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アイル Research Memo(8):配当性向を40%以上(50%目標)に引き上げ

■アイルの成長戦略

2. 株主還元策
利益還元については、2026年7月期より配当性向目標を引き上げて配当性向40%以上(50%目標)、純資産配当率(DOE)10%以上としている。この方針に基づいて2026年7月期の配当は前期比17.0円増配の67.0円(第2四半期末32.0円、期末35.0円)とした。配当性向は40.1%でDOEは13.3%となる。さらに2027年7月期の配当予想は同3.0円増配の70.0円(第2四半期末35.0円、期末35.0円)とした。9期連続増配で予想配当性向は49.4%となる。収益拡大に伴って株主還元のさらなる充実が期待される。

人的資本投資を重視
3. サステナビリティ経営
同社は、ミッションに「Always free, Love&dream with you. That is our responsibility. いつだってFREEを、LOVEを、DREAMを一緒に感じられるために。」を掲げ、事業による営利活動だけでなく、事業を通じて自由・愛・夢を感じることを社会的責任と考えている。またバリューには「“BX”を通じ、社会に夢を与える」「環境と両立した経営と、過剰在庫ゼロの世界を創る」「社員一人ひとりが力を発揮できる風土・制度を発展させる」「透明・健全な経営を維持し、企業成長とともに企業価値を向上させる」を掲げている。

「“BX”を通じ、社会に夢を与える」としては、「BX」を通じて「単純作業」からの解放を支援することで新たな価値創造のきっかけを創り、より良い社会を創るほか、テレワークなど多様な働き方の実現を助け、あらゆる人が活躍できる社会の構築への貢献を目指す。また顧客やパートナーとの信頼を一義とし、単なる「取引先」の関係ではなく、二人三脚で成長できる共存共栄の関係を築く。「環境と両立した経営と、過剰在庫ゼロの世界を創る」としては、2022年7月の取締役会で決議した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同に基づいて環境関連情報の開示を強化し、2030年度にGHG(温室効果ガス)排出量半減(2024年7月期に達成)、2050年度に実質ゼロを目指す。また「BX」を通じて在庫管理・予測の精度を上げ、顧客とともにアパレルロス・フードロスといった社会問題の解決を目指す。

「社員一人ひとりが力を発揮できる風土・制度を発展させる」としては、社員の自律性を養い、夢をもって自由に取り組める風土づくりに取り組むほか、人種・性別・年齢・地位に関係なく「頑張った人」が報われる公平な評価制度を確立する。また働く時間や場所を拘束せず、子育て世代や介護、地方在住の社員も力を発揮できる環境を整備する。「透明・健全な経営を維持し、企業成長とともに企業価値を向上させる」としては、2026年10月23日開催の第36回定時株主総会後は独立社外取締役6名体制(全13名中)となり、多様な意見を反映させた健全な経営を維持する。またステークホルダー(株主、顧客、取引先、社員)との積極的な対話を通じ、経営に反映させる。なおコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図る観点から、2026年10月23日付で経営の意思決定・監督機能と業務執行機能をより明確に分離するための執行役員制度の改定を実施するとともに、取締役会の任意の諮問機関として報酬委員会を設置し、役員退職慰労金制度を廃止した。

同社は特に人的資本投資を重視しており、風土づくりとしてガラス張りの経営、失敗を咎めず挑戦を称賛する文化、個人にあわせた多様な働き方、社長自ら行う新人研修などを推進し、制度としては社長・役員会食や年間賞の設定、生理休暇の有給化など女性が安心して働ける制度、公平な評価制度、社長や役員へ直接メッセージを発信できるメッセージメールなどを実施している。社員数(連結ベース)は2025年7月期末時点で初めて1,000名を超え、2026年7月期末時点では1,076名となった。社員の平均年収(休職者を除く単体ベース)は2022年7月期の5,909千円から2026年7月期には6,662千円に増加した。2026年7月期の離職率(連結ベース)は2.8%で、業界平均(厚生労働省「雇用動向調査結果」の情報通信業10.0%)に比べて非常に低い水準となっている。エンゲージメントサーベイ結果(2026年7月実施)は79(同業界平均64)となり、2028年の目標としている81に接近した。

今後も人的資本投資を強化する方針で、2025年8月に団体長期障害所得補償保険「GLTD制度」を国内最高水準の補償割合で導入、同年9月に新たなインセンティブプランとして株式付与ESOP信託を導入、2026年1月に全社員を対象に賞与と別枠の「お年玉」を一律5万円支給(ポチ袋を手渡し)、同年4月に全社員を対象に年次有給休暇と別枠の社員の生活事情を考慮した「ライフサポート休暇」を制定、同年5月に100円社食サービス「ESキッチン」を大阪・東京本社に導入した。

このほかのサステナビリティ関連の直近の取り組み事例として、2025年2月に人権に関する基本方針を策定、同年6月に(独)日本学生支援機構が発行する第79回ソーシャルボンドに投資(第73回に続き2回目)、同年10月に社会貢献や環境保全に取り組む企業を支援する「Mizuho インパクト預金」への預け入れを開始した。2026年2月にはユニ・チャーム(株)の「ソフィ知ることから、はじめる。みんなの妊活研修」を全社開催し、同年4月に不妊治療通院による休暇を有給化した。また同年3月に就活ハラスメント防止方針を策定、同年4月に老若男女が楽しめるラケットスポーツ「パデル」の企業リーグ「Japan Padel Corporate League」のスポンサーに就任、同年6月に難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の啓発活動を行う(一社)WITH ALS主催の「MOVE FES.2026」に協賛(2019年、2021年、2023年、2024年に続いて5回目)した。

成長投資加速で利益成長が一時的に中断するが、新たな成長ステージに注目
4. 弊社の視点
同社は独自のCROSS-OVER戦略と長期視点の収穫逓増型事業モデルをベースとする各種施策によって、売上高及び各利益の継続的な拡大だけでなく利益率の大幅上昇を実現してきた。この点を弊社では高く評価している。2027年7月期~2028年7月期は事業基盤・経営基盤を強化する成長投資加速に伴って利益成長が一時的に中断するが、成長投資の成果によって2029年7月期には最高益更新が見込まれるだけでなく、その後は中長期目標に掲げている「ストック売上総利益の販管費カバー率100%によって営業利益率30%の達成」も視野に入り、新たな成長ステージに向かう可能性が高く、弊社では注目している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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