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横行する「ブラックバイト」背景には大学の学費高騰も

学生に対し、無茶な労働や過度なノルマを課す、いわゆる「ブラックバイト」問題が注目を集めています。その要因には学生がバイトをしなければ学費が払えないという事情もあるようでです。ファイナンシャルプランナーの新美昌也さんはアルバイトで学業に支障をきたすようなら、もっと奨学金を活用すべきだと語ります。

「ブラックバイト」とはどういうもの?

近年、学生のブラックバイトが問題になっています。

ひどい例では、実質的に最低賃金より低い賃金で、正規雇用労働者並みの義務やノルマ、異常な長時間労働、試験でも休ませてくれないなど、学業に支障をきたしています。

日本学生支援機構の調査によると、大学生(昼間部)の74%がアルバイトをしています。そのうち、「家庭からの給付のみで修学可能」なのは33.7%です。

つまり、大学生は家庭からの給付のみでは修学が困難でアルバイトをせざるを得ない状況にあります。

ぞの背景には、大学の学費の高騰があります。私大文系でも授業料等の学費は月平均7~8万円程度かかりますので、保護者が学費をすべて負担することは難しい現状があります。

そのため、大学生の2人に1人は何らかの奨学金を借り、アルバイトもしています。

もちろん、アルバイトは社会経験をする機会ですが、一部のバイトには、学生であることを尊重しないブラックバイトが横行していますので、アルバイトは慎重に選びたいものです。

このようなアルバイトの特徴としては、「シフトの強制」、「自腹購入の強要」、「賃金未払い」、「不当な損害賠償請求」などがあります。

Next: 個別指導塾で横行するブラックバイト


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例えば、学生のアルバイトの定番ともいえる学習塾講師であれば、賃金も高く、安心と思われる保護者もいるかもしれませんが、個別指導塾でブラックバイトが横行しています。

賃金は実際に生徒を指導している時間しか支払われず、授業前後の生徒対応には賃金は支払われないため、それらの拘束時間を含めた時間で計算すると最低賃金を割り込むほどの低賃金となります。

また、学生自身がシフトを自由に組めないので、授業やゼミ合宿などに参加できないばかりか、試験でも休めないので、単位を落としてしまうケースもあります。(ゼミの学生がアルバイトを休めないのでゼミ合宿が成り立たない大学もあります。)

勝手に休んだり、勝手にやめたりしたら、不当な損害賠償を請求されるので休めないのです。また、学費を稼ぐために休めない、辞められないといった事情もあります。

このような現状を考えるとアルバイトに頼ったマネープランはリスクが多いと言えます。

特に経済的に余裕がない場合は、アルバイトよりも奨学金を優先すべきではないでしょうか。

アルバイトのために単位を落とし、中退などしたら本末転倒です。奨学金を借りていれば返済が始まります。

もし、入社後、ブラックバイトだと気づいた場合、証拠収集をすることが大切です。出退勤・休憩時間。業務の内容のメモを残したり、雇用契約書・給与明細などの書類を保管するようにしておきましょう。

また、「ブラック企業被害対策弁護団」や「ブラックバイトユニオン」などに相談窓口がありますので相談してみてはいかがでしょうか。

自己防衛策としては労働法の基礎知識は身に付けておく必要があります。

大学・専門学校への進学マネー講座』2015/8/21 第70号より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による

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