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仮想通貨ハッキングが「おいしい仕事」である限り、被害の連鎖は止まらない=高梨彰

韓国で立て続けに仮想通貨の盗難事件が起きました。ハッキング被害を無くすには、「割に合わない」犯罪となるまで、被害者側の経験を積む必要があります。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2018年6月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

おいしい仮想通貨強盗と、まずくなった銀行強盗。その違いとは?

連続で起きた仮想通貨「盗難事件」

6月20日、韓国の仮想通貨取引所にて、仮想通貨が盗まれたと報じられました。いわゆるハッキング被害です。ビットコイン等には逆風となってしまうのでしょうか。

世界最大の仮想通貨市場の一つである韓国で、またもやハッキング事件が発生した。被害にあったのは仮想通貨取引所の「Bithumb(ビッサム)」で100万人以上の利用者を抱えている。<中略>

Bithumbは一日の取引高で世界6位となっており、韓国を代表する取引所だ。6月20日、Bithumbはハッキング被害に遭い3200万ドル(約35億円)相当の仮想通貨が盗まれたと発表した。<中略>

韓国では6月10日にも、別の取引所「Coinrail(コインレール)」がハッキング被害に遭い、4000万ドル(約44億円)に及ぶ仮想通貨が盗まれていた。

出典:韓国の世界6位の仮想通貨取引所でハッキング、35億円流出 – Forbes JAPAN(2018年6月21日配信)

「究極のハッキング被害」が起きれば、絶好の投資機会になる

私は今まで仮想通貨に投資する気がまったく起きず、これからも当分はないと思うのですが、このハッキング被害の拡がりには非常に興味があります。

表現が難しいのですけど、何と申しますか「究極のハッキング被害」が起きたとき、もしかしたら投資機会になるのではないかと。

めっきり見なくなった「銀行強盗」

仮想通貨の盗難も銀行強盗も「金目の物が取られた」という点では一緒です。

昔は銀行強盗がたまに起きていましたが、最近めっきりその手のニュースを聞かなくなりました。

なぜって、銀行強盗は割に合わないからかという感じがします。

不謹慎ですが、リスクを冒してもサクッと儲かるのであれば、もっと頻繁に起こるはずです。

元から割に合っていたのかは疑問です。しかし、明らかに銀行強盗の件数が減ったのは、それなりの経験をしてきたからだと考えられます。

警報ボタンの位置にしても、カラーボールの扱いにしても、様々な教訓が重なってできあがったはずです。

Next: まだ仮想通貨ハッキングは美味しい。さらなる大盗難が起きるかも…



仮想通貨のハッキングはまだまだ続きそう

言い換えれば、仮想通貨のハッキングはリスク/リターンの観点から割に合う。少なくとも「犯人」は、そう考えて行動しているはずです。

でもって、銀行強盗と同様にハッキングが割に合わなくなるには、それなりの「経験」を重ねる必要があるのだろうと。

「経験」となるには、大きな失敗があって、それを克服するという過程が必要です。だからこそ「究極のハッキング被害」に興味があるのです。

事前にショート(空売り)して故意にハッキングさせることも依然として可能なようですし、単なる博打のネタから脱皮するには時間が掛かるのではないでしょうか。

今回のまとめ

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【関連】東日本大震災後の3月14日、オプション市場で起きていた「想定外」の事態=高梨彰


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高梨彰『しん・古今東西』』(2018年6月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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