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新婚カップル全体の1%が利用者、婚活ビジネスで躍進するIBJは買いか?=藤本誠之

年間300社以上の上場企業の経営者に取材を行うマーケットアナリスト藤本誠之が、次世代の成長企業を厳選して紹介します。今回は、総合婚活サービスを展開するIBJ<6701>の代表取締役社長・石坂茂さんにお話を伺ってきました。(『まいど、相場の福の神の上場企業経営者列伝 次世代成長企業はコレだ!』藤本誠之)

※本記事は有料メルマガ『まいど、相場の福の神の上場企業経営者列伝 次世代成長企業はコレだ!』2018年9月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:藤本誠之(ふじもと のぶゆき)
「相場の福の神」の愛称を持つマーケットアナリスト。年間300社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。ラジオNIKKEIで6本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。著書に『週55分で、毎週5万円儲ける株法』(明日香出版)など。

成長企業インタビュー! IBJ<6071> 代表取締役社長 石坂茂さん

「婚活サービス」で急成長

IBJ<6071>は、東京都新宿区西新宿に本社がある総合婚活サービスを展開している企業です。ネットの「ブライダルネット」、婚活パーティーの「PARTY☆PARTY」、合コンの「Rush合コン」、結婚相談所の「IBJメンバーズ」などを運営しています。

IBJ<6071> 日足(SBI証券提供)

また、日本最大級の全国1629社、登録会員5万9000人以上の結婚相談所ネットワークの「日本結婚相談所連盟」も運営。少子高齢化を防ぐ国策として「婚活」が考えられるため、総合婚活サービスを提供するIBJは今後大きな成長が期待できそうです。

代表取締役社長・石坂茂さんに一問一答

まず、「一問一答」形式でたくさんの質問をぶつけました。

――生年月日・年齢は?
石坂社長:1971年9月6日

――お父さんの職業は?
石坂社長:下町の小さな会社の商売人でした。具体的には不動産業です。

――兄弟は何人?
石坂社長:妹がひとりいます。

――子供の頃は、ひとことで言うとどんな子?
石坂社長:礼儀正しい品行方正な子。

――勉強とスポーツ、どっちが好きだった?
石坂社長:スポーツよりも勉強の方が得意だったかもしれません。

――初恋は何歳? 相手の子はどんな感じの子だった?
石坂社長:小学校の3~4年生くらいかな。か弱い感じの女の子

――国語・算数・英語・社会・理科、どの科目が1番得意?
石坂社長:算数

――子供のころは、何になりたかった? また、社長になると思っていた?
石坂社長:七夕様の短冊に「汽車の運転手」になりたいと書いていた。社長になるとは全く思っていなかった。

――社会人1年目は、どこでスタート?(会社名や業種など)
石坂社長:銀行マンです。今はなくなってしまった日本興業銀行です。

――好きな言葉・座右の銘などありますか?
石坂社長:「物来順応(ぶつらいじゅんのう)」来るものを拒まず受け入れるという言葉です。

ここまで、簡単な質問に答えていただきました。私が最も気になったのは、好きな言葉・座右の銘として挙げられた「物来順応」でした。正直、知らなかった言葉ですが、「自分の思い通りになることは少ない、人生の流れの中で今自分ができるベストなことをし続ければ良い」ということだそうです。

ここから、さらに石坂社長の経歴や人柄を深掘りしながら、IBJを立ち上げて上場に至るまでに経緯、今後のビジョンについてお話を伺いました。

Next: なぜ婚活? 上場までの道のりは? 社長の経歴と想いに迫る



なぜ婚活ビジネスに活路を見出した? 社長の経歴に迫る

――なぜ、新卒で日本興業銀行に就職しようと思ったのですか?
石坂社長:会った人で決めました。業種っていうより、面接で会った人々の影響が大きかった。単なる銀行ではなく、興銀では天下国家に影響を及ぼすんだという気概があった。あの頃の興銀はそんな会社でした。

――また入社してどんな仕事をされたのですか?
石坂社長:仙台に配属されて、個人の営業からスタートして、法人営業金法営業、そして融資を担当しました。また、最後の1年間は船舶金融という本社で、船会社に対しての融資に携わりました。

――興銀を辞めから、なぜベンチャーキャピタルのある会社の社員となったのですか?
石坂社長:投資することを決めるのではなく、投資した会社の支援という形で参画しました。このことにより中小企業の経営のいろはを学ばせていただいた。

――その後、起業されたわけですが、なぜ婚活ビジネスを行おうと思ったのですか?
石坂社長:ご縁があった。何らかの形で起業しようと考えていました。情報課金できるのが魅力的に思えた。また、2000年くらいには日本の大問題として、既に「少子高齢化」があった。それを解決するのが「婚活」なので、相場や景気の波に左右されにくく、自分がきちんと努力すれば、伸びていくビジネスだと考えました。

――自分の会社をYahoo!に売却して、Yahoo!100%子会社の社長を3年務めたのはなぜ?
石坂社長:2000年に起業したのですが、2003年に一旦売却しています。そのまま、Yahoo!の子会社の社長として、同じ事業に携わりました。売却益を得たいということでなく、この時30歳ぐらいだったので、このまま中小企業の社長ではなく、もう1回大きな組織で学びたかった。また、日本最大のメディア媒体で自分のサービスが実現できる点も大きかったです。個人情報保護法への対策もあった。

