Agenda
倉本崇氏(以下、倉本):本日は、当社の2027年2月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。
本日のアジェンダについては、決算ハイライトと業績推移を私からご説明し、その後、成長戦略について藤田がご説明します。
また、お知らせです。今回、メディアドゥの公式LINEを開設しました。当社のIR情報や最新ニュースなどをお届けしますので、登録いただけますと幸いです。
連結業績ハイライト
まず、決算ハイライトについてご説明します。連結業績のハイライトについてです。2027年2月期第2四半期累計の売上高は583億1,000万円で、前年同期比8.3パーセント増となりました。EBITDAは20億1,000万円で、前年同期比1.1パーセント増です。
一方、営業利益は11億8,000万円で、前年同期比15.0パーセント減、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円で、前年同期比61.6パーセント減となっています。
売上高の増加は、主に電子書籍流通事業の成長に加え、2026年3月に買収したSeven Seas Entertainment(以下、Seven Seas)のP/L連結を今回の第2四半期から開始したことが要因です。
EBITDAと営業利益についてです。電子書籍流通事業においては、高利益率のサービスが昨年度、2026年2月期第3四半期に終了したことや、同じく昨年度第3四半期からの日本文芸社の業績不振の影響がありました。
ただし、電子書籍流通事業が想定以上に好調だったことで、期初想定を上回る着地となっています。
当期純利益は、昨年度第1四半期にMyAnimeListの売却益を5億3,000万円計上した一方で、今期は2026年3月に実施したSeven Seasの買収関連費用を計上したため、他の項目に比べて利益の減少幅が大きくなりました。
一方、9月末に発表したFirebrandグループの売却に伴う特別利益を、第3四半期に15億6,000万円計上する予定です。そのため、当期純利益は第3四半期以降、前年同期比で大きくプラスになる見込みです。
通期業績進捗率
通期業績の進捗率についてです。電子書籍流通事業は、例年、第2四半期と第4四半期に長期休暇を含むため、売上高・利益額が多くなる季節性があります。
さらに、今期は第2四半期からSeven SeasのP/L連結を開始したことにより、第1四半期と比べて第2四半期の進捗率が大きくなっていることがわかるかと思います。
一方で、上期・下期という観点で見ると、上期は第1四半期にSeven Seasの業績寄与がなかったものの、第2四半期累計の売上高、EBITDA、営業利益の進捗率が50パーセントに迫っています。
当初、営業利益の進捗率は45パーセント未満と想定していましたが、それを上回る進捗となっています。
当期純利益については、先ほどご説明したFirebrandグループの売却に係る特別利益として、第3四半期に15億6,000万円を計上する予定です。後ほど業績予想の上方修正についてもご説明しますが、今回、通期予想を12億円から27億6,000万円に修正しました。
Seven Seasの業績貢献額の期初想定と進捗率
Seven Seasの業績貢献額の期初想定と進捗率についてご説明します。Seven Seasは第2四半期よりP/L連結を開始しており、今期9ヶ月分の業績貢献額の前提となっているのがスライド上段です。
調整後営業利益は13億5,000万円で、米ドルに換算すると900万ドルを想定しています。そこから年間で計上されるのれん償却費約7億5,000万円と、PMI費用2億円を差し引いた業績貢献額として、年間3億8,000万円を想定しています。
今期は、その9ヶ月分として12分の9を掛け合わせ、2億8,000万円を営業利益の貢献額として見込んでいます。
スライド下段には、Seven Seasの第2四半期の実績が記載されています。売上高の進捗率は31.4パーセント、営業利益はのれん償却費1億8,900万円を控除した後で進捗率が27パーセントとなっています。
第2四半期・第3四半期・第4四半期の内訳で見ると、進捗率は33パーセントには届いていません。
しかし、第2四半期は例年、売上・利益ともに弱い傾向があることに加え、売上高は昨年比プラスで推移していることから、業績貢献額2億8,000万円を達成するという観点では現状、順調に推移していると評価しています。
事業ポートフォリオの見直し
事業ポートフォリオの見直しについてご説明します。我々は資本コストや資本収益性を意識しながら、規律ある投資と効率的な事業運営を進めるべく、近年、売却を中心とした事業ポートフォリオの見直しを推進しています。
2025年2月期と2026年2月期には、計12件の売却・撤退・清算を実施しました。2027年2月期には、2026年3月にSeven Seasを買収した一方で、10月にFirebrandグループの売却を実施しました。
Firebrandグループは海外の子会社ですが、今回、国際事業において選択と集中を実施しました。海外では、米国のSeven Seasを軸に日本出版コンテンツの海外展開強化に注力していきます。成長領域にリソースを集中するため、今回の売却に至りました。
