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トランプの議会演説「程度」で今のNYダウが暴落することはない=ゆきママ

28日(日本時間3月1日11時)の上下両院合同会議で、トランプの議会演説が行われます。ここで市場は利益確定に動くとの見方が多々ありますが、底抜けシナリオをメインに据えるまでの必要はないと見ています。(『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』)

※本記事は有料メルマガ『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」』2017年2月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

トランプの議会演説(日本時間3月1日11時)で為替とダウはどう動く?

今週のドル円相場の展望(1ドル=110.50~114.00円)

ドル円は、全体的に円主導の動きとなったような気がします。111円台まで下落しましたが、その背景にはフランス大統領選挙を巡る懸念が円買いへと傾けたことがありました。米国株はもとより、欧州株もさほど下がってはいないため、混乱しているというほどではないでしょう。ですが、引き続きマーケット全体はリスクオフの動きになりがちだと考えておいた方が良さそうです。

そして、今週は28日(日本時間3月1日11時)の上下両院合同会議において、トランプの議会演説が行われます。通常行われる一般教書演説の予定が未定なだけに、これがその代わりを果たすと見られています。基本的には減税がどうなるかといった政策のヒントを探ることになりますが、これを受けての金利動向などには注目しておく必要があるでしょう。

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ファンダメンタルズ

28日の米GDP改定値や、1日の米PCEコア・デフレータ米ISM製造業景況指数、3日のISM非製造業景況指数など、来週の雇用統計を前に重要指標が発表されます。注目しておく必要があるでしょう。もっとも、ドル円は経済指標に対する反応は一過性の動きで終わることが多いので、大きな流れを踏まえたうえでエントリー、決済のポイント程度に考えておいた方が良いかもしれません。

テクニカル

89日移動平均線を割り込んだことで、下値余地はやや広がったと考えています。とはいえ、112円から下もかなり底堅さはあるので、目立った材料がなければあまり過度に下値を期待するのも難しいでしょう。

120.00円(心理的節目)

115.14円(一目均衡表・雲上限)
115.12円(ボリンジャーバンド3σ上限)

115.00円(心理的節目)

114.42円(ボリンジャーバンド2σ上限)
113.48円(日足の一目均衡表・基準線)
113.44円(日足の一目均衡表・転換線)
113.01円(21日移動平均線)
112.80円(5日移動平均線)
112.65円(89日移動平均線)
111.81円(一目均衡表・雲下限)
111.60円(ボリンジャーバンド2σ下限)
110.89円(ボリンジャーバンド3σ下限)

110.00円(心理的節目)
107.65円(200日移動平均線)

※参考画像URL:http://yukimama.net/kabu/wp-content/uploads/2017/02/smail0010.png
※この数字は時間とともに変化します。また、移動平均線は単純移動平均線(SMA)で、指数平滑移動平均線(EMA)ではありません

やはりコアレンジ帯となっている1ドル=112~114円台近辺での値動きが続いていることもあって、テクニカルもこの近辺に集まっています。つまり、なおさら上下に動きにくい格好となりつつあります。

ただ、昨年11月のトランプラリー開始以降、割り込んだことのなかった89日移動平均線を割り込んだため、下値に警戒すべき状況にあることは覚えておきたいところでしょう。

そこで、まず下値支持(サポート)については、目先は112.00円ラインの節目や、111.59円といった年初来安値があります。年初来安値を割り込んでしまった場合は、一段と下値余地が広がって110.00円がターゲットとして明確に意識されそうなので、注意が必要です。

上値抵抗(レジスタンス)については、89日移動平均線、さらには113.00円の節目ラインに位置している21日移動平均線があります。これらの軽めの抵抗を抜けたとしても、先週の高値となった114.00円近辺の抵抗帯を抜けてこない限りは上値余地は広がらないということは覚えておきましょう。

というわけで、コアレンジ帯での値動きが続く可能性が高そうですが、先週以上に下値リスクは高まっていますので、今週の想定レートは一段下げて1ドル=110.50~114.00円としました。

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今週のホットイベント解説~トランプ議会演説前後のダウの値動きに注目!

NYダウは1897年1月以来、30年ぶりに11営業日連続の最高値更新と、米国株だけはトランプ・ラリーの再開としても過言ではない値動きを見せています。

そして、この値動きの裏にはなんといっても大型減税期待があるわけで、28日の議会演説で具体的な言及がないのであれば、一旦は利益確定に動くといった指摘は多数あります。

しかしながら、先週、ムニューチン氏はこの大型減税について目処が立つのは8月頃としており、効果が表れるのは2018年後半としていましたから、これだけで利食い材料としては十分な気がします。ですが、それでもなおダウの上昇は続いています。

なぜこのような動きを続けているのか。はっきりと特定することは難しいですが、緩和政策による異常な金あまり状態や世界的に景気が停滞する中で「米国だけ強い」という一強状態で投資マネーが集中していること、また、ムニューチン氏も言及していたように異常な低金利状態が長期間続くといった見通しも、米国株の下値を堅くしているのではないかと思います。

ですので、これらの見通しに大きな変化がなければ、ダウは引き続き上値を追うのではないかと考えています。つまり、今後注目すべきなのは、FRBによるバランスシートの縮小や米国経済そのものに疑義が生じること、あるいはFRBが利上げペースを加速させて年3回以上の利上げを行うことになった場合などです。

というわけで、28日の議会演説前後の値動きには注目すべきではありますが、今のところは過度にダウが下がるというシナリオは描いていません。すでにバブルではないかという話も数多くありますが、今年一年ぐらいは続きそうな雰囲気ですので、まずはそのつもりで見ておいた方が良いかもしれません。

わかりやすい値動きが続きそう

トランプの議会演説は気になりますが、相場状況が一変するとまではとても思えず、このままわかりやすい値動きが続くのではないかと考えています。

懸念材料としては、新債券王として名高い米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックCEOが「世界的にリスクオフの動きが強まって、米10年債利回りが2.25%を割り込む可能性が高い」と指摘していることです。

日本は日銀の政策によって10年債利回りが0%程度に緩くペッグ(安定)されていますが、市場の国債買いが強まれば日銀は買い控えるだけなので、よほどのことがない限りは日米金利差が縮小することになります。ですので、教科書通りに考えればドル円はさらに下押されることになります。

底抜けシナリオをメインに据える必要はないと思いますが、今週は特に米長期金利の動向に注目しつつ、慎重にトレードしていきたいところでしょう。
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お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」』(2017年2月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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