マネーボイス メニュー

いらない、売れない!「保有しているだけで損をする」別荘地の行方=梶原真由美

「親が保有している別荘用地が放置されており、固定資産税や管理費を毎年支払っているので何とかしたい」との相談を受けました。これ、よくある話です。(『億の近道』梶原真由美)

プロフィール:梶原真由美(かじはら まゆみ)
ファイナンシャルプランナー。日本ではまだ珍しい顧問契約制のFP会社である株式会社マネーライフプランニング所属。1976年千葉県生まれ。40歳で出産、12歳年下の夫と長女の3人家族。

バブル期の別荘ブームが生んだ負の遺産、上手く処分する方法は?

実は多い「不要になった別荘用地」についての相談

普段、富裕層のお客さまからのご相談に乗ることが多いのですが、先日はこんなご相談がありました。

親が保有している別荘用地が長い間放置されており、固定資産税や管理費を毎年支払っている。なんとも無駄なのでどうしたらいいか?」

このお話、決して珍しい話ではなく、よくある話なんです。

1970年代のバブル景気で別荘ブームが起こり、当時は飛ぶように売れたそうです。軽井沢・蓼科・那須・清里周辺が有名です。別荘は一部の人が持つ、ステータスシンボルのようなものだと考えられていたようですね。

しかしブームは去り、残念ながら現状では、手放したい時に値段がつかないどころか、市町村への寄付すら断られてしまうこともあります。

こういったご相談が多いのは、当時購入した世代が高齢化し、要らない・売れない問題が表面化してきていることが要因だと考えます。所有者本人からよりも、今回のように子どもたちからの相談が多いのも特徴です。

解決への2ステップ

解決へのステップとして、今回は以下を行いました。

1.まずは売却可能かどうかを不動産業者に相談

別荘地の売却は、地元の買取専門業者に聞くと売買状況がよくわかります。

2.売却が難しいと言われた場合は?

a)親族等で利用したい人がいないか確認し、希望者がいれば譲る
有効活用という点では、欲しい方に譲るのが良いでしょう。

b)市区町村への寄付や、近隣への寄付を申し出る
市区町村からも断られるケースが多いようです。その場合、近隣の所有者に譲渡交渉するのは1つの手段だと思います。その土地を有効に使いたい方がいるかもしれません。

c)管理会社に相談する
管理会社側も状況は把握しており、管理費等の滞納で頭を痛めているところも多いようです。また、買取してくれる地元の不動産会社を紹介してくれたりもします。

Next: 「不(負)動産」にしないための相続対策を



不(負)動産にしないために

実は…今回の相談を受けた土地は上記全部がNGでした。

理由は、

ことでした。

このままでは負債を相続し続けることになってしまいますので、どうしたものかと、いま頭を痛めているところです。

皆さんにも、思い当たる不(負)動産はありませんか?

別荘地でなくても、地方の木造空家など、これらを引き継ぐ方は大変です。価値が下がってしまい手放すのが惜しい気持ちはわかりますが、将来に備えて、早めに活用・処分を考えておくのがスマートではないでしょうか。

子どもの立場としては、高齢の親が保有している資産を早めに把握しておくことが大切です。相続が発生し、自分が受け取るまでにシンプルにしておきたいものですね。

【関連】家を買うならあと5年待て?「2022年」に得をする人、損をする人=午堂登紀雄

【関連】住宅ローンの「後から固定金利に借り換えよう」が危ない2つの理由=梶原真由美

【関連】FPは見た!資産運用で「やられちゃってる人々」がハマる3つの罠=梶原真由美

億の近道』(2017年8月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

億の近道

[無料 週3~4回]
個人投資家の方にも機関投資家並み、若しくはそれ以上の情報提供をするのが目的です。株式で「億」の資産形成を目指しましょう!我々マーケットのプロが導きます。各種コラムが大好評!内容に自信アリ。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。