまり玉ねぎを栽培している生産者の方々の生活が脅かされてしまいます。

このような状況を改善し、おいしい玉ねぎを作り続けてほしいという思いから、玉ねぎの販売金額の一部を砂漠の植林事業に充てる取り組みを進めています。これを「グリーンロードプロジェクト」と呼んでいます。

次はGHG排出削減についてです。フードロスや廃棄の削減は、先ほど「グリーン焙煎」の話でも触れましたが、コーヒー事業だけでなく食品事業でも幅広く取り組んでいます。

また、中国産玉ねぎにおける滴灌(てきかん)栽培の実証実験も行っています。ホースを地面に這わせ、そこから肥料と水を少しずつ出す灌漑設備を施すことで、自然に頼ることなく、適量の肥料と水をそれぞれの玉ねぎに与えることが可能です。

ひいては、肥料の与えすぎによるGHG排出量を削減でき、品質のよい玉ねぎも作れるという、一石二鳥、三鳥の取り組みです。こちらは、現在実証実験中になります。

さらに、コーヒーや紅茶の栽培におけるGHG排出低減原料の販売を推進しています。コーヒーは二酸化炭素を排出する植物として知られています。牛のげっぷの話などはよく知られていますが、植物の中で1杯のコーヒーが作られるまでに排出されるGHGは比較的多いとされています。

それが一因となって気候変動が引き起こされていると、槍玉に挙げられるような状況にあります。その影響は「2050年問題」と呼ばれており、広く好まれているコーヒーのアラビカ種の栽培環境を大きく脅かし、生産量を半減させるかもしれません。

この「2050年問題」を緩和し、遅らせる取り組みとして、生産国や生産者と協力し、緑肥を活用するなどして肥料の与え方を調整し、GHGの総排出量を減らした原料を日本に輸入しています。

特にプライム市場に上場している飲料メーカーでは、仕入れに関わるScope3のGHG排出量低減に対するニーズが高まると見込んでいます。私たちは、そのような企業に向けて原料を提供する取り組みを進めています。

スライド中央の写真は、紅茶の産地であるダージリン地域です。手前の緑色の植物は紅茶の茶葉です。紅茶の茶樹の寿命は約50年で、40年から50年が経過すると生産量が一気に減少します。このため、生産量の減少を防ぐために、段階的に幼木へ切り替える取り組みを生産者と共に進めています。

海外売上高比率の向上については、サプライチェーンをフル活用し、海外売上高の拡大を目指しています。当社のリソースを活用し、「日本スタンダード」「石光クオリティ」を幅広く展開する取り組みです。

SHINE2027 進捗と今後

このような社会課題解決型の商品や社会的商品を生み出し、世の中に貢献するビジネスモデルにおいて、社内でKPIに基づくマイルストーンを設定しています。

社会課題解決型商品の販売割合に関するKPIは、2028年3月期に20.0パーセントを目標としています。前期の実績は10.1パーセントとまだ半分のため、さらなる推進が必要な状況です。

GHG排出削減については、2022年3月期の排出量との比較で2028年3月期には10.0パーセント削減するという目標に対し、前期の実績は8.5パーセント削減となっています。

高利益率商品へのシフトにおいては、売上総利益率を13.5パーセントに引き上げることを目指しており、現状は13.1パーセントとなっています。また、海外売上高比率は25.0パーセントを目標としており、前期は19.6パーセントと20パーセント弱で推移しています。

SHINE2027 進捗と今後

ここまでビジネスモデルについてお話ししましたが、同時にガバナンスの面でも変革と実践を進めています。女性役員比率の向上として、現在30.0パーセントの女性役員が活躍しています。

スキルマトリクスの見直しや取締役会の毎年の実効性評価、指名・報酬委員会の設置、リスク管理の強化を進めています。

SHINE2027 進捗と今後

エンゲージメントの向上に向けた変革と実践にも取り組んでいます。当社は中期経営計画を推進していますが、経営層や幹部社員だけが声を上げても、なかなか進展しません。社員一人ひとりが自分のこととして取り組めるものにしようと、「未来共創フォーラム」を開催しています。

経営層、幹部層、一般社員の垣根をなくし、1つの目標に向けて、全員でグループワークに取り組んでいます。社会課題に対して何が必要か、事業活動として何がヒントになるかを、膝を突き合わせて議論する時間を定期的に設けています。