――その後、一部事業をYahoo!から買い戻し、再度独立企業として再スタートした理由は?
石坂社長:Yahoo!からは、「Yahoo!の中で婚活サービスを自社サービスとして立ち上げて欲しい」との依頼で行ったが、3年でキチンと立ち上げができた達成感があった。

婚活サービスを行っていくうえで、ネットのみのサービスでの限界を感じていたが、Yahoo!はネット完結のビジネスにこだわっていた。ネットでは知り合うことは可能だが、その後に真剣な交際になり、結婚まで進むには、どうしても人が介在して後押しをすることが必要だと感じていました。しかし。リアルのサービスとの組み合わせで婚活ビジネスを行いたいということが、Yahoo!の中ではできなかったので、Yahoo!に認めていただいて、独立することになった。

順調に事業拡大! 上場への道のりは?

――その後、事業が順調に拡大していったのですが、その最大の理由は何だと思いますか?
石坂社長:日本には、過去から「仲人」や「結婚紹介」という形があって、キチンと成り立っていて、結婚に結びつかせていた。これを、当社がシステムなどを提供することによって生産性を向上させ、飛躍的に成婚数・成婚率を伸ばすことができた。単純に言えば、結果が出せたということです。この結果によって、事業が拡大していったのです。

――なぜ、上場を目指されたのですか?
石坂社長:婚活サービスがメジャーな産業ではなかった。業界全体の信頼度を上げたかった。そこで、まず当社が上場を行い、皆様から信頼される業界であることを認知させたかったからです。

――その後も成長して、東証1部に上場されていますね
石坂社長:やはり世の中の流れが後押しをしてくれた。日本の最大の問題である「少子高齢化」を解決するには、結婚カップルを増加させることが重要です。当社の事業は、この結婚カップル数を増加させることができるので、時代の流れに乗って、大きく成長することができたと思います。

出会いの後は、もう2度と会いたくない場合以外は、できるだけ早めに次に会うことをおすすめします。それで、定期的に会うことになった後、結婚後の生活がイメージできるかを確認します。イメ─ジできる場合は、結婚を前提として真剣な交際への移行を促し、プロポーズ・婚約までをサポートします。

この人手が必要で、手間暇のかかるプロセスを同業他社ではできていない会社がほとんどなのですが、当社ではキチンと対応できているので、他社と比較して成婚数が飛躍的に伸びたのです。

Next: 新婚カップル全体の1%が利用者。これからのIBJは買いなのか?



新婚カップル全体の1%が利用者

――御社では、結婚までの後押しを行う人材が大切だと思うのですが? どんな人材が望ましいのですか?
石坂社長:「人好き」があることが大前提。第三者のことが気になる、お世話をしたいと思える人です。

――その採用基準は?
石坂社長:第三者に愛情を注げる、お世話ができる方というのは、自分が過去に愛情を注いでもらった経験が数多くある方だと思います。だから、新卒採用の時などは、ご両親や祖父祖母など周りの方から、いかに愛情を注いでもらったかなどのエピソードを聴いたりしています。

――ご自身は、恋愛結婚ですか?
石坂社長:はい、恋愛結婚です。ただ、今の時代では、出会いが偶然で恋愛結婚だったのか、仲人の紹介でお見合い結婚だったのかということだけだと思います。昔なら「許嫁」ということで、親同士が決めたら、子供は逆らえないとことがありましたが、現在ではそんなことはないですからね。

――IBJを何か一言で表現するとどんな会社ですか?
石坂社長:ご縁を大切にする会社、ご縁のあった方を幸せにすることができる会社です。

――広辞苑の改定で今回「婚活」という言葉が入りましたが?
石坂社長:一過性のブームではなく、キチンと世の中に定着したということの表れだと思います。この「婚活」に当社のビジネスや存在が貢献できたことは喜ばしいです。

――今後、IBJをどんな会社にしていきたいですか?
石坂社長:「ライフデザイン」という言葉をキーワードに、結婚カップルに対して、結婚式場の紹介や、結婚旅行、保険なども提案していこうと考えています。しかし、大元は「結婚カップル数」を増加させることにこだわっていきたいです。

昨年は、実績と推定を含めて当社のサービスを利用された方が、約5千組1万名、今年は約6千組12,000名の結婚カップルがあったと思います。これは、日本全体の約1%です。これを、増加させることによって、当社の業績を上げることはもちろんのこと、「少子高齢化」という日本の最大の問題を解決することができるのです。

――10年後の石坂社長は何をされていますか?
石坂社長:10年後も規模、「結婚カップル数」を増加させ、新しいことにチャレンジしながら、このビジネスを継続させていきたいと思います。

対談を終えて

今回の対談を終えて、最も強く印象に残ったのは、石坂社長が「結婚カップル数」をすべての判断基準に据えていることです。この数こそがすべての源泉です。

IBJの利用者による「結婚カップル数」が日本全体の「1%」を超えたということは、非常に重要です。婚活サービスが一般的なことになり、爆発的に伸びる可能性があるからです。

IBJの今後に大きく期待したいです。

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(※筆者注:紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。)
(※筆者注:正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。)

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まいど、相場の福の神の上場企業経営者列伝 次世代成長企業はコレだ!』(2018年9月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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