■明豊エンタープライズの業績動向
2. 財務状況
(1)財政状態
2026年7月期末における資産合計は35,571百万円となり、前期末比6,472百万円増加した。主な要因は、現金及び預金が4,895百万円増加したほか、新規開発事業用地の取得や建築中の投資用不動産等により棚卸資産(仕掛含む販売用不動産)が1,420百万円増加したことである。一方、負債合計は23,191百万円となり、前期末比3,618百万円増加した。主な要因は、新規開発事業用地等の取得に伴い長期借入金が5,666百万円、短期借入金が470百万円それぞれ増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が2,880百万円減少したこと等によるものである。純資産は12,380百万円となり、前期末比2,853百万円増加した。親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,355百万円等によるものである。2026年7月期末の自己資本比率は34.8%(前期末比2.1ポイント上昇)と大手同業他社と同水準にあり、妥当なものと考えられる。流動比率は319.5%(同106.0ポイント上昇)となり、開発用事業用地取得のための必要資金を主に長期借入金により安定的に調達している状況で、総じて資金繰り面に懸念は少ないと見受けられる。
(2)キャッシュ・フロー
2026年7月期末の現金及び現金同等物(資金)は9,629百万円となり、前期末比4,840百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローについては1,612百万円の収入(前期は2,894百万円の収入)となった。主に税金等調整前当期純利益3,908百万円、棚卸資産の増加1,421百万円、仕入債務の減少344百万円等によるものである。投資活動によるキャッシュ・フローについては342百万円の支出(前期は286百万円の収入)となった。主に預金の預入による支出77百万円、有形・無形固定資産の取得による支出293百万円によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローについては3,570百万円の収入(前期は1,344百万円の支出)となった。主に短期借入金の増加額470百万円、長期借入れによる収入13,292百万円、長期借入金の返済による支出10,506百万円、配当金の支払額390百万円によるものである。
業容拡大のために積極的に開発事業用地を取得していることから棚卸資産の増加によるキャッシュ流出が大きい傾向が継続しているが、不足する資金を主に長期借入金により調達しており、資金繰りは安定している状況である。加えて収益性の高い物件販売の増加によって利益率も上昇傾向にある。ビジネスモデルが投資物件の一棟売りという性格から資金回収も他の分譲形態に比較して早いほうではあるが、今後も同社の営業活動状況を注視しつつ、キャッシュ・フローの動向、並びに棚卸資産や借入金の動向には留意すべきと考えられる。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)