業績予想の上方修正
今回のFirebrandグループの売却に伴い、業績予想の上方修正を実施しています。売却により、第3四半期に特別利益として15億6,000万円を計上する予定です。
Firebrandグループの譲渡価額は2,000万ドルで、税務上の株式簿価が譲渡価額を上回っています。そのため、特別利益の計上額と同額の当期純利益の上方修正を行いました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、期初予想では12億円としていましたが、今回の修正後は15億6,000万円増加し、27億6,000万円としています。
第3四半期より、Firebrandグループが連結対象から除外されるため、同グループの売上高・EBITDA・営業利益も連結対象から除外されます。ただし、直近の業績動向を踏まえ、売上高から営業利益までの連結業績予想については変更せず、据え置きとしています。
配当予想の上方修正
業績予想の上方修正に伴い、配当予想も上方修正しています。1株当たり配当金を期初予想の40円から15円増額し、55円への増配を予定しています。これにより、当期の総還元性向は30パーセントが維持されます。
1株当たり配当金は、3期前の2024年2月期の22円と比較して2.5倍となり、過去最高額となります。今後の配当に関する具体的な方針については、継続的に社内で議論を行い、発表できる段階でお知らせしたいと考えています。
セグメント別売上高
セグメント別の売上高は、後ほどご確認いただければと思います。
概況
連結業績についてご説明します。
スライドは、業績推移の概要です。特に注目すべき点は、スライド中央の営業利益が、第2四半期単体で昨年度の7億4,500万円から今期は7億4,800万円となり、増益となっている点です。
先ほどご説明したように、昨年度の下期から電子書籍流通事業における高利益率のサービスが終了したことや、日本文芸社の業績不振の影響がありました。しかし、今期の第2四半期は電子書籍流通事業が好調だったことで期初の想定を超え、前年同期比で増益となりました。
売上高推移(セグメント別)
セグメント別の売上高と営業利益の推移については、後ほどセグメント別で詳しくご説明します。
著作料等原価推移
著作料等の原価推移についても、後ほどご確認いただければと思います。
売上原価・販管費推移(著作料等以外)
売上原価・販管費の推移について、今年度の第2四半期よりSeven SeasのP/L連結を開始したことで、大幅に費用が増加しました。ただし、昨年度の第3四半期からFirebrandグループが連結から除外されるため、費用水準は第1四半期や昨年度の第4四半期程度の水準まで戻ると考えています。
売上高前年比成長率
電子書籍流通事業の業績推移についてご説明します。
スライドは、売上高前年比成長率です。第2四半期累計の成長率はプラス5.1パーセントとなり、スライドにピンク色のラインで示した、期初に想定したプラス3パーセントの成長率を上回って推移しました。
第1四半期単体の成長率は4.1パーセントでしたが、第2四半期は6.0パーセントの成長率となり、第1四半期を上回る好調な結果となりました。
今回の第2四半期は、昨年7月に「めちゃコミック」という大型の新規商流を獲得した影響で、特に7月・8月の成長率が昨年度比で低下すると見込んでいました。
しかし、アニメ化作品の影響や大型キャンペーンの効果もあり、昨年度からの高いハードルを乗り越えて、第2四半期単体で6.0パーセントの成長を実現しました。
売上高・営業利益推移
売上高と営業利益の推移についてご説明します。営業利益は昨年度の13億1,100万円に対し、今期第2四半期単体では13億4,200万円となり、前年同期比で増益となっています。
期初には昨年度と比べて減益を見込んでいましたが、想定以上の成長があり、第2四半期単体では増益を実現できました。
コスト構造(著作料等を除く原価・販管費)
コスト構造について、売上高が増加している一方で、原価および販管費は一定額に抑えられており、業務の効率化が進んでいます。
戦略投資事業の主なサービス概要
戦略投資事業についてご説明します。戦略投資事業は、主に国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3領域で展開しています。
国際事業の右側に記載しているFirebrand Technologies、NetGalley、Supadüという会社は、10月に譲渡を実施したため、第3四半期より当社の連結対象から外れます。
売上高・営業利益推移
売上高と営業利益の推移についてです。売上高は、Seven SeasのP/L連結により、四半期として過去最高となり、40億円を超えています。
営業利益については、今期第2四半期単体では1億4,700万円の赤字となりました。これは、今期第1四半期の2億5,200万円の赤字からは改善しているものの、昨年度第2四半期の1億円の赤字から大きく悪化しています。
今期の予想では、戦略投資事業全体で2億8,000万円の赤字を見込んでいますが、今回の第2四半期累計では3億9,900万円の赤字となっています。
