マネーボイス メニュー

VRAIN Solution、2Qは大幅な増収増益を達成 AI外観検査の隣接工程でフィジカルAI領域のソリューション開発に着手

エグゼクティブサマリ

南塲勇佑氏(以下、南塲):みなさま、本日はお集まりいただきありがとうございます。株式会社VRAIN Solution代表取締役社長の南塲です。ただいまより2027年2月期第2四半期決算説明会を始めます。先ほど開示した決算説明資料に基づき、ご説明します。

まず、エグゼクティブサマリです。2027年2月期上半期の実績は、売上高が18億8,400万円で前期比プラス80パーセント、売上総利益が14億3,600万円で前期比プラス70.6パーセントです。営業利益は4億900万円で前期比プラス328.1パーセント、当期純利益は2億6,700万円で前期比プラス336.2パーセントとなりました。

上期のトピックスとして、売上高、売上総利益、営業利益のいずれも大幅な増収増益を達成しました。その上で、受注残13億800万円を確保しています。

また、上期には新しい営業拠点として金沢営業所を新設しました。さらに、内製装置の製造工場として名古屋工場を開設しており、これにより東京工場、大阪工場、名古屋工場と、日本国内で3工場体制を整えました。

加えて、新規顧客の開拓を目的として、国内外の展示会に出展しています。また、中長期で当社が事業を成長させるため、人材基盤を強化しており、その一環として人材紹介子会社の設立を準備中です。

2027年2月期の通期予想としては、売上高は前期比プラス47.1パーセントの48億2,300万円、営業利益は前期比プラス58.5パーセントの14億4,900万円、当期純利益は9億7,200万円を計画しています。

通期のトピックスとして、さらなる営業拠点の開設を計画しており、宇都宮市、長野市、広島市、福岡市への展開を予定しています。また、海外の現地法人を含めたグローバル展開も進めています。お客さまの獲得に向けた営業体制の強化は引き続き行っており、加えて、AI X線検査機の販売も強化しています。

先ほど名古屋工場を新設したとお話ししましたが、当社では、自社で開発したAIをお客さまにより適切にスピーディーに納入するため、自社で設備を作っており、引き続き装置製作の体制をさらに強化しています。また、お客さまに納入したAIシステムを活用していただけるよう、サポート体制も引き続き強化しています。

中期経営方針として、当社は1.5倍成長を掲げており、売上を1.5倍にする目標は変わっていません。営業利益率は、30パーセント以上を計画しています。

主要KPI-① 2027年2月期2Q実績

今期上半期の実績についてお話しします。当社では、主要なKPIとして、どれだけのお客さまを獲得できているかを示す指標として累計取引社数を追っています。前期末と比較して、上半期では新規のお客さまを57社開拓し、上半期終了時点で累計取引社数は394社となっています。

従来得意としてきた食品業界の導入を伸ばすだけでなく、営業拠点を全国に拡大したことで、そのエリアで強みを持つ業界、例えば機械、金属、自動車産業、化学といった業界への導入も拡大しています。上半期では、新規のお客さま60社弱への導入を達成しました。

継続顧客売上高は10億8,400万円で、売上高全体に占める割合は57.5パーセントとなっています。こちらの指標は、当社のAIソリューションがどれだけお客さまの役に立ち、継続的な売上成長につながっているかを示す重要な指標と考えています。

売上全体の60パーセント弱を継続的なお客さまから確保できているという点は、当社のソリューションが引き続きご評価いただけている証左であると捉えています。

主要KPI-② 2027年2月期2Q実績

受注残もKPIとして数字を追っています。上半期終了時点での受注残は13億800万円となり、前期末と比較してプラス3パーセントとなっています。前期の上期終了時点と比較してもプラスで受注残を維持しているという評価になりますが、当社としてはさらに積み上げを目指すべきと捉えています。

また、当社が提供するAIシステムの販売単価は2,000万円です。第1四半期の販売単価は2,200万円だったため、若干低下傾向にあると見受けられますが、過去の推移を見ても概ね2,000万円前後で推移しています。

機器の販売では、販売台数が増えれば平均単価が若干下がり、大型案件があれば平均単価が上がるため、平均して2,000万円前後であれば、当社としては適切な事業運営ができていると評価しています。そのため、概ね想定どおりのKPI進捗となっています。

