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蟻の一穴天下の破れ。「安倍内閣崩壊」の可能性はあるのか?=山崎和邦

森友学園の国有地問題をはじめ、安倍政権の足元を揺るがす不祥事が次々と表面化している。安倍首相が毅然とした対応を示さぬならば、まさかの内閣崩壊もなくはない状況だ。(山崎和邦)

※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く2017年3月5日号の一部抜粋です。今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。

安倍政権は足元に「森友学園」という時限爆弾を埋設されたのか?

安倍政権を脅かす「4つの不祥事」

トランプ政権の発足や日米首脳会談など外部にばかり注目している中で、安倍政権の足元を揺るがすような不祥事、蟻の一穴から内閣が瓦解することもあり得るというようなことが次々と表面化している。

64年前(1953年3月)、吉田茂元首相が独り言で「バカヤロウ」とつぶやいたことがマイクに拾われて議会は大騒ぎになり、彼は直ちに取り消したが、これが衆院解散の契機となって「バカヤロウ解散」は現代史に残った。運命は些細な事象で大展開するものだ。

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不祥事1

いわゆる共謀罪を廻って、金田法相はまともな答弁ができず、審議が時に中断する事態が起きた。法務大臣と言えば、日頃のニュースでは地味な存在ではあるが、議会制民主主義国家においては立場上最高の地位にある者である。その印に、閣僚の名前が羅列されるときは一行目が法務大臣である。

(ところが残念なことに、日本の法務大臣には時に妙なのが現れる。就任式に男性の閣僚全員がフォーマルな服装であるモーニングで身を固めて、女性は和服がフォーマルとされているから和服であるときに、一人だけ真っ赤なブラウスを着たり手団扇を配ったりして退任した松島みどり元法相や、ろくに喋れない今回の金田勝年法相などである。)

不祥事2

文部科学省の天下り問題。大した問題ではないが、野党が根深く突っ込むと、この不祥事は政権の緩みとなって現れる。

不祥事3

自衛隊PKOで現場部隊の日報に「戦闘」と記録されているのに、その最高の上司たる稲田朋美防衛相は、「これは法律用語ではないから国会ではこの言葉は使わない。衝突と言う」というような答弁をした。現場部隊の日報に「戦闘」と書かれているのに、その上司はこれを否定する。これでは実際の現場に至ってはまったく統率がとれないことになる。池田屋騒動の斬り合いの最中に近藤勇が「あれは斬り合いではない」と言っているに等しい。

不祥事4

森友学園の国有地買収問題である。おそらくこれが最も大きな問題に発展する恐れがある。安倍昭恵夫人の不用意で無教養な言動は、それ自体は大した問題ではない。

問題は、国有地の買収について、もし安倍首相が何も知らない間に秘書またはその関係者が介入して国有地を安く売ったというであれば、これは完全に安倍内閣崩壊につながる。また、そのように導こうと努力するのが野党の仕事でもある。

これら安倍政権の足元を揺るがす一連の不祥事に毅然とした対応を示さないと、安倍政権の高い支持率が崩れ出す恐れもある。2012年の11月14日衆議院解散から始まったアベノミクス相場(始動点は8,665円)は、安倍政権と共にあった。この相場の余命も、安倍政権と共にある。

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安倍内閣崩壊の恐れはあるか

確率は極めて低いが、安倍内閣の崩壊はないことではない。森友学園の国有地買収について、万が一、安倍首相が知らないうちに秘書が仲介の労をとったとか、それによる収賄の疑いがあるなどということになれば、安倍内閣は崩壊する。

疑惑については、安倍首相自身が「職をかけて」と言って否定している。森友学園の事件は知恵者の菅さんでさえも手が出せない問題である。

安倍さんが本気で取り組まないと、危ないことになる恐れがある。またこれを徹底的に追及するのが野党の仕事でもある。野党は張り切って詮索するであろう。絶好の機会が来たとばかりに、大いに張り切って土地買収問題を究明するであろう。

安倍昭恵夫人の軽率なスピーチは筆者も偶然にテレビで聞いたが、あんなことは大した問題ではない。現職の首相夫人としては誠に不用意で無教養で軽率な言動ではあったが、内閣を崩壊させるというほどの問題ではない

