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河端保志氏:こんばんは。株式会社TWOSTONE&Sons代表取締役CEOの河端保志です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2026年8月期通期決算について、私からご説明します。
本日の流れとして、こちらに記載している順序でご説明します。また、本資料は会社ホームページのIRページに掲載していますので、併せてご確認いただけますと幸いです。
エグゼクティブサマリー①
では、エグゼクティブサマリーからご説明します。2026年8月期の通期業績についてご説明します。通期売上高は218億500万円となり、前年比で37億2,700万円増、20.6パーセント増という結果になりました。売上高および売上総利益は、創業以来の最高値更新を継続しています。
2026年8月期は、中長期の成長を見据えた事業基盤の強化を推進しました。一方で、営業・マッチング機能の強化に遅れが生じたため、稼働エンジニア数が期初の想定を下回る結果となりました。
また、将来の収益拡大に向けた戦略投資を実行しました。強い先行投資を継続しつつも、営業利益は8億1,000万円と前年並みの水準を確保しています。
2027年8月期は既存事業の成長再加速と新規事業の拡大を両輪で推進していきます。売上高は251億9,800万円、前年比15.6パーセント増、営業利益は15億3,100万円、前年比89パーセント増と、大幅な増益を計画しています。
エグゼクティブサマリー②
第4四半期の業績についてです。四半期売上高は59億2,500万円で、前年同期比12億5,100万円増、26.8パーセント増で着地しました。主力事業であるエンジニアマッチングの売上高は、29四半期連続で最高値を更新しています。
第4四半期は第3四半期に続き、既存事業の成長再加速に向けた施策を推進しました。提案力の強化、マッチング精度の向上、営業体制の強化といった取り組みを継続するとともに、AIコンサルティング子会社2社の設立に向けた事業化準備を完了しました。
また、広告費や採用費を一定水準で確保しつつ、新規事業を支える人材採用に重点的に投資を行いましたが、トップラインの伸長により、第4四半期の営業利益は2億700万円となりました。
主力事業であるエンジニアマッチングの事業利益は前年同期比90.8パーセント増と大きく伸長し、登録エンジニア数も7万1,258人と、過去最高を更新しています。
エグゼクティブサマリー③ 業績予想修正の要因と成長再加速に向けた取り組み
先日開示した業績予想の修正について、その要因と今後の取り組みをご説明します。期初に掲げた計画を下回る結果となったことを、真摯に受け止めています。
まず、修正の背景についてご説明します。需要側である企業からの案件数は底堅く推移しており、供給側である登録エンジニア数も期初想定の6万8,000人に対し、実績が7万1,000人を超えるなど、いずれも想定どおり、あるいは想定以上に推移しました。
一方で、この需要と供給をつなぐ営業・マッチング機能がボトルネックとなり、拡大する需要を受注へと転換しきれませんでした。その結果、稼働エンジニア数は期初想定の約2万5,000人に対し、実績は約2万2,700人と想定に届かず、連結売上高は期初計画比で23億7,700万円の未達となりました。
未達の要因は大きく3つと捉えています。
1つ目は、企業ニーズを捉えた提案が不足し、商談化や受注が伸び悩んだことによる企業への提案力の課題です。
2つ目は、案件とエンジニアの最適な組み合わせを見いだせず、フリーランスへのマッチングが停滞したことによるマッチング精度の課題です。
3つ目は、営業機能の専門分化や案件管理の精緻化が計画より遅れ、リード獲得からマッチングまでのスピードと質が向上しなかったことによる営業体制の課題です。
これらに対し、2027年8月期では要因ごとに改善策を講じていきます。
1つ目は、ニーズ分析や提案資料の生成にAIを導入し、担当者1人当たりの提案数と質を高める「AI活用による提案力の強化」です。
2つ目は、エンジニアのスキルデータを整備し、AIレコメンドを組み合わせることで、最適なマッチングを実現し、稼働率を引き上げる「マッチング精度の向上」です。
3つ目は、営業機能の専門分化と案件管理の精緻化を迅速に進め、商談化からマッチングまでの機会を最大化する「営業体制の強化」です。
上期はこれらの施策を実行することで機能を強化し、下期から成長の再加速を図ります。
あわせて、新たに設立したAIコンサルティング子会社による案件展開での相乗効果も取り込んでいきます。
エグゼクティブサマリー④ 2026年8月期の注力ポイント
2026年8月期の注力ポイントとその進捗についてです。2026年8月期には、スライドの3点を注力ポイントとして掲げていました。
まず「既存事業への積極的な投資」に関してですが、エンジニア稼働数は前年比6.3パーセント増となり、エンジニアマッチング事業は最高売上高の更新を継続しています。
第4四半期では計画的な採用を継続し、正社員エンジニアを21名、コンサル人材を18名採用しました。新規採用と既存人材の稼働率向上のバランスを取りながら、筋肉質な成長基盤の構築を図っていきます。
次に「ロールアップを駆使した戦略的なM&Aの実行」についてです。M&Aの検討件数は299件で、前年比33.4パーセント増と大幅に増加しています。第4四半期には、1件の事業譲受を実行するとともに、複数の案件を並行して検討しました。引き続き、資本効率を意識しながら案件を厳選し、中長期の成長に向けて積極的なM&Aを推進していきます。
最後に「ガバナンスの強化」に関してです。M&A企業に対するPMIを継続するとともに、グループ会社間の連携や合併などを通じて経営の効率化を進めています。また、子会社の新規上場準備に伴うグループ管理体制の見直しも進めています。
グループ会社の増加および子会社の上場準備を踏まえ、グループ全体のガバナンス体制をさらに強化し、持続的な成長を支える経営基盤を構築していきます。