これは主に、日本文芸社とFirebrandグループの予算未達によるもので、現状では計画に対して低調な推移となっています。
コスト構造
コスト構造については、今回の第2四半期からSeven Seasの連結を開始したことで、費用が大きく増加しています。
営業利益 前年同期比較
営業利益の前年同期比較です。2026年2月期第2四半期累計の営業利益はマイナス2億4,600万円でしたが、スライド右端に記載されているように、2027年2月期第2四半期累計の営業利益はマイナス3億9,900万円となり、約1億5,000万円悪化しています。
悪化の主な要因は、日本文芸社とFirebrandグループです。日本文芸社は2026年2月期の第3四半期から損益が悪化し、今期の第2四半期までその状況が続いています。現在、組織体制の改革を進めるとともに、コスト削減にも取り組んでいます。
日本文芸社は、昨年度の第3四半期・第4四半期の営業利益が悪かったため、今後、第3四半期・第4四半期に向けて、この1億3,800万円の悪化幅がさらに大きくなることは想定していません。下期は、この1億3,800万円の悪化幅をより小さくすることに注力していきます。
Firebrandグループに関しては、今期の第2四半期累計までで、昨年度と比較して1億円程度損益が悪化しています。ただし、売却を実施したため、第3四半期以降の業績には影響を与えません。
営業利益の増加要因としては、Seven SeasのP/L連結が大きな要因であるほか、IP・ソリューション事業におけるその他の伸びも挙げられます。これは、オーディオブック事業の好調と、不採算事業からの撤退によるコスト削減が要因であり、昨年度対比で1億900万円改善しています。
したがって、全体では1億5,000万円の悪化となっていますが、第3四半期・第4四半期には、日本文芸社の損益悪化幅が縮小すること、またFirebrandグループについては第3四半期以降、業績への影響がなくなることをご認識いただければと思います。
P/L
P/LおよびB/Sの実績については、後ほどご参照ください。
それでは、成長戦略について藤田よりご説明します。
中長期成長戦略の軸は3つ
藤田恭嗣氏(以下、藤田):代表取締役社長CEOの藤田です。ここから、私が成長戦略についてご説明します。よろしくお願いします。
当社の中長期成長戦略は、大きく分けて3つあります。
国内電子書籍流通事業では、すでにポジションを確立できているため、さらなるシェア拡大を目指します。
海外展開について、3月にSeven Seasを買収したことで、これから圧倒的なポジションを確立していくフェーズであると考えています。詳細は後ほどご説明しますが、Seven SeasのPMIは非常に順調に進んでいるとお考えください。
SC事業は、まだこれからの段階ではありますが、着実にポジションを構築しています。
各事業が目指す姿と成長フェーズ
スライドは、各事業が目指す姿と成長フェーズについてです。
国内電子書籍流通事業は現在、第4段階まで進んでいると考えています。現在は国内でNo.1のシェアを誇っていますが、さらなる業界貢献の最大化に向けて、No.1からオンリーワンになれるのかという挑戦を進めるべきだと考えています。
海外展開については、鋭意Seven SeasのPMIを進めている状況です。Seven Seasはもともと利益を確保しており、非常に順調な会社です。そのため、我々としては成長支援を行うことが一番重要なPMIだと考えています。
SC事業(地域創生事業)については、第1四半期の時にも発表しましたが、全国に広がるxIBは、B.LEAGUEや福岡証券取引所との連携などが進み、本来であればメディアドゥ単体では連携が難しいような企業さまとも、連携がどんどん進んでいます。
国内出版社からコンテンツが集まり続ける圧倒的な信頼とポジションを確立
国内電子書籍流通事業についてご説明します。
当社は、日本国内の出版社さま2,200社以上と直接取引を行っています。年間で新たに追加されるコンテンツ数は92万点にのぼり、毎年100万点弱のコンテンツが増加することで、圧倒的なポジションを確立していると考えています。
また、日本国内に存在するほぼすべての電子書店さまとも取引を行っています。その結果、流通総額では「Kindle」に次ぐ世界第2位のポジションを確立し、2,000億円弱のコンテンツを流通させています。
国内最大手である当社の市場シェアはまだ30% さらなるシェア拡大を目指す
それゆえに、当社が取りうる選択肢や戦略は、2つに絞られると考えています。
日本国内の電子書籍市場は6,600億円規模です。流通経路は、取次経由が40パーセント、大手出版社が電子書店と直接取引を行う直接取引が市場シェアのおよそ50パーセントを占めています。その他は、出版社が自社書店を運営し、直接読者に届ける領域です。
まず、取次流通については、市場全体における当社のシェアが30パーセントであるため、残りの10パーセントを埋めることで、さらなる成長の可能性を見込んでいます。
また、取次流通におけるシェアを最大限に高めることで、取次経由ではこれまで把握できなかった情報を明らかにし、それをレポートとしてしっかり提供することが、今後の当社の重要な戦略になると考えています。
