日銀買い期待は根強いのですがさすがに限界があるという雰囲気になり、下落＝急落への恐怖感も出てきている感じです。為替次第では当面上がれば売られる展開もありそうです。（『清水洋介の日々是相場 －夕刊－』清水洋介）
日銀買い期待は根強いが限界も意識、急落への恐怖感も
本日の終値
日経平均：16,596.51円（-273.05円）
≪東証一部≫
売買高：16億1,458万株
売買代金：1兆9787億3200万円
値上り銘柄数：217 銘柄
値下り銘柄数：1,672 銘柄
騰落レシオ（25日）：107.82%（+0.17%）
為替：1ドル＝100.48 円
市況概況
円高を嫌気して閑散のなか大幅安。欧米株は堅調となったのですが、為替が円高に振れたことから売り先行となりました。
ただ、外国人売買動向（市場筋推計、外資系5社ベース）が買い越しと伝えられたことや、相変わらず日銀買い期待が根強いことから値持ちの良い始まりとなり、一時堅調となる場面もありました。しかし、日銀の買いが入らないとなると、今度は一気に手仕舞い売りも出て大きな下げとなりました。
昼の時間帯も日銀買いが期待できないと疑心暗鬼になり、先物の手仕舞い売りも嵩みました。後場に入ってからは売り急ぐ動きがないことや日銀買い期待でじりじりと下げ幅を縮小しましたが戻り切らず、日銀買いも期待できないとなると目先筋の見切り売りも嵩んで再度下値を試す動きになりました。最後は手仕舞い売りや見切り売りが嵩んで大幅安、安値引けとなりました。
日経平均株価 5分足（SBI証券提供）
米ドル/円 5分足（SBI証券提供）
小型銘柄も手仕舞い売りに押されるものが多かったのですが、個別に値動きの良さが好感されて買われるものもみられ、全体としては値持ちは良かったです。東証マザーズ指数は小幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調でしたが下値も限定的となりました。
先物は閑散とするなかで目先筋の見切り売りも嵩んで指数を下押す場面も見られるなど総じて売り場探しという感じでした。
日銀買い期待は根強いのですがさすがに限界があるという雰囲気になり、下落＝急落への恐怖感も出てきている感じです。ここからはしっかりと日銀の買いが入る時に売ろうという動きも出てきそうで、冴えない展開が続きそうです。米国利上げが取りざたされて円安にならなければ、当面上がれば売られるという感じになりそうです。
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テクニカル分析
日経平均
17,000円を付けなかったことでの手仕舞い売りに押されています。ここからは25日移動平均線や75日移動平均線のサポートを確認することになるのでしょう。
昭和電工＜4004＞
25日移動平均線にサポートされて雲を一気に抜けてきたのですが、結局75日移動平均線や雲を抜けきれなかったという形です。ここからは75日移動平均線や雲のサポートを確認しながら堅調な地合いが続くのでしょう。
銘柄ピックアップ
昭和電工＜4004＞ 1,048円（+20円）
リチウムイオン電池向け正負極用導電補助剤の生産能力を増強すると発表したことが好感されて買われ、一時大幅高となりました。
昭和電工＜4004＞ 日足（SBI証券提供）
デイトレ日誌
今日も日銀の買いが期待されて堅調な地合いが続くと思っていたので、特に何もすることがないだろうと考えていたのですが、予想以上に円高に振れ、日経平均も下落したので、いったん先物の利益を確定する方向で動きました。
ヘッジでの買いを残していったん利益を確保する動きとなったのですが、今度は逆に思ったよりも下がらず、最後は買い直しも考えました。それでも日銀の買いが入らないとなると一気に売られるという可能性もあり、動き難い感じでした。
結局、安値圏での引けを期待してみたのですが、戻りかけると何とも落ち着かなくなってきます。何がどうなって買われるということでもなく、本当に些細なことで方向が決まることも多いので目先のニュースに惑わされないようにしたいと思います。
ちょっとしたニュースに反応しそうな感じです。空売りを仕掛けてはレポートを出すとかニュースを流すということも多く、株式市場が本当に「鉄火場」となってしまっている感じです。目先の値動きというよりは、大きな流れを見ての投資が良いと思います。
『清水洋介の日々是相場 －夕刊－』（2016年8月16日号）より
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