エグゼクティブサマリー⑤ 成長領域への採用投資と新規事業を担う人材の獲得
採用の状況についてご説明します。2026年8月期は将来の収益拡大を見据え、成長領域に重点を置いた採用投資を行いました。第4四半期には、新規事業の中核を担う人材を6名採用しています。
また、既存事業の採用を計画どおりに継続しながら、新規事業の立ち上げに向けて重点的に投資を行った四半期となりました。
これらの人材を中心に、2027年8月期以降、新規事業の成長を加速させていく所存です。
エグゼクティブサマリー⑥ AIコンサルティング事業の強化・子会社2社設立
AIコンサルティング事業の強化についてです。2026年9月に、それぞれ異なる強みを持つAIコンサルティング会社を2社設立しました。
1社目の株式会社TWOSTONE Syncは「戦略×AI」を掲げ、企業の経営課題を起点に、戦略策定から現場への定着まで伴走するAIコンサルティングを提供します。
2社目の株式会社Agenticは「事業変革×AI実装」を掲げ、KPIから逆算し、AI活用の設計から実装までを一貫して支援します。戦略から入るTWOSTONE Syncと、事業変革を支えるAgentic。この2社を通じて、TWOSTONE&Sonsグループ全体でAI需要を取り込んでいきます。
なお、2社の詳細については、48ページから49ページでご説明します。
エグゼクティブサマリー⑦ サイバーセキュリティ領域へ参入
サイバーセキュリティ領域への参入についてです。先ほどご紹介したTWOSTONE Syncにおいて、AIと人が共同で検証を行うペネトレーションテストの提供を開始しました。ペネトレーションテストとは、攻撃者の視点でシステムへの侵入を試み、実際に悪用可能な弱点を洗い出す検証を指します。
本サービスは、AIセキュリティ企業である株式会社Layer8との業務提携により実現しています。Layer8社は、IPAの「未踏アドバンスト事業」出身の技術者が共同創業した企業で、AIによる脆弱性検証において国際的な実績を持っています。
本サービスの特徴は、AIが攻撃者の視点で侵入経路を探索し、エンジニアが再現検証を行うという、AIと人による毎月の継続検証です。これまで年1回が一般的だった検証を毎月実施できる点が、大きな違いです。
さらに、見つかった弱点の修正には、当社グループのエンジニアリソースを提供します。検証から修正まで1つの窓口で対応できる点は、エンジニア基盤を持つ当社グループならではの強みです。
AI活用を「攻め」と「守り」の両面から支え、企業のAX推進を後押ししていきます。
エグゼクティブサマリー⑧ 子会社上場方針
子会社の上場方針についてご説明します。グループ会社である株式会社M&A承継機構は、2027年中の新規上場を目指し、準備を進めています。詳細は22ページから26ページでご説明します。
01|Vision
ここからは、当社グループの成長戦略についてご説明します。当社は経営ビジョンとして「BREAK THE RULES」を掲げています。また、「不合理な常識を覆し、新しい価値を創造する」という創業以来変わらない考え方を軸に、これからの成長戦略を描いています。
02|Growth Strategy
当社グループの成長戦略の全体像についてです。当社グループは既存事業で築いた人材基盤を起点に、上流領域、そして新規事業領域へと事業を拡張していきます。
土台となるのは「Execution」の層です。AI実装、エンジニア人材基盤、開発やマーケティングといった、これまで当社グループが培ってきた実行力です。
その上に「Strategy」の層を重ねます。事業やIT戦略の策定、PM・PMO、M&Aアドバイザリーといった顧客の意思決定に近い上流の領域です。
そして、最も外側にあるのが「New Business」の層です。
新規サービスの立ち上げや事業共創に取り組み、これらを組み合わせることで成長曲線を引き上げていきたいと考えています。
03|Market Shift
当社を取り巻く市場の変化についてご説明します。当社に対して「AIの進化によってエンジニアの需要が減るのではないか?」というご質問をいただくことがあります。
これは、Linux Foundationの調査で、AIを理由に「人員が増える」と回答した割合から、「人員が減る」と回答した割合を差し引いた数値です。日本では2025年がプラス49パーセント、2026年がプラス54パーセントと、AIをきっかけに人員を増やすという回答が大きく上回り、世界と比較してその差が大きい傾向にあります。
つまり、AIの活用はエンジニアの雇用を生み出す大きな原動力になっていると考えています。
当社グループは、AIによって拡大するエンジニア需要を追い風に、伸長する市場全体の機会を、グループが保有する7万人を超えるエンジニア人材で取りに行きます。
04|Market Shift
AI活用の現在地についてです。PwC Japanグループの調査をもとにした比較では、「AIを活用している」と回答した割合は、米国が90パーセントであるのに対し、日本は87パーセントと、その差はわずか3パーセントにとどまっています。AIの利用自体は日本でも世界レベルまで浸透してきていると言えます。
一方で、「AIで創出した効果を財務的な価値として還元している」と回答した割合は、米国が61パーセントであるのに対し、日本は27パーセントにとどまり、その差は34パーセントに広がっています。
つまり、日本企業にとって次の論点は、AIを「使うこと」から、AIを「事業成果に変えること」へと移行しています。
当社グループは、上流の戦略策定支援と新規プロダクトの展開を通じて、企業のAI活用を事業成果に変えていく支援と取り組みを推進していきます。
05|Our Answer
このような市場の変化に対する当社グループの答えが「AX as a Team.」です。「事業をつくるチームを、つくる。」新規事業から戦略、実装までを1つのチームで担い、AI活用の壁を打ち破ることで、事業価値や顧客価値を生み出していきます。これが、これからの当社グループの姿です。
