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FCE Research Memo(2):DXと人材育成により企業の人的資本を最大化

■会社概要

1. 会社概要
FCEは、RPAやAI製品を開発・提供するDX推進事業、企業向け研修・コンサルティングや学校向けプログラムなどを提供する教育研修事業、その他事業の3事業を手掛けている。DX推進事業では、業務に精通した顧客自身がソフトウェアロボットを作成できる「ロボパットAI」や次世代AIプラットフォーム「AI OMNI AGENT」を販売しており、今秋には「ロボパット」の新シリーズ「ロボパットAI Agent Studio」を発売する予定である。教育研修事業では、研修やオンラインでの社員教育を1つに集約した「Smart Boarding」を、学校法人や学習塾向けには『7つの習慣』のライセンスを受けた授業プログラムや「フォーサイト手帳」などを提供している。いずれの事業も、使いこなせるまでサポートする「伴走型営業」が特徴となっている。同社は「チャレンジあふれる未来をつくる」をパーパスに、人口減少による労働力不足に対して「『主体性』×『生産性』で人的資本の最大化に貢献する」をミッションに掲げ、事業の拡大と収益性の向上により企業価値の拡大に取り組んでいる。

2. 事業内容
同社の事業は、DX推進事業(AIソリューション事業を含む)、教育研修事業、その他事業に大別される。その他事業は、世界的ベストセラー『7つの習慣』や関連書籍の出版事業である。

(1) DX推進事業
DX推進コンサルティングサービスでは、「ロボパットAI」にコンサルティングサービスを付けて販売している。RPAとはパソコン動作を自動化する仕組みのことで、あらかじめプログラムされたソフトウェアロボットが、オフィスで日常的に行われるパソコン内の業務や事務作業を自動的に行うことができる。利便性向上に向けて直近はAI機能を強化しており、レイアウトやフォーマットが統一されていない帳票やデータから必要な情報をAIが自動で抽出して各種システムへ入力する「AI OCR機能」や、業務を自動化するスクリプト作成をAIがサポートする「AIアドバイザー」を導入した。顧客企業は業種や業界、規模を問わず多岐にわたり、ライセンス提供については同社が直接利用契約を締結するほか、全国の販売パートナーを通じて行っている。今後の人口減少社会を見据えて、働き方改革や生産性向上を実現するうえで有効なツールのため、売上高を急速に伸ばしている。

(2) AIソリューション事業
2026年9月期初に本格進出した事業のため売上高はまだ大きくなく、財務会計上はDX推進事業の1サービスとなっている。主力となる「AI OMNI AGENT」は、導入直後から100種類以上の標準AIエージェントを利用して自社専用の“AI社員”をノーコードで作成でき、誰でもすぐにAIを活用できるAIプラットフォームサービスである。特徴は、自然言語で誰でも簡単に作成できる点、業界最高水準の精度で日本語を読み取ることができる点、AI側に記録を残さない安全なセキュリティ、「ロボパットAI」と同様に成果につなげる伴走支援にある。現状は有償トライアルや本契約に向けたマーケティングや初回訪問・提案の最中にあり、売上が立ち始めているところである。

併せてAI導入に向けたAI研修やコンサルティングも行っているが、ほかにコーチ・エィの知見と同社人財育成ノウハウを融合したAIコーチング、(株)Crestioとの業務提携によるAIオーケストレーションツール「Hellas」といったサービスも展開している(一部は教育研修事業)。また、スピード感を持ってAI関連の新ニーズや新ビジネスを発掘するため、AIに特化した社内ベンチャー(株)FCE AIxを2026年10月に設立する予定である。

「AI OMNI AGENT」に続いて、「ロボパットAI」に一部ライセンスを供与しているPKSHA Technologyと共同開発した「ロボパットAI Agent Studio」を今秋にも発売する予定である。「ロボパットAI Agent Studio」は「ロボパット」の新シリーズで、AIエージェントの開発やタスク実行、社内データの管理、実行ログの確認など、AIエージェントを作成・実行するために必要な機能が搭載されているプラットフォームである。「ロボパットAI」で蓄積した業務効率化の知見を生かしており、専門知識やプログラミング知識がない現場でもAIエージェントを作成し業務を自動化することができる。また、「ロボパットAI」と連携することで相乗効果を発揮し、業務自動化の対象範囲を広げることもできる。なお、DX推進事業の3製品はポジショニングに違いがあり、「ロボパットAI」がAIで機能強化されたRPA、「AI OMNI AGENT」が非定型業務に対応しユーザーが自由にエージェントを作成して自律的な業務支援を可能にするAIエージェント、「ロボパットAI Agent Studio」が専門知識やプログラミング知識がなくてもAIエージェントを作成・実行でき、非定型業務を含む業務の自動化を実現するAIエージェントプラットフォームとなっている。

(3) 教育研修事業
教育研修事業は、企業の研修事業と教育事業に分かれる。研修事業では、OJTや研修、eラーニングなど「社員教育」を1つに集約した社員教育オンライントレーニングシステム「Smart Boarding」や、研修・教育コンサルティング、企業向け研修などを提供している。新たにレジリエンス(心の回復力)を鍛える企業向けレジリエンス研修「レッスル(R)」の拡販を開始するなど、経営課題の解決に向けた研修コンテンツの開発にも注力している。また、「Smart Boarding」には、現場での実践力を高めるためのアウトプット機能を強化した「AIロープレ機能」を搭載する予定である。現在、コンサルティングが減少傾向にあるが、研修と「Smart Boarding」を戦略的に伸ばすことで、属人性を排し、安定性の高いストック型ビジネスへのシフトを進めるとともに、1社当たりの売上高向上を図っている。教育事業では、『7つの習慣J(R)』コンテンツや、初版発売以降累計約290万人、全国1,200校以上が活用する小中高校生向け「フォーサイト手帳(アプリ版を含む)」などを提供し、子どもたちの自信と主体性を育むプログラムの提供や教育現場のDX支援を行っている。

3. 同社の強み
同社の強みは商品力とコンサルティング力にある。商品力は、「ロボパットAI」は業務に精通した顧客自身が使うための「パーソナルRPA」、「Smart Boarding」は人材管理・育成・評価を一体で実現する「統合型人財育成プラットフォーム」という思想の下、現場担当者が自ら使いこなせる設計にある点にある。コンサルティング力は、同社の祖業が教育研修であるため、無料トライアルを入口に活用・定着までワンストップでサポートする「伴走型営業・支援」にあり、業界で3%~4%と言われる解約率は1%台と低い。また、型化(サービスの標準化)による若手営業人材の早期戦力化や、AI製品によるラインナップ拡充、高採算のストック型収益も強みと言える。これらを背景に、国内最大級のIT製品・SaaSのレビューサイトであるITreviewの『最強ITツール』において、「ロボパットAI」がRPAツール部門1位を獲得して5年連続の受賞となるなど、業界における評価は高い。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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