損益計算書

損益計算書です。売上高について、前期の第2四半期終了時点の売上高は約10億円でした。今期の上期終了時点の売上高は約18億円と、1.8倍、すなわちプラス80パーセントと伸ばせていると考えています。

また、当社は販管費が大きく変動しないため、売上高が伸びると利益も大幅に増加します。そのため、営業利益以下の各利益は、前年同期比で大幅に伸長し、3倍以上の実績を記録しました。

売上総利益率は、目標としている80パーセントの粗利に対し、76.2パーセントと3.8ポイント下回りました。この要因として、今期はフィジカルAIを含めたロボットとの連動に注力しており、これらの案件では通常案件に比べ、ロボットの設備や機器の原価が高額になることが挙げられます。

当社としては、この領域に前向きに取り組んでおり、中長期的に競争力を高める観点から多少の粗利減を容認してでも案件を獲得し、ソリューションの開発を進めている状況です。下期は、これまでノウハウとして蓄積したものをより効率的に製造することで、粗利益率の改善を図ることを目指しています。

損益計算書/四半期別

第2四半期単体の数値です。前期も第2四半期は大幅に伸びましたが、今期はその数値に対してプラス45.2パーセントという実績を達成しています。

第1四半期との比較ではプラス90.6パーセントと、2倍近い売上高を計上することができました。営業利益以下の項目はスライドに記載のとおりです。

営業利益 増減要因

営業利益の増減要因を表で示しています。まず、8億3,700万円の増収に対し、売上原価の増加を2億4,300万円に抑えました。その上で、各販管費は大きく増加しない状況であったため、営業利益は4億900万円で着地する結果となりました。

従業員推移

従業員数の推移です。前期の第2四半期終了時点からプラス67名と、会社の規模としては1年前と比べ約1.5倍となっています。

また、当社の役割に応じた内訳を棒グラフに記載しています。各役割で少しずつ人数が増加しており、特に直近で増加が顕著なのは開発部門です。1年前は20名だった人数が現在は34名となり、AI開発のエンジニアが14名増加した点は大きな変化です。

また、サポート人員は第2四半期終了時点で59名となっています。当社のソリューションは約400社のお客さまに導入されており、多くのお客さまに、継続的にご利用いただいています。

お客さまの工場は北海道から九州、沖縄県まで広範囲にわたっています。導入後のお客さまへのサポートをいかに強化するかが重要であり、サポート体制の強化は、次なるAI導入やシステム導入を再び当社にお任せいただくためにも重要なポイントとなります。

そのため、サポート人員が1年前に比べて大幅に増強されているという点も、今期上半期終了時点での従業員の推移において変化が見られた部分になります。

また、現在、営業人員の教育が進んでいます。そのため、営業人員を増加させることで、今期だけでなく来期以降の事業成長にもつなげられるよう、この内訳を社内で注視しながら、採用活動を進めていきたいと考えています。

事業別売上高構成比・推移

事業別の売上高構成比です。売上高構成比としては、AIシステム事業が全体の96パーセントを占めており、売上の大半を構成しています。

DXコンサルティング事業では、現在、新規領域の案件に対応しています。先ほどフィジカルAI案件にも着手したとお伝えしましたが、この案件はDXコンサルティング事業で対応しています。

そのため、売上高構成比におけるDXコンサルティング事業の割合が少ないか多いかは、現時点で本質的な課題ではないと認識しています。

この事業を通じて、当社の新規ソリューションにおけるノウハウ、知見、技術開発がより強化され、そのソリューションとノウハウがAIシステム事業の営業担当者によって展開されることで、一気に全国へ販売を拡大することが可能です。

当社が大きく成長するためのドライバーとして、DXコンサルティング事業は重要な位置づけとなっており、継続して注力していくとともに、現在、人員の採用を強化している段階です。

新規ソリューションの開発をDXコンサルティング事業が担い、売上成長を牽引するのはAIシステム事業であり、全国へ積極的に導入を進め、拡大を目指す事業構造となっています。

貸借対照表

貸借対照表はスライドに記載のとおりです。負債部分の短期借入金が減少しています。これは4億円の借入を返済したことが主な要因です。それに伴い、純資産比率も17.7ポイント増加し、82.6パーセントとなっています。

2027年2月期|展示会出展情報

当社の展示会出展情報です。当社は、製造業のお客さまの市場シェアがまだ1パーセントにも満たない状況であることから、さらにお客さまを拡大するための重要な施策として展示会への出展に取り組んでいます。