06|Strategy Layer
ここからは、「AX as a Team.」を先ほどお伝えしたStrategy、Execution、New Businessという3つの層に沿って、どのように実現していくのかをご説明します。
まず、Strategyの層についてです。2026年7月に閣議決定された「日本成長戦略」では、今後の日本の成長を担う重点投資領域として17の戦略分野が示されました。AI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティ、創薬・先端医療、資源・エネルギー安全保障など、今後、AIによる事業や顧客価値の創造が特に見込まれる領域です。
当社グループは、事業・IT戦略、ファイナンス・M&A、人事・RPO、マーケティング、エンジニア、PM・PMOといった、すでに保有し、今後も拡大が見込まれるケイパビリティを結集することで、「TEAM for AX」として、これらの領域におけるAI活用を上流から支援していきます。
07|Execution Layer
Executionの層についてです。市場全体がAI領域への人材シフトを進めている中、当社グループはすでに体制を整え、AI領域への移行を進めています。
2026年8月時点で、登録エンジニアは7万1,000人を超え、正社員エンジニアは650名を超える規模となり、AI領域に特化した人材支援を提供できる体制を構築しています。
当社グループでは、コンサルタント、PM・PMO、エンジニアを組み合わせてプロジェクトチームを組成し、構想・戦略から要件定義、開発・実装、運用・定着までをチームとして担うことができます。
PM・PMOが全体をつなぎ、実行を推進することで、上流の構想を実装・運用までつなげ、課題の特定から内製化まで一気通貫での支援が可能です。
08|New Business Layer
New Businessの層についてご説明します。当社グループは、重点投資領域に向けた新規事業や事業共創の取り組みを加速していきます。
その第一歩として、AI活用を支えるインフラに関連するプロダクトを展開しています。総務省の『情報通信白書』によると、日本企業の46.4パーセントが生成AIの活用に際し、「社内情報の漏えいなどのセキュリティリスクがある」と回答しています。
このような課題に応えるため、先ほどご説明したAI時代に必要なセキュリティ検証を開始しました。また、異なる強みを持つAIコンサルティング会社2社を設立しました。
AI活用を支援するインフラに関わるプロダクト開発を起点に、領域全体へ浸透させ、今後も新規事業および事業共創の取り組みを拡大していきます。
09|Summary
成長戦略のまとめです。「伸びる市場を見極め、チームで新しい価値を生みだしていく」。AI市場の拡大と、国策として重点投資が進む戦略17分野の重なる部分に対し、ここまでご説明した3つの取り組みを通じて「TEAM for AX」として当社グループの強みを集中させ、次の成長を実現していきます。
子会社上場準備について① M&A承継機構社について
子会社の上場準備についてご説明します。まず、対象となるM&A承継機構についてです。M&A承継機構は、M&A仲介・アドバイザリー業務を行うコンサルティングファームです。
主な提供サービスはM&A仲介とアドバイザリーを中心に、事業承継コンサルティングや再生M&A、再生計画の策定などの再生コンサルティングです。経営陣には公認会計士や弁護士が名を連ね、情報セキュリティの国際規格を取得するなど、品質と信頼性を支える体制を整えています。
2023年3月に設立した会社で、上場予定時期は2027年中を想定しています。なお、上場時期や具体的な条件は、今後の上場審査の状況や株式市場の動向などを踏まえて決定する予定であり、変更となる可能性もあります。
子会社上場準備について② 子会社上場による成長戦略
子会社上場による成長戦略についてご説明します。上場の目的は、親会社であるTWOSTONE&Sonsと、子会社であるM&A承継機構がそれぞれの成長領域に集中し、双方の成長を加速させることにあります。
親会社であるTWOSTONE&Sonsは、エンジニアマッチングを中心とする主力事業に加えて、注力領域への投資を強化し、主力事業の成長を加速させていきます。
一方、M&A承継機構は、コンサルティング・アドバイザリー領域で培った事業基盤をもとに、上場企業としての自律性を活かしながら成長を加速していく方針です。
M&A承継機構は、自社で生み出した利益を自社の成長に再投資し、TWOSTONE&Sonsは売り出しによる資金をコア領域やM&Aに集中的に投下します。これにより、グループ内に抱え込む場合を上回る成長機会を創出できると考えています。
なお、上場後も当社は議決権の過半数を継続して保有し、連結子会社として維持する方針です。また、上場子会社としての独立性や少数株主の利益に配慮したガバナンスも維持していきます。
持分比率の低下により、親会社株主に帰属する利益への取り込みは減少しますが、売上・利益は引き続き連結業績に反映され、グループの成長に貢献すると考えています。
子会社上場準備について③ グループ連結業績に占めるM&A承継機構の割合
M&A承継機構のグループ連結業績に占める割合についてです。M&A承継機構は設立4期目となる2026年8月期において、売上高21億1,600万円、営業利益5億4,800万円を計上し、上場に向けて力強い成長を続けています。
今後も同社の自律的な成長を進めることで、当社グループ全体の価値向上につなげていきます。
子会社上場準備について④ 2027年8月期計画におけるセグメント割合
2027年8月期の計画におけるセグメントの割合についてです。2027年8月期の計画では、売上高の大半をエンジニアプラットフォームが占め、営業利益はエンジニアプラットフォームとコンサル・アドバイザリーが同程度の構成となる見込みです。
主力事業であるエンジニアプラットフォームの再加速とコンサル・アドバイザリーの着実な成長を両立させることで、グループ全体の成長を目指していきます。
