ついに「核保有国」の地位を手にした北朝鮮だが、その脅威は核だけに留まらない。6000人のハッカーを擁するサイバー攻撃部隊の能力には目を見張るものがある。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)
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国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
核兵器だけではない、多様化する北朝鮮の「生き残り戦略」とは?
ミサイルはアメリカ東海岸まで到達へ
ぶっちゃけ、このところ北朝鮮の動きが気になる。いつまでミサイル発射や地下核実験を繰り返すつもりなのか。訪朝したロシアの国会議員団によれば「アメリカの東海岸にまで到達する大陸間弾道弾も開発している」とのこと。
長年に渡り経済制裁を受けながら、ついに念願の「核保有国」の地位を掴んだというわけだ。その意味では、経済的に貧しいながらも、なかなか無視できない技術力を有していると言わざるを得ない。
金正恩委員長を「若くて狂人的な独裁者」と見下すのは危険だろう。
核に並ぶ脅威「6000人ハッカー集団」の大戦果
実は、核兵器開発にのみ関心が寄せられているが、北朝鮮には6000人を超えるサイバー部隊が存在すると見られる。いわゆる「ハッカー集団」である。
2014年、ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントへの攻撃で勇名を馳せたもの。「インタビュー」と題する金正恩と思しき最高指導者の首を炸裂させるような映画を製作したことへの制裁といわれた。その後も英国のテレビ局に侵入し、北朝鮮に批判的なドラマの放送を妨害している。
そして、彼らの実力が最も発揮されたのが海外の銀行からの資金収奪に他ならない。
バングラデッシュの国立銀行のコンピュータ・システムに侵入し、大量のドル強奪に成功したと思えば、韓国のビットコイン取引所のハッキングにも成功し、最近急騰している仮想通貨を大量に奪い去ったといわれる。
問題はこうしたハッキングが、インドやインドネシアなど海外の活動拠点を経由して行われている点だ。
ピョンヤンから直接攻撃を仕掛けるのではなく、アジア、アフリカ、オセアニアなどを踏み台にしてのハッカー攻撃は規模も技術も進化する一方となっている。
国際社会からの経済制裁をかいくぐる手口はなかなか巧妙で、その対策は一筋縄ではいかない。国連の安保理決議を積み重ねたり、中国の影響力に期待するだけでは効果は薄いだろう。
金正恩曰く「サイバー攻撃能力は核兵器やミサイルと共に“万能の剣”になる」からだ。
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現実味を帯びつつある「最悪」のシナリオ
ぶっちゃけ、「ロケットマン」などと侮ってはならない。ロシアのプーチン大統領が言うように「制裁を強化すれば、北朝鮮は草を食ってでも生き延び、これまで以上に核兵器の開発に必死に取り組む」からだ。
ここからは、「窮鼠猫を噛む」という最悪のシナリオもありうる。ネズミの好物に毒を盛る方法を考えるべきだろう。
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『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』(2017年10月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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