■事業概要
1. 会社概要
TDSEは、AI技術※やビッグデータの分析力を生かし、AIに関連したプロダクトやコンサルティングサービスを、AI活用やデータ経営を目指す企業に提供している。主なプロダクトは、DifyやQUIDなど他社から導入した高度なAI製品及びKAIZODEなど自社開発したAI製品である。コンサルティングサービスでは、AI活用による需要予測などデータ分析から統合ソリューションまでを提供している。AIアプリの開発からAI導入、実装、データ分析、意思決定、実行までを一気通貫で支援できるのが同社の強みだ。2027年3月期スタートの中期経営計画を策定し、AIビジネス市場でさらなる成長を目指している。
※ AIは決められたルールや学習結果を使って判定や予測を行う技術で、生成AIやAIエージェントを含む。生成AIは指示に応じて文章や画像などを作る技術で、AIエージェントは目標達成のために最適な手段をAIが自律的に選択して実行する技術。
AI産業を営業と技術の両面から一気通貫で深耕
2. 事業内容(ビジネスモデル)
ChatGPTやClaudeなど汎用LLMの進化を背景にAIが急速に普及、なかでも生成AIとAIエージェントの市場が将来的へ向けて大きく拡大すると言われている。一方、漏洩リスクなどを反映した顧客の内製化指向の高まりもあって、オンプレミス(自社内運用)環境のニーズも高まっている。そうした環境のなかで同社は、AI実装で先行者優位を確保した旧プロダクト事業部とデータ分析に定評ある旧コンサルティング事業部をベースに、「実装できるパートナー」として差別化を図っている。ただし、商材・サービス別事業部制の弊害により前中期経営計画にコンサルティング事業部が停滞した反省から構造改革を実施、事業部制を廃止しトップマネジメントに集約した。これにより、重複機能を一元化でき専門性と効率性が向上するとともに、顧客情報の共有や提案の統合など全社最適の統制が可能となった。また、生成AIを軸に事業領域を、生成AIエージェント領域、データ基盤領域、SNSアナリティクス領域、既存大手顧客向けBPO(Business Process Outsourcing)の4領域(今後、同社では、生成AIを活用したAI-BPOへの領域強化を進める予定)に明確化した。
主な商材・サービスとして、生成AIエージェント領域では、高度な技術のDifyを展開している。事業全体の核となるDifyは、生成AIアプリやAIエージェントをノーコードで構築できるAIプラットフォームで、同社が公式販売・構築パートナーとして、有料版の販売から環境構築、活用支援、研修などのサービスを提供している。また、従来から同社が展開してきたCognigyは、拡張性の高い対話型AIを短期間で設計・開発できるAIプラットフォームで、同社が日本を含むアジア太平洋地域での販売代理と導入支援を行っているが、Difyに軸足を高めている。データ基盤領域では、企業内に分散しているデータを集約して生成AIを業務に生かす統合プラットフォームのDatabricksを提供している。Databricksはデータエンジニアリング、データサイエンス・機械学習、データ分析の領域に強みがあり、同社はデータ基盤技術力と導入実績が評価され、国内で数少ない「Silver Tier」パートナーに認定されている。従来得意とするデータ分析など安定したストック型収益基盤のSNSアナリティクス領域では、同社が国内の販売支援を行うQUIDや自社製のKAIZODEを提供している。QUIDは、主要SNSを含む国内外の3億ドメインの収集に対応する多機能SNS分析ツールで、SNS 分析機能「Quid Terminal」などで構成されている。KAIZODEは、口コミやレビュー、VOC(Voice of Customer)を生成AIで分析するツールである。このほか既存大手顧客向けBPOでは、生成AIを積極的に活用し、様々な課題の解決や業務の効率化を支援している。
同社では、構造改革により事業領域を明確化したことで、こうした商材・サービスをAI産業レイヤーに沿って営業と技術の両面から深耕できるようになった。具体的には、レイヤーの1層ではエヌビディア
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)