通期業績概況(予算・前年実績との比較)
ここからは、通期業績および第4四半期の業績についてご説明します。通期の業績概況です。通期売上高は218億500万円で、前年比20.6パーセント増、売上総利益は76億2,100万円で前年比38.3パーセント増となり、いずれも創業来の最高数値を達成しました。
営業利益は8億1,000万円と前年並みの水準となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4億2,900万円を記録しました。
一方で、期初予算に対しては、売上高で9.8パーセント、営業利益で38.8パーセント下回る結果となりました。これは、先ほどご説明したマッチング機能の強化の遅れに加え、新規事業などへの先行投資の影響が要因です。
ただし、売上および売上総利益はともに前年を大幅に上回っており、事業全体としては着実に成長を続けています。
通期業績概況(売上推移)
創業来の売上高の推移についてです。当社の売上高は、創業以来13期連続の増収を達成しています。また、2020年の東証上場以来、売上高は約7倍に成長しています。
今後もこの成長の伸び幅を維持・拡大できるよう、攻めの経営を続けていきます。
財務数値の前年比較
第4四半期の財務数値についてご説明します。第4四半期の売上高は前年同期比26.8パーセント増、売上総利益は前年同期比44.2パーセント増となりました。売上総利益が前年比で大幅に伸長しており、収益基盤が着実に拡大しています。
第4四半期は、広告費や採用費を一定水準で確保しながら、新規事業への重点投資を実行しました。その結果、四半期営業利益は2億700万円となりました。
財務数値の前年比較(調整後営業利益)
調整後営業利益についてです。2026年8月期は、M&Aに伴うのれん償却費などが前年から大きく増加しました。
償却前の利益であるEBITDAは、通期で13億500万円となり、前年比25.0パーセント増加しています。
また、オフィス移転やM&Aに関するコストを除いた調整後営業利益も前年比30.2パーセント増となりました。
営業利益は前年並みでしたが、実質的な収益力は着実に成長していると考えています。
業績推移
四半期ごとの業績推移です。グループの各事業が揃って成長し、四半期売上高は過去最高を大きく更新しました。
販管費の前年比較
販管費の前年比較についてご説明します。第4四半期は、投資の重心を広告費や採用費から新規事業へとシフトしました。広告費や採用関連費は前年同期を下回ったものの、新規事業を担う人材の採用などにより人件費が増加しています。
当社は、新規事業の立ち上げと既存事業の体制強化を通じて、中長期的な売上および利益の成長を目指していきます。
販管費の推移(四半期)
販管費の四半期推移についてです。当社は上場以来、一貫して中長期を見据えた積極的な投資を続けており、第4四半期もその方針に変更はありません。
既存事業では営業機能の専門分化と体制強化を進めるとともに、新規事業ではAIコンサルティング子会社の立ち上げを担う中核人材を採用しました。
既存領域の深耕と新規事業の育成を通じて、収益基盤の持続的な拡大を目指していきます。
四半期のセグメント別・売上高推移
ここからは、セグメントの業績についてご説明します。セグメント別の四半期売上高推移についてです。「Midworks」を中心としたエンジニアプラットフォームサービスに加え、コンサル・アドバイザリーなど事業ポートフォリオの拡大により、全社の売上高は着実に成長しています。
Midworks(エンジニアマッチング事業)
主力事業であるエンジニアマッチング事業についてです。第4四半期の売上高は41億4,400万円で、前年同期比5.3パーセント増となり、過去最高を更新し続けています。事業利益は、広告費や採用費を一定水準に保ちながらトップラインを積み上げた結果、前年同期比90.8パーセント増と大幅に増加しました。
2025年8月期に実行した正社員エンジニアへの採用投資が、利益面で効果を発揮し始めていると考えています。
Midworks(エンジニアマッチング事業)
エンジニア稼働数および登録者数です。連結のエンジニア登録者数は7万1,000人を超え、前年同期比18.1パーセント増と過去最高を更新しています。エンジニア稼働数も前年同期比6.3パーセント増と、高い水準を維持しています。
2026年8月期は、正社員エンジニアとフリーランスによるチーム型参画の体制を整え、人材基盤を拡充しました。今後は案件とエンジニアの最適なマッチングを追求し、登録いただいているエンジニアのみなさまの期待に応えながら、事業規模の拡大を目指します。
エンジニアマッチングの現状の整理と、成長再加速に向けた取り組みの継続
エンジニアマッチングの現状についてです。第4四半期は売上高および稼働エンジニア数が前年同期比で増加し、企業からの案件数や登録エンジニア数も堅調に推移しました。
課題は、エグゼクティブサマリーでもご説明したとおり、企業への提案力とマッチング精度です。2027年8月期上期には3つの施策で営業やマッチング機能を強化し、下期には稼働エンジニア数の増加へと結実させ、力強い成長軌道への回帰を図ります。
2027年8月期 注力ポイント
2027年8月期の方針についてご説明します。2027年8月期の注力ポイントは3つです。
1つ目は、上期に営業・マッチング機能を強化し、下期から再加速させる「既存事業の成長再加速」です。
2つ目は、AIコンサルティング2社の設立やサイバーセキュリティへの参入など、新たな事業で上流領域を広げる「新規事業による上流展開」です。
3つ目は、「ロールアップを駆使した戦略的なM&Aの実行」です。
また、ガバナンスの強化を土台とし、高い成長率への回帰を目指していきます。
2027年8月期 連結業績目標
2027年8月期の連結業績目標についてです。2026年8月期比で、売上高は15.6パーセント増、営業利益は89.0パーセント増を計画しています。既存事業の再加速に、新規事業の拡大とM&Aによる非連続的な成長を組み合わせ、持続的な成長軌道の確立を目指していきます。