システム連携により運用の効率化だけでなく書店向けの独自開発を強化していく
そのような中で、特に大手の電子書店を中心に、当社の取次システムであるコンテンツ流通システムやキャンペーンシステムを各書店内に組み込んでいただく取り組みを行っています。
これまでは、データ納品に関するシステムをまず開発し、その後、販促や効率化に関する開発を進めてきました。今後は書店ごとに合わせたかたちで、個別の書店からのオーダーを取り入れ、より連携を深めたかたちで開発を進めていく予定です。
これらをさらに推進することで、当社と電子書店とのより力強いパートナーシップの実現を目指しています。
Seven Seasは、英訳マンガ・アジア書籍の 紙書籍ラインナップで世界最大の出版社
海外展開についてです。今年3月に、主に日本の出版物を取り扱う、米国にあり、世界最大級のマンガ翻訳出版社であるSeven Seasを買収しました。
メディアドゥは電子書籍の会社ですが、Seven Seasは紙の本が全体の82パーセントを占めています。年間の新刊刊行数は約1,000タイトルに上り、かなり大きな出版社です。
メディアドゥとSeven Seasの強みを掛け合わせ売上・事業規模の最大化を目指す
Seven Seasと当社メディアドゥが協力し、特にスライドのA.許諾獲得数とB.出版タイトル数に注力していきます。
日本の出版社との取引については、Seven Seasよりも当社のほうが実績があり、経験も豊富なため、許諾獲得数を増やすフォローを行い、出版可能なタイトル数を増やしていくことが、我々とSeven Seasが協力して取り組むべき課題だと考えます。
一方で、販売単価や販売部数の向上については、Seven Seasが鋭意努力を続けています。スライド上のA・B・C・Dの数値をそれぞれ向上させることが、売上と規模の最大化につながり、日本の出版業界への大きな貢献になると考えています。
2026年1月〜6月の売上高は前年比プラスで推移
Seven Seasは12月末決算のため、上半期である2026年1月から6月の数字をスライドに掲載しています。紙書籍の売上比率は先ほど82パーセントとお話ししましたが、この上半期は約80パーセントで、電子書籍とオーディオブックといったデジタル配信が約20パーセントを占めています。
この上半期、1月から6月の業績は、紙書籍が前年同期比6.1パーセント増となりました。電子書籍・オーディオブックのデジタル配信は、前年同期比で14.7パーセント増と非常に順調に推移しています。
Seven Seasは日本だけではなく、中国・韓国からも有力な原作を発掘し、市場を開拓
一方、Seven Seasはマンガやライトノベルといった日本の作品を取り扱うことを主な事業としつつ、他国のコンテンツも積極的に扱っています。
例えば、中国のBL作品であるDanmei、韓国発祥の縦読みマンガや縦スクロールマンガと呼ばれるWebtoonなどがあります。Webtoonは「LINEマンガ」や「ピッコマ」で配信されています。
特に中国のDanmeiは、コロナ禍においてSeven Seasが米国で開拓したジャンルです。Danmeiの売上は好調に推移しています。
2月に販売開始したDanmeiの高価格のBOXセットが大ヒット 2026年度の売上拡大を牽引
今年2月、ちょうど買収する直前に、Danmeiの高価格ボックスセットの販売を開始しました。2022年から2023年頃に発売されたDanmei作品の4巻セットを、高級な装丁にしてボックスに入れて販売しました。
もともとの販売単価はスライドにあるとおり、1冊あたり19.99ドル(約3,000円)で、4冊買うと79.96ドル(約1万2,793円)です。この販売額は、1ドルあたり160円で計算したものです。それを、装丁を豪華にすることで、1.7倍にあたる139.99ドルで販売しています。翻訳作業はすでに完了しているため、利益率も高くなります。
人気作品のボックスセットを販売するためには、過去にどれだけ人気作品を翻訳・出版したかというアセットが必要です。
この点において、Seven Seasは非常に大きな強みを持っています。結果として、この2万2,000円相当のセットは、2月17日から9月末までに実売で2万部以上を売り上げました。小売価格ベースの売上は290万ドル、約4億6,000万円規模となっています。
メディアドゥのノウハウを生かして出版タイトル数の増加を加速させていく
日本の作品についてはメディアドゥが、ライセンスの獲得をはじめ、これまで培ってきたノウハウを活用し、電子書籍やオーディオブックの展開を支援できると考えています。一方で、Danmeiは中国の作品であるため、メディアドゥとしての貢献は限定的です。
Seven Seasの取扱いコンテンツ数は年々増加 9月30日時点でFY27は1,215タイトルの刊行が確定
その中でSeven Seasは、過去最高のタイトル数を記録しています。今年度の発売タイトル数は、予定を含めて1,177タイトルとなり、昨年から120タイトル増加しました。
来年度は、今年度の1,177タイトルを上回る1,215タイトルが現時点ですでに決定しており、さらに積み増していく予定です。そのため、来年度は今年度を超え、さらに記録を更新できると考えています。
