■要約
Kaizen Platformは、AI技術と独自の専門人材ネットワークを融合させたAIインテグレーターとして、顧客体験(UX=User Experience)と業務プロセス(EX=Employee Experience)の中にAIを組み込むインテグレーションサービスを展開し、大手企業のDX推進を支援している。同社のビジネスモデルは、「クラウドサービス」の提供と、専門人材による「プロフェッショナルサービス」の提供という2軸をワンストップで展開する点に最大の特徴がある。生成AIを活用して顧客企業のUXを高度化するセミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」を戦略コンセプトとして掲げ、収益拡大に向け、大手企業にフォーカスしたクロスセル・アップセル戦略によりARPU(Average Revenue Per User=1ユーザー当たり平均売上高)向上とリカーリング売上拡大を推進している。
1. 2026年12月期中間期の業績動向
2026年12月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の2,043百万円、営業利益が117百万円の損失(前年同期は14百万円の利益)、経常利益が119百万円の損失(同22百万円の利益)、親会社株主に帰属する中間純利益が144百万円の損失(同11百万円の利益)となった。売上面は、生成AIによる収益貢献が本格化してクラウドサービスが伸長したものの、海外事業休止(2026年3月末)、プロフェッショナルサービスの制作・マーケティング関連の一部案件における顧客都合の受注後ろ倒しという一過性要因が影響した。利益面は減収影響や人件費増加に加え、セミオーダー型のクラウドサービスにおいてプロジェクトの初期段階で開発コストが先行したことも影響した。
2. 2026年12月期の業績予想
2026年12月期の連結業績については期初予想(2026年2月13日付公表値)を据え置いて、売上高が前期比5.6%増の4,600百万円、営業利益が同37.0%増の40百万円、経常利益が同3.5%増の40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同32.9%減の20百万円を見込んでいる。法人税等の増加により親会社株主に帰属する当期純利益は減益だが、プロフェッショナル、クラウドとも伸長し、大型案件や生成AI活用の収益貢献本格化も寄与して増収、営業・経常増益としている。前期に達成した黒字が定着する見込みだ。中間期は減収で営業損失となったが、下期はプロフェッショナルにおいて後ろ倒しとなった一部案件の売上が貢献するほか、クラウドにおいてはプロジェクト進展に伴って収益性が向上する。さらに、クラウドを中心にARPUの向上が着実に進展していることなども勘案すれば、会社予想は達成可能と弊社では考えている。
3. 成長戦略
同社は生成AIを活用して顧客企業の課題を解決するAIインテグレーターとしての成長を目指している。製品・サービス戦略としてはセミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」を戦略コンセプトに据え、AIエージェントやAIデータ基盤などAIに関する新サービスを相次いで投入して、生成AIを活用したクラウドソリューションを強化している。営業戦略は、大手企業へのクロスセル・アップセルによりリカーリング売上拡大とARPU向上を図ることを基本として、マーケティング・カスタマーサービス分野の大手企業(特に保険・不動産・人材業界)をコアターゲットとする。利益率の高いクラウド収益の拡大によって収益の安定性と利益率の向上を実現し、収益性の高い事業構造への転換を目指す。さらに中長期成長に向けてAIX(AI Transformation)の実現を目指している。同社は技術基盤「Kaizen Engine」をベースに、既にUX・DX改善で1,500社以上を支援した実績を持ち、さらに5,000サイト超の蓄積された改善施策データや、学習資産としての10年分の勝敗記録(施策と効果の記録)を保有している。こうしたデータ・保有資産を活用しながら、顧客事業の強みを拡大再生産する仕組みを提供することを、同社は強みとして再定義している。
■Key Points
・2026年12月期中間期は減収、一過性要因により営業損失
・2026年12月期は期初予想を据え置き、黒字定着を見込む
・生成AI活用とクラウド収益拡大で収益性の高い事業構造を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)