なお、予算上は不確定要素であるM&Aなどを見込んでいません。そのため、M&Aが進捗した場合にはポジティブに捉えていただければと思います。
2027年8月期 連結業績目標
連結業績目標について具体的にご説明します。2027年8月期には、前年比33億9,300万円の増収となる売上高251億9,800万円を計画しています。主力であるエンジニアマッチングの再加速に加え、コンサル・アドバイザリーも引き続き業績に貢献することで、売上総利益は97億900万円を見込んでいます。
成長投資のために販管費を大きく増額する予定ですが、それを上回る事業成長を見込み、営業利益は前年比89.0パーセント増の15億3,100万円と大幅な成長を計画しています。また、純利益も7億7,400万円と過去最高の更新を見込んでいます。
売上推移と主要KPI
売上高は2027年8月期も過去最高値を更新し続ける計画です。主要KPIであるエンジニア稼働人数については、2027年8月期に稼働人数2万5,026人、登録人数8万人を計画しており、この稼働人数と登録人数の増加が全社の売上高を牽引していきます。
特に稼働人数については、営業・マッチング機能の強化によって、登録いただいたエンジニアのみなさまの稼働につなげ、強い成長角度を取り戻していきます。
エンジニアプラットフォームサービス
ここからは、セグメントごとの2027年8月期の取り組みについてご説明します。まずエンジニアプラットフォームサービスについてです。2026年8月期には、AI活用による提案力の強化やスキルデータの整備に着手するとともに、正社員エンジニアの採用を通年で継続し、チーム型参画の体制を構築してきました。
2027年8月期は、上期と下期で役割を分けて取り組みます。上期では施策の実行に集中し、マッチング機能の強化を図ります。リード獲得、商談化、マッチングの各機能を専門分化し、案件管理を精緻化するほか、スキルデータの整備を完了させ、AIレコメンドの運用を開始します。また、複合的な提案を可能にするため、提案フォーマットと連携体制を整えます。
下期は、上期の改善を結実させ、成長を再加速させます。マッチング効率の向上を稼働数の増加につなげるとともに、PM・PMO、AI実装、インフラ支援を組み合わせた複合提案によって案件単価の引き上げを図ります。
上期に整えた体制を最大限に活用し、翌期以降も続く成長基盤を確立していきます。
マーケティングプラットフォームサービス
マーケティングプラットフォームサービスについてご説明します。2026年6月1日付で、株式会社Digital Arrow Partnersから株式会社TWOSTONE AIvitaへ商号を変更しました。生成AIやAIエージェントの普及により、企業が求めるマーケティング支援の要件は大きく変化しています。
AIを有効に活用するためには、データ基盤や環境の整備が欠かせないとの認識から、施策単位の支援メニューを内包しつつ、データ基盤・AI実装・人材活用を含む支援へと事業の定義を広げました。あわせて、新経営体制へ移行し、データ・AI領域の推進体制を強化しています。
2027年8月期は、データマネジメント、AIトランスフォーメーション、マーケティングパートナー、人材支援の4つの領域を横断する提供体制で、提供価値と収益機会の拡大に取り組んでいきます。
コンサル・アドバイザリーサービス
コンサル・アドバイザリーサービスについてです。上流コンサル・AI領域への拡張と、M&Aアドバイザリーの2軸で事業を拡大していきます。2027年8月期も採用投資を中心に積極的な投資を継続します。
コンサルでは「事業開発力」「人材」「技術活用力」の3つを強みに、新会社2社の設立により、上流のコンサル機能を強化し、経営の意思決定から現場の実装・運用まで、顧客の変革を一気通貫で支援する体制を整備していきます。
M&Aアドバイザリーでは、経験豊富なアドバイザーが長年の実務経験を活かし、高品質なサービスを提供することで、M&A仲介、事業承継、再生コンサルティングを展開しています。
2027年中の上場に向けて、力強い成長を継続していきます。
新規事業① TWOSTONE Sync
ここからは、新たに設立した2社についてご説明します。まずはTWOSTONE Syncです。TWOSTONE Syncは戦略を起点に、「企業の根幹を守る領域」と「成長を生む領域」を1社で束ねる同期型のコンサルティングを提供します。
守りの領域ではサステナビリティやセキュリティを、攻めの領域では新規事業開発や営業プロセスの変革を支援します。
競争優位性は、「定着まで手放さない同期型モデル」「戦略とAI実装の垂直統合」、そして「守りと攻めの両利き」の3点です。
戦略とAI実装を一体で担うことで、PoC止まりにならないAI活用を実現します。
新規事業② Agentic
Agenticについてです。Agenticは、事業変革(いわゆるBX)とAI実装(いわゆるAX)を循環させ、経営指標を動かすことを目指しています。
事業としては「AIコンサルティング」「事業変革コンサルティング」「Salesforceの導入支援」「生成AIの実務活用研修」の4つを展開しています。
BXとAXを一体で提供することで、引き継ぎのロスをなくし、AIで解決できない課題を事前に見極め、効果を指標で示すことが可能になります。
設計と実装を一社で担い、「作ったが指標が動かない」という企業の課題を解消していきます。
M&A進捗
M&Aの進捗についてです。第4四半期においても、M&Aの案件検討数は前年同期から大幅に増加しています。
M&A戦略
M&A戦略についてです。これまでと同様に、エンジニアやコンサルといった自社サービスの周辺領域を中心として、ロールアップを駆使した戦略的なM&Aを実行していきます。
また、のれん償却後の利益が赤字となる企業は検討しないという「のれん負けしないM&A」の方針も変わりません。
2027年8月期も方針を変えず、再現性の高いM&Aを積極的に実行していきます。
当グループの中長期的な経営ビジョン
