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プラネット、インフラ×ソリューションプロバイダーへの進化に向け、先行投資と成長戦略を推進

目次

坂田政一氏(以下、坂田):こんにちは。株式会社プラネット代表取締役社長の坂田です。本日はご多用のところ、また雨の中、当社の第41期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

当社は、日用品や化粧品などの流通を裏側から支える情報インフラとして、企業間のEDIプラットフォームを提供している会社です。

本日は、スライドの目次に沿ってご説明します。まず、第41期の決算概要、次に現在注力している4つの成長戦略、第42期の通期業績予想、最後に株主還元方針の順でご説明します。

第41期の総括

まず、決算概要についてご説明します。スライドは第41期の通期業績です。売上高が31億4,890万円、営業利益が5億5,710万円、経常利益が5億9,550万円、当期純利益が4億1,230万円となりました。

マクロ環境の変化を背景に、売上高は前期比で微減となり、計画に対しても98.4パーセントとわずかに未達となりました。一方で、当期純利益は前期比で2.9パーセント増加し、計画に対しては100.6パーセントとなりました。

第41期の総括

売上高が前期比で0.4パーセント減となった主な要因は、当社の根幹である「基幹EDIサービス」のデータ量の減少によるものです。

この数年の傾向として、消費行動の二極化に伴い、メーカー各社によるSKUの削減や大容量化、さらに物流コストの上昇に対応した配送頻度の見直しなど、流通業界全体で効率化に向けた取り組みが継続しました。

これらの変化は短期的には当社の基幹EDIのデータ量の微減という影響を及ぼしました。しかし、見方を変えると、手作業や重複業務、過度な配送の削減を通じて、業界全体のDX推進および構造変化が着実に進展している表れでもあると見ています。

当期純利益はプラスとなりましたが、本来の活動成果である売上高と営業利益が前年割れし、計画に対しても未達となったことを真摯に受け止めています。この業界の構造変化を捉え、次期以降の再成長に向けて、持続的な収益基盤の再構築に全力を注いでいきます。

注力している活動 4つの成⻑戦略

当社の持続的成長を目指し現在注力している4つの成長戦略の進捗と施策についてご説明します。

当社は設立から40年余り、日用品・化粧品業界の業界標準プラットフォームとして、強固な基盤を築いてきました。この盤石なストック型収益基盤を守るだけでなく、業界全体の生産性向上を目指し、現在4つの成長戦略に取り組んでいます。

スライドに示しているとおり、1つ目は既存の「基幹EDIサービス」の対象業界の拡大を目指す横展開と、データの付加価値向上に向けた深掘りです。2つ目は、物流業務の生産性向上に寄与する「ロジスティクスEDI」の展開です。

3つ目は、返品業務のデジタル化を推進する「返品ワークフローシステム・サービス」です。 4つ目は、新たなビジネス領域への挑戦として「商品情報マスターの一元管理」を展開する新会社の設立です。順に1つずつご説明します。

①基幹EDIサービス

まず、1つ目の「基幹EDIサービス」についてご説明します。現在、当社が主力としている日用品・化粧品業界における当社のEDI利用浸透率は、すでに約90パーセントに達していると見ています。

一方で、横展開のターゲットとしているペット関連やOTC医薬品といった隣接業界での浸透率は現状30パーセントから50パーセント程度と見ています。

この30パーセントから50パーセントという浸透率を伸びしろと捉え、利用企業の裾野を着実に広げることで、中長期的な企業価値の維持および向上を図っていきたいと考えています。

①基幹EDI:横展開とデータ深掘りの進捗

スライドは第41期の実績です。まず、スライド左側の「横展開」の取り組みとしては、主要卸売業との連携による紹介スキームを活用し、新規メーカーの獲得を推進しました。

その結果、OTC医薬品やペット業界などの隣接業界カテゴリでは、メーカー数が619社となり、前期比1.04倍に増加し、顧客基盤のさらなる強化を図ることができました。

右側の「データの深掘り」は、データの付加価値向上を通じて顧客価値を高める取り組みです。卸売業からメーカーへ提供される販売データを当社が受け取り、Web上で集計・可視化できる販売レポートとして提供しています。利用企業数は前期比約1.16倍と順調に拡大しています。

このように、新規顧客の獲得と付加価値サービスの浸透を両輪で進めることで、「基幹EDIサービス」の持続的な成長基盤を構築していきます。

①基幹EDI:横展開とデータ深掘りの進捗

第42期以降は、基幹EDIの成長を推進するため、2つの新たな注力施策に取り組んでいきます。

1つ目は「受発注にとどまらない、多様なデータ種の活用提案」です。受発注データにとどまらず、未利用データ種を活用する提案を通じて、中長期的な利用拡大を目指していきます。加えて流通現場の在庫の最適化など、実務課題に応える解決策を提示していきたいと考えています。

