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「年収350万、若い女性と結婚したい」40代の婚活男性がハマる罠とは?=山本昌義

昨今は空前の婚活ブームで、ますます結婚が難しい時代です。中年婚活男性が陥りやすい罠について、婚活FPとして相談を受けた実例をもとに解説します。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)

プロフィール:山本昌義(やまもと まさよし)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。

孤独な中年が思い描く「漫画みたいな恋と結婚」現実には厳しく…

実例その1:若い女性と結婚できたら幸せになれる?(男性・40代前半)

40代前半の独身男性から「出会い」についての相談を受けました。「気に入られるのは同年代ばかり。もう若い女性との結婚はムリでしょうか?」という内容です。

何でも、いまだに稀に好意的な出会いがあるが、どうしても若い女性への願望が捨てきれず、いつも断ってしまうとのこと。ちなみにこの男性は、正社員ながら年収約350万円、その他の取り柄は特にナシ…といったところ。

このような「願望が下げられない婚活」について考えたいと思います。

さて、まずは基本的なことですが「都合の良い夢を見る程に、現実は厳しくなる」点をしっかり理解しましょう。

確かに、婚活支援をしている私から見ても、最近は昔に比べて年の差婚は増えた気がします。某芸能人の結婚以後でしょうか。しかし、この某芸能人の例でもそうですが、年の差婚を成立させるためには、基本的に「年齢差を超える何らかの魅力」が必須です。代表例は、やはり年収職業でしょうか。

そしてこれは、年の差があるほどに必要です。つまり、30代後半頃でもムリだった訳ですが、今の年齢なら「さらに必要」となります。もちろん今後は「より必要」です。

また、今はかろうじて出会いもある様子ですが、以後はその出会いも、グッと減るでしょう。もちろん若い女性を狙うのは自由です。ただし、その代償もしっかり意識しましょう。

本当に「若い子でないなら結婚しなくていい」のか。この機会にじっくりと考えてみてください。

若さにこだわると、それ以外を無視しがちになる

合わせて大事なことなのですが、「若さ以外を無視しがちになる傾向」にも、ちゃんと気をつけてください。

実際問題、仮に若い女性と結婚できたとして、本当に良い夫婦関係を築けるでしょうか?

少なくとも私は、相談役として、若い女性や可愛い女性と結婚したにも関わらず、離婚したがる男性と何度も会ってきました。もっとも、逆にイケメンや高年収の男性と結婚して、離婚した女性ともたくさん会いましたが…。

結果論からの逆算になりますが、結局、長く夫婦関係を成立させるのに、年齢や年収はあまり役に立ちません

そもそも、仮に若い女性と結婚できても、いずれその女性も年老いるわけですが、そうなっても愛する自信はありますか? 離婚して、また若い女性を探すのでしょうか?

また、年齢差があるほどに頼られるのが基本ですが、特にお金の面で、耐えられますか? 残念ながら、経済的にムリでは?

人間関係は相手あっての物種ですし、自分が求めるほど、相手にも求められるのが基本です。求められる視点、選ばれる視点も意識してぜひ婚活に励んでいきましょう。

Next: その2:失敗続きで疲れた。私は結婚できないんでしょうか?(男性・30代後半)



実例その2:婚活疲れは時にメリットを生む(男性・30代後半)

30代後半の独身男性から「婚活疲れ」についての相談を受けました。「失敗が続いて婚活に疲れてきた。私は結婚できないんでしょうか?」という内容です。

何でも、ずっと婚活を続けているが失敗続きで、終わりの見えない活動に疲れたそうです。ちなみに本人の年収は約350万円で、できれば35歳以下の女性が希望とのこと。本当に理想と現実のせめぎ合い…ですね。

参考までに、一般的な女性心理について考えたいと思います。

さて、まずは1つ目ですが、「一般的な女性は35歳まで理想を下げない」という点を意識しておきましょう。これは30代後半の一般的な男性に当てはめれば、「40歳を過ぎるまでは35歳以下を狙いたい」に類似する心理でしょうか。

現実とは乖離がありますが、それでも「限界までより良い人を選びたい」のは男女を問わない結婚願望ですからね。

つまり、一般的な35歳以下の女性は、男性でいうところの年齢条件への願望が強く、おおむね年収500万円未満の男性は対象外です。あなたが35歳を超えた女性を見ている感覚と同じでしょうか。もちろん例外的な女性もいますが、低い確率を狙い続ければ、失敗も続いて当然です。

この現実を紐解いていくと、おのずと男性は「自身が35歳を過ぎたら同年代を狙う」のが、もっとも効率的な婚活となります。あなたの願望と反するのは理解していますが、少しだけ、考えてみて頂けますと幸いです。

女性側も同じく婚活に疲れている

そして2つ目なのですが、「婚活に疲れるのは女性も同じ」という点を、ぜひ考えてみてください。女性だって男性同様、婚活は疲れます。特に自分が若くモテて優位な婚活をするのと違い、35歳を過ぎた方は、本当に婚活にお疲れです。