今期は、国内展示会10回、海外展示会2回への出展を計画しており、日本全国で幅広く展示会に出展するだけでなく、海外にも展示会活動を拡大し始めています。

上期は展示会に6回出展しました。特に大規模な展示会として、食品業界向けで最大規模の「FOOMA JAPAN 2026」に出展し、新規リードを5,400名集めることができました。

スライド右側の写真は「FOOMA JAPAN 2026」での展示の様子です。手前から順に食品業界のお客さまの原料工程、製品を加工していく工程となっています。写真では見えにくいですが、一番奥の看板には「包装」と記載されており、製品を包装して出荷する工程でのAI活用についてデモンストレーションしています。

これにより、食品業界向けのソリューションを包括的に提供できる点を訴求しています。さまざまなAI判定のデモンストレーションを実施した上で設備の紹介を行い、写真中央に見えるX線システムを通じて、新ソリューションのPRにも大きくつながっています。

もう1つの成果として、上期にタイのバンコクで開催された展示会に出展し、1,300名のリードを集めることができました。この展示会を通じて、タイの規模の大きなお客さまから案件もいただいており、タイでの事業を一気に成長させる足がかりとなっています。

下期も引き続き展示会活動を行うとともに、新規営業所を開設する福岡市の展示会にも出展します。また、今後の海外展開を視野に入れ、インドネシアのジャカルタでの展示会を今月計画しており、より一層力を入れて進めていきたいと考えています。

2027年2月期|メディア掲載実績

メディアの掲載実績です。当社は製造業に特化していることから、当社をより多くの方に知っていただくために価値のあるイベントに積極的に参加しています。スライド左側に記載されているように、オンラインイベントでセミナーを実施したり、オンラインで株主向けのイベントに参加したりしました。

また、上期の実績としてはいくつかの雑誌などにも取り上げていただきました。これらを通じて、当社をより知っていただけたのではないかと考えています。当社の出来高も徐々に増えてきているため、下期以降も引き続き力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

2027年2月期|導入事例(当社がパートナー企業として選定)

導入事例です。当社が対象とする製造業のお客さまは機密性が高く、さまざまな情報を気軽に公開することが難しい状況にあり、当社の情報も表に出にくい部分があります。しかし、お客さまと一緒に行ったプロジェクトや特に効果的な事例については、お客さまと相談の上でリリースを出しています。

その中の1つとして、この1年で大きく伸びている半導体関連のセラミックスメーカーのお客さま向けに、特殊な3D形状も含めた完全自動化のAIシステムを2億円から3億円規模で受注したというリリースを発表しています。

このような活況な業界に対してビジネスが展開できることも、当社の強みの1つだと思っています。製造業では時期によって、例えば半導体が好調な一方で別の業界が不調である、またその逆もしかりといった状況が見られることがあります。

当社の強みは、特定の業界に依存せず、全業界をクライアントとしている点にあります。現在成長している半導体業界のお客さまからは、このようなかたちで大口の案件を受注させていただいているだけでなく、今後も生産性をさらに高めていく必要があることから、大きな需要があります。

今後は、2億円から3億円規模の実績にとどまらず、下期以降も半導体関連のお客さまからの受注をさらに拡大し、同業界の他のお客さまからの受注も広げていきたいと考え、リリースを1つ発表しています。

当社のAI技術の有用性について、品質要求の厳しい自動車業界のお客さまと協力し、高性能で人の代わりとなるようなAI技術を開発しました。これを共同出願したことをリリースしました。

この内容は大きく注目されており、ダイハツ工業の公式IRやホームページにも当社のことが掲載されました。また、このリリースをきっかけとして、自動車業界のさまざまなお客さまからお問い合わせをいただいています。

当社のさまざまな実績を知っていただくためにも、このような取り組みを可能な範囲で進めていきたいと考えています。以上が上期の実績です。

2027年2月期 通期業績予想

通期の業績予想についてご報告します。冒頭でもご説明したように、中期経営計画方針に基づき、1.5倍の成長を目指す方針は変わりません。今期も通期を通して達成を目指していきます。

拠点の拡大として、上期には金沢市に営業所を開設しました。下期についても順次拠点を開設していく予定です。アフターフォローの体制や設備の強化、海外展開も通期の戦略として掲げており、これらにも注力して進めていく方針です。

