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無能に右も左もない。「元アイドル国会議員」に裏切られた日本の病=近藤駿介

今井氏、蓮舫氏、稲田氏。次々に晒される醜態を見るにつけ、この国の政治活動はアイドルのコンサートと同じノリで行われていると感じざるを得ない。(『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。

知名度と人気だけでは、国会議員に必要な知識や資質は得られない

元SPEED今井絵理子議員による中学生レベルの言い訳

「一線は超えていない」

何を中学生のようなことを言っているのだろうか。

彼らの定義では「一線」は超えていないのかもしれないが、世間の常識は超えている。議員としてその時点でOUT!

13歳からアイドルグループで活躍してきた彼女の感覚は、中学生レベルで止まってしまっているのだろうか。

民主主義においては、政治家は言動で有権者を説得し納得してもらわなければならない。そのような立場にいる以上、言動に対して信頼を失った時点で失格

総理や防衛大臣から一年生議員まで「誤解」を生む発言が続くのは、こうした点に対する自覚が乏しすぎるからだ。

「ただ、これだけは言わせてください。雑誌のタイトルであるような『略奪不倫』ではありません。断じてないということを言わせていただきます」

「略奪」という言葉に反応するのは、相手の奥様を傷つける意思がなかった純愛であり、この先、不倫相手と結婚するかは未定だということを言いたいのだと思うが、それはどうでもいい問題

「不倫」の結果、相手の家庭が崩壊したら、その後に結婚するか否かに関係なく相手の家庭から夫・父親を「略奪」したことに変わりはないのだから。

抜群の知名度を活かして人を集めることを期待された彼女にとっては、選挙運動や政治活動もコンサートと同じノリで行われていたと感じざるを得ない。

国政には何の影響も及ぼさない実に価値のないニュースではあるが、国会議員候補の選び方や有名人なら安易に当選できてしまう現状の選挙制度に一石を投じたニュースだとは言える。

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女性議員たちはなぜ次々と醜態を晒したのか?

田中元総理が逮捕されてから41年目の7月27日は、女性政治家が最も目立った日として語り継がれることになるかもしれない。

「人気」と「知名度」を期待されて代表に就いた元クラリオンガール、元キャスターの蓮舫氏は1年足らずで辞任に追い込まれ、昨年の選挙で参議院議員となった元アイドル歌手でシングルマザー議員の今井絵理子氏は、当選から1年余りで、自分に代わる新たなシングルマザーを生みかねない不倫騒動を起こし支持者の期待を裏切った。

選挙に勝つために「人気」と「知名度」は必要条件だが、芸能界のそれは政治家の資質とは無関係

世襲議員タレント議員が国会の一大勢力となる中、国費で採用される政策秘書には国家資格が必要で、国費で政治にあたる国会議員には資格が必要ないという、「担ぐ神輿は軽くてもパーでもいい」ことを認めるような制度の歪みを見直す時期にきているのかもしれない。「地盤、看板、鞄」だけでは、国会議員に必要な知識や資質は得られない。

同じ日、稲田防衛大臣が辞任する意向を固めたことも報じられた。こちらも1年足らずで寵愛する安倍総理の期待を裏切った。

「女性活躍社会」は結構だが、「女性を利用する社会」にも「女性を甘やかす社会」にもしてはいけない。目指しているのは性別に関係なく「資質のある人が活躍する社会」であることを忘れてはならない。


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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2017年7月28日)より
※記事タイトル、本文見出し、太字はMONEY VOICE編集部による

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