そして疲れてくると、段々と婚活がイヤになり、「理想では無いけど、もうこの人で手を打とう」という心理になる傾向が女性にはあります。つまり、婚活疲れを起こした女性は、ある程度、理想を下げて男性を見てくれるのです。

これは婚活男性にはなかなか無い心理かもしれませんね。それだけにちょっと分かりにくいかもしれませんが、確かに存在しています。

先ほどの「男性は35歳を過ぎたら同年代を狙う」とも相乗効果を起こし、さらに成婚率は高まるでしょう。今ならわずか5歳程度、希望年齢を引き上げるだけで、一気に成婚率も引き上がります。そして、今のままなら、成婚率も低いままです。少なくとも、どちらが効率的かは一目瞭然かと。

それに、一般的に婚活中に大事にされる年齢や年収は、実際に結婚した後は気にならなくなることが多々。それよりも、結婚後は内面が重視されます。

理想と現実に揺れるお気持ちは痛いほどわかりますが、少しだけ、考えてみましょう。

Next: その3:彼女はいるが結婚はできればしたくない…(男性・30代前半)



実例その3:決断の先延ばしにはご注意を!(男性・30代前半)

30代前半の独身男性から、結婚の可否についての相談を受けました。「彼女はいるが、結婚はできればしたくない。どう思います?」という内容です。

何でも、交際してかれこれ1年経ち、彼女の結婚をほのめかす発言が増えたものの、どうしても結婚には消極的だそうです。一応の理由は「仕事が忙しいから」ですが、本心は責任がイヤみたいですね。近頃では実に多い傾向かもしれません…。

こんな結婚の可否について、考えたいと思います。

さて、まずは基本的なことですが、「互いのため、なるべく早期の決断を心掛ける」ことをお勧めしたいと思います。つまり、最終的に結婚するのかしないのか、ですね。そして、最終的に結婚するならともかく、しないなら早めに別れた方がいいかもしれません。

少なくとも、彼女さんの結婚願望は普通に高く、1年の交際でさらに高まっているようです。このままズルズルと関係を続ければ、あなたからすればより別れにくくなり、彼女さんからすれば若さを浪費することになります。そうなれば、互いのためになりません。それに聞く限り、仕事はずっと忙しいようですし、結婚の有無はさして関係ないのかと。

また結婚は確かに、男性としては責任を感じますし、イマドキはなかなか決断できないものです。しかし彼女さんの立場からすれば、そういつまでも待てるものでもありません。30代前半の女性は、焦ってるものですからね。

結婚する未来と、しない未来の両方をイメージして、少しずつでも真剣に考えていきましょう。

あとで心変わりしても手遅れ

また、同時に意識して頂きたいのが、「今後、心変わりした時には手遅れ」という可能性です。というのも、今は昔とは違って「男性でも、いつまでも結婚できない」のです。

男性でも30代後半頃にはモテにくくなり、40歳を超えればかなり成婚率は落ちます。そして、人間とは「追いつめられると真剣に動く」ものであり、「真剣に動くと考えが変わってくる」ものです。

ただし「追いつめられた頃には手遅れ」ということも、往々にしてあります。つまり、今はまだ結婚するもしないもどちらでも選べる時期だからこそ、なかなか真剣に考えられないのでしょう。

しかし、今後成婚の可能性が厳しくなった頃には心変わりする可能性もあり、そして、その時にはもう手遅れという可能性があります。このため、仮に結婚しないにしても、「とりあえず今はいい」と曖昧に濁すのではなく、「一生結婚しないぞ!」と決意することが重要です。

決断を急ぐ必要はありませんが、そう時間はありません。じっくりと、それでいて早急に考えていきましょう。

どうしても妥協できない方へ

最後にちょこっと。「どうしても若い女性がいい…」という方。最近は実例が増えつつあるからこそ、なおさらに諦めきれないのが現実かもですね。

どんな人と結婚したいかは自由ですが、結婚できないリスクへの意識をお忘れなく。また、若さ以外への感覚も重要になり、さらに求められる視点も極めて大事です。

夢と現実のバランス感覚を大事にしつつ、婚活に励んでいきましょう。

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婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』(2018年1月12日, 2017年10月20日, 11月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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婚活中の方、ご成婚された方 こんにちは。婚活FP山本と申します。 昨今は空前の婚活ブーム! …引いては婚活が厳しい時代です。 ご結婚に至っても、3組に1組は離婚する時代。 大変な時代ですね。 ここでは、私が実際にお受けした相談内容を元に 男女の心理差や経済的な側面を主として なぜダメなのか?どうすれば良かったか?を分析し 実例として、皆様にお届けさせて頂きます。 なお、私は「現実的な結婚」を支援しています。 そして、実例は男女の本音が登場します。 このため、皆様の夢を打ち砕く内容も多いかと思いますが ご容赦の上でお読み頂き、ご活用下さい。

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