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野球賭博で急展開。なんJ民が掘り起こす「危険すぎるタブー」の中身

巨人・福田聡志投手(32)に端を発するプロ野球賭博問題で、新たに巨人の松本竜也投手(22)と笠原将生投手(24)の関与が明らかになったのは21日のことだ。ネット上ではその直後から笠原選手の周辺情報を調べる動きが活発化。ついにはネット掲示板に球界を根底から揺るがしかねない新たなスキャンダルが投稿される事態となった。

プロ野球賭博はどこまで飛び火?きっかけはネット掲示板の投稿

巨人・笠原選手を調べるうち怪しいサイトを発見

10月22日の0時22分ごろ、2ちゃんねる掲示板群の板のひとつ「なんでも実況J」(通称:なんジェイ)に、野球賭博問題に関連する新たなタレコミが投稿された。要点は以下のとおり。

(1)
野球賭博に関与していたことが明らかになった巨人の笠原将生投手は、以前、自身のツイッターアカウント上で、都内の飲食店Uの宣伝をしていた。

(2)

飲食店Uの公式Facebookページには、店舗公式サイトと思われるURLが記載されていたがアクセスできない状態だった。そこで、そのドメインのWhois情報(ドメイン登録者が提供を義務付けられている情報)を確認したところ、登録者名として「株式会社S」、公開連絡窓口として「T.S」という人物が出てきた。

(3)

Whois上で、公開連絡窓口の問い合わせ先メールアドレスのドメインはidbaseball.jpであった。そこで、http://idbaseball.jp/ にアクセスしたところ、『プロ野球勝敗予想 ID BASEBALL』という“怪しいサイト”が公開されているのを発見した。違法賭博サイトに見えるので、日本野球機構(NPB)に知らせたほうがよいのではないか?タレコミの趣旨は以上である。

この書き込みが投稿された2ch「なんJ」板は、普段はプロ野球の実況や感想などで盛り上がる掲示板のひとつだ。だが、世間を騒がせる事件が発生した際の「祭り」では積極的に情報を取りに行き、一部ユーザーは「ターゲット」の自宅に突撃するなど過激な行動に出ることでも知られている。

「ターゲット」の情報収集では、あるサービスのアカウント名から他サービスのアカウント名を推測したり、当該サービス上で情報が削除される前にそのキャッシュをすべて保存し、あとから人海戦術でじっくり内容を選別するといった手法を用いるようだ。

今回のサイトも、一連の野球賭博問題に関連して、巨人・笠原選手の周辺情報を「掘り進める」うちに行き当たったと思われる。さて、これは単なる「なんJ民の勇み足」なのか、それとも本当に「クロ」なのか――?

Next: 予想サイトを隠れ蓑にした野球賭博サイトか?憶測飛び交う



予想サイトを隠れ蓑にした野球賭博サイトか?憶測飛び交う

さて、この『プロ野球勝敗予想 ID BASEBALL』というサイト、仮にその名のとおり、プロ野球の試合結果を「予想」するだけのサービスだとすれば合法である。たとえ巨人・笠原選手と繋がりがあったとしても偶然にすぎない。

にもかかわらず、ネットユーザーがざわついているのはなぜだろうか?よく見てみると、このサイトには不自然な点が多数存在しているようなのだ。

  1. 高額な利用料(登録料25,000円 / 1シーズンあたり予想提供料50,000円)
  2. 海外ブックメーカー等と同様にハンデキャッパーが存在する
  3. サイト内の掲示板に金銭のやりとりを示唆する書き込みがある

(1)の料金体系を見て、「賭博に興味のない純粋な野球ファンが、試合の勝敗予想をこれほど高額な料金を支払ってまで購入するだろうか?」と疑問に思うのは自然な流れだろう。

ただし、日本のプロ野球を対象としたギャンブルは、海外ブックメーカーサイトでも盛んに行われているのが実情であり、単に勝敗予想を高額で提供している事実だけでは何とも言えない面もある。

そこで(2)のハンデキャッパーの存在がクローズアップされている。この『プロ野球勝敗予想 ID BASEBALL』は、サイト内で「ハンデを考慮した予想情報の提供」を売りにしているのだ。これは何を意味するだろうか?

スポーツブック運営では、大きな実力差のあるチーム同士のゲームを「公平なギャンブル」として成立させるためのオッズ調整が欠かせない。そこで問われるのがハンデキャッパーの能力だ。

ハンデキャッパーはある競技に関して卓越した予想技術を持ち、ブックメーカーはそれを生かしギャンブラーの誰もが納得できる適正なオッズを提示することで収益を最大化する。スポーツブックの盛んな海外ではハンデ設定を専門に請け負う企業も存在するほどである。

逆に言えば、賭博が違法である日本国内において、通常、野球の試合予想でハンデを考慮する必要はまったくない。そのため、このサイトが何らかの形でギャンブルに絡んでいるのはほぼ間違いないと見られているようだ。

加えて(3)の掲示板の存在が大きい。過去ログには「20日精算ですか?それとも、12日で一旦精算ですか?」といった金銭のやりとりを匂わせる書き込みが残っており、多くのネットユーザーが限りなくクロに近い印象を持つに至った。

ネットユーザーらによれば、これらのログはすべて保存済みだという。

また、このサイトのトップページ末尾には、「当サイトはあくまでプロ野球を別の角度から楽しもうと予想をしております。野球賭博行為は違法となりますので各自ご注意下さい」という免責事項のような内容が記載されている。

しかしHTMLソース上では、検索エンジン向けのメタキーワードとして「プロ野球,勝敗,予想,データ,ブログ,解析,先発,id baseball,ギャンブル」が指定されており、その点からもちぐはぐな印象を受ける。

Next: ツイッターのフォロワー繋がりで、まもなく全貌が明らかに?



ツイッターのフォロワー繋がりで、まもなく全貌が明らかに?

プロ野球勝敗予想 ID BASEBALL』は、件のサイトとは別にツイッターアカウントを運用しており、現在ネット上では、そのフォロワーのプロフィールや過去の投稿内容をくまなくチェックしようとする動きがある。当然、これらのログもすでにローカルに保存済みのようだ。

それでも、問題のサイトやツイッターが修正・閉鎖される様子は今のところない。その理由を「やましいところがないから」と考えれば、大方の予想に反して合法サービスのみを提供している可能性や、騒動全体が「壮大な釣り」である可能性は捨てきれない。

とはいえ、万一、ツイッターのフォロワーから球界関係者や著名人が芋づる式に炙り出されるなどした場合、一連の野球賭博問題は当初誰もが予想しなかった方向に進む恐れも出てきた。

10月19日に配信された『アクセスジャーナル・メルマガ版』は、野球賭博問題について「関係者、事情通の間では巨人軍に限らず、複数のプロ野球選手の名前が出ている」としたうえで、誰もがその名を知る球界の大物にまで波及する可能性を指摘している。

文/さぶまりん山田

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