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新興市場見通し:全体相場の方向感定まりにくい、9月中間配当の権利確定前に売り惜しみも

■インフレ懸念が強まりリスク回避ムード

今週の新興市場は下落。日経平均は先週末比1.55%安と2週連続で下落した。グロース市場指数も同3.38%安、グロース250指数も同3.63%安と、ともに2週連続で下落した。中東不安再燃による原油高騰からインフレ懸念が強まり、リスク回避ムードが強まった。時価総額最上位グループの銘柄を算出対象とするグロース市場コア指数も同4.73%安と続落した。

時価総額上位銘柄では、パワーエックスが先週末比17.99%高と先週の10.09%安を埋めて上値を伸ばした。データセンター向け蓄電型発電システムの販売増加に対する根強い期待や、原油高騰で蓄電所需要が増大するとの思惑が株価を押し上げた。Terra Droneは同2.59%高。8月25日発表の防衛装備庁向け迎撃ドローン量産を好感した強気相場が続き、上場来高値を付けた。一方、時価総額がグロース市場最大のトライアルホールディングスは同5.05%安。先週までの7週連続高の反動で利益確定売りに押された。

その他、モイが同27.57%高と急騰した。9月10日大引け後に、京都大学iPS細胞研究所との共同研究に基づく神経科学分野の特許出願を発表し、翌11日はストップ高で終了した。一方、ステムリムは同42.31%安と急落。9日取引終了後に開示した26年7月期決算で連続純損失を計上し、27年7月期業績予想を非開示としたことで、週末にかけて下げ足を速めた。

今週はKOMPEITOがグロース市場に上場した。8月4日以来のIPO(株式新規公開)だったが、初値1480円と公開価格(1600円)や仮条件(1560-1600円)を下回った。

■利上げ発表でアク抜けか

来週からシルバーウィーク明けにかけての新興市場は方向感が定まりにくく、業績や配当予想の上方修正など好材料の出た銘柄を個別に物色する展開が予想される。15-16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が、17-18日に日銀金融政策決定会合が開催予定となっている。今週末11日時点で、政策金利引き上げの日米株価への織り込みが進んだとみられ、利上げ発表となればアク抜け感が買いを呼ぼう。5連休前は逆日歩貸株料負担から信用売りが細るとみられる。9月中間配当の権利確定日接近も売り惜しみを誘いそうだ。ただ、世界的なインフレ懸念からリスク選好は強まりにくく、値上がり銘柄を深追いせず、他銘柄に乗り換えていく展開が予想される。

人気銘柄のティアフォーやTerra Droneには9日約定分から信用取引の増担保措置が発動されており、今週の売買代金首位のパワーエックスや今週急落したタイミーなど信用取引規制のかかっていない銘柄が短期売買の主戦場となろう。

今週末大引け後に情報開示のあった銘柄では、業績予想を上方修正したHUMAN MADE、ノースサンドに加え、SBIホールディングスとの資本業務提携を発表したリンカーズなどに注目。

来週は6社のIPOが集中する。16日にオリバーがスタンダード市場に、オーディオストックがグロース市場にそれぞれ上場予定となっている。17日はSkyfallがグロース市場に上場し、18日はスタンダード市場にテクノクラフト、ベルテックス、akippaの3社が上場する。いずれも公開価格は仮条件上限で決まった。今週のKOMPEITOが仮条件下限割れに終わった上、シルバーウィークの5連休を控えているため、慎重な初値形成が予想される。
今週は東証が8日にルクレのグロース上場を承認した。上場予定日は10月15日。

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