■FCEの事業方針
1. 事業方針
順調に推移した前中期経営計画に続いて、2026年9月期以降の中期的な事業方針を策定した。新規事業や人財、M&Aなどへ成長投資を継続し、既存のDX推進事業と教育研修事業を一層拡大するとともに、AI関連事業で成長をさらに押し上げる考えである。その結果、売上高で年率10%以上、経常利益で年率20%~25%以上の成長を実現して収益基盤の強化を図る。そのうえで、2027年9月期には東証プライム市場の形式要件を充足させることを目標とする。すでに株主数(800名以上)や流通株式数(2万単位以上)、流通株式比率(35%以上)など要件の多くをクリアしているため、残るハードルは「経常利益25億円基準(最近2年間の経常利益総額を25億円以上とする)」と「純資産額50億円基準」の2つであるが、2026年9月期の業績好調により要件の充足は視野に入りつつある。さらに、資本コストや株価を意識した経営を実践し、収益基盤強化によるROE改善、質の高いIRや株式流動性の継続的改善による資本コストの低減、DX推進事業やAI関連事業といった成長分野への継続投資により期待成長率を引き上げ、時価総額の上昇をねらう。
2. 2027年9月期業績の見方
東証プライム市場上場の形式要件の充足が視野に入りつつあると述べたが、「経常利益25億円基準」をクリアするには、2026年9月期経常利益が予想どおり1,160百万円に着地できれば、2027年9月期の経常利益は1,340百万円(前期比15.5%増)を達成すればよい。年率20%~25%以上の利益成長を目指すなか、教育研修事業が伸びなくても、「ロボパットAI」が20%以上のペースで増加していること、2026年11月の新規契約から10%強の値上げを予定していること、AIソリューションなどAI関連の事業・製品による成長けん引が期待できること、AI導入に際して研修やコンサルティングのニーズが多いことから、2027年9月期も10%台半ばの利益成長は可能と考える。したがって、形式要件は充足可能と考えられる。懸念点として値上げの影響が挙げられるが、値上げの目的が「伴走型」の付加価値を強化することにあり、加えて新規顧客に限られていること、他社が値上げするなか2017年のリリース後値上げしてこなかったことなどから、価格に敏感な小規模企業の新規獲得に影響があるかもしれないが、大勢に影響はないと考えられる。
■株主還元策
配当性向25%を目安に配当を実施
1. 配当方針
同社は、健全な財務体質の維持・向上を図りつつ、利益水準、今後の設備投資、フリー・キャッシュ・フローの動向などを勘案し、配当性向25%を目安として株主への配当を行うとしている。内部留保については、企業価値向上のための投資などに活用し、将来の事業発展を通じて株主に還元する考えである。この方針に従い、2026年9月期の1株当たり配当金は、親会社株主に帰属する当期純利益の上方修正により期初予想から1.0円増配し、11.0円を予定している。なお、自社株買いも機動的に検討する模様である。
2. 株主優待制度
同社は、株主の日頃からの支援に感謝するとともに、同社株式への投資の魅力を高め、同社を知ってもらい、より多くの株主に中長期的に同社株式を保有してもらうことを目的として、株主優待制度を導入している。対象となる株主は、9月末日の同社株主名簿に記載または記録された1単元(100株)以上保有する株主である。2026年9月30日を基準とする株主優待については、長期にわたり同社の成長可能性を信じ支え続けている株主への感謝として拡充することになり、従来どおり保有株式数100株以上の株主に1,000円分のデジタルギフト(R)を贈呈することに加え、100株以上かつ半年以上保有している株主には特別優待としてさらに1,000円分を追加して合計2,000円分のデジタルギフト(R)を贈呈する予定となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)