MITRAグループの役割
成宮正一郎氏:みなさま、こんにちは。ミトラグループ株式会社代表取締役社長の成宮正一郎です。本日は、2027年2月期第2四半期決算説明動画をご視聴いただき、誠にありがとうございます。
株主・投資家のみなさまには、日頃より当社グループへのご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。本日は、第2四半期までの業績と各事業の状況、そして「中期経営計画2027」における取り組みの進捗についてご説明します。
まず、当社グループの事業についてあらためてご説明します。当社グループは、金融・不動産・建築・士業専門家といった専門性が高く、業務が複雑になりやすい領域に対し、BPaaSによるサービスを提供しています。
BPaaSとは、業務そのものをお預かりするBPOとクラウドシステムとを組み合わせたサービスモデルです。
例えば、住宅ローンの手続き、不動産売買の契約・決済、住宅建築の申請、登記や相続などは、法律や制度、実務慣行への理解が必要で、単にシステムを導入するだけでは効率化が難しい業務です。
当社グループは、このような専門業務に対し、専門人財による業務サービス、独自のクラウドシステム、オペレーションセンターを組み合わせることで、デジタル化・自動化・非対面化を推進し、お客さまの生産性・利便性・安全性の向上を支援しています。
MITRAグループの提供価値
当社グループは、金融・不動産・建築・士業専門家の4つの領域を横断してサービスを提供しています。不動産に関する1つの取引をみても、住宅ローン、不動産売買、住宅建築、登記など、多くの事業者や専門家が関わります。その中には、紙や人手に依存する業務や、専門知識が必要で処理が難しい業務が多く残っています。
当社グループはこれらのノンコア業務を担い、システムによる効率化と組み合わせることで、お客さまが本来の付加価値業務に集中できる環境を提供しています。さらに、取引全体の利便性や安全性を高めることが、当社グループの提供価値です。
長期グループビジョン
当社グループは、「『専門性×革新的サービス』で未来を支える社会インフラ企業へ」という長期グループビジョンを掲げています。
専門性の高い業務を仕組み化・標準化し、より簡単で確実かつ安全に行える環境を整えていきます。そのために人の専門性とシステムを組み合わせ、社会に必要とされるサービスを継続的に生み出していきたいと考えています。
それでは、2027年2月期第2四半期の決算についてご説明します。まず決算サマリーについてお話しし、その後に各セグメントの状況と「中期経営計画2027」の進捗についてご説明します。
エグゼクティブサマリー
第2四半期の連結業績は、売上高26億500万円、営業利益1億5,900万円です。前年同期比では、売上高は10.0パーセント増、営業利益は0.4パーセント増となり、増収増益となっています。一方で、利益面では一部債権の回収に伴う貸倒引当金の戻入が含まれています。
通期業績見通しについては、金融ソリューション事業における新サービスの提供先拡大や、不動産ソリューション事業における不動産オークションの取り扱い件数増加など、各事業で進捗が見られています。既存サービスの利用回復や新たな受託業務の開始も踏まえ、通期業績予想は据え置きとしています。
トピックスとしては、2027年4月施行の本人確認厳格化に対応する「ミトラeye」および「サムポロeye」の提供準備を進めているほか、相続関連サービスを集約したミトラ相続支援社が本年9月1日から事業を開始しました。今期からは中間配当も開始し、1株当たり3円の配当を実施します。
2027年2月期 第2四半期決算 連結業績
連結業績について詳しくご説明します。売上高は26億500万円となり、前年同期比10.0パーセント増となりました。金融ソリューション事業における信託サービス、不動産ソリューション事業における不動産オークション、建築ソリューション事業における各種サポートサービスなどが売上増加に寄与しました。
営業利益は1億5,900万円で、前年同期比0.4パーセント増となりました。経常利益は1億5,500万円、親会社株主に帰属する中間期純利益は1億2,000万円です。
中間期予想との比較では、売上高は予想を下回りましたが、貸倒引当金の戻入などにより、利益は予想を上回る結果となりました。通期予想に対する進捗率は、売上高が41.9パーセント、営業利益は25.5パーセントとなっています。
