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消えた日本人科学者。唯一の被爆国・日本の原爆開発はなぜ頓挫したか

日本の原爆開発の着想は1934年に遡ります。国内ではウランが手に入らないことから、北朝鮮にその供給源を求めました。このとき、南北朝鮮はまだ分断されていませんでした。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年3月17日第149号パート1、3月24日第149号パート2の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読やバックナンバー購入をどうぞ。

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北朝鮮の核開発と日本の関係。失われた「幻の核抑止力」とは

潜在的核保有国としての日本

2014年2月3日、IWJの岩上氏が京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏(2015年3月 同実験所を定年退職)にインタビューしたとき、小出氏が、あることを語り始めました。その一部が、以下です。

「原爆を作るための技術というのは、核分裂性のウランを濃縮するというウラン濃縮という技術。それからプルトニウムを生み出すための原子炉。それから、生み出されたプルトニウムを取り出すための再処理という三つの技術」

「現在の国連常任理事国である米国、ロシア、イギリス、フランス、中国の五カ国は、その三つの技術を持っている」

「核兵器保有国5カ国のほかに、世界で1カ国だけ、この三技術を持っている国がある。それが、日本なんですね」

「核兵器保有国5ヵ国のほかに、世界で1ヵ国だけ、『ウラン濃縮技術』、『プルニウムを生成する原子炉の技術』、『プルトニウムを取り出すための再処理技術』の3つの技術を持っている国がある。それが日本」

小出氏は、このように語りました。これは核兵器を製造する技術のことでもあります。

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1934年にスタートした日本の原爆開発計画

元米陸軍情報将校のデイビッド・J・ディオニシが書いた『原爆と秘密結社』には、このように書かれています。

第二次世界大戦中の日本の原爆開発についての情報は、日本ではほとんど公開されていない。

……「死の血盟団」は、連合国の占領管理当局を使って、日本の原爆開発計画の証拠を湮滅(いんめつ)した。

……日本における真実の隠蔽工作は、1945年~1952年の連合国占領管理下で、フリーメーソンの主要メンバーであったグラス・マッカーサー元帥によって遂行された。

……日本の原爆開発計画の公式な開始時期は、1941年12月17日とされる。だが、原発の着想はそれよりさらに7年早い1934年に遡る。

……北朝鮮の興南地域に日本の原爆開発施設があったことが、なぜ日本がその地域の長津に発電所用ダムを建設したのか、また朝鮮戦争で1950年11月27日から12月13日にかけての「凍結した長津湖での戦い」で、なぜアメリカ軍が不名誉な敗北を喫したのかについて手がかりを与えてくれる。

……もし、1945年の時点で日本の原爆開発計画が広く知られていたら朝鮮はおそらく統一国家として残されていたであろう。

というのも、日本の原爆開発計画にかかわる施設の多くは、今日の北朝鮮にあたる38度線以北にあったからだ。

日本の原爆開発の主要施設をソビエト連邦へ運び出す作業は、当時、朝鮮半島を38度線で分断し、さらに1953年に38度線周辺を軍事境界線とすることによって遂行されたのである。

残念ながら、著作権の関係上、これ以上、引用することは差し控えなければなりません。北朝鮮の核開発と日本の関係の一端を読み取ってください。

北朝鮮・興南地域

日本の原爆開発の着想は1934年に遡ることになりますが、肝心の原料であるウランが国内では十分手に入らないことから、ウランが埋蔵されている北朝鮮にその供給源を求めることとなりました。

また、第二次世界大戦が始まると、アメリカが長距離戦略爆撃機B29を開発したことから、国内で原爆を開発することはリスクが大きいと判断、日本軍は朝鮮半島の38度線以北の北朝鮮の地で開発を行うことを選んだのです。

その場所は北朝鮮の「興南地域」。このときは南北朝鮮は、まだ分断されていませんでした。

原爆の開発には、大量のウランと膨大な電力を必要とします。そのため、日本は興南地域の長津という場所に発電所用ダムを建設しました。

この辺りの事情については、第二次世界大戦の秘話を得意とする作家、ロバート・ウィルコックス(Robert K. Wilcox)の著書『Japan’s Secret War』に詳述されています。

このウィルコックスは、第二次世界大戦終結後、第24戦争犯罪調査分隊とともに朝鮮半島で活動したデービッド・スネル(David Snell)と会って、驚愕の事実を聞き出すことに成功しました。

Next: 終戦3日前に核実験成功?ソ連に連行された日本人科学者



ソ連に連行された日本人科学者

デービッド・スネルは、調査の過程で、日本軍の北朝鮮・興南原爆開発施設の警備を担当した人間を含む、原爆開発計画に携わった多くの日本人を面接調査した結果、日本の何人かの原爆科学者がソ連に連行されたとの証言を得たのです。

その時、彼が書いた新聞記事がこれです。

1946年10月2日のアトランタ・コンスティテューション(Atlanta Constitution)の記事。見出しは、「日本は原爆を開発していた。ロシアは(日本の)科学者を捕虜にして連れ去った」。

終戦3日前に核実験成功?