円滑な業務運営を支える情報インフラから、流通現場の業務最適化を支えるデータ活用支援へと進化を図っていきます。

2つ目は、「販売レポートの紹介動画を活用したアプローチ」です。サービス紹介動画を配信し、その閲覧状況を基に、販売レポートに関心をお持ちの企業に積極的にアプローチしていきます。

動画を通じてサービスの利用メリットや活用イメージをわかりやすく提示し、タイムリーにアプローチすることで、顧客獲得の確度を高めていきます。

このようにデータの利活用推進と情報提供を通して、流通現場の業務効率化と安定した取引基盤の維持に貢献していきます。

②ロジスティクスEDI

2つ目の「ロジスティクスEDI」の進捗です。第41期は、前年比でデータ量が約1.3倍、接続本数が約1.4倍、利用企業数が約1.2倍と着実に伸びました。

一方で、実際の導入現場では複数企業間での調整やシステム対応に長時間を要したため、想定よりも導入ペースが遅れたと認識しています。この課題を踏まえ、第42期以降はターゲットの明確化を図る方針です。

具体的には、隣接業界へのターゲット拡大に重点的に取り組みます。これまで注力してきた日用品・化粧品業界での基盤を活かし、物流効率化のニーズが特に高いペットフード・ペット用品業界などへアプローチを広げることで、着実な利用拡大を推進していきたいと考えています。

③返品ワークフローシステム・サービス

3つ目の「返品ワークフローシステム・サービス」です。第41期は、先行導入企業の特定拠点において、多数のメーカーとの運用が安定稼働に移行しました。また、関係者との意見交換を通じて業界共通の課題を明確化してきました。

一方で、取引先ごとの運用調整や相手先のシステム対応などにより、導入に時間がかかるという問題が明らかになりました。これらを踏まえ、今後は導入効果を軸とした提案へと移行する予定です。具体的には、3つのステップで展開していく方針です。

まず、先行稼働拠点で返品明細のカバー率を高水準まで引き上げます。そのうえで、効率化、すなわち作業工数削減を定量的に把握し、可視化していきます。次に、その結果を活用して、ターゲット企業の個別課題に応じた提案型営業を展開します。

さらに、それらの実績をモデルケースとして経営層への直接提案を行い、意思決定のリードタイムを短縮し、導入を加速させたいと考えています。導入効果を定量的に可視化する提案スタイルに転換することで、着実に横展開を進めていきます。

④商品情報マスタの一元管理(プロダクト・レジストリ・サービス)

4つ目は、「商品情報マスターの一元管理」に関する進捗です。現在、商品情報の登録や修正作業はメーカー、卸売業、小売業の間で個別に行われています。

その結果、フォーマットの違いが原因で二重入力や情報の不一致が発生し、これが業界全体で年間約300億円と推定される事務コストを生む要因となっています。

この業界共通の課題を解決するため、当社は2025年11月、日用品卸売業の有力企業である株式会社あらたおよび株式会社PALTACとの共同出資により、株式会社プロダクト・レジストリ・サービス(以下、PRS)を新会社として設立しました。

2026年4月のサービス開始以降、契約メーカー数は185社、登録SKU数は11万点を超え、利用卸売業は44社に達しました。大手・中堅企業を中心に、順調に導入が進んでいます。

本事業は、これまでN対Nで行われていた商品情報の流通を1対Nの一元管理モデルに転換することで、業務の標準化と大幅なコスト削減を実現するものです。

さらに、経済産業省の「商品情報連携プラットフォーム構想」への参画やGS1 Japanとの連携を進めるとともに、現在は小売業との実務適用に向けたPoC(実証実験)の準備を進めています。メーカーから卸売業、小売までをつなぐ全流通一貫インフラの確立に向けて、着実に取り組みを進めています。

第42期 業績予想

第42期の通期業績予想についてご説明します。第42期は、売上高31億9,500万円、営業利益4億8,500万円、当期純利益3億5,500万円と、増収、減益を計画しています。

売上高は、基幹EDIの横展開やデータの深掘りに加え、これまで立ち上げてきた新規サービスの寄与により増収を目指します。

一方、営業利益の減少は、将来の再成長に向け、次世代インフラの研究開発や新規事業領域へリソースを集中投下するという戦略的な先行投資によるものです。

このような先行投資を実行しながらも、営業利益率は15.2パーセントと、健全な利益水準を維持する計画です。また、インフラの安定運用と継続開発を支える、十分な収益性を確保していきたいと考えています。