四半期業績推移(連結 売上高・営業利益)
四半期ごとの売上高と営業利益の推移についてです。第2四半期単独では、売上高は13億6,000万円となり、第1四半期の12億4,500万円から増加しました。
一方で、営業利益は6,600万円となり、人的資本投資やDX投資など今後の成長基盤構築に向けた費用が先行したことから、第1四半期を下回りました。利益の増減要因については、後ほど詳しくご説明します。
業績進捗
通期予想に対する進捗率は、売上高が41.9パーセント、営業利益が25.5パーセントとなっています。
当社の通期計画は下半期の寄与を大きく見込んでいます。第2四半期では費用増加の影響もあって、営業利益の進捗率は売上高に比べて低い水準です。下半期は各事業における施策を着実に進め、通期計画の達成を目指します。
2027年2月期 第2四半期 営業利益の増減分析(連結)
スライドのグラフは、前年同期からの営業利益の増減要因を示しています。売上高の増加に伴い、売上総利益は1億100万円増加しました。さらに、一部債権の回収による貸倒引当金の戻入が、1億円のプラス要因となりました。
一方で、販売管理費が2,800万円増加しました。主な要因として、オフィス増床に伴う地代・家賃の増加や、商号変更に伴う広告宣伝費の増加が挙げられます。
加えて、人的資本投資の増加により1億6,300万円の費用増加が生じ、事業投資により1,000万円の費用増加が発生しました。人的資本投資の主な増加要因としては、人財紹介手数料、ストックオプション制度の費用、管理職の採用が挙げられます。
これらの結果、営業利益は前年同期と同水準の1億5,900万円となりました。売上高は前年同期を上回っており、足元では今後の受注拡大や事業成長に向けた体制構築のための費用が先行して支出されています。
(参考)セグメント別の主力サービス
各セグメントの状況についてご説明します。スライドの表では、4つのソリューション事業における主力サービスを整理しています。
金融ソリューション事業では住宅ローン関連の専門業務のオペレーションを提供し、不動産ソリューション事業では契約・決済のキャッシュレス化や非対面化を進めています。建築ソリューション事業では敷地調査から申請・検査までの支援を行い、士業ソリューション事業では司法書士向けの業務支援システムを提供しています。
いずれの領域においても、専門業務のオペレーションとシステムを組み合わせて提供している点が、当社グループの特徴です。
セグメント別 売上高構成比・利益構成比
第2四半期までの売上高構成は、金融ソリューション事業が39パーセント、建築ソリューション事業が28パーセント、士業ソリューション事業が18パーセント、不動産ソリューション事業が15パーセントです。
利益面では、金融ソリューション事業が引き続き当社グループの収益基盤となっています。一方、不動産ソリューション事業においては損失を計上しており、引き続き同事業の収益改善が課題であると認識しています。
金融ソリューション事業
金融ソリューション事業についてです。この事業では、主に金融機関向けに、住宅ローンやその周辺手続きに関する専門業務を受託し、オペレーションとシステムを一体で提供しています。
第2四半期までの売上高は10億400万円で、前年同期比10.3パーセント増、セグメント利益は4億5,900万円で、前年同期比9.9パーセント増となりました。
住宅ローン関連では、金利動向に左右されにくい住宅ローンの完済関連サービスの提供を新たに開始しました。信託サービスでは、トラストアカウントサービスの契約件数増加に伴い、信託報酬が増加しています。
住宅ローンの実行件数だけに依存するのではなく、完済、信託、相続などストック性があり、金融機関のお客さまが抱える周辺業務へサービス領域を拡大することで、より安定した収益基盤の構築を目指します。
今後は、完済関連サービスの安定的な運営体制の構築とともに、提供先の拡大に取り組んでいきます。
相続関連サービスを集約し、専門会社として事業拡大を加速
相続関連サービスについてご説明します。当社グループではこれまで、戸籍収集や相続関係説明図の作成、「AI相続ミツローくん」などの相続関連サービスを各グループ会社で個別に提供していました。
