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Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

ザッカーバーグの「乞食ランチ」あるいはユニバーサル・ベーシックインカムの罠

国家による終身生活保護とも言うべき「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)」は、本当に貧富の格差を解消し、人々を貧しさや失業の不安から救う制度なのでしょうか?フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも賛同するこの制度に対して、私たちは大いに疑問を抱く必要があります。なぜ、ここにきて世界中でベーシックインカムの議論が沸騰しているのか?なぜ「ユニバーサル」でなければならないのか?と。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年9月24日第224号パート2・9月26日第224号パート4の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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ベーシックインカムとブロックチェーン、それは新たな奴隷の鎖だ

ザッカーバーグが賞賛したアラスカ州の配当金分配制度

ベーシックインカムの導入に向けて研究している人々は、口を揃えて、「世界で最初のベーシックインカムの成功例はアラスカ州だ」と言います。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも、その一人です。

マーク・ザッカーバーグ氏 (Kobby Dagan / Shutterstock.com)

ザッカーバーグは、「なぜ、あなたはユニバーサル・ベーシックインカムの推進側についたのか」と質問されると、「妻と二人でアラスカ州を訪れたとき、アラスカ州の社会セーフティーネットにインスパイアされたから」と答えることにしているとか。
(※ハフィントンポストの記事

でもいったいいつから、アラスカ州の単なる「配当金分配制度」が、ベーシックインカムの成功事例に化けてしまったのでしょう?

世界中に広がるかもしれない、アラスカの「特殊な事情」

アラスカ州は寒冷地のため、産業の育成が困難です。

当然、これ以上の雇用が生まれるはずがないので、アラスカ州民は、その豊かな天然資源に囲まれて生活する贅沢と引き換えに、今後も経済発展の可能性がない未来を抱きかかえながらの生活を甘んじて受け入れているのです。

所得税も消費税もないアラスカ州の歳入の9割以上が、石油と天然ガス関連事業からの税収です。

アラスカ州の産油量は全米の7%に過ぎないとはいうものの、軍産複合体と一体となった石油メジャーにとっては、安定的な労働力を調達する場であり、虎の子のエネルギーの戦略的な貯蔵庫でもあるのです。<中略>

アラスカに「縛り付けられた」住人たち

将来的に決して明るいとは言えないアラスカの未来に悲観して、アラスカ住民が他州に移動しないように考え出されたのが、配当金分配制度です。

アラスカ州では、1歳以上のすべての州居住者に対して、年間一人当たり1000ドル程度(約11万円)が支給されています。財源は、州が運営している公益ファンドを投資のプロ任せて得た運用益で、資源が豊かな州ならではの社会保障です。

アラスカ州の、この単なる配当金分配制度を、「ベーシックインカム」の原型であるとことさら取り上げている人々には、別の目的があるということを、しっかり認識しておく必要があるでしょう。

当然、マーク・ザッカーバーグも、その一人です。

Next: ベーシックインカムに対して「私たちが抱くべき疑問」とは?



ベーシックインカムに対して「私たちが抱くべき疑問」

ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)の導入を進めようとしているヨーロッパ諸国や米国、そして日本は、「ベーシックインカムとは、最低限の生活を送るために必要な現金が政府から毎月支給される制度である」と国民に理解させようとしています。

ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)には、生活保護を申請する時のような厳しい受給要件がなく、すべての人々が生まれたときから死ぬまで、その恩恵に預かる権利を有しているという点で、「終身生活保護制度」と呼ぶべき制度です。

私たちは、ここで大いに疑問を抱く必要があるのです。

いったい何のための制度なのか?なぜ、ここにきて、それも世界中で、ベーシックインカムの議論が沸騰しているのか?なぜ「ユニバーサル」なのか?

