日経平均株価は高値を試す動きになっていますが、週末の上ヒゲ陰線で上値の重さが確認された格好です。週末の高値を抜けてこないと、いったん調整となってくるのでしょう。(清水洋介の株式相場展望 -週報-)
今週の株価展望~各市場テクニカル分析と予想レンジ(11/13)
相場見通し
米国市場
先週の米国市場は大統領選挙の意外な結果を受けて見直し買いが入り、大幅高となりました。それでも物色対象に偏りは見られ、従来型企業などが買われる一方で、インターネット関連銘柄などは逆に売られるという感じでまちまちとなりました。指数は大きく上昇した割には今一つ盛り上がりには欠けていたという感じです。
今週はいったんは調整感も出てきそうです。目先的な過熱感もあり、調整は否めないという感じです。大統領が決まったということで盛り上がっている感じですが、一方では「本当は?」とか「本当に?」という「?」がつくことも多く、それこそ、「どうなってしまうのか」と不安視する向きも出てくると思います。いったん上がり始めると上がるだけ上がるのですが、逆に下がり始めたときが怖い気もします!
今週は火曜日には輸出入物価指数や小売売上高、ニューヨーク連銀景気指数や企業在庫・売上高が発表され、水曜日には生産者物価指数(PPI)や鉱工業生産指数、NAHB住宅市場指数などが発表されます。木曜日には早朝に国際資本統計(TIC)夜には住宅着工件数や消費者物価指数(CPI)、フィラデルフィア連銀景気指数や新規失業保険申請件数が発表になり、金曜日は夜半に景気先行指数が発表されます。
日本市場
先週の日本市場は米大統領選挙の動向に振り回されたという感じです。大統領選挙を控えての思惑で月曜日から買われ、投票当日は失望感から大暴落、そして次の日からは大暴騰が続くという感じで、大きく振りまわされました。オプションSQ(特別清算指数)算出を控えていたことも大きな動きになる要因となっていたものと思います。
今週の日本市場は米大統領選挙の混乱から落ち着いて足元の決算動向や為替などをにらみながらの動きになるのでしょう。基調は円安=株高ということなのでしょうが、いったんは押し目を試すような調整があっても良いと思います。米国でもまだ混乱が続くようであれば、売り急ぐ場面も出てくるのかもしれませんが下落が続くということでもなく、落ち着いた動きになって来そうです。
今週は月曜日は毎月勤労統計、火曜日には外貨準備高や景気動向指数の発表があり、水曜日には経常収支や企業倒産件数、景気ウォッチャー調査が発表されます。木曜日には機械受注や機械受注の四半期見通し、マネーストック、工作機械受注やオフィスビル市況などが発表され、週末11日はオプションSQ(特別清算指数)算出や企業物価指数、第3次産業活動指数が発表されます。
Next: 米国市場テクニカル分析~値持ちよく、高値圏での保ち合いか
米国市場テクニカル分析
NYダウ
今週の予想レンジ:18,300ドル~18,800ドル
下値を試す動きから一転、一気に最高値更新となりました。目先的な過熱感は強いので、さすがに今週は上げ一服となるのでしょうが、値持ちはよく、高値圏での保ち合いとなって来そうです。
CRB指数
今週の予想レンジ:180pt~186pt
下値を試す動きになっていますが、RSIやストキャスティックスは底値圏にあり、ここから少なくとも雲や基準線の水準までは戻しそうです。
Next: 日本市場テクニカル分析~週末高値を抜けなければいったん調整へ
日本市場テクニカル分析
日経平均
今週の予想レンジ:17,000円~17,500円
高値を試す動きになっていますが、週末の上ヒゲ陰線で上値の重さが確認された格好です。週末の高値を抜けてこないといったん調整となってくるのでしょう。
日経ジャスダック平均
今週の予想レンジ:2,550円~2,600円
遅行線が日々線にサポートされて戻りを試す動きになっています。雲のサポートを確認した格好で底堅さは見られるのでしょうが、RSIやストキャスティックスは中途半端な位置にあり、保ち合いが続きそうです。
Next: ドル円市場テクニカル分析~堅調も、RSIやストキャスティクスは高値圏
ドル円
今週の予想レンジ:104.5円~107.0円
乱高下となる場面も多かったのですが、堅調な展開となりました。基準線や雲にサポートされた格好でもあり引き続き強含みに推移していきそうです。ただ、RSIやストキャスティックスは高値圏にあり、いったんは上値の重さを確認しながらの保ち合いとなりそうです。
『清水洋介の株式相場展望 -週報-』(2016年11月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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