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「もう限界」ヤマト運輸の宅配総量規制は日本社会をどこへ導くか?=武田甲州

ヤマト運輸が宅急便の受け入れ抑制を打ち出しました。ヤマト以上に数をさばける業者は存在せず、かといって通販市場拡大も止まることはありません。どうなるのでしょう?(『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』)

※本記事は有料メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』2017年2月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

「利益なき超繁忙」物流業界の改革が日本全体の働き方を変えていく

ヤマト運輸が宅配便の受け入れ抑制へ

宅配便最大手のヤマト運輸が、宅急便の受け入れを抑制する方針を打ち出しました。人手不足状態で、急増する貨物を受け入れるのは困難。今後は大口顧客向け料金の引き上げが焦点になります。

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ヤマト運輸以上に個数をさばける運送業者は存在しませんし、通販市場の拡大も止まることはないと思われます。これまで実際、ヤマト運輸は全ての荷物を受け入れる方針で多くの通販業者の熱い支持を受けてきたのです。

ヤマトホールディングス<9064> 日足(SBI証券提供)

ここにきてのヤマト運輸の方針転換によって、運送料金引き上げやトラック運転手の待遇改善が進むことが期待されます。さらに全国各地にある物流拠点である配送センターの自動化投資、さらには効率的な配車システム構築が進むことが期待されます。

将来的にはトラックの自動運転への関心が急速に高まること、配送に「ドローン」を効率的に使うこと、さらにはクラウドやIOT、AIの導入も大きく進むことが期待されます。マンション内やコンビニに宅配ボックスを設置することも急速に進みそうです。

配送センターの自動化では、搬送システム、高速仕分け装置の大手企業ダイフク<6383>に注目が集まりそうです。配車システムでは日本システム迂技研<4323>東計電算<4746>、ドローンではドーン<2303>石井工作研究所<6314>などが注目でしょう。

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物流変革がもらたす「日本全体の生産性向上」という明るい未来

ヤマト運輸の総量抑制方針は日本の物流業界の「悲鳴」です。適正な価格水準は運送業界の労働環境を正常化させ、運送業者の効率化投資の原資を生み出し、投資をすればさらに利益を一段と拡大させるアクセルになります。

日本では、実は同じようなことが多くの分野で起こっています。世界一のサービス品質、おもてなしと言われながら、日本のサービス業の労働生産性は米国の半分しかありません。高品質のサービスを維持するため、今後はクラウドやIOT、AI、さらにはロボットを含めた自動化投資が急速に拡大すると思われます。

「利益なき超繁忙」の物流業界が変革によって高収益業界に変貌していけば、日本全体で労働生産性が高まることが期待されます。人口減=停滞のイメージの日本ですが、大変貌していく潜在力は大きいはずです。
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・ブルーオーシャン企業(2/20)
・沸騰!自動運転(2/13)
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週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』(2017年2月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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証券アナリスト武田甲州が、経済やマーケットの先読み・裏読み情報を毎週月曜日に発行。2008年3月のセミナーでは米国で最大300兆円の公的資金投入を予想。2008年9月末時点で米国のゼロ金利、量的緩和政策実施を予測するなど大胆な未来予測情報もあります。

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