メルマガのパート1では、ケーススタディーとして、世界で最初のUBI仮想通貨・グラントコイン(Grantcoin)が、すでに流通していることについて紹介しました。

グラントコインは、ユニバーサル・ベーシックインカムを推進している米国の非営利団体「グラントコイン財団(Grantcoin Foundation)」が、ブロックチェーン技術を使って考案したデジタル通貨です。

ブロックチェーンの鎖につながれる社会

「グラントコインは、社会的地位や職業的立場にいっさい関係なく、財源を個人に均等に配分する、金融面での不平等に対する潜在的な解決策である」と、グラントコイン財団の創立者であり、エグゼクティブ・ディレクターのエリック・ステットソン(Eric Stetson)は熱く語っています。

「グラントコインのUBIプログラムは、貧困に苦しんでいる無数の人々の生活の質を向上させる貴重な社会的プログラムとして、明るい将来が約束されていると分かるはずだ」と。

実際に、グラントコインは、既存の社会福祉プログラムの代替手段としても高く評価されています。

しかしこれは、メルマガパート1でも示唆したように、ユニバーサル・ベーシックインカムの推進者たちは、究極的には、世界市民ひとりひとりのIDをブロックチェーンによって管理することを考えているということです。

そのために、経済価値を伴ったグラントコインを希望者に配布(個人情報を手渡すことが条件)しているのです。

Next: ザッカーバーグが「99%の人々」にふるまう「乞食ランチ」



ザッカーバーグが「99%の人々」にふるまう「乞食ランチ」

さて、マーク・ザッカーバーグとは、いったい何者なのか…ゼロヘッジが興味深い事実を提供しています。

「現在、われわれは新しい社会契約を定める時です。GDPのような経済指標だけでなく、どれだけ多くの人が有意義な役割を果たし得るかによって、進歩の度合いを評価される社会であるべきです。誰もが新しいアイデアに挑戦することができる機会を有していることを確認するために、ユニバーサル・ベーシックインカムのようなアイデアを研究すべきです」

フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグのスピーチの要旨だ。

彼はとても奇妙だ。なぜ、7兆円に手が届くほどの巨万の富を持っている男が、突然、世の中の不平等を訴え始めたのか。

彼は資産をため込むことで知られている男だ。そんな人間が、なぜ、われわれの富を均等に再配分するような政府が必要だと熱心に語り始めたのか。

2015年、ザッカーバーグは、自分の全財産を生涯にわたって慈善団体に捧げると宣言し、その直後、その目的を達成するための会社を設立することを明らかにした。

えー、慈善事業をやろうとしている男が、非営利組織ではなく営利を追求する法人を設立すると言ったのだ。

つまり、ザッカーバーグは、自分の天文学的な富からポケットマネー程度の資金を引き出して、ワシントンの政治家にロビー活動を展開することによって、人々を救う!と言い出したのだ。

彼は、自分の金は一銭たりとも社会のためには使いたくない。

百歩譲って、彼が自分が進める第四次産業革命によって生じるであろう多くの失業者を本気で心配しているのであれば、その衝撃を少しでも和らげようと研究に邁進している慈善意識に溢れた研究者に、せめてもの研究費無料の食事付きの宿泊施設ぐらい提供してもいいんじゃないのかね?

だって、「誰もが新しいアイデアに挑戦することができる機会を有していることを確認するために、ユニバーサル・ベーシックインカムのようなアイデアを研究すべきです」と熱く語ったではないか。

しかし、彼は、そうしたことは一切しないのだ。

その代わり、ザッカーバーグは、ごく近い将来、失業者になるであろう勤勉な労働者たちの心理に訴えかけるのだ。

「今日、私たちの間には、すべての人を傷つける富の不平等が横たわっているのです!」彼は、常にこう呼びかける。

フェイスブックは、実はザッカーバーグの発明ではない。それはCIAが開発したものであることぐらい、米国民なら知っている。世界最大の秘密情報機関がフェイスブックを開発した目的は、いまさら説明の必要がない。

マークザッカーバーグが、ユニバーサル・ベーシックインカムに入れ込んでいるのは、別の動機によるものである。

つまりだ…ザッカーバーグのアイデアは、古いスタイルの人心コントロール術であるということだ。

シリコンバレーのザッカーバーグやイーロン・マスクだけでなく、バージングループ会長リチャード・ブランソンたちが、「99%」の人々を扇動して、ユニバーサル・ベーシックインカムの導入を政府に迫らせる背景には、彼らにとって、無能な大衆が技術革新の第四次革命に参入してこないようにすることによって、古い権力構造を保持したいからに他ならないのだ。

