日本エマージェンシーアシスタンス
さて、ここからは今回新しく追加いたしました3つのグラフ資料をご覧いただきながら、当社のビジネスを取り巻くマクロ環境と、今後の方向性について説明いたします。
当社の創業以来の収益の柱は、損害保険会社様から委託頂いた海外旅行保険に関わる緊急病院手配・支払い保証等の医療アシスタンスサービス、そして法人や大学向けの医療アシスタンスサービスです。これらは「日本人の海外渡航」というアウトバウンドの動向に深く連動しています。一方で、今後の成長を牽引するのが「医療ツーリズム」や「訪日緊急医療アシスタンス」といった【インバウンド】分野です。
今回追加したグラフは、この「日本から海外へというアウトバウンド」と「海外から日本へというインバウンド」の構造的なトレンドの変化を明確に示しています。
1つ目のグラフ「海外渡航者数および訪日外国人数の推移」をご覧ください。かつては日本人の海外渡航が安定的に推移していましたがコロナ後は2019年比で約3割減の水準にとどまっております。一方2015年には訪日外国人数が日本人の海外渡航者数を逆転いたしました。その後10年間でその差は急速に広がり、2025年の推計では、日本人の海外渡航者数が1,473万人強にとどまるのに対し、訪日外国人数は4,268万人強と、実に3倍以上の開きが生じています。
2つ目のグラフは「長期滞在者数・在留者数」のトレンドです。日本人の海外長期滞在者数は約70万人と伸び悩み・低迷傾向が続いていますが、一方、外国人の日本における中長期在留者数は過去最高を更新し291万人に達しており、約4倍以上の差へと拡大しています。
3つ目のグラフ「留学生数」におきましても同様に日本人学生の海外留学者数は2018年をピークに減少傾向をたどり、現在は約9万人であるのに対し、外国人留学生数は過去最高の33万人を記録、アウトバウンドの3倍以上の規模となっています。
これらのインバウンドとアウトバウンドの動向には、急速な円安、世界各地における「地政学的リスクの緊迫化」、世界的な「インフレと現地物価の高騰」、さらには「航空機燃料高騰によるサーチャージの値上げ」など様々な外部要因が複雑に影響し、特に【アウトバウンド】におきましては、円ベースでの渡航コスト高や現地滞在費の負担増、安全面への懸念などがネガティブに作用。日本人渡航者数の伸びを抑圧する要因になっていると考えております。一方で【インバウンド】については歴史的な円安、訪日ビザ規制の緩和、日本文化の世界的な人気の高まり等から増加傾向は継続するものと考えております。今後もこれらのマクロ動向は、当社のビジネスに直接的な影響を及ぼす重要な外部環境として、注視していく必要があります。
当社といたしましては、こうした外部環境の変動に単に振り回されるのではなく、中期経営計画で掲げた実行方策をひとつひとつ確実に推進・実行していくことで、収益構造の抜本的改革を進め、どのような外部環境の変化にも左右されにくい『筋肉質な経営体質』を構築してまいりたいと考えております。
そのうえで、当社の目指すべき方向性を整理すると、次の2点が極めて重要となります。
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社:2026年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(4)に続く