アルトナー
●はっしゃん
ありがとうございました。それでは、次の質問に移ります。
現在の理論株価チャートをご覧いただきますと、理論株価は上にあるラインです。一方、実際の株価は、先ほど配当のお話をしたピンクのライン、配当のラインにどちらかというと収れんしていることがお分かりいただけるかと思います。
これが何を表すかと言いますと、この理論株価のロジックでいけば、アルトナー様は配当株として評価されており、企業価値がおおむね配当利回りに連動する形で、ここ1年半ほど推移しているということになります。
実は、この傾向は関口様もよくご存じだと思います。AIブームになって以降のソフトウェア業界やソフトウェア人財業界は、大手を含めておおむねこうした状況にあります。AIや半導体が大きく上昇する一方で、ソフトウェアや人財はなかなか上がりづらく、配当価値のあたりに収れんしていることが多いかと思います。
現在のやや過剰とも言えるAI評価に対して、ソフトウェア系の評価がなかなか低いという現状について、難しい質問かもしれませんが、どのような対策をお考えかをお聞かせください。
■アルトナー 関口様
まさに私どもの株価分析においても、AIの発達・進展によって、ソフトウェア業界並びに我々が属する人財業界は、業績の割に株価が低迷しているという結果が出ており、ご解説いただいた通りです。
加えて、米国のテック企業選好があり、AIの出現によって多くの業務で人財がAIに代替されるのではないかという、人財需要の減少に伴う成長鈍化への懸念が、投資家の方々のベースにあると思います。AIの脅威に伴う需要の減少、それによる成長率の鈍化。これがキーワードとなって、この業界の株価が低迷しているところにあると思います。
したがいまして、先ほども少し触れましたが、お客様のAIへの取り組みに関するさまざまな情報を収集し、今後AIがどのように活用されていくのか、代替される業務は具体的に何で、それに対する当社の影響はどの程度なのか。あるいは、AIを積極的に活用し、AIで補完しながら業務効率化を図っていくことによる当社事業へのプラスの影響、特にこれは単価に影響が出てくると予測していますが、そうした点を明らかにしていく必要があります。
そのうえで、AIを使えるエンジニアの育成や供給を、どのようにお客様に展開していけるのかという営業戦略・事業戦略を早期に策定し、AIを含めた当社の事業戦略を外部に積極的に公開することで、当社の成長性に不安はないという答えを市場に対してPRしていく必要があると認識しております。
現在も中期経営計画は進行しておりますが、AIに関するお客様の今後の動向について、中期経営計画をローリングできるレベルの情報収集や分析はまだ十分ではないというのが現在の立ち位置です。早期に情報を収集・分析し、未来に向けての仮説を設定したうえで、経営の戦略転換も含めて今後を確定し、積極的に社外へ発信していきたいと考えています。それによって、成長に対するご安心をいただくという施策が必要であると認識しております。
●はっしゃん
難しい質問に誠実にお答えいただき、ありがとうございました。
私自身、ソフトウェア業界の出身で、同業界に投資もしていますが、AIの影響で株価が上がらないと同じように考えている投資家の方は多いと思います。しかし、AIの時代になっても、結局は人材、人が必要ですので、そのうち評価も変わるのではないかと考えています。
アルトナー様1社だけでは難しいことかと思いますが、そうした新たな動きの1つとなって取り組んでいただけることを、大いに期待しております。
それでは、次が最後の質問になります。こちらもやや似ているかもしれませんが、少子高齢化についてお聞かせください。
現在、日本の人口は減少を続けており、特に若者の人口が減っています。新たに就職する人材も非常に少なくなっている一方で、賃金も上がっている状況です。御社はまさに人材集約型、人が資本となる会社ですので、これは非常に大きな課題になるかと思います。人材の確保が難しい時代において、持続的な成長を図るために、例えば外国人材なのか、AIへの代替なのか、どのようなビジョンを持って成長を継続されようとしているのかをお聞かせください。
■アルトナー 関口様
まず、回答の前提としまして、現在進めている中期経営計画では、AIの脅威については前提として織り込まずに各種施策を策定しました。したがいまして、AIの脅威に対する対策などは、この戦略には組み込まれていないというのが回答の前提となります。
そのうえで、既存事業のなかで、AIを想定しない状況における少子高齢化・労働人口減少への対策としましては、基本施策の2番目に掲げた「多種多様な人財活用の推進」が該当します。これまでアルトナーの社員のみで展開してきたビジネスモデルを、請負・受託事業の強化によって、これまで活用しきれてこなかった多種多様な人財の活用へと広げ、その労働力を補完していきたいと考えて策定したものです。
もう一方の回答としましては、AIが事業に及ぼす脅威や影響を想定し、仮説を立てたうえで、今後どのようなビジネスモデルの変革が必要なのかを、新しい中期経営計画で織り込んでいく必要があるだろうということです。
予測によっては、AIを含めた今後のあり方、この業界に及ぼす影響や脅威、そして好影響も含めて中期経営計画に織り込む場合には、ビジネスモデルの転換・変革まで大きな変更が必要になる可能性もあるのではないか。現在、私自身もそうした腹積もりをしています。
ですから、新しい中期経営計画では、AIが及ぼす影響についての情報収集や未来予測も含めて、基本施策を設定していきたいと考えています。
余談になりますが、AIを想定した場合のビジネスモデルは、もしかすると労働集約型の収益獲得構造からの脱却という話になる可能性もあります。それくらい大きなビジネスモデルの転換が必要になる可能性もあるということです。これはAIの動向予測によりますが、そこまでニュートラルな思考で考えながら、AIを想定した新しい中期経営計画にしたいと考えております。
●はっしゃん
今のお話を伺い、AIを考慮した新しい中期経営計画を非常に楽しみに感じました。実際、AIによる変革を織り込んだ中期経営計画を出してくる会社は、まだそれほど多くないと思います。その先駆けとして、非常に長い歴史を持つアルトナー様からそうした計画が出てくるとすれば、本当に業界に一石を投じる形になるのではないかと思いますので、私も楽しみにしたいと思います。
私からの、理論株価を使った質問は以上になります。非常に勉強になりました。どうもありがとうございました。
■アルトナー 関口様
ありがとうございます。
株式会社アルトナー×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)に続く