Seven SeasがAnime NYCに出展 新作発表会は満員、人気作品は1日で完売
Seven Seasは、今年8月に開催された「Anime NYC」へ出展しました。これはニューヨークで開催されるアニメとマンガのイベントで、4日間で17万人以上が来場しています。企業ブースには、出版社やアニメメーカーなど約450ブースが出展しました。
Seven Seasも、420名が参加する新刊発表会を開催しました。こちらは非常に人気で、満席率が100パーセントを超え、入場規制も発生しました。
全米では年間を通じて多数のアニメイベントが開催 今後、戦略的なイベント出展による直販の強化を検討
また、Seven Seasの本を書店で販売すると流通コストが発生しますが、このブースで直販することで、利益率が非常に高くなります。
通常の書店流通においては、本の売上に対する利益率が約10パーセント前後となりますが、イベントで直販すると約60パーセントと、非常に高い利益率を実現することができます。
今後については、この「Anime NYC」だけでなく、精査が必要ではあるものの、スライドの1番から6番に該当する非常に大きなイベントへの出展を検討したいと考えています。
今回出展した「Anime NYC」は、全体における4番目に大きなイベントでしたので、1番、2番、3番のさらに大きなイベントにも出展できる可能性があると考えています。
現在の事業は大きく分けて2つ
SC事業についてご説明します。当社のSC事業は、大きく分けて起業家支援とスポーツの2つの事業を行っています。まず、日本全国の地域創生を進め、活力を高めるために、起業家の支援、そしてスポーツ事業を展開しています。
一般社団法人徳島イノベーションベース
起業家支援に関しては、我々が単独で起業家支援を行うだけでなく、行政や金融機関、メディアを各道府県単位で巻き込みながら進めています。
徳島で生まれたIBを成功モデルに全国7割の府県で設置へ
その結果として、現在までに20府県でこの起業家支援の仕組みが敷設されており、さらに現在、12県で準備が進められています。これにより、来年度末には32県に我々が構築した「イノベーションベース」が敷設され、全国普及率が約70パーセントに達すると見込んでいます。
2030年にはそれ以外の各道府県も巻き込み、46道府県に設置する計画です。会員数としては5,000人を目指していますが、単に会員が増加するだけでなく、行政、メディア、金融機関とのネットワークを我々が構築していくこととお考えいただければと思います。
徳島ガンバロウズは今季よりB.LEAGUE ONE参入 開幕戦は立ち見、開幕6戦中5連勝で西地区1位
そのプラットフォームを活用して徳島で誕生したのが、当社のスポーツ事業「徳島ガンバロウズ」という男子プロバスケットボールクラブです。現時点では、開幕6試合中5連勝中と、非常に強いチームが形成されています。
昨シーズンまでのB3リーグでは、Web上での放映はあまり多くありませんでしたが、B.LEAGUE ONEへの参入により、視聴者数が大幅に増加しており、広告スペースの価値もB3時代と比較して格段に向上しています。
昨年度の実績としては、売上高が6億円、営業利益が約5,000万円でした。今年度については、売上高7億3,000万円を見込む一方で、B.LEAGUE ONE参入により費用増も見込むものの、黒字を維持する計画です。
ガンバロウズセブンは、単なる予想ゲームではなく、ファンの熱量を蓄積・可視化するクラブの基盤
「ガンバロウズセブン」というサービスでは、「徳島ガンバロウズ」の選手が7ゴール目までを、誰がどの順番で決めるのかを予想する仕組みを提供しています。
予想が的中すると、景品やポイントがもらえるアプリケーションであり、予想を的中させたい、もしくは景品をもらいたい方が、分析によって的中率を上げていく仕組みになっています。
その分析方法をアプリで伝えることで、これまであまり詳しく知られていなかった選手に関心を持ち、選手についてより知るため、さらに分析を深める動きが生まれています。
ガンバロウズセブンでクラブに新たな収益軸をもたらす
そのような中、今年度からは7ゴール目までの予想がすべて当たれば、トヨタのアルファードをプレゼントすると発表しています。
「徳島ガンバロウズ」のファンのほとんどがこの「ガンバロウズセブン」を利用しているのですが、スポーツ観戦に来たことがない、さらには「徳島ガンバロウズ」を知らないもののアルファードが欲しいという人たちも巻き込んでいきたいという狙いがあります。
我々が「徳島ガンバロウズ」ファンだけをターゲットにすると、数千人しかメディア価値としては対象にできません。しかし、「景品(アルファード)が欲しい」といった人々を対象に、このような仕掛けをすることで、このアプリをダウンロードして予想をしてくれる可能性が広がります。
そうした実験をまず徳島ガンバロウズで行い、それを全国の各クラブに展開していく構想です。「ガンバロウズセブン」を全国に広げていけば、数十万人規模の大きな可能性につながると考えています。
「スポーツ×経営」で地域の活性化を目指す