今回これらのサービスをミトラ相続支援社に集約し、本年9月1日より一体的な事業運営を開始しました。相続人調査を中心に、戸籍収集や相続関係説明図の作成を行う上で、BPOとAI・システムを組み合わせ、業務の標準化・効率化・品質向上を進めています。
提供先は金融機関、士業専門家、自治体の3つのチャネルを想定しており、それぞれに対して相続関連BPO、「AI相続ミツローくん」、戸籍取得・相続関係説明図の作成などを展開していきます。
年度末に向けて、導入自治体数や相続関係説明図の月間作成件数をKPIに設定し、着実な利用拡大と受託拡大を進めます。これらのKPIを達成した後の業績イメージとして、グループ全体の相続関連サービスで営業利益約2億円を参考値として掲示しています。
こちらは業績予想ではなく、現時点で設定しているKPI達成時の事業規模を示す参考イメージであり、今後の事業規模の上限を示すものではありませんが、金融機関・自治体・士業専門家との接点をさらに広げつつ、成長領域の1つとして事業を拡大していきます。
なお、業績は主に金融ソリューション事業に計上されますが、一部のシステム提供は士業ソリューション事業に含まれます。
不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業についてです。この事業では、不動産売買の契約や決済をキャッシュレス化・非対面化する「H’OURS(アワーズ)」のほか、不動産調査、担保適格性判定、不動産オークションなど、不動産取引に関わる業務を支援しています。
第2四半期までの売上高は4億300万円で、前年同期比37.9パーセント増となりました。セグメント損失は5,300万円ですが、前年同期から3,100万円改善しています。
担保適格性判定業務のサービス利用件数が伸長したほか、不動産オークションの成約件数は前年同期の約1.5倍となりました。一方、「H’OURS」の利用件数は前年同期を下回っています。
下半期に向けて、担保適格性判定業務のオペレーションセンターへの集約を進め、処理スピードと生産性の向上に努めます。なお不動産オークションについては、上半期から下半期に期ずれした案件もあり、それらの着実な進捗に取り組んでいきます。
建築ソリューション事業
建築ソリューション事業についてです。この事業では、住宅建築に必要な敷地調査、設計、確認申請、検査などの業務を、建築事業者向けにワンストップで支援しています。
第2四半期までの売上高は7億1,800万円で、前年同期比7.9パーセント増となりました。一方、セグメント利益は7,700万円で、前年同期比14.5パーセント減となっています。
第1四半期にはナフサショックの影響を受けて低調だった、一部クライアントからの敷地調査業務の受託件数および設計サポートサービスが、第2四半期には回復傾向を示しました。
一方で、建築事業者における設計変更の増加や、省エネ基準の引き上げに伴う行政の審査期間の長期化などが影響し、受注案件の納品時期にずれが生じています。
受注件数そのものは安定して推移しています。そのため、今後は適切な人員配置や案件管理の精度向上を図り、受注案件を確実に売上へ結びつけていくことが重要です。既存のお客さまへのフォローを強化しながら、生産性と収益性の改善を進めていきます。
士業ソリューション事業
士業ソリューション事業についてです。この事業では、司法書士を中心とした士業専門家向けに、登記申請や案件管理などを支援する「サムポローニア」シリーズを提供しています。
第2四半期までの売上高は4億7,600万円で、前年同期比3.9パーセント減となりましたが、セグメント利益は6,300万円と前年同期比10.6パーセント増となりました。
「サムポローニア」シリーズに関連する機器販売では、これまで生じていた納期のずれが解消傾向にあり、相続機能の拡充によるライセンス販売も堅調に推移しています。
今後は、2027年4月に施行される犯罪収益移転防止法施行規則の改正に伴う、本人確認方法の厳格化に対応し、新たなeKYCサービス「サムポロeye」のPRを進めていきます。
加えて、サムポローニア社はグループ内のSIerとしての役割も担っており、グループ各社のシステム開発や改良にも取り組んでいます。
中期経営計画2027 サマリー
ここからは、「中期経営計画2027」の進捗についてご説明します。中期経営計画において、2028年2月期の目標として掲げているのは、連結売上高62億円、連結営業利益10億円です。