上半期および通期の業績予想はスライドに記載のとおりです。当社の特徴として、上期に対して下期の売上比率が大きい点が挙げられます。上期は事前の予想どおりの達成を実現しましたが、下期には大きな目標を掲げています。

この目標を達成するために、新規顧客獲得の営業活動、受注後の装置製作、装置製作完了後の納入、アフターフォローのサポートチームなど、各拠点における各部門の役割強化を引き続き進め、通期の売上目標および利益目標の達成を目指していきます。

2027年2月期 業績予想 売上高/営業利益の半期推移

こちらは当社の売上目標に関するスライドです。上期に対して下期が大きな売上目標となっていることを示しています。これまでも同様の傾向があり、前期は上期の約10億円に対して下期が約22億円という実績でした。上期に対して2倍以上の売上目標を掲げ、それを達成したことになります。

今期は上期約18億円に対して下期が約29億円と、倍ではないものの大きな売上目標となっています。この目標をしっかり下期に達成する計画を立てています。

中期経営方針

中期経営計画では来期以降の予想も記載しています。売上額が増え分母が大きくなることで、1.5倍成長を達成する難易度も上がりますが、着実に成長を実現するため、現在、国内拠点の拡大や海外での営業活動を開始し、体制強化に取り組んでいます。

今期は通期でしっかりと1.5倍成長を達成し、来期以降もその水準を目指し、達成できるよう、今期中にしっかりと準備を進めていきたいと考えています。

海外戦略

今後の成長戦略についてご説明します。まず、海外戦略に関してですが、現地では分業化が進んでおり、「ワンストップソリューション」に対するニーズが高いと捉えています。

このような海外でのニーズや自動化需要に対応するため、当社はまずアジア地域から進出し、タイやベトナム市場へ本格参入しています。当社初の海外現地法人を設立するにあたり、まずはアジア各国で現地法人を立ち上げ、その後、採用、育成、体制強化といった基盤を整え、将来的にはアジア以外の世界にも展開していけるような土台を作りたいと考えています。

タイやベトナムでは、人件費は日本よりも安い部分がありますが、製造業の付加価値額は、タイで年間約20.5兆円、ベトナムで約18.9兆円の規模があり、これら2カ国だけで約39兆円規模の産業があります。このような産業に対して当社の強みである、AIソリューション「ワンストップソリューション」を提供していきたいと考えています。

スライド中央には、「ワンストップソリューション」の具体的な要素をまとめています。当社の強みは、AIソフトの提案だけでなく、装置製作を含む設備全般を手がけることができる点です。また、自社でAIを開発していることも大きな競争力となっています。

近年、オープンソースによるさまざまなAIが登場する中で、高精度で安定性が高く、負担の少ないAI活用を実現し、製造業個別のニーズに応えるソフトウェア、アルゴリズム、ハードウェアの開発が当社の強みです。これにより、自社のAIを世界に展開していきたいと考えています。

その上で、当社のAIシステムを導入した後には、安定したサポートと運用が可能な体制が必要となります。海外でも体制構築を進め、日本での成功実績を海外市場でも展開していきたいと考えています。

また、繰り返しになりますが、1回の展示会で1,300名のリードを獲得しています。すでに案件化され、受注に至った案件も複数あります。この短期間でこれだけのリードと案件を確保できているため、営業活動をさらに強化し、体制を整備して、海外拠点や現地法人の拡大を進めたいと考えています。

スライド下段に海外戦略の展開方針について、3つのポイントを挙げています。1つ目の顧客開拓として、海外工場を保有されている日系企業は多くいらっしゃいます。

当社は国内ですでに約400社のお客さまに導入しており、そのお客さまの海外工場に当社のサービスを展開したいと考えています。このような営業活動を通じて、日系企業を起点に海外に横展開していきたいと考えています。

2つ目の重点企業戦略として、海外展開を進める中であらためて気づいたことがあります。それは、各国には有力な企業が存在し、日本以上に財閥系や国営、大手企業が強い影響力を持っているということです。このような重点企業を対象とした戦略を特化して進めていきたいと考えています。

3つ目の現地体制の整備として、日系企業の海外工場ではしっかりとサポートを受けられるかどうかが重要になります。問題が生じた際にサポートが得られない場合、工場のラインが止まってしまい、莫大な損害が発生してしまうため、企業はサポート体制を重要視しています。