成⻑モデル:当社が描く持続的成⻑軌道

当社が描く持続的成長軌道のロードマップについてご説明します。当社は既存のEDIの安定収益を基盤とし、第40期から第42期までの先行投資を経て、インフラとソリューションを掛け合わせた「インフラ×ソリューションプロバイダー」への進化を目指しています。

第39期までのPhase 1では、マクロ要因によるデータ量の微減傾向が続く中で、既存基盤の防衛と安定収益の確保に努めてきました。

Phase 2と位置づけている第40期から第42期では、新会社PRSの設立や「返品ワークフローシステム・サービス」のリリース、さらに人的資本の強化を目的とした新人事制度の導入など、将来の成長に必要なインフラと組織基盤の強化に注力しています。

第43期以降のPhase 3では、「ロジスティクスEDI」や「返品ワークフローシステム・サービス」の拡販、PRSの事業化、新規サービスの収益化を推進し、投資の回収と収益拡大のフェーズへ移行する計画です。

現在の第40期から第42期の先行投資期間を「再成長への転換点」と位置づけ、新規サービスの立ち上げを通じて、中長期の業績拡大を確実なものとしたいと考えています。

株主還元

最後に、株主還元についてご説明します。当社の株主還元における基本的な方針は、財務基盤の健全性を維持しつつ、持続的な企業価値の向上を推進し、長期的かつ安定的な配当を実施することです。第41期の年間配当は、期初の予想どおり1株当たり44.0円、DOEは5.2パーセントとなります。

第42期においては、先行投資に伴う一時的な減益を見込むものの、当社の安定した事業基盤と健全な財務状況を背景に株主還元の姿勢として0.5円増配し、1株当たり年間44.5円を予定しています。これにより、上場以来23期連続での増配となる見通しです。

先行投資期間中も安定した増配を継続することで、株主のみなさまの期待にお応えしたいと考えています。

当社が目指す未来像と提供価値

本日の説明を締めくくるにあたり、当社の存在意義や目指すべき将来像をお伝えするコンセプト動画を初めて作成しました。ぜひ、みなさまにご覧いただければと思います。

この価値訴求動画「つなぎ、ととのえ、ひらく」は、当社がサプライチェーン全体でどのような役割を果たし、どのような未来を描こうとしているのか、その提供価値やブランドビジョンをまとめた内容です。

動画を通じて当社の本質的な価値や目指す方向性をお伝えし、当社が提供する価値に対するご理解と共感を深めていただく取り組みを進めていきます。上映時間は約4分です。当社が目指す未来像について、ぜひご覧ください。

当社としては初の取り組みとしてコンセプト動画を制作しました。私どもが描く中長期のビジョンと今後の方向性を、より明確にお伝えできればと考えています。

また、ご感想などがありましたら、この後の質疑応答の時間にぜひお聞かせいただければと思います。

当社は、日本の一般消費財流通を支えるインフラ企業として、EDIによる業務効率化に加え、業界のサプライチェーンの高度化を支援するソリューションプロバイダーとして「情報の価値化」を推進し、業界全体の生産性向上に寄与していきます。

既存サービスの拡充に加え、新たな事業機会の探索にも引き続き取り組んでいきます。みなさまには、中長期的な視点でのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。最後までご清聴いただき、誠にありがとうございました。

以上で、株式会社プラネットの決算説明会を終了します。ありがとうございました。

質疑応答:41期売上高への見解および今後の見通しについて

質問者:第41期の売上高は、このような環境下にある市場の影響をある程度受けてマイナスになったというのはやむを得ないと思っていますが、これに対する社長の見解はどのようにお考えでしょうか?

それを踏まえ、次期以降への影響を中心として、市場について具体的にどのように動いていくと予測されているのか教えてください。

坂田:厳しい事業環境が続くなかでの41期の売上高についてですね。消費の二極化やそれに伴うメーカー各社の動きについては、2、3年前から兆候を把握していました。

また、市場全体の大きな成長は期待しにくいとの予測も立てていましたが、現状は想定以上のペースで市場の成長が鈍化している認識です。ここで誤解のないよう補足しますと、政府統計などでは市場は依然として成長傾向にあるように示されています。

これは主に「金額(出荷額)ベース」の数値に基づいているためです。ここ数年、メーカー各社による相次ぐ値上げが行われた結果、出荷数量が減っていても金額ベースでは横ばいまたは微増に見えるのが実態です。しかし、流通の現場における「数量ベース」で見れば、市場の成長は明らかに鈍化傾向を辿っています。