また、経営層や幹部のビジョンをかたちにする現場において統率できるよう、管理職研修を実施しています。単なる座学として「管理職とはこうあるべき」という知識を学ぶだけではありません。配下の社員と対話を重ね、信頼関係が生まれることで、結果として、指示がとおり、悩みを聞けるようになると考えています。このような環境作りにも力を入れています。

SHINE2027 1年目 その他の取組み

株主還元策の強化として、前期に実施した内容をご紹介します。まず「配当方針の変更に関するお知らせ」として、配当方針を見直しました。2026年3月期の期末配当から、連結配当性向を従来の25パーセントから30パーセントへ変更しました。

また、「株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」として、株主優待の対象株数を500株以上から300株以上へ引き下げました。株主還元策の詳細については、後ほどご説明します。

そのほか、当社グループとして、さまざまな取り組みやボランティア活動を積極的に行っています。

これらは地域に根差した取り組みであり、ひいては企業価値や社員のモチベーションの向上につながると考え、積極的に取り組んでいます。当社のコーポレートサイトに一覧で掲載していますので、お時間のある際にご覧いただければ幸いです。

SHINE2027 (2028年3月期) 目標とする指標

このような取り組みを経て、「SHINE2027」の着地となる2028年3月期に目標とする指標は、売上高828億3,000万円、営業利益30億円、営業利益率3.62パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益17億3,900万円です。

ROEは10パーセント以上、ROICは6パーセント以上、PBRは1倍以上を目指し、経営層をはじめ社員一同が努力しています。これらの目標達成に向け、社会課題解決型商品の販売拡大、高利益率商品へのシフト、海外売上高比率の向上という3点を基本戦略の軸として進めていきたいと考えています。

2027年3月期第1四半期実績

先日、2027年3月期第1四半期の実績を発表しました。売上高は前年同期比1.6パーセント増の186億3,500万円、営業利益は前年同期比4.1パーセント増の8億2,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億1,300万円です。

背景には、コーヒー生豆の販売が好調に推移していることや、食品事業で高利益率商品へのシフトが進んでいることがあります。また、子会社のアライドコーヒーロースターズが所有する土地の売却益7億6,000万円を特別利益として計上したことも要因として挙げられます。

2027年3月期の連結業績予想としては、通期で売上高780億7,200万円、営業利益24億3,400万円、経常利益21億5,900万円、親会社株主に帰属する当期純利益17億3,300万円を見込んでいます。また、今期から中間配当も予定しています。現在のところ通期の見込みは順調に進んでおり、ぜひご検討いただけると幸いです。

株主還元について

株主還元についてです。会場の入口には、今年お送りした株主優待制度の商品を展示しています。300株以上1,000株未満の株主さまには2,000円相当、1,000株以上の株主さまには4,000円相当の当社取扱商品を贈呈しています。これらは毎年7月上旬頃にお送りしています。

また、一昨年から新しく始まった長期保有株主優待制度もあります。300株以上かつ3年以上継続保有されている株主さまを対象に、毎年11月下旬頃に2,000円相当の当社取扱商品を追加で贈呈しています。

株主還元について

今後の見通しについてお伝えします。先ほどお話ししたとおり、連結配当性向30パーセントを目安に、安定かつ持続的な配当を今後も実施していきたいと考えています。また、今期から中間配当を実施する予定です。

2027年3月期の計画では、中間配当20円、期末配当35円の合計55円を予定しています。このうち5円は記念配当です。みなさまのご支援により創業120周年を迎えることができたため、みなさまとお祝いしたいという思いから記念配当5円を設定しています。まだ中間配当に間に合いますので、株主としてご加入いただけると幸いです。

経営理念/ミッション/ありたい姿

最後になりますが、当社の経営理念は「ともに考え、ともに働き、ともに栄えよう」、ミッションは「世界の食の幸せに貢献します」、そして、2050年に目指すありたい姿は「世界でいい食品企業だと認められている」です。

その目標に向かうため、まずは2030年に「日本でいい食品企業だと認められている」石光商事グループを目指していきますので、みなさまの力強いご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

当社をはじめ、アライドコーヒーロースターズやグループ各社は、コーヒー製品のほか、回転ずしチェーン店やコーヒーチェーン店など、さまざまなお店で黒子役を担っています。少しでも当社グループのことを思い出していただけましたら幸いです。