当社は、製造業向けのAIシステムを提供するAIソリューション企業として、タイのバンコクおよびベトナムのハノイで現地法人の設立準備を進め、人員と体制を整えることで、お客さまの強いニーズに応えられる体制を構築しています。体制の整備を着実に進めることが、展開方針の1つとなります。

領域拡大戦略|フィジカルAIの開発に着手

次の成長戦略としては、領域拡大の観点から、これまでのソリューションに加え、新しいソリューション領域を拡大していきたいと考えています。これまで当社が取り組んできたのは、人の目で見て判断する作業を、AIを活用してオートメーション化するというソリューションです。

一方で、工場のラインにはさまざまな作業があり、単に物を見て判断するだけでなく、整列させる、並べる、梱包する、箱に入れる、排除するといったさまざまな動作があります。

これらの動作の部分は人が柔軟に対応できるため、これまでは主に人が担ってきました。しかし、お客さまからは、「判断の部分がAIによってオートメーション化されるのであれば、その前後のプロセスもAIでオートメーション化できないか」というニーズが多く寄せられています。

これに応えるため、当社では「フィジカルAI」として、人のような判断ができるロボットを組み合わせることで、前後工程まで当社のAIソリューションによる自動化を進め、領域を拡大していきたいと考えています。

実際に現在、ロボットと連動した「フィジカルAI」にはすでに取り組んでいますが、今後は搬送作業にも対応し、AMRと呼ばれる自動搬送ロボットも当社で手がけていきたいと考えています。

そのため、従来の検査にとどまらず、隣接する工程におけるAIソリューションの展開や、「フィジカルAI」の領域への参入にも力を入れていきたいと考えています。

成長戦略(横展開×クロスセル×別工場展開×フィジカルAI)

今後の成長戦略としては、これまでと同様に取引先を増やす取り組みを進めていきます。新規のお客さまに導入いただければ、その後の横展開が進み、他の工場への展開にもつながります。

また、すでに導入いただいているお客さまに対しても、別工場への提案を行うことができるため、1件導入いただくことで、レバレッジが効くことが当社のビジネスの特徴となっています。これらの取り組みを成長戦略の中心として据え、引き続き進めていく方針です。

中長期戦略(5か年計画)

中長期戦略として、当社では5か年計画を掲げています。当初は製造ラインでAIが活用できるシステムを構築し、実績を積み上げていくことを進めてきました。次のフェーズでは、複数ラインへの展開や国内拠点を増やすことを推進してきました。

現在の5か年計画の最終段階においては、これまでとは異なる新規ソリューションの展開をはじめ、国内の主要拠点すべてに営業所を設置する体制を構築中です。また、海外市場への大規模な進出を目指す段階にあります。当社としては、この5か年計画を予定どおり着実に成功させることを目標としています。

私からの上期決算のご説明は以上です。

質疑応答:海外進出を決定した理由について

菊地佳宏氏(以下、菊地):「国内市場が大きく、まだ拡大余地がある中で、海外進出を決定された理由についてお聞きしたいです」というご質問です。

南塲:まず、当社としては中長期の成長を主眼に置いています。日本の製造業の規模やGDPに対して、グローバルマーケットは約20倍の規模となっています。したがって、いかに海外市場を取り込むかが、中長期の成長において重要です。

海外事業の展開には一定の時間がかかるものと考えているため、当社が国内市場を十分に拡大し、売上のトップラインが限界に達してから海外展開を始めたのではリードタイムが発生してしまいます。

さらに、昨今のAI技術競争は厳しく、先行してAI企業が各国市場に定着してしまうと、後から覆すのは容易ではありません。そのため、国内市場を毀損することなく、海外市場に早めに着手することが必要であると考えています。

国内営業と海外営業は明確に分離しており、海外事業は国内営業のリソースを使用せずに展開しています。国内側で投入している工数は、主に私自身の活動にとどまっています。

また、海外事業では各国で現地人材を採用し、複数の国籍のメンバーからなるグローバルな体制で事業を推進しています。

当社としては、いち早く海外での取り組みを追加することが重要であると認識しており、現段階でのタイやベトナムでの展開に着手したことになります。さらに来年以降も順次、他国への参入を予定しています。