この時の模様については、『1946 Atlanta Constitution Atom Bomb Articles』に詳しく書かれています。

「日本の原爆開発計画は、アメリカのマンハッタン計画と同時期にスタートしたが、第二次世界大戦が佳境にさしかかると計画が思うように進まなくなり、約1年程度の遅れとなった」と報告されています。

この記事の大要は、こちらに翻訳されています。

日本は、終戦の3日前に原爆の核実験を成功させていた……

そして、終戦を知った興南原爆開発施設の日本の科学者たちは、すぐに原爆開発の証拠を隠滅するために施設を爆破しようとしたが、ロシア軍が踏み込んできて施設は残されたままになった……

その後、原爆開発の中心的役割を果たした日本の科学者数名がロシア軍に連行され、消息を絶った……

この記事が掲載されたのがアトランタ・コンスティテューションという小さな新聞であろうと、軍の戦争調査部の人間が書いた記事だけに、アメリカ政府の反応は素早いものでした。

Next: 南北朝鮮が38度線で分断された真の理由、アメリカの狙い



南北朝鮮が38度線で分断された真の理由

翌日のAP通信は、「ジャップが原爆を開発したというレポートは信じるに足らない」という記事を出して、デービッド・スネルの報告のすべてを否定しています。ワシントンとして、絶対に漏れてはならない極秘情報だったのです。

日本軍が北朝鮮で原爆を開発していたことは、元米軍の情報将校、デイビッド・J・ディオニシ氏が簡潔にまとめており、それを日本側の協力者が日本語に翻訳したpdfファイルがアップされています。(第二次世界大戦秘史「日本の原爆計画」

日本の敗戦後、情報漏えいを防ぐため、興南地区はただちに北朝鮮とソ連の厳しい監視下におかれたため、この地区を偵察に来ていたB29をソ連軍が撃墜するという事件が起きました。

戦後すぐに南北朝鮮が分断され、1948年には、正式に北緯38度線付近に軍事境界線が引かれたのは、実は、日本軍の原爆開発の痕跡を知られないようにするための隠蔽工作だったのです。

興南地区の日本の原爆開発施設は北緯38度線以北に位置しています。この分割によって、1950年、朝鮮戦争が勃発し、ソ連は悠々と日本の核開発施設を接収することができたのです。

アメリカの狙い

なぜ、アメリカは、北緯38度線で朝鮮半島を南北に分断し、あたかも日本の原爆技術と核施設をソ連に引き渡すかのような“お膳立て”をしたのでしょう。

世界は、それぞれの国家によって動かされているのではなく、国境、文化、民族、経済のすべてにわたって横断的に跨っている国際的な金融勢力と国際的な秘密結社カルテルによって動かされているのです。

だから、アメリカは自国を滅亡させることをやり続けているのです。「彼ら」にとって、アメリカは仮の住まいに過ぎないのです。

戦前の旧日本軍は、国際的秘密結社の研究にかなりの力を入れていました。

しかし、今では、秘密結社のカルテルによる証拠の隠滅とプロパガンダ、ディスインフォメーション、そして誤った学問と教育によって、忘却の彼方に押しやられ、それどころか口に出すことさえタブーとされています。

もちろん、日本の国会議員の何人かは、ちゃんと知っています。

しかし、国会でそれを口に出したとたん、変人のレッテルを貼られて議会から永遠に排除されてしまうのです。

Next: 第三次世界大戦の発火点「中東」と「東アジア」に仕掛けられた罠



第三次世界大戦の発火点「中東」と「東アジア」に仕掛けられた罠

国際的な金融勢力と国際的な秘密結社カルテルは、世界完全支配の最終章に取り掛かっています。

その形は、米ソ東西冷戦時代の高層大気圏での核実験によって、すでに鮮明に描き出されています。

第二次世界大戦の戦勝国だけが核保有の権利を有し、国連の安全保障理事会の常任理事国に居座りながら、実は平和・安全とはほど遠い核戦争を引き起こそうとしていることから、世界中の人々は、こうした連中が平和を望んでいないということに気が付かなければならないのです。