xIB JAPANとB.LEAGUEとの連携協定を、4月14日に発表しました。それ以降連携が進み、岡山、熊本、鹿児島、新潟、岐阜、徳島の6県で、B.LEAGUEクラブと各県IBが連携協定を結び、さまざまな事業を共に展開する動きが出ています。今後もこの取り組みはさらに広がっていくと考えています。
東京に加え地方でも、個人投資家との接点を広げる個人投資家向けIRを徹底
以前より機関投資家および株主のみなさまから、機関投資家向けの説明だけでなく、個人投資家向けにも積極的にIR活動を行ってほしいというご要望をいただいていました。
そのような中で、当社は「SC IR」という名称で個人投資家向けのIR活動を展開しています。単にコストをかけてIR活動を行うだけでなく、それ自体をビジネスとして展開していこうと考えています。
SC IRカンファレンスを東京ビッグサイトで開催 xIB JAPANで培った、起業家・金融機関との強固な信頼関係で実現
実際に、先月9月には東京ビッグサイトで開催しました。
私だけがご説明する場合、メディアドゥに興味を持つ方しか来場しないところ、5名の創業経営者がそれぞれ登壇し、各企業のIRを約1時間ずつ、合計約5時間にわたって同じ日に同じ会場で朝から夕方まで行いました。アンケートからも、非常に反応の良い結果が得られました。
今後は、東京だけでなく地方を中心に展開していきたいと考えており、今年6月にはマーケティングを兼ねて徳島で第0回を実施しました。
来年5月には熊本、来年中にはまた東京および徳島で、個人投資家向けにメディアドゥを知っていただくだけでなく、他の企業にも参加していただけるように進める予定です。我々としては、事業として黒字を維持しながらIR活動を行っていきたいと考えています。
統合報告書2026を発刊
8月末発刊のメディアドゥ統合報告書についてご案内します。
本年度はメディアドゥ設立30周年にあたる年であるため、これまでの30年とこれからの30年という2つの軸をテーマに、人的資本経営や企業戦略などについて記載しています。ぜひご覧いただければと思います。
長時間にわたりお付き合いいただきありがとうございました。以上で説明を終了します。
質疑応答:電子書籍流通事業の第2四半期単体売上高について
司会者:「電子書籍流通事業では、高利益率サービスの終了という減益要因がある中、第2四半期単体では前年同期比増益となりました。この好調はキャンペーンなど一時的な要因が大きいのでしょうか?
それとも、取扱高の拡大や業務効率化などによって、基礎的な収益力が改善していると捉えてよいのでしょうか?」というご質問です。
倉本:電子書籍流通事業の第2四半期単体の売上高について、期初の想定として成長率はプラス3パーセントを基本線と考えており、それを上回ったプラス3パーセント分はキャンペーンなどの一時的な要因が大きいと考えています。
一方、年々取扱高が増加している中で、それに伴う固定的なコストについては、業務の効率化やシステム連携を進めることで対処しています。このように、売上高の増加に伴い基礎的な収益力が改善していると考えています。
質疑応答:Seven Seasの成長要因と業績予想について
司会者:「Seven Seasについては、第2四半期の業績貢献が概ね想定線とのことですが、今後の成長を考える際、既存の英語版日本コンテンツの出版拡大とメディアドゥグループとの連携による新たな収益機会では、どちらの寄与が大きくなるとお考えでしょうか?
また、買収時に想定した収益力について、現時点で見直す必要はないでしょうか?」というご質問です。
藤田:両方とも大きく伸びていると考えています。コンテンツ獲得は、これまでSeven Seasがなかなかリーチできなかった出版社について、当社が介在することによってスピーディーな直接契約が可能となり、獲得数が一気に増加しています。
Seven Seasとコンテンツホルダーとの直接契約が増えることで、先ほど触れたボックス販売や、紙媒体に加えて電子配信まで、スムーズに権利許諾を得られるようになります。
Seven Seasのタイトル数を増やしながら、Seven SeasがPenguin Random Houseとしっかり連携し、日本のコンテンツがこれから増えていくことを見据え、各書店に棚を広げるといったさまざまな取り組みも行っています。これらを含めて、今後さらなる成長が見込まれると考えています。
業績予想の点に関して、第2四半期については、Seven Seasの過去の季節性を見ると、4月から6月の期間は例年落ち込む傾向があります。ただ、今期は、昨年と比較してその落ち込みは少なく、当社の想定を上回る結果となっています。
この大きなポイントとしては、先ほどご説明したDanmeiの作品が、コロナ禍以降に開拓されたものでありながら、そのタイトル数や認知度が増加していることが挙げられます。これにより権利許諾が取りやすくなり、従来取得が難しかった権利許諾も視野に入るなど、来年度以降の成長も期待されます。
質疑応答:Seven Seasの売却と日本文芸社の現状について
司会者:「今回、Firebrandグループを売却し、Seven Seasを軸とした海外展開に注力する方針が示されました。今後は既存の戦略投資事業についても、収益性や本業との相乗効果を基準に、事業の選択と集中を進めると理解してよいでしょうか?