質疑応答:海外展開における差別化戦略について

菊地:「海外ではドイツを始めとして、多くの企業や競合がひしめいている中で、VRAIN Solutionとして、どのような強みで海外展開していくのかについてお聞かせください」というご質問です。

南塲:海外においては、各国でさまざまな事情があると考えています。例えば、中国では多くのプレイヤーが存在し、価格競争も激しいため、安価なAIが提供されている状況です。そのため、どのようなソリューションが差別化につながるかについては、国ごとに事情が異なると考えています。

ご質問にあったドイツに関しては、専門性の高い技術力を有しており、製造業における検査分野が強い国であると認識しています。そのドイツに対して差別化を図るには、海外製設備の柔軟性が低い点が大きな課題として1つ挙げられると考えています。

実際、ドイツ製の機械を日本で使用しているお客さまもいらっしゃいますが、性能自体は優れているものの、お客さまごとにカスタマイズができないことや、サポート体制が弱いことで十分に利用することができないという声を聞いています。

当社の現在のビジネスモデルでは、お客さまのラインに合わせて、サイズ、仕様、スペックなどを柔軟にカスタマイズし、いかに効果を出すかに特化して装置やシステムを製作しています。

また、ドイツ発のグローバルメーカーで、AI画像処理に強い企業は少ない市場環境にあるため、日本の厳しい品質要求に応えるAI画像処理技術に関しては、ドイツやアメリカでも確実に競争力を持てると考えています。

AI技術の分野での差別化を図るとともに、日本企業ならではのアフターサポート体制を構築することで、差別化していけるという考えです。各国の事情は異なるため、差別化のポイントは変わりますが、販売体制、AIの技術力、アフターサポートといった点で差別化が可能ではないかと考えています。

質疑応答:タイの企業からの受注計上時期について

菊地:「タイの大きな企業から案件がある、というお話がありましたが、こちらは上期に受注したものでしょうか? あるいは第3四半期に受注する案件となりますか?」というご質問です。

こちらについて、取締役コーポレート部部長の菊地よりお答えします。この案件は上期の受注残には計上されておらず、第3四半期で計上する予定となっています。

質疑応答:タイやベトナムの工場におけるAI導入状況と市場環境について

菊地:「タイやベトナムの工場では、日本同様にAI導入の比率はまだ低い状況でしょうか? 競合メーカーの環境について、ご教示いただきたいです」というご質問です。

南塲:タイやベトナムでは、製造ラインでのAI導入が進んでおらず、日本よりもさらにAIシステムが導入されていない状況であると捉えています。

これは、タイやベトナムでは日本に比べて人件費が安いことから、自動化のソリューションに対する需要が相対的に少ないという前提があると思います。それに加えて、タイやベトナムで積極的にソリューションを提供しているAI関連企業がまだ少ない市場環境も影響しています。

当社もタイにおいて財閥系や大手企業との打ち合わせを重ね、案件の実施も始めていますが、当社のAIシステム導入が「初めてである」と言われるケースが多いのが現状です。トップ企業ですらこれからという状況であり、中小企業以下では導入が進んでいないと考えています。

競合メーカーに関しても、日系の大手メーカーや米国を始めとするグローバル大手メーカーが参入してはいるものの、市場環境としてはそこまで大規模かつダイナミックに展開している状況ではないと感じています。先ほどお話しした差別化によって、当社のシェアをここから大きく拡大していきたいと考えています。

質疑応答:上期受注残高および通期業績達成見込みについて

菊地:「上期の数字に対する評価と受注残に関して、第1四半期比では減少している点についてどのようにお考えですか? また、それに基づいて、通期の業績予想に対する進捗の評価について教えてください」というご質問です。

南塲:まず、上期終了時点の受注残高は約13億円であり、一定の積み上げが進んでいると評価しています。

一方で、上期は納品が多く、また、各拠点の立ち上げ作業も多く行われたため、想定どおり、あるいは順調に受注残を積み上げられたとは率直に言えません。そのため、下期はさらにアクセルをかけて受注の積み上げや案件の獲得に取り組んでいきたいと考えています。

通期としては、前期の下期は上期に対して2倍以上の売上を達成しました。現時点で上期の売上が約18億円、受注残高が約13億円と、すでに保有案件が約32億円となっており、48億円の業績達成は現実的に可能であると考えています。