今後について、なかなか先行きは読みにくいものの、あと2年程度はこのペースで鈍化が続き、全体として数量ベースで微減するのではないかと見ています。

ただし、高市政権より来年4月から2年間の期間限定で食料品の消費税を引き下げると発表されています。この減税による一時的な消費の動きと、2年後の適用終了を含め、税制の推移が流通量や市場にどのような影響を及ぼすか、注視していく必要があると考えています。

質疑応答:動画の閲覧機会について

質問者:最後に拝見した動画は、例えば基幹EDIをアピールする動画として捉えてよいのでしょうか? どのようにしてターゲットになる方々に動画を見てもらうのか、またどのようなところで動画を見ることができるのかというハウツー論についてお聞かせください。

坂田:本動画は本日が初公開となります。今後は、毎年秋に東京と大阪で開催しているユーザー会などの機会を通じ、多くのみなさまにご覧いただきたいと考えています。

また、個人投資家向け説明会でも公開していきたいと考えています。ホームページへの掲載については検討段階ですが、より多くの方々にご覧いただけるよう、柔軟に対応していきたいと思っています。

質疑応答:PRSの成長状況について

質問者:PRSのサービス開始からは1年弱となり、私もいろいろお話をうかがいましたが、予想以上に早いペースで順調に大きくなっているように思います。御社として、現在の状況を計画に対してどのくらい成長されていると捉えていますか?

坂田:「早いペースで順調ではないか」と大変お褒めの言葉をいただきありがとうございます。当社としてはほぼ計画どおりに進んでいるのではないかと思っています。登録メーカー数やSKUのカバー率においても、ほぼ計画どおりと認識しています。

一方で、来年春に向けた新製品の登録はこれから始まります。その際に、カバー率をさらに向上できるかが一つの鍵になると考えています。

また、現在、メーカーと卸売業は順調に登録を進めてくださっていますが、もう一つの鍵となるのは、小売業の登録だと考えています。小売業の方にPRSをご利用いただくことが、さらなる成長を推進するために必要な要素だと考えています。

質疑応答:過去の種まきと今回行う種まきとの違いについて

質問者:坂田社長は就任されて5年目かと思いますが、この5年間で種まき的な取り組みをされており、今回また2年間の期間を設定して種まきをされるということだと思います。

過去に種まきをされた時と比較して、現在は業界の状況について把握されている部分も多いのではないかと思いますが、スピードを上げるためにどのような仕掛けをされているか、また、これまで行ってきた施策と今回の施策では何が違うのか、楽しみにしています。

定性的な質問になるかもしれませんが、仕掛けや過去5年間との違いなどについてお聞かせください。

坂田:「これまでの種まきがあって、また種まきか」というご質問ですが、企業として種まきは常に定常的に行うべきものだと考えています。どれだけ好調な業績を残していても、3年先、4年先、5年先を見据えて常に新たな種まきをしなければなりません。

そのような意味では、種まきは継続的な活動だと思っています。ただし、種まきをするだけでは意味がありません。その種をどのように刈り取るかが重要だと考えています。

私はこの10月でちょうど4年が終わり、10月の総会で承認されれば5年目に入るということになります。

過去に蒔いたものに対してこれからはきちんと刈り取ることが重要だと考えています。そのため、今日ご説明したようなPRSや返品ワークフローシステム・サービス、ロジスティクスEDIなどをどう刈り取っていくかが課題です。そのために、まずスピードを上げることに力を注ぎたいと思っています。

具体的にはこれまであまねく広範囲に種を蒔きながら展開してきましたが、その方法から転換し、きちんとフォーカスを当てて、1つずつ確実に取り組むほうが結果として刈り取りが早くなるのではないかと考えています。そのため、本日ご説明したように、ターゲットを明確にしていく方針へと変えていきたいと考えています。

次に、種まきの内容として、私が来て2年目の頃は、社内で考えたアイデアをどのように事業化していくかを模索してきました。しかし、社内で懸命に考えて取り組んできたものの、業界の状況がさまざまな意味で変化している中で、社内の知見だけでは種まきのスピードや蒔く種の質が十分ではなかったと感じています。

そのため、専門家の知恵をお借りしようと考え、何人かの専門家にご協力をお願いしています。また、昨今はAIの進展が著しいため、新規事業の種を膨らませ、膨らました種を事業化にするためにいかに収束させるかといった、発想を広げたり、それを収束させたりする取り組みを、AIを活用して進めています。