また、日本文芸社の収益改善途上の事業については、どのような時間軸で成果を求めていくのでしょうか?」というご質問です。
藤田:おっしゃるとおり、当社としては選択と集中、規模の拡大、この2つを両軸で捉えていきたいと考えています。
Seven Seasを買収したことから、現段階で海外展開においてはSeven SeasのPMIを最優先にするべきと判断し、我々のリソースが分散するのを防ぐために、Firebrandの売却に踏み切りました。
日本文芸社に関しては、我々も介入して改善を強化しています。今期は、さまざまなチャレンジを行った結果として、通常の赤字ではなく、挑戦の結果として赤字が継続しています。
その中で、成功した点もあれば、うまくいかなかった部分もありました。特に後者を学びとして、来年度以降に向けて改善を図っていきます。
質疑応答:第2四半期単体業績について
司会者:「第2四半期累計の業績は計画を上回ったとのことですが、第2四半期単体の業績で見ても計画を上回ったのでしょうか?」というご質問です。
倉本:第2四半期単体の業績についても、当初予想していた営業利益を上回りました。主に、電子書籍流通事業における売上増に伴う営業利益の増加が最も大きな要因となっています。
質疑応答:事業シナジーについて
司会者:「Seven Seasとメディアドゥ単体の事業シナジーの実績を確認させてください。日本での営業担当者や取扱コンテンツ数、契約に至るまでの期間等、定量的なデータがあれば教えてください。まだ実績が出ていなければ見通しでもかまいません」というご質問です。
倉本:定量的なデータとしてお話しすると、例えば営業担当者について、以前はSeven Seasでは日本のライセンス獲得を担当する営業担当者が非常に少ない状況でした。一方で、メディアドゥはすでにすべての出版社と営業窓口を持ち、30名規模の営業人員を有しています。
そのため、ライセンスの獲得に関しては、国内電子書籍流通事業の営業担当者と連携しながら、コンテンツのライセンス獲得を進めています。
また、取扱コンテンツ数や契約に至るまでの期間については、今後アップデートされる予定です。契約に至るまでの期間に関して申し上げると、これまでは「コンテンツを確認したい」「出版社の担当者に連絡をしたい」というSeven Seasの意向があったとしても、スピーディに連絡を取ることが難しい状況でした。
今後は、メディアドゥを通じることによって、コミュニケーションのタイムラグが削減されていくと見込んでいます。この件に関する定量的なデータについては、今後お伝えできればと思います。
質疑応答:日本文芸社のコスト改善について
司会者:「日本文芸社はこれまでも構造改革をしてきた中で営業赤字でしたが、さらなるコスト構造の改善余地はあるのでしょうか?」というご質問です。
倉本:これまでに改善を進めてきた部分もありますが、さらにコストの改善が可能な施策を現在実施しています。
これらの施策は今期の途中から開始したものです。そのため、来期にはその効果が全面的に発揮されると考えています。具体的には、コスト面で1億円以上の改善が見込まれると想定しています。このような各種施策を現在進行中です。
藤田:補足します。日本文芸社の業績について、過去は黒字であったものの、ここ3年間は赤字でした。そのため、我々はPMIをより急激に強化して進めている状況です。
今までは10のうち2から3程度は実施していたと考えています。今年度はさらに強化し、8から9程度まで介入し、やるべきことをほぼすべて実施しています。
このような観点から、必要なものには当然投資していく方針ですが、そうでないコストについては現在徹底的に削減しています。それが来期に大きく寄与すると考えています。
質疑応答:海外事業の収益寄与および中東展開について
質問者:海外事業の来期以降の収益寄与についてです。PMIが進んで、ある程度見通しが立ってきたように見受けられます。そのため、どの程度の手応えがあるのか、具体的な数字が言えるようでしたら教えていただきたいです。
併せて、中東での展開について、現状の進捗状況をお聞きしたいと思います。
藤田:海外事業展開について、今回整理を進めました結果、我々にとっての海外事業展開はほとんどがSeven Seasに当たると認識しています。
Seven Seasに関しては、我々として非常に大きな額である126億円で買収を行いました。そのため、これ以外の事業は整理し、この事業に注力していきたいと考えています。
そのような中で、まず日本のコンテンツに関しては、先ほどのご質問にもありましたように、コンテンツの獲得がかなり進んでいます。
体制的には、当社が参入したことにより、これまで取引できなかった出版社が、「メディアドゥのグループ会社だったらいいよ」というかたちで契約が可能な状態となっています。
このように考えると、コミュニケーションが直接行えるようになることで、今までほとんど行っていなかったボックス販売についても、Danmeiに限らず、日本の作品のボックス販売をはじめ、さまざまな商機が生まれるのではないかと考えています。
今年度のSeven Seasに関しては、第2四半期が終了した段階で紙書籍は昨年対比6パーセント超の売上成長率となっており、この成長率を少なからず維持できると考えています。
一方、中東に関しては、依然として不安定な状況が続いており、SHIFTともいろいろと協議していますが、時期尚早であるという判断が続いており、現時点では進捗していません。
質疑応答:SC事業の成長戦略について
質問者:SC事業に関してです。他の2つを中核としている事業に比べて、SC事業は少し毛色が異なると感じています。SC事業を、他の2つの事業と同じ規模に育てていくとしたら、どのようにして事業の売上や利益を増やしていこうと考えているのか、ご教示いただけますでしょうか?