これまでの内容を踏まえ、当社グループは既存事業によるオーガニックな連続的な成長と、ロールアップM&Aや新規事業による非連続的な成長を組み合わせ、全社の成長を推進していきます。
以上が、2026年8月期通期の説明会の発表内容となります。以降のページには、ESGへの取り組みやアペンディクスなど、補足情報を記載していますので、ご一読いただけますと幸いです。
河端氏からのご挨拶
2026年8月期は、売上高・売上総利益ともに過去最高を更新した一方で、期初に掲げた計画を下回る結果となりました。
株主・投資家のみなさまにはご心配をおかけしましたが、課題は明確です。需要やエンジニアのみなさまからの期待も確かに存在しており、あとはそれを当社がしっかりとつなぐことが重要だと考えています。
2027年8月期は、上期において営業・マッチング機能を強化し、下期から成長を再加速させていきます。また、新たに設立したAIコンサルティング会社2社やサイバーセキュリティ領域への参入、M&A承継機構の上場準備を通じ、グループとして次の成長の柱を育てていきます。
M&A承継機構のような新規事業も、今まで非常に高い成長率を記録していますので、この2社においても同様に高い成長率を達成できるよう努めていきます。
「BREAK THE RULES」、創業時から変わらないこの思いを胸に、全社一丸となって高い成長率への回帰を実現していきます。今後とも、当社グループへのご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。
本日はご清聴いただき、誠にありがとうございました。
質疑応答:AI活用によるサイバーセキュリティ問題とその対策について
「サイバーテロが大きな問題となっていますが、今後どのようになっていくと思われますか?」というご質問です。
このAIを活用したかたちでのサイバーセキュリティ問題は、現在非常に重要な課題となっていると考えています。私もかつてプログラミングを行っていた経験があります。従来はサイバーセキュリティ問題を起こすためには多くの工数がかかるものでした。
現在、AI自体が非常に賢くなってきており、このような問題を起こすことが容易になっています。そのような背景もあり、情報漏えいに関連する課題がより大きなものになっていると感じています。また、現状では特に大型のデータセンターが主流であり、これらに対する攻撃によってさまざまな情報を窃取する行為が、今後さらに深刻になると考えています。
この問題は、AIの進化に伴い、いわば光と影の関係として非常に重要な課題となっていくと感じています。
現状、セキュリティエンジニアの数が圧倒的に不足しており、加えて各企業のセキュリティ対策は非常に遅れていると考えています。
したがって、これこそが当社の重要な事業ポテンシャルであると認識しており、この分野に積極的に展開することが重要だと思っています。また、サイバーテロ対策について各国が積極的に取り組んでいくものと予想しています。
質疑応答:新規事業における成長率とサイバーセキュリティ領域の目標について
「サイバーセキュリティについて、今後の売上見込みや成長について言及していただけますか?」というご質問です。
ガイダンスで具体的な数字を開示していないため、詳細な数値を示すことはできず大変恐縮ですが、当社はこれまで新規事業を行う際に、非常に高い成長率を実現してきた実績があります。
今回のM&A承継機構社についても、設立から約4年で「このまま予定どおり進めば上場できる」という水準を達成したことは、当社として非常に誇りに思っているポイントの一つです。このため、サイバーセキュリティの領域においても高い成長率を維持し、国内で重要な役割を果たせる企業として成長させていきたいと考えています。
質疑応答:営業組織の課題と改善効果の進捗について
「『Midworks』について、企業からの案件需要や登録エンジニア数は堅調な一方、営業・マッチング機能がボトルネックになっているとの説明でした。2027年8月期上期に改善を進めるとのことですが、現状の課題は営業担当者の提案力、マッチング精度、営業組織の運営のうち、どこが最も大きいのでしょうか? また、改善効果が数字に表れるまでの時間軸を教えてください」というご質問です。
現状として、営業組織の運営が最も重要な課題であり、担当者の提案力が非常に難しい状況になっていると考えています。この部分については、足元ではデイリーベースで細かく管理しており、KPIを常に確認しながら、上長やマネージャー層が綿密にマネジメントをしている状況です。
改善効果の観点で言うと、日々コツコツと改善は行われています。当社の場合、ビジネス上契約を締結しても翌日から稼働が始まるわけではなく、多少のタイムラグが発生してしまいます。
そのため、今回の開示資料にも記載があるように、最も効果が出るのは下期であると考えています。ただし、できる限り早く上期でも結果を出せるよう努めていきたいと思います。
質疑応答:下期の利益構造と新規事業の利益見通しについて
「2027年8月期は売上高16パーセント増に対して営業利益89パーセント増という計画ですが、増益要因として『Midworks』の稼働エンジニア数の増加、収益性改善、新規事業の寄与をどのように想定しているのでしょうか。特に、上期は営業機能の立て直しを進めるとのことですが、利益成長は下期に偏る計画なのでしょうか」というご質問です。
当社のビジネス上、基本的には下期に利益が高くなる傾向があります。ガイダンスやさまざまな場面でお伝えしているため、その点についてはみなさまもご存じのことかと思います。
新規事業に投資を進めながらも、2027年8月期において全社として利益を出すことが可能だと考えています。当社のようなビジネスモデルを展開している他社の事例を見ても、一定の規模を超えると利益が出しやすいビジネスであることがわかります。そのため、今後の売上増加に伴い営業利益も出しやすくなると考えています。
さらに当社は先行投資を行ってきたという背景があります。これまで足元の利益ではなく、中長期の成長を意識した投資を行ってきました。今後は積極的な投資を継続するものの、トップラインの拡大もあり、徐々にその投資の割合が減少していきます。そのため、トップライン全体が拡大するとともに、利益への寄与がさらに進んでいく状況であると考えています。