長らくご清聴いただき、誠にありがとうございました。以上で説明は終了となります。

質疑応答:コーヒー豆の調達方法と価格変動対応について

質問者:コーヒー豆の調達について教えてください。最近の状況を見ると、気候の影響などでコーヒー豆の価格がかなり上昇し、新聞などでも取り上げられています。価格変動が大きい状況では、量の確保も非常に難しいのではないかと思います。

例えば、生産地まで赴き、農園から直接調達するルートを確立しているのでしょうか? それとも、スポットでの購入が多く、その場合には価格変動の影響を受けることもあるのでしょうか? コーヒー豆の調達について具体的に教えてください。

荒川:コーヒー生豆の価格変動が非常に激しい中、どのように調達を行っているのかというご質問ですね。価格は本当に激動しており、この4年間で安いコーヒー生豆でも価格が約4倍になっています。小売商品の値上げが、まだ原料価格の上昇幅に追いついていないのが現状です。

総合商社では、主にコモディティとしてコーヒーを取り扱っており、数量と価格が主要なテーマになっている状況だと思います。

当社もコモディティ商品を扱っていますが、嗜好性の高いプレミアム商品を得意としています。ストーリー、おいしさ、GHG削減など、さまざまな付加価値を備えたコーヒーをサプライヤーとともにゼロから作り上げています。この取り組みが、最終的に確固たるサプライチェーンやパートナーシップの構築につながっています。

ただし、そのような嗜好性の高いコーヒーも相場の影響を受けることは避けられないため、当社ではいくつかの対応策を講じています。1つは、先物市場や定期市場を利用し、相対取引を通じて価格変動のリスクヘッジを行っています。

これにより、博打的な要素で大きな利益を得ることもなければ、大損をすることもない安定的な取引が可能となり、見込んでいる利益を確実に獲得できます。

また、過度な在庫や欠品が生じないように、売買のバランスやタイミングを見極め、安定的な仕入れと販売を心がけています。このようにして、価格変動リスクによる影響を大きく受けないようコントロールしています。

生産地との関係としては、当社は嗜好性の高い商品を製作するため、原料チームのメンバーが世界を4つのフィールド、ブラジル(ポルトガル語圏)、中米・コロンビア(スペイン語圏)、アジア圏、アフリカ圏に分けて担当しています。

担当者は毎年、定点観測や新規調達、買い付けを行っています。また、将来の戦略的な部分も含め、おいしいお酒を酌み交わしながら、将来の夢やビジネス戦略を語り合い、生産地との関係を構築しています。

質疑応答:中国でビジネスを行うリスクについて

質問者:「SHINE2027」のご説明の中で、中国産玉ねぎについてうかがいました。現在、日本と中国の関係において、大手企業が次々と中国から離れ、ベトナムやタイに拠点を移している状況の中で、御社は今後の中国の動きをどのように考えていますか?

また、中国が御社からさまざまな情報や技術を得た結果、それらがすべて取り上げられる可能性もあると思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか?

荒川:さまざまなリスクがある中で、当社の農産事業が扱う玉ねぎなどは中国への依存度が非常に高い状況です。今後の中国との関係において、ビジネスとしてどのように対処し、考えているかというご質問かと思います。

現在中国に依存している仕入れに関しては、ベトナムやタイで新たなサプライヤーソースを構築する取り組みを進めています。当社は中国産の玉ねぎやタケノコを幅広く取り扱っています。仮に国が取引を完全に止められることがあれば、それは致し方ありません。

しかし、サプライヤーとの関係において言えば、中国が農産品の輸出を解禁した時期と当社が中国産農産品を取り扱い始めた時期は一致しています。すなわち、当社は、中国産農産品の輸出解禁当初から各サプライヤーと協力してビジネスを展開し、共に現在の地位に就くまで歩んできました。

言葉で十分に伝えることは難しいかもしれませんが、ともに成長してきたパートナーシップがあります。現在、日中関係の問題が取り沙汰されていますが、サプライヤーとの間ではその影響をほとんど感じていません。

ただし、将来的に国が「ノー」と指示した場合には従わざるを得ない状況が想定されるため、現在のうちにサプライヤーソースを開拓する必要があると考えています。このため、現在はベトナムやタイを中心に構築を進めています。

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