今期の業績予想は、売上高62億1,100万円、営業利益6億2,400万円です。売上高は中期経営計画最終年度の目標と同水準まで成長を見込んでいますが、利益面では依然として改善の余地があります。
そのため、最も重視しているのが、業務の標準化・自動化による生産性の向上です。売上を伸ばすだけでなく、受注の増加に対応できる体制を構築し、利益につなげていくことが、中期経営計画の達成に向けた重要なテーマとなります。
中期経営計画2027の進捗状況(外部戦略)
「中期経営計画2027」の外部戦略の進捗についてです。
金融ソリューション事業では、住宅ローン完済関連サービスの提供体制構築や相続関連サービスの集約を進めました。下期では、これらのサービスの提供先拡大を推進します。
不動産ソリューション事業では、担保適格性判定業務の大阪オペレーションセンターへの集約を進めており、下期には「H’OURS」の新規顧客開拓や業務集約による生産性向上を着実に推進します。
建築ソリューション事業では、専門スタッフの対応領域拡大やPAD社への業務研修を実施しました。下期には、AIチェックサービスの全社運用開始や新規顧客へのサービス提供拡大に取り組みます。
士業ソリューション事業では、「サムポロeye」のPRやAI相続システムの実証事業を開始し、下期は提供開始に向けた営業活動や、金融機関および自治体への展開を進めます。
中期経営計画2027の進捗状況(内部戦略)
内部戦略についてです。第2四半期までに評価制度の改定準備を進めたほか、施策推進を加速するために管理職採用や公募制度を活用した人財ローテーションを実施しました。また、ビジョンや戦略の共有を目的とするタウンホールミーティングを実施し、社内コミュニケーションの強化を進めています。
第3四半期以降は、評価制度の改定・運用・定着を進めるとともに、研修制度や福利厚生の拡充、人財育成の仕組み作りを進めていきます。また、新卒採用は、本格的な活動に先立ち、インターンシップ開始に向けた準備を進めています。
当社グループにとって、専門性を持つ人財は事業競争力の源泉の1つです。一方で、人に依存しすぎることなく、評価・育成の仕組みや業務の標準化を整えることで、持続的に成長可能な組織作りを進めていきます。
中期経営計画2027の進捗状況(投資)
中期経営計画における投資の進捗についてです。中期経営計画期間における投資総額は9億600万円を計画しており、今期上半期の投資実績は8,070万円です。こちらに前期の投資実績を加えた、中期経営計画開始からの累計進捗率は40.7パーセントです。
主な内容としては、人財紹介手数料やストックオプション制度費用などの人的資本投資、研究開発投資、大阪オペレーションセンターや信託業務管理システムなどへの事業投資が挙げられます。
通期では累計で4億8,010万円の投資実行を見込んでいます。ただし、投資は計画を機械的に消化するのではなく、事業の進捗や効果を確認しながら、成長に必要な投資と短期的な収益とのバランスを意識して進めていきます。
株主還元
株主還元についてです。2027年2月期より、中間配当を開始しました。中間配当は1株当たり3円、期末配当も3円を予定しており、年間では前期と同額の6円を予定しています。
CAPMにより算定する株主資本コストは6.6パーセントです。今期のROEは11.9パーセントを予想しており、株主資本コストを上回る水準を目指しています。
今後も財務の健全性を維持しつつ、中長期の成長に向けた投資と株主のみなさまへの安定的な還元を両立していきます。
成宮氏からのご挨拶
以上、2027年2月期第2四半期の決算概要についてご説明しました。上半期は、売上高が前年同期を上回る一方、利益面では下期ないし来期以降の効果を見据えた先行投資を継続しており、人的資本投資などの費用増加により、売上高の進捗と利益の伸びが連動していない状況です。
なお、金融ソリューション事業における新サービスの拡大、不動産オークションの伸長、建築事業の回復、相続関連サービスの集約など、下半期以降の成長につながる取り組みも着実に進んでいます。
下半期は、これらの施策を具体的な業績につなげるとともに、経費のコントロールと生産性向上を進め、通期計画の達成に向けて取り組んでいきます。
株主・投資家のみなさまには、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。本日はご視聴いただき、誠にありがとうございました。