この取り組みによって、スピード化と質の向上を目指し、現在トライアルで進めているところです。これらの試行を通じて、さらなるスピードアップを実現していきたいと考えています。

質疑応答:今後のAI活用方法について

質問者:先ほど社長の回答にてAIという言葉がありましたが、AIはさまざまな分野で活用できると感じる一方で、今後AIの使い方に大きく違いが出てくるように感じます。今年に入ってからだけでもAIの進化は著しいですが、坂田社長が実感されているAIの注目点について、差し支えない範囲でお聞かせください。

プラネット社の事業展開において、今後どのようにAIを活用していこうとお考えになられているのか、現時点でのお考えをうかがえればと思います。

坂田:AIの活用に関しては、具体的にどのように取り組んでいるかについて、現時点では申し上げることができないことをご理解いただきたいと思います。

ただし、おっしゃるとおり、多くの分野で活用の可能性があると考えています。先ほどご説明した新規アイデアの創出だけでなく、それをブラッシュアップする場面でもAIを活用し始めています。

また、日々の業務でも、全社員が活用できるよう取り組んでおり、情報システム部門がどのように使えるかを「こういう使い方ができます」「こういう利用ができます」といった方法で定期的に発信しています。

このように、社員各自がAIを活用して単なる効率向上だけでなく、自身の仕事の価値を高める取り組みも進めています。さらに、私どもの提供するサービスにおいてもAIを活用することで、付加価値を高めることは当然できると考えています。

いくつか動いているものはあるものの、具体的にどのように進めているかについてまだお話しできる段階ではありませんが、提供サービスにAIを組み込むことで、より付加価値を向上させることに挑戦していきたいと考えています。

質疑応答:価格の見直しに対する現在のスタンスについて

質問者:業績面に関しては、値上げが一番直接的かと思われます。御社は過去に何度も値下げを行ってきたことがあるかと思いますが、それはデフレ期の話であり、現在はインフレ期に移行している状況かと思いますが、

価格の見直しに対するスタンスについて、現在どのように考えているのかをおうかがいしたいと思います。

坂田:大変悩ましいご質問をいただき、お答えしづらい部分もありますが、確かに私どもは過去に何度か値下げを行ってきました。また、私たちの社会的使命や業界における役割を考えると、世の中がインフレになったからといって単純に値上げするとは言いにくい現状があります。

一方で、当社でいう原価、つまりメーカーさまでいう原価とは異なり、私たちの原価には、さまざまな要素が含まれています。具体的には、ミドルウェアやサーバーの使用料、さらにはSEのコストなどが挙げられ、明らかに原価が上昇しています。それに伴い、私どもの原価も相当な勢いで上がってきています。

このような状況の中で、私どもが堅実かつ安定的にEDIのサービスを提供し続けることや安定的に運用、開発し続けるためには、やはり適切な収益を上げる必要があると認識しています。

ただし、単純にインフレだから価格を上げるという考えは持っていません。私どもの提供するサービスに対してお客さまがどれだけ価値を認めてくださるのか、そのバランスを見極めたうえで、必要であれば価格改定を検討することもあるかもしれません。ただし、現時点ではその具体的な方針についてはまだ判断していません。

質疑応答:基幹EDIサービスの展開とその可能性について

質問者:基幹EDIサービスの事業展開について、いろいろとポテンシャルがあるというお話でした。具体的に既存の取り組みに加えて、どの程度まで可能性を広げられるのか、詳しくお聞かせいただきたいと思います。

例えば、OTC医薬品業界への横展開について、どれくらいのプラスの効果が見込めるのかなどについて、おうかがいしたいです。

坂田:目指すべき目標としては、日用品・化粧品業界の水準まで到達したいと考えています。それが1年後か2年後か、具体的な時期はありますが、目指す目標としてはそこを目指したいと思っています。

ただ、日用品・化粧品業界とは異なり、OTC医薬品業界も私どもと直接競合するわけではないですが、EDIを提供しているところもあります。そのため、一朝一夕で達成できるものではないと考えています。

現在のシェアは30パーセントから50パーセント程度ですが、3年ほどのスパンでプラス10パーセント程度は向上させたいという希望的観測を持っています。

質問者:売上規模としても、プラス10パーセントから20パーセント程度の増加が見込めるという意味でしょうか?

坂田:私どもの売上はデータ量に依存しています。そのため、OTC医薬品業界は、日用品・化粧品業界に比べてデータ量がそこまで多くないという現状があります。シェアが仮に10パーセント増えたからといって、売上が同じように10パーセント増えると単純にはならないと見ています。

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