ユニバーサル・ベーシックインカムで満足するほとんど人たちは、シリコンバレーの“先駆者たち”の脅威とはならない。彼らは、ザッカーバーグのフェイスブックから得た情報で、ささやかながら、モノやサービスを購入するだろう。

ザッカーバーグの罠に落ちてはならない。彼らから与えられる“乞食ランチ”に舌鼓を打つまでに堕落さえしなければ、人々は力を持ったままでいることができる。

マーク・ザッカーバーグが、フェイスブックの利用者に対して、「アイツらはバカだよ」と言い放ったとか。たぶん、それは本当だろうさ。

出典:ザッカーバーグがUBIを支持する本当の理由 – ゼロヘッジ(2017年5月26日)

Next: ユニバーサル・ベーシックインカム=奴隷制度の総仕上げ



ユニバーサル・ベーシックインカム=奴隷制度の総仕上げ

マーク・ザッカーバーグが、故ディビット・ロックフェラーの孫であるという噂は、噂の域を越えて、もはや公然の秘密とされています。また、ビル・クリントンの実父は、ジョン・ロックフェラー2世の三男である故ローレンス・ロックフェラーです。これは、公にできない既成の事実として、多くの米国民に知られています。

ちなみに、ジョン・ロックフェラー2世の五男(末子)がCFR名誉会長を長きにわたって務めた、あの故デイヴィッド・ロックフェラー・シニア(ロックフェラー家第3代当主)です。つまり、マーク・ザッカーバーグの祖父に当たる人物。

一方のヒラリー・クリントンは、ロスチャイルドの血筋を引いていると言われています。<中略>

ユニバーサル・ベーシックインカムとは、16世紀から連綿と受け継がれた世界支配層による奴隷制度の総仕上げに使われる麻薬のようなもの、というのが当メルマガの見方です。

2020年の大統領選で、このユニバーサル・ベーシックインカムが大きな争点になることは間違いのないことです。ザッカーバーグは、その準備を着々とととのえているのです――

続きはご購読ください。初月無料です<残約3万8,000文字(パート1~4)>

<パート1~4概要(抄)>

・大失業時代「第四次産業革命」は、思考のパラダイムシフトを強要する
・確実に訪れる多くの技術のティッピング・ポイント(変節点)
・各国で続々と行われる実証実験…世界で何が起ころうとしているのか
・世界で最初のUBI仮想通貨は、すでに流通している
・世界的な貧困化が止まらない本当の原因はフィアット通貨の発行にある
・バブル崩壊前の資金逃避がはじまっている
・バーナンキに嵌められた日銀
・日本は米国と同様、すでに戦時経済体制になっている
・マーク・ザッカーバーグは、2020年の大統領選で民主党の勝利に貢献しようとしている
etc.


※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年9月24日第224号パート2・9月26日第224号パート4の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。「グローバルなベーシック・インカムが、ブロックチェーンによって開始された!」シリーズ(第224号パート1~4)の全文もすぐ読めます。

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・グローバルなベーシック・インカムが、ブロックチェーンによって開始された!(その4)(9/26)
・グローバルなベーシック・インカムが、ブロックチェーンによって開始された!(その3)(9/26)
・グローバルなベーシック・インカムが、ブロックチェーンによって開始された!(その2)(9/24)
・グローバルなベーシック・インカムが、ブロックチェーンによって開始された!(その1)(9/21)
・ロシア最強の暗号通貨「クリプトルーブル」とイーサリアム開発者のICOバブルの警告(9/14)
・脱ドル化本格始動-ユーラシア新通貨システムによる世界秩序(その2)(9/10)
・脱ドル化本格始動-ユーラシア新通貨システムによる世界秩序(その1)(9/7)

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2017年9月24日第224号パート2・9月26日第224号パート4より一部抜粋、再構成)

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