また、下期に入ってからも受注が続々と積み上がってきているため、これを引き続き進めるとともに、売上計上に向けた納品活動にも注力していきたいと考えています。したがって、通期としては受注残高がやや物足りないものの、業績はしっかり達成できると評価しています。

質疑応答:拠点開設計画と進捗状況について

菊地:「営業所の開設について、上期は金沢市の1拠点でしたが、これは想定通りの進捗でしょうか? また下期における4営業所の開設予定について、営業人員の過不足など現在の状況や進捗についてお聞かせください」というご質問です。

南塲:上期中にもう1拠点が間に合えばという計画はありましたが、結果的に上期に正式に立ち上げたのは金沢営業所の1拠点のみとなります。したがって、厳密に申し上げればもう1拠点の開設も視野に入れていたため計画どおりとは言い切れない部分もありますが、通期で見た場合には、概ね予定していた拠点を確実に立ち上げられる見通しが立っていると捉えています。

拠点開拓においては、拠点に在籍する責任者と、それに紐づく通常のメンバーの育成が大前提になると考えています。現在、各拠点でマネージャーの育成に取り組んでおり、準備が整い次第、拠点を正式に開設して進めていく流れです。そのため、順次取り組んでいくことで、通期では概ね設立したい拠点を作ることができると見込んでいます。

福岡市や広島市などの主要なエリアにおいては、開設を進めることで、各地域を攻める体制が整うと考えています。そして、それ以降は、例えば関東エリア内でより細かい拠点を作るフェーズに移っていきますが、この際に、少しでも早く拠点を開設することがベストかどうかについては、議論や検討が必要だと考えています。

私の見解としては、札幌市から九州までの主要拠点が整備完了した段階で、最適なタイミングを見極め、細かい拠点を作るフェーズに進む流れになると考えています。

そのため「5拠点開設の予定が4拠点だったため、想定通りに進捗していない」「業績として問題が出てくるのではないか」といった懸念には当たらないと考えています。拠点開設については、そのようにご理解いただければ幸いです。

質疑応答:人材紹介子会社の設立目的について

菊地:「本日リリースされた、人材に関する子会社の設立とは、当期の期末目標の210名の達成に向けたものでしょうか? もしくは、それ以上の人材確保を見込んだものでしょうか?」というご質問です。

こちらは菊地よりお答えします。本日設立を発表した子会社については、期末目標である210名の達成を目指すものではなく、より中長期的な人材の確保を見込んだものとご理解いただければと思います。当期の210名の達成に関しては、現在の採用活動の中で目標を達成していく考えです。

ここで少しお時間をいただき、子会社設立の意図や目的についてご説明します。こちらの子会社は、中長期的な人材の確保を目的としています。現在はリクルートなどの人材紹介会社からの紹介による人材採用を行っていますが、今後、人材や人手が減少する中で、競争が一層激化すると考えられます。

そのような中、VRAIN Solutionとして、自社で採用できる母集団を形成することは、中長期的に重要であると考えており、この目的に向けた子会社としての位置づけで進めていきたいと思います。

また、形成された母集団からの自社採用に加え、製造業のみなさまにおいても人材確保がますます困難になる中で、お客さまのサポートを目的とした人材の紹介も併せて行っていく考えです。

ただし、この子会社の位置づけとしては、あくまでも黒子的な存在と考えています。当社の中核事業である、AIソリューションを活用した自動化事業の成長・拡大に注力する方針です。その点もあわせてご理解いただければと思います。

質疑応答:通期業績達成に向けたリスク要因について

菊地:「現時点で、通期業績達成に向けてのリスク要因はありますか?」というご質問です。

南塲:通期業績達成に向けたリスク要因としては、案件獲得が想定を下回った場合に通期業績達成が難しくなるという点が挙げられると思います。

受注後の製造体制やアフターサポートチームについては、しっかりと基盤が整っています。したがって現時点からさらに10数億円の案件を獲得し、確実に受注、売上計上を進める必要があるため、受注ができなければ、それがリスクとなると考えています。

裏を返せば、受注が実現できるかどうか以外には、特段のリスクはない状況です。これまで当社が下期に案件を獲得してきたように、今期も現時点での案件をしっかり刈り取り、獲得から計上に至るまで確実に進めていきたいと考えています。

そのため、営業チーム、各拠点責任者、そして私も含め、密に連携を取り、毎週の週次会議で深い議論を行っています。このような対応を通して、着実に目標を達成していきたいと考えています。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。