どうやら信じたくないことなのですが、第三次世界大戦が迫っています。

「彼ら」は、世界政府の樹立には世界大戦を引き起こして地球上のすべての秩序を完全に破壊しなければならないと考えています。それがハルマゲドンです。

発火点は、「中東」と「東アジア」、このふたつのポイントです。

「中東」には、イスラエルというシオニストの領土を組み込みました。イスラエルの憲法では国境が定められていません。それは国家ではなく拡張主義の領土に過ぎないのです。

支配層は、イスラエルとイランが戦争するように仕向けようとしています。

一方、「東アジア」に仕込まれた火種は、北朝鮮の核の問題日韓問題です。そして、最終的には中国を誘い込んで大戦に引き起こそうとしています。

ウィリアムズ・ハワード・タフトとディーン・ラスクによって、竹島問題という後々、日韓の怨念渦巻く確執の元になった領土問題が埋め込まれたことは、「ラスク書簡」に記されていることです。

北朝鮮の金王朝は、東アジアで対戦が勃発するその日のために存続を許されているに過ぎないのです。

中国の反日教育は江沢民の時代から始まりました。江沢民は、13億とも14億とも言われる中国国民の中国共産党への不満をかわすために「反日」を利用したのです。

江沢民は、俗称「ミサイル財団」と言われているヘリテージ財団とつながりを持っています。石原員太郎は、悲しいかな、ヘリテージ財団に乗せられて尖閣問題を複雑化したもっとも愚かな政治家の一人として後世に名を残すでしょう。

このことは「北朝鮮の核爆弾と秘密結社、そして沖縄の核ミサイル基地」で、すでに詳しく書いています。

さて、国際金融勢力と国際秘密結社カルテルは、世界統治の最終段階として第三次世界大戦を引き起こす計画を着々と進めています。

それは「中東」と「東アジア」で予定されているようですが、これらは実は密接なつながりを持っています。それを、これから説明しましょう。

Next: なぜ報道されないのか?日本が取り上げられた「幻の核抑止力」



日本が取り上げられた「幻の核抑止力」

日本が研究用プルトニウム331トンをアメリカに返還――これほど重大な意味がある出来事にも関わらず、テレビのニュースできちんと報じたのは報道ステーションぐらいでしょうか。新聞に至っては要点のみ。

東西冷戦時代の真っただ中、1970年に「核燃料サイクルの実験用」という名目でアメリカ、イギリス、フランスが日本に貸し与えた研究用プルトニウム331トンが、やっとアメリカに返還されることになりました。

なぜ第二次世界大戦の戦勝国で、国連安保理・常任理事国のうちの「列強国」が、すぐにでも核兵器開発に転用可能な高純度・高濃縮のプルトニウムを日本に貸し与えたのかというと、表向きの理由としては、「核燃料サイクルの研究開発に必要だったから」ということになっています。

しかし、2009年、チェコのプラハで、オバマが「核なき世界」を目指すと宣言して以来、粛々と核軍縮と核不拡散を進めてきたアメリカとしては、日本に返還を要求するのは当然の成り行きです。

アメリカ側は、2010年にワシントンで第1回核セキュリティー・サミットが開催されたのを機に、東海村にある日本原子力研究開発機構のプルトニウム331キロについても、日本側に返還を求めてきました。

このときすでに、日本は約44トンのプルトニウムを保有していましたが(現在は48トン)、純度が低く高速増殖炉の研究開発には使用できない、ことを理由に返還に応じませんでした。

アメリカ側は、331トンのプルトニウムの返還をさらに迫って、その代わり研究用のデータの提供を日本側に約束しましたが、それでも、日本側は返還に応じることはなかったのです。

この段階で、アメリカが日本に対して警戒感をいっそう強めたことは明らかです。日本には核武装を悲願とする勢力が隠然たる力を持っていて、いずれはヒロシマ・ナガサキの報復に出るであろう面従腹背の連中がいると疑っているのです。

核燃料サイクルは、アメリカ、イギリス、ロシアが挑戦しましたが、トラブル続きですで撤退しています。フランスが最後まで粘ったものの、これも失敗。

なぜ日本だけが、40年以上もの間、5兆円以上もの税金を投入しても1kWさえ発電できないのに、年間数百億円もかけて維持し続けているのかというと、すぐにでも核弾頭ミサイルの開発が可能であることを隣国に知らしめることによって核抑止力になると考えているからです。

しかし、3.11の大地震の後に起こった福島第一原発の事故によって、核燃料サイクルの実現は夢のまた夢となってしまったのです。

もんじゅや六ヶ所村再処理施設の稼働が絶望的となった今、「核燃料サイクルの研究用に必要である」という方便は通用しなくなってしまったのです。

アメリカが、331トンの核兵器転用可能の高純度プルトニウムを引き上げることによって、日本の「幻の核抑止力」は失われることになり、隣国や北の核の脅威に対しては丸腰状態になってしまうのです――<後略>


※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年3月17日第149号パート1、3月24日第149号パート2の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読やバックナンバー購入をどうぞ。

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年3月17日第149号パート1、2016年3月24日第149号パート2)より一部抜粋、再構成

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