まずは、このSCIRと「徳島ガンバロウズ」で着実に進めていくということなのか、それともある程度の展開イメージがあるのかお聞きしたいです。
藤田:SC事業については、日本全国、政府を含めて、地域活性化が東京一極集中の是正とともに必要であることが、広く認識されています。日本全体が地域創生を推進しなければならないという、大きな追い風が吹いています。
戦術・戦略的には、起業家支援という大義名分を明確にしながら、行政、メディア、金融機関といった各方面と1件1件連携を図り、それをさらにネットワーク化していく計画です。その中でも特に重要なのは、金融機関とのアライアンスだと考えています。
例えば来月に関しては、11月28日に北海道から沖縄までの30から40程度の金融機関に徳島へお集まりいただき、ファイナンスイベントに近いイベントを実施する予定です。
来年度に関しては、さらに多くの金融機関に徳島へお集まりいただき、第1回目のファイナンスイベントを開催したいと考えています。イベントの意図としては、「お金を貸したい人」「借りたい人」「出資を受けたい人」「出資をしたい人」「企業を売りたい人」「企業を買いたい人」という6つの立場の方々をつなげる場を提供したいというものです。
当社が推進するSC事業において、地域創生は北海道から沖縄まで非常に幅広いものだと認識しています。
その中で、地域に根ざし、利益率は高いものの規模の拡大が難しい企業や、事業承継が課題となっている企業から、当社がxIB JAPANとして積極的に活動することで、さまざまなご相談や悩みをいただいています。
金融機関とのネットワークを活用することで、M&A仲介会社を介さずに当社グループによる直接的な支援が可能となるかもしれません。
また、当社の上場企業としての信用力を活用することで、日本全国で事業を展開させていける可能性も視野に入れ、今後は企業買収を積極的に取り入れていきたいと思っています。
「ガンバロウズセブン」のB.LEAGUEクラブへの全国展開についても、大規模な事業へと成長する可能性があります。例えば、「ガンバロウズセブン」のアルファードを景品とするプロモーションでは、単なる景品による効果ではなく、広告費もいただいています。
徳島の人口は67万人ですが、たとえばこれが「千葉ジェッツ」に展開された場合、千葉県の人口630万人という規模を踏まえると、広告の価値は変わります。また、B.LEAGUE における55クラブのうち一定割合で導入が進んだ場合、事業規模は数億円単位となり、利益率も十分期待できると思っています。
これまでの本業である出版事業に関しては、日本および海外市場へ展開していくことに非常にやりがいを感じていますが、利益率については課題があると考えています。
一方で、地域創生事業においては、圧倒的なシェア獲得を目指すよりも、1社1社に寄り添いながら利益率を高め、結果として事業全体の利益率や利益額を向上させていくことが、SC事業の本来の在り方であると捉えています。
質疑応答:コングロマリットの展望について
質問者:3つの事業を組み合わせている点は非常にユニークと感じますが、一方で、これらがコングロマリットとなることで、わかりにくさが生じ、その結果としてコングロマリット・ディスカウントにつながっているのではないかという点です。
現在減益であることは理解していますが、株価などが下がっている部分には、そのような影響もあるのではないかと考えています。これがコングロマリット・プレミアムにつながるかたちになる場合、どのような展開がその要因となるとお考えでしょうか?
また、3つの事業の組み合わせがどのような状況でプラス要因になると見ているのか、現時点での見解をうかがいたいと思います。
藤田:コングロマリット・プレミアムについては、まだ十分な議論ができていない状況です。ご質問を受けたことを踏まえ、今後社内でしっかりと協議を進め、マイナスの影響が出てくる場合には、それに対して適切な対応を講じたいと考えています。