質疑応答:エンジニア需要の変化とAI活用によるソリューション提供について
「今回、AIコンサルティング子会社を2社設立されましたが、AIコンサルティングで獲得した顧客を、AI実装や『Midworks』のエンジニア提供につなげるモデルについてうかがいます。従来の『Midworks』単独の営業と比較して、顧客単価や案件規模、継続性をどの程度高められると考えているのでしょうか? また、すでに具体的な案件展開の事例があれば教えてください」というご質問です。
従来、当社が抱えるエンジニアに対して、主にIT企業から強いニーズがありました。例えば、ソーシャルゲームバブルの時期には、ディー・エヌ・エーやグリーといった「ザ・IT」のWeb企業を対象にエンジニアリソースを提供してきました。
しかし、最近ではスマートフォンゲームなどのニーズが落ち着く中で、AI活用を通じて社内業務効率を高めたり、既存システムとAIを組み合わせたりする企業のニーズが高まっており、従来のIT企業とは異なる業界の企業からもエンジニア需要が増えています。
その結果、当社のような企業が上流工程から要件を定義し、その過程で生まれる人材需要に我々のエンジニアリソースを提供する。つまり、ソリューションとともに人材リソースを提供するモデルが求められていくと考えています。このような変化に伴い、従来の単発的な営業と比べると、顧客単価が大幅に上昇しているほか、案件も従来より中長期的に継続して取り組むケースが増えています。
さらに、これらの案件では要件定義を当社が担うことで、高い粘着性の営業が可能になります。その上で、設立した2社に関しては、今後AIの影響によって生じる各企業の課題に対するソリューションを提供するケーパビリティがあります。そのため、現在その会社が非常に注目を集めていると考えています。具体的には、セキュリティの領域において、今回のリリースとともに多くの企業からお問い合わせをいただいています。
この取り組みを実際の成果へと結びつけられるよう、水面下で力強く進めています。良い結果をみなさまにお届けできるよう、引き続き努力していきたいと考えています。
質疑応答:2026年の業績と今後の事業成長への決意について
「上場前に考えていた成長スピードや考え方の違いや乖離などは、現在はどのようになっていますか?」というご質問です。
お恥ずかしながら、2026年8月期は特に苦しい1年だったと考えています。成長率が明確に良くないと感じていました。
しかし、ここをボトムにして再起を図り、高い成長率を達成することで、みなさまのご期待に応えられるよう努めていきます。また、私は上場市場においてまだ若く、あと10年、20年は本気で当社と向き合い、大きな成果を出したいと考えています。
これからもみなさまのご期待に応えるべく、誠心誠意取り組んでいきます。引き続きよろしくお願いします。
質疑応答:M&Aと当社の資本政策について
「最近、M&Aの発表がないように思います。現在、河端社長が検討されている案件などもあるのでしょうか? うかがえる範囲で教えてください」というご質問です。
常に検討している案件はあります。ただ、当社の規模が以前より多少上がってきている中で、小規模な案件のM&Aを検討する場合、リソースやかかる工数と効果の見合いが取れなくなってきている状況があります。そのため、現在はかなり小規模な案件を断る判断をしており、結果としてある程度の中規模以上の案件が対象となっています。
しかし、中規模以上の案件では、失敗した場合のリスクも当然のように大きくなるため、従来よりもリスクを慎重に考慮する必要があります。このような背景が、今回M&Aができていない理由の一つとなっていると考えています。
2027年8月期についてですが、当社の子会社であるM&A承継機構などが上場すると、当社としてもキャッシュが入るほか、純資産も大幅に上昇します。その結果、金融機関からの借入もしやすくなり、より積極的な資本政策も進めることが可能になると考えています。そのような機会を活かし、今後さらに攻めていきたいと考えています。
質疑応答:下方修正に伴う市場への影響と今後の対応について
「今回の決算数字をどのように考えればよいでしょう? 昨対比では伸びていることは理解しましたが、予算未達をどのように考えられていますか?」というご質問です。
今回の下方修正により、マーケットから明確にネガティブな反応を受けたと考えています。みなさまの期待に応えられなかったことを非常に申し訳なく思っています。これがこの1年の正直な感想です。
2027年8月期以降でみなさまのご期待に応えられるよう、結果でお返ししていきたいと考えています。
あらためて、今期の数字についてどう考えているか、という点については、本当に不甲斐ない結果だったと考えています。申し訳ございません。
質疑応答:予測数字の水準とエンジニアマッチングの影響について
「前期の下方修正から、2027年8月期の計画予想はコンサバ気味で必達計画でしょうか? 長期ホルダーのため、まだまだこれからの会社に期待しています」というご質問です。
非常に攻めた数値というわけでもなく、また極めて慎重な数値というわけでもなく、一般的な水準で設定しているのが正直なところです。
ただし、エンジニアマッチング事業の数値に関しては、比較的保守的に考えて作成しています。そのため、そこにアップサイドがあれば、もう少し良い結果を出せるのではないかと考えています。
質疑応答:業務提携と新会社2社の2027年8月期業績への影響について
「2027年8月期の売上予想に、今回提携したLayer8との業務提携による影響を加味していますか? また、TWOSTONE SyncとAgentic、新会社2社の2027年8月期の業績への貢献はどのくらいを見込んでいますか?」というご質問です。