問題は国有地買収にかかわることである。繰り返すが、蟻の一穴から大堤防が崩壊することもある。

現に、74年秋の立花隆氏が「月刊文藝春秋誌」に掲載した「田中角栄金脈の研究」のレポートがきっかけとなって、田中内閣は崩壊した。たった1つのレポートがきっかけとなったのだ。

好事魔多しと言う。当メルマガの前号で「アベノミクスは失速したか~安倍政権の経済的成果と森友学園の土地買収問題」という項目を設け、安倍政権の成立以来の経済的効果を10か条列挙した。当然、効果のある政策には副作用がある(10か条については割愛する)。

こういう10か条の経済的成果を誇ってみても、蟻の一穴(森友学園の土地買収に関する疑惑)から内閣が崩壊する恐れが、極めて少ない確率ではあるがあり得る。

アベノミクス相場は安倍内閣と共にあった。日経平均がその年のうちに5,000円下がるという例は平成になってから今までに9回あって、そのうちの7回は海外の問題からであった。今回の不祥事が国内発の下落に繋がる恐れも、極めて少ないがないことではない。これは「ブラック・スワン」というよりは、むしろ「リスク」の部類に入る問題だと言いたい。

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「九星気学」で予測する2017年の政治と経済

九星気学(きゅうせいきがく)は確率統計ではない。古来の循環論である。

景気循環は、その発見者の名を冠して次のような長波・中波・短波がある。

九星気学では、天地創造の古来の諸現象の循環から予測する。

予測1:大統領が暗殺される、または、暗殺され損なう年

今年は一白水星(いっぱくすいせい)の年である。この年はリンカーン大統領の暗殺、第25代マッキンリー大統領の暗殺、ケネディ大統領の暗殺(1963年、一白水星)、レーガン大統領が銃で狙撃されて被弾し、肺に命中して病院に運ばれ手術で一命をとりとめている。レーガンは、在職中に銃撃されて被弾しながらも死を免れた、史上初の大統領だった(1981年、一白水星の年)。

さて、今年も一白水星の年である。トランプがそうなるかならないか「天意、測るべからず」である。

トランプ大統領の行事に向けて「軟調」、通過で「反発」の動きが続く

予測2:一白水星の意味

白は白紙(無に帰する)、死に装束、白衣の白である。つまり無、終わり、消滅、死を意味するのが白である。「白紙に戻す」などという言い方もある。死というものは「無に帰する」という意味と同時に、「そこからまた再生してくる」ということにつながる。

「1つの終わりは1つの始まりでもある」のだ。株式で言えば、続騰していく最中に次の続落の芽を宿しているのであり、続落していく最中に次の大相場の芽を宿すのである。老年期相場の終わりは、次の青春期相場の芽を懐胎するという意味にもなる。

次に干支から見ると今年は「ひのととり(丁酉)」である。この酉という字は、器の中で蓋が閉じられていて、発酵している状態を表す象形文字である。つまり「機が熟して新しい力が生まれ出ていること」であり、古来革命の年とか政変の年とか、激変の年とか再生の年とか言われてきた。

2017年一白水星丁酉の年の意味はこうなる。従来の流れに反対する力が熟成して大きな変化につながる。それは内容によっては転落にもなり、または大発展にもなる。いずれにせよ、大変化の年となる

転落なのか大発展なのか、どちらかに決めよ、というのは本稿がよく言う「思惟の放棄」であり、「知性の否定」であり、「安易な割り切り」である。

甲か乙かの安易な二元論に陥ることを禅語では「二見に堕す(にけんにだす)」と言って、最も避けるべきところである。「二見に堕す」の安易さを封鎖して、正解がないかもわからない問いに対して、正解に至ろうとして格闘し続ける強靭さが「知性」である。知性と知能は、関係はあるが別物である。

この辺の呼吸をわからない者が「当たるも八卦、当たらぬも八卦」などと幼児じみたことを言うのだ。
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※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報 「投機の流儀 (罫線・資料付)」*相場を読み解く』2017年3月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2017年3月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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