■週央からはAI・半導体関連中心に切り返す展開へ
今週の日経平均は先週末比1945.26円高(+2.9%)の68309.46円で取引を終了した。週前半には売りが優勢も、後半にかけ切り返す動きとなった。週初は米半導体株高を受けて買い先行も、急ピッチの上昇に対する過熱警戒感なども意識される中、韓国株の下落に押される展開となった。翌日も原油相場上昇などでリスク回避の動きが継続、9月中間末の配当権利落ちの影響が響く格好になった。ただ、65000円割れ水準では押し目買いの動きも強まって、安値水準からは急速に下げ渋った。
その後、9月30日から10月1日にかけては連日の大幅上昇。米半導体株高を背景に、人工知能(AI)・半導体関連株に買いが集まった。米マイクロンが決算を発表、実績・見通しともに市場予想を上回る好決算となったことも半導体株の一段の上昇につながった形。下半期入りに伴う機関投資家のポートフォリオ入れ替えの動きなども、AI・半導体株上昇の一因になったと考えられよう。週末は、原油価格が高止まる中で連日上昇の反動が強まったものの、底堅さは意識される状況であった。
■日米ともに長期金利の上昇傾向には警戒
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比250.40ドル高の51176.96ドル、ナスダックは同319.27ポイント高の27190.86で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比1110円高の69760円。雇用統計が市場予想を下回り10月利上げ観測が後退したほか、主要7カ国(G7)が石油備蓄の協調放出を決定して原油価格が下落したことも支援となった。
1日の米債券市場では、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長が追加利上げを急ぐ必要はないとの考えを示したことで伸び悩んだとはいえ、10年物国債利回りは一時5.35%と約24年ぶりの高水準に達した。9月29日にはNY連銀のウィリアムズ総裁が追加利上げに性急な対応は不要と発言していたほか、30日には8月の個人消費支出(PCE)価格指数が市場予想を下回ったことで、すでに10月の利上げ見送り観測は強まっている状況にあるとみられるが、こうした中での利回り上昇となる形になっている。週末も雇用統計が下振れたにもかかわらず、利回りは下げ渋っている。米中間選挙まではイラン側の強気姿勢は崩れにくいとみられ、原油相場の高止まりも続く可能性が高い。金利が高値圏にまで上昇している状況下でのリスク資産の上値追いには慎重な対応が必要となろう。
9月の日銀金融政策決定会合はややハト派と受け止められたが、週末発表の9月東京都区部消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇し、伸び率は25年11月以来の大きさとなっている。インフレ懸念は依然として拭い切れない中、5日には臨時国会が召集され、高市首相の所信表明演説も予定されている。あらためて財政拡張が意識され、国債利回りの一段の上昇につながる可能性も警戒される。実質下半期相場に移行しているが、その後の物色動向からみて、国内機関投資家の資金はAI関連株へ向かっているものとみられる。一時強まったAI開発の規制強化懸念などが足下で後退していることも買い安心感につながっていよう。ただ、米中間選挙次第では、再度規制強化への警戒感が強まる余地を残しており、来週のAI関連株が牽引役となった株価上昇にはやや行き過ぎ感も感じられる。
■ノーベル賞関連や政策期待株などにテーマ物色の余地も
来週はノーベル賞ウイークとなり、連日各賞の発表が予定されている。日本人候補者が受賞した場合、関連企業や関連テーマなどに物色資金が向かうことになる。医学賞や化学賞では、「小胞体ストレス応答」の森氏、脳内物質「オレキシン」発見の柳沢氏、物理学賞では「カーボンナノチューブ」の飯島氏などが候補に挙がっているもよう。また、7日にはTOPIX新銘柄が発表予定。スタンダードやグロース市場の銘柄が多く新規採用となる可能性が高く、こうした銘柄の動き次第では、同市場における他の時価総額上位銘柄などにも関心が高まりやすくなる公算があろう。ほか、高市首相の所信表明演説を受けて、関連するテーマ物色の流れが強まる余地も大きいとみる。
業界再編の動きが活発化している地銀株への関心も続く見込み。6日には全国証券大会で植田日銀総裁が挨拶予定で、早期の追加利上げの可能性なども探ることとなろう。6-8月期の決算発表も本格化する。8日のファーストリテイリング、セブン&アイ・ホールディングス、9日の安川電機などが注目されるが、過度なAI代替懸念が後退しつつあるSAAS関連銘柄などの決算内容にも関心を強めたい。なお、5日や9日には韓国市場が休場となる。この際に半導体関連株が買われる地合いとなっていれば、韓国大手半導体株の代替として日本の関連株に資金が向かうとみられ、オーバーシュート的な動きになっていこう。
■ノーベル賞の発表ウイークに
来週、国内では、5日に9月消費動向調査、7日に8月毎月勤労統計、8月景気動向指数、8日に8月経常収支、9月都心オフィス空室率、9月景気ウォッチャー調査、9日に8月家計調査が発表される。なお、7日にはTOPIXの新銘柄・ウェイトなどが発表予定。
海外では、5日に米・9月ISM非製造業景気指数、6日に欧・8月ユーロ圏小売売上高、米・8月貿易収支、7日に米・8月消費者信用残高、9月15-16日開催のFOMC議事録、8日に米・新規失業保険申請件数、9日に米・10月ミシガン大学消費者マインド指数などが発表される。なお、5日から12日にかけてノーベル賞受賞者が相次いで発表される。