当社はガイダンスの作成において、確実性が低いものに関しては基本的に影響を加味しない方針、つまり売上などに大きな影響を及ぼさない前提で計画を立てています。例えば、M&Aについても、2027年8月期には1件もしない前提で計画しています。もちろんM&Aを進めたいという考えはありますが、無理に計画に組み込むことで、本来買収すべきではない案件を無理やり進めるリスクを避けたいと考えています。このように、無理のない予算編成を行うのが現状です。
そのため、結論として、そのような要素は織り込まずに計画を立てています。
質疑応答:サイバーセキュリティ事業における新たな展開と市場ニーズについて
「Layer8との業務提携による取り組みは、サイバーセキュリティ領域参入における第1弾のサービスと記載されていましたが、第2弾・第3弾の取り組みは今時点で動いているでしょうか? 今後、サイバーセキュリティに関してどのように展開させていく方針なのかを教えてください」というご質問です。
この分野を新規事業と見られることが多いのですが、実際には、当社が保有するエンジニアリソースの中にセキュリティエンジニアも抱えていたり、上流コンサルティングにおけるセキュリティ案件を多く手がけてきた背景があります。
このような基盤を活かし、当社はブティック型、すなわち専門性を確保して立ち上げています。さらに今回のようにプロダクトも専門性も高い企業と提携することで、さらに質が高く、迅速な対応が可能な仕組みを構築しています。
さらに、今後の第2弾、第3弾の展開についても、検討を重ねています。
特にAIの進化については、かつてのインターネットが登場しパソコンに限定されていた接続環境が、スマートフォンの普及によって一気に身近なものになったことにより、増加するインターネット人口に伴って、インターネットサービスも増加した時期を思い起こさせます。インターネットサービスが収束しつつあるタイミングに、現在AI技術が急成長しています。AIはデータセンターや演算処理を支えるGPU、さらにスマートフォンを含むハードウェアの性能向上とともに驚くべき発展を遂げています。この進化によりマーケットや事業のニーズが大きく変化しつつあり、スマートフォンが登場した際に感じたように、現在もAIによる変革の風を実感しています。
私は、そのニーズに応えられる新しい価値を市場へ提供することを常に念頭に置いています。AI技術の進化に伴い、どのようなニーズが生まれるのかを常に考察し続けており、今回のサイバーセキュリティに関する取り組みがその一例です。
サイバーセキュリティ以外にも検討を進めている分野もあり、今後展開を考えています。
サイバーセキュリティの分野は今後、間違いなく注目される課題となるでしょう。具体的な内容としては、データセンターへの攻撃、情報漏えいへの対策などがより活発に議論になってくると思います。各企業による「予防注射」とも言えるペネトレーションテストなど事前にどう取り組んでいくか、クラウド上の情報管理や保持について、なども大きな議論になると予想しています。
当社はこれらの課題において価値を提供し、顧客の事業推進を支援していきたいと考えています。
質疑応答:サイバーセキュリティ商品とLayer8の知見について
「Layer8との業務提携を魅力的に感じました。サービスを提供していくことになりますが、その体制は十分なものでしょうか? グループで対応可能なものでしょうか?」というご質問です。
Layer8の知見を借りることで、サイバーセキュリティにおける世界レベルの最良のノウハウを得ることができたと思います。このサービスを今後もさらに展開していきたいと考えており、非常に良い体制で進められると考えています。
質疑応答:現状の株価に対する見解と今後の対応について
「2026年8月期の業績を踏まえて、現在の株価推移についてご意見いただけますか?」というご質問です。
正直なところ、毎年増収を達成している中で、現在の株価は非常に不甲斐ない結果だと考えています。
これには私自身やIR活動の至らなさや、投資家のみなさまへの認知度の低さなどが大きく影響していると考えています。今後、投資家のみなさまにとって魅力的な会社として認知され、マーケットで存在感を示せるよう、事業の確立を目指していきたいと考えています。そのためには、まずファンダメンタルズや業績を強固に構築し、投資家のみなさまから注目されるような会社を目指していきたいと思います。
質疑応答:配当性向とM&A資金利用について
「配当のサプライズを期待しています」というご質問です。
現状、M&Aや資金運用に回したい考えもありますが、現在さまざまなグロース系企業が配当性向について検討を進めている流れもあります。当社としても状況に応じて慎重に考えていく必要があると考えています。
質疑応答:AI進化による事業とエンジニア需要の未来について
「10年先などの長期的な事業計画はありますでしょうか? また、さらなるAIの進化が進んだ場合、貴社の事業展望はどのようになると想定されていますでしょうか?」というご質問です。
私はAIに関して、例えば完全人工知能のようなAIがさらに進化した世界になった時に、どのようなビジネスや事業が存続していけるのかを日々考えています。
その中で、人間にしかできないことや、事業会社として必要なことを常に検討しながら動いていこうと考えています。そのような意味では、セキュリティの領域は引き続き重要であり続けると思います。
AIによる変化として起きることは、既存のシステムとAIのシステムを組み合わせることです。例えば「ChatGPT」などと既存のシステムを連携させるといったかたちです。
この連携の際には、裏側でデータベースをつなぐといったエンジニアリングの工数がどうしても必要となります。この部分に知見を持つITエンジニアは、最後まで高いニーズがあるのではないかと思います。また、エンジニア自身も、従来求められてきた要件だけでなく、現在の世の中の変化に対応する必要があると考えています。
私も含めて、世の中の変化に合わせ、昨日の考えが常に否定されるくらいの心持ちでアップデートを続け、マーケットの変化に適応した事業展開をしていきたいと考えています。そして10年後には、さらに市場で存在感を示すことができる企業を目指したいと思っています。