アルトナー
●はっしゃん
続きまして、ここからは私の「はっしゃん式理論株価」を使って質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
■アルトナー 関口様
よろしくお願いします。
●はっしゃん
まず、理論株価について簡単にご説明します。
理論株価とは、決算書から計算した本来あるべき株価です。資産価値と事業価値を加算したものを、主に決算書から算出しています。
今回はアルトナー様のチャートを表示しています。私は独自に理論株価の10年チャートを作成しており、これは過去10年分、四半期を合わせると40ファイル分の決算書、XBRLから作成したものです。
趣旨としましては、初心者の方でも専門的な金融知識なしで使える分析ツールという位置付けです。PER不要、PBR不要、ROE不要で企業価値が見えるというものです。10年間の推移と、理論株価に対する株価を見ることで、割安度や上昇余地を確認できますし、これまでの実績の延長線上にある未来を予測するという使い方もできます。
このツールの特徴は分かりやすさです。成長株や優良企業の場合は、当然ながら右肩上がりの理論株価を描きます。一方で、成長が鈍化した企業や不振企業の場合は、残念ながら右肩下がりになります。ご覧の通り、アルトナー様の場合は右肩上がりになっていることが一目で分かります。
そして、理論株価と株価の結び付きもとても重要で、両者が連動していることが大切です。株価と理論株価の関係は、高すぎず安すぎないことが望ましく、高すぎるとバブルになり、安すぎると信用不安があるのではないかと見られてしまいます。できるだけ同じペースで右肩上がりに上昇することが好ましいというのが、はっしゃん式の見方です。
最後に、線の色について補足いたします。1番下の緑色のラインが、解散価値相当の資産価値のラインです。その上のピンクのラインは、配当と優待を合わせた利回り4%の水準です。アルトナー様の場合は優待がございませんので、配当利回り4%のラインとなります。この4%という水準は、投資家が割安な高配当株として買う目安がおおむねこのあたりにあるという点を根拠にしています。
さらにその上のオレンジ色のラインが理論株価です。先ほど申し上げた通り、理論株価は資産価値に事業価値を足したもので、事業価値はEPSにROE、その他の調整係数を掛けて算出しています。
その上にある水色のラインは割高ラインで、現在の事業価値が2倍まで成長したと仮定した場合の、売りの目安となる株価です。ここを超えるとバブルのようなものという位置付けとお考えいただければと思います。
それでは、この理論株価チャートを使って質問させていただきます。
アルトナー様の理論株価は、ここ10年で見ますと、コロナショック後の一時期を除いて一貫して右肩上がりで推移しています。一方、株価も理論株価より少し低い位置ながら、多少の上下はあるものの、おおむね右肩上がりで推移しています。
ただし、理論株価が現在1,800円ほどですので、アルファ値、すなわち上昇余地は92%あります。配当利回りも4.5%ですので、かなりのバリュー株、割安に放置されているとも言える状況かと思います。
この状況はもちろんご理解されていると思いますが、業績が右肩上がりであるにもかかわらず割安に放置されている現状について、率直にどのようにお考えかをお聞かせいただければと思います。
■アルトナー 関口様
承知しました。私どもは、はっしゃんさんのように専門的な数字を積み上げて理論株価を設定しているわけではありませんが、目標株価という設定はしています。
●はっしゃん
そうなのですね。
■アルトナー 関口様
目標株価の考え方はもっと単純です。この業界の上場会社の平均PERは、おおむね17倍です。平均を取るというのは事業会社として低いので、さまざまなIR活動を積極的に展開し、中期経営計画におけるPERの目標値は、業界平均より1倍高い18倍に置いています。
そして、中期経営計画の最終年度のEPSは100円です。したがいまして、単純に18倍×100円で1,800円という目標株価を設定しています。
その達成に向けて、ご指摘の通り、まだ92%の余地があるということになります。さらなるIR活動や今回のような企画を通じて「割安である」と認知いただく活動を展開しつつ、一方ではEPS拡大に向けた事業努力や株主還元政策も積極的に展開していく。こうした合わせ技のなかで、目標株価1,800円、理論株価1,830円に向かって取り組んでいきたいと考えています。
したがいまして、割安で放置されていることを、会社として決して良しとしているわけではありません。目標株価に向けてさらに努力を重ねるというのが、私どもの認識でございます。
●はっしゃん
ありがとうございます。これは非常に面白いと思ったのですが、業界平均とEPSから計算されたアルトナー様独自の目標株価と、私が全上場企業の平均から計算した理論株価、こちらはPERだけでなくROEも入っていますが、その数値がほぼ同じになっているというのは、大変興味深いことだと感じました。
続いての質問に移らせていただきます。理論株価は、先ほど申し上げたように資産価値と事業価値の合計ですが、利益率の非常に高い会社の場合、資産価値は無視してもよいような小さな値になります。ですので、ほぼEPSとROEで決まると言っても過言ではありません。
先ほど御社はEPSで目標を設定されているとのことでしたが、同時にROE、つまり資本効率、株主資本に対してどれだけの利益を上げるかという点を高めますと、理論株価は上がりやすくなるという性質があります。ROEが上がれば上がるほど配当の原資も増え、理論株価も上がりやすくなりますが、そうしたROEに関する取り組みやお考えについてお聞かせください。
■アルトナー 関口様
当社のROEにつきましては、中期経営計画のなかで20%以上という目標を設定しています。2025年1月期は28.1%でした。2026年1月期からはグループ3社の連結決算となっていますので、28.1%から若干低下していますが、この点につきましても明確な目標を設定し、それに向けてさまざまな施策を展開していく考えです。
●はっしゃん
ありがとうございます。そもそもROEの目標が20%以上というのは、日本全体の平均が10%前後であることを考えますと、非常に高い水準だと思います。その高い水準を維持しつつ、EPSを増やしていくということですね。
■アルトナー 関口様
そうですね。
株